あらすじ
世の中は騒々しく、人々が浮き足立つ時代になってきた。そんなやかましい時代を、静かに生きるにはどうすればいいのか? 人生を幸せに生きるとはどういうことか?
作家森博嗣が自身の日常を観察し、思考した極上のエッセィ。「書くこと・作ること・生きること」の本質を綴り、不可解な時代を生き抜くための智恵を指南する。
〈無駄だ、贅沢だ、というのなら、生きていること自体が無駄で贅沢な状況といえるだろう。人間は何故生きているのか、と問われれば、僕は「生きるのが趣味です」と答えるのが適切だと考えている。趣味は無駄で贅沢なものなのだから、辻褄が合っている。〉(第5回「五月が一番夏らしい季節」より)。
他者と競わず戦わず、孤独と自由を楽しむ生き方のヒントに満ちた書です。
感情タグBEST3
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私の中で森博嗣先生は突出した存在です。
多くの人が友達の存在に癒され、人に救われているのですが、それを選択しない事もまた選択肢なのです。
確かに、思ったようにならない事ってたーーーくさんあって、仕事のストレスはほとんどがそれです。
私も他人に期待しない事を選びたい傾向があります。
森先生の様にはなれませんが私のずーーーっと先で生きる事を1人心から楽しむ先生の背中が私の希望であり、光です。
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森博嗣は約20年ぶりに読んだけれど、相変わらずな感じで安心感があった。
昔、オフィシャルブログでモリログアカデミーをやっていた頃は日々チェックしていた。変わらず、電車をいじって、犬と遊んで、奥さんと仲良くしてるんだな、と。
理系の人らしい理路整然とした考え方で、文章にも押し付けなどがなく、スパッとした切り口で綺麗に話すなと思う。
結局、電車や工作いじって、犬と遊んで、平和にすぎる感じがとても素晴らしい。
ただ、モリログアカデミーの頃は、たしかまだ大学教授だった気がする。大学教授をやめて、小説家やって、今は森の奥で静かに生きて考えてるのか、と。
ただ書いていること、やっていることは変わらず、エッセイでだらだらと書きたいことを書いてくれて、電車をいじって、犬と遊んでいる。なんとも癒やされた。
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稚拙であれ、未熟であれ、幼稚であれ。
本タイトルとは別にサブタイトルが帯に記載されて、手に取った。2025年のエッセイ日常のフローチャートを読んで森博嗣さんの考えが好きになりこの本も読んでみた。森博嗣節が踏んだんに使われていて一般大衆から外れた物の捉え方が好きで堪らない。
一般大衆からみたら森さんが楽しんでいることなども稚拙や未熟さや幼稚な考えなんだろうなぁなんてことも自身でもわかりながらも敢えてやっている事自身が羨ましさや憧れでもあった。
自分もマイノリティの部類に入るから余計に今回も斜め目線から見た森さんの感性が好き。面白く読ませていただきました。
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「考えすぎだよwwww」
「なんでそんな事考えるのwwww」と
数多言われながら生きてきて、
わたしは凡人で半端な人間だから苦しいのだ、でも天才にはなれない、と悩んだ時に出会えてよかった本です。
切り口の鋭い視点に、本質を問う内容にぐっと引き込まれていきます。
そして、なぜか生きることに安心を覚えるのでした。
Posted by ブクログ
最近の著書、日常のフローチャートに共感したので、シリーズを遡ってみた。日常のフローチャートより年齢が若いからか、少し意見が尖っている。でも、本来はこういう人だったんだろうな、とあるから別に驚きはしない。著書の考えに触れると、「では、私はどう思うか」となるので、それが楽しい。意外と、大衆的な考えが私を支配しているとわかる(笑)もうひとつ前のシリーズも読むのが楽しみ。
Posted by ブクログ
◎要約
森博嗣さんの日常を記したエッセイ
◎感想
森さんみたいに常に常識というものの前提や根本を疑い、色んな角度から思考を深めていくことはとても大事と感じた。
考えることを辞めるのは楽だけど、考えるといったある一定の負荷がないことには、自分の人生の幸せに近づかないし、日々の生きる面白さもなくなる。
誰か有名な人が言ってるからとかでなく、なんでそうなるのか?と色んな角度から考えて続けたいと思うエッセイでした。
◎メモ
▼16
都会は匂い、音、人、広告、光などとにかく情報がうるさい。
これはめちゃくちゃ共感できるし、だからこそ都会から地方移住した。
たまに人と会うためにいくことはあるけど、基本的に静かな環境で生活したいと改めて思った。
▼49
誰かと何かをするのであれば、上手くいかないことの方が多い。
相手に期待するとできなかった時に絶望するから、良い意味で期待しないほうがメンタル的に確かに楽。
自分1人で読書のように自分しかいない場合だったら、ある程度コントロールできるけど。
▼88
何かを成し遂げようと力みすぎると、できなかった時にすごいストレスがある。
これは何度も自分はやっているし、理想主義者や完璧主義者に多い。
良い意味で諦めた方が可能性も広がるし、気持ち的にも楽。
▼114
本当に楽しいことは、1人でいいし、誰かに共有する必要はない。
誰かに見せないと気が済まないのは、別の目的のためであり、自分の幸せのためではない。
▼144
安易に他人の成功体験を鵜呑みにしない。
前提条件やどんな人生を歩んできて何が得意かなど、違うことが多いから。
結局自分だったらどうしたら?と言った視点で何事も取り入れることが大事。
▼186
生きる喜びは自己満足。
他人に評価されたり競争することが生きる楽しさや幸せでない。
▼194
確かに今の日本は厳しく無くなっており支配されない環境で育ってきたので、出世して上に立って支配したい欲は消えている。
コスパが悪いと捉えるのは時代の流れ的に自然だ。
▼215
確かに今の日本は子供が昔と比べて必要のない社会になっている。
昔は子供を作って田んぼや農業の手伝いをする必要があったが、そのような目的で産む人は減っている。
個人で楽しめる娯楽やライフスタイルの多様性も産まれているから、政府の少子化対策は確かにずれている。
自分も子供は欲しいけど、1人か多くても2人で十分だな。
▼233
仕事もプライベートも何事も余裕を持って取り組む。
全てを全力で取り組むと、全力でないとできないような設計になってしまうし、視野が狭くなる。
余裕を持つことで対応できることもある。
◎参考になるページ
16.49.88.114.144.186.194.215.233
Posted by ブクログ
森氏の考え方や生き方に昔すごく憧れていた。今もいいなと思う部分が多い(若い頃とは違い全部ではない)。わたしもひとりで静かにしているときがいちばん好きだし、寂しくもない。森氏の文章は読んでいてなぜか落ち着く。森ミステリ読み返したくなってきた。
“気合を入れず、意気込みを持たず、信念や期待を手放し、素直に静かに生きていれば、そこそこは楽しい日々になる。”(p.88)
“同じことをしていても、毎日違うことを考えられる頭を持っていたい。非日常の行動はさほど必要ではない。思考はいつでも自由に非日常に飛び込める。”(p.130)
“本来、意見には正しいも間違いもない。意見は個人のものであり、その人にとっては正しいけれど、誰にとっても正しいわけではない。正しさなんてものは、所詮その程度のものである。”(p.274)
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論理的に物事を分解、思考していく文章が心地良かった。
著者のそれらの思考や捉え方は自分と近い部分が多いと感じた。
一方で、著者の感情については自分とは違うなと思うところもあった。(主に「孤独が幸せ」のところ。一人の時間は好きだが孤独が幸せとは今は思わない。)
自分自身の気持ちへの理解が浅いということなのだろうか。
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幸せとは。自由とは。孤独とは。著者と一緒に静かな環境に身を置き、生きることを考えた。納得できない部分もあるけど、あぁなるほどなと思うフレーズが沢山あり、メモした。
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本の題名通り、静かに生きて考えている筆者は潔いほど自分の考えを書いている。他の人がどう思うかは知らないけれど私はこう思うと。
春夏は自作の電車を走らせ整備し、夏が終われば落ち葉を集め冬は雪かきをする。2匹のシェルティの写真がとても可愛い。
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自分の満足のために生きてると認めると、色々楽になるのかな。
なんだか楽しそうな日常を送るおじさんの思考が、言語化されていて、ふふふ、となった。
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子供(小5)の国語のテストに、思い出作りの件が出てきたのをきっかけに読んだ。
普段ミステリーを読まないので、恥ずかしながら私にとって初の森博嗣作品。
少し引いたところから世の中を見ている著者ならではの感覚もありつつ、意外と納得したり笑える部分も多くあって、すぐに読み切ってしまった。
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日常の中で当たり前と感じている事が森さんには当たり前で無くて、切り捨てても問題ないと感じる事が多いように感じれた。このような意味で当たり前を疑える作品だと感じたし、当たり前と思いがちな事ほど疑う事で有り難さや、切り捨てれるものを見つける事が出来て、生きやすい生活に変えていけるのだなと感じた。これから長い人生があると思うが、大切にしていきたいと思う。
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Audible。こういうエッセイもAudibleによく合っていると思う。静かに安心して生きられたらどんなに素晴らしいだろう。でも,やっぱり若い時には死ぬほど頑張ったんだろうなぁとも思った。自分自身に核というか揺るぎないものをもっている人はやっぱり強い
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森博嗣氏の考え方はすっと心に入ってきて、素直に同意できるものが多い。ただ、私は俗物であり、他者とのキズナを断ち切ることはできない。人と人との繋がりの中で生きていきたい。
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日本のどこかにこんな場所がありこんな生き方をする人がいるのか……。
職業柄高齢2人世帯が社会とのつながりが乏しい(ハードもソフトも)中で生きていくのは厳しいかな?とかリスクが高いかと思ったりするけれど、完全に余計なお世話なのだろうな笑
Posted by ブクログ
面白かったです。この本を読んだのが真夏で暑かったというのもあるのでしょうか?とにかく、森さんが住んでいる場所が羨ましかったです。樹高30mの木々に囲まれた環境。夏でも、最高気温25度。とにかく羨ましいという想いで読み進めました。
本作を読んだ理由は、以前に「未知なる道」というエッセイを読んで面白かったからです。森さんの小説は読んだことはありませんがエッセイは大好きです。潔いというかクールというか、ご自身の考えをしっかりもっているところや、話の色んな断片から物事を考えるきっかけをくれるところがとても好きです。
ハッとさせられるところがいくつもありました。特に印象に残っている文章があります。
若い頃に戻りたいことがあるかどうかについて。『今が一番楽しいし、子供の時代に戻りたいなんて思わない。せっかくここまで頑張ってきたのに、どうして過去に戻りたいのだろう。それはつまり、ここまで頑張ってこなかったからだ』
この文章を読んだとき、自分が過去に戻りたくない!と思うのは、今まで頑張ってきたからだ!と初めて自分の思っていることが言語化されたという、安堵感でいっぱいになりました。
森さんの生活にとても憧れます。
とても面白いエッセイで、今回も読んで良かったです。
Posted by ブクログ
失礼ながらこの方の作品やご本人について何も知らず、検索中に出会いました。うんうんそうそうとうなづき同意する点の多さに、久々に良いエッセイに出会えて本当に嬉しくなりました。世代が近いからか考え方が似ているのかこの一冊では分かりませんが、心の話し相手が欲しくなったらまた読みます。
Posted by ブクログ
世の中は騒々しく、人々が浮き足立つ時代になってきた。そんなやかましい時代を、静かに生きるにはどうすればいいのか?人生を幸せに生きるとはどういうことか?自身の日常を観察し思考した極上のエッセィ
「書くこと・作ること・生きること」の本質を綴り、不可解な時代を生き抜くための智恵を指南する。
〈無駄だ、贅沢だ、というのなら、生きていること自体が無駄で贅沢な状況といえるだろう。人間は何故生きているのか、と問われれば、僕は「生きるのが趣味です」と答えるのが適切だと考えている。趣味は無駄で贅沢なものなのだから、辻褄が合っている。〉(第5回「五月が一番夏らしい季節」より)。
他者と競わず戦わず、孤独と自由を楽しむ生き方のヒントに満ちた書です。(内容説明)
稚拙であれ、未熟であれ、幼稚であれ。知らないことが馬鹿なのではない。知ろうとしないことが本当の馬鹿である。本質を射抜く思考のメソッド。【目次】
やかましい世の中でも静かに生きたい
一人で楽しんでいることいろいろ
もう充分に生きただろう
のどかさにかまけて
五月が一番夏らしい季節
思いどおりになる楽しさ
単なる移動による幻想
インプット過多の社会
こんなふうに生きようと考えたことはない
ジェネラルからスペシャルへのシフト
どうでも良い話をしなくては
とにかく頭を下げる文化について
マスクとワクチンはどちらでも良い
中古品と仕掛け品の人生
完成したとき味わえるものとは
思い出って、作るものなの?
言葉を覚えて知ったつもりになる
「人間が描けている」という幻想
「科学的に確かめられた」とは?
褒めるか、叱るか、それが問題なの?〔ほか〕
Posted by ブクログ
エッセイを読んだのは初めてでなんとなく表紙に惹かれて読みました。
読み終えて自分は自分の考えを全然持っていないという事を改めて感じた。
森さん程地に根をはる生き方は今はまだできていないけど、そういう生き方を自身の方法でこれから変えていきたいそう思わせる本でした。
Posted by ブクログ
『木嶋先生の静かな世界』を読んで以来気になっている作家さん。でも、他の作品はまだ読んでいない。なぜか手が伸びない。今回はエッセーということで、気軽に読んでみた。
40回に分けて書かれている。内容は、大体、作者の趣味の話か、日頃思っていること、周りに人がいない森の中での暮らしについてだ。
何となく、研究体質で人の目を気にしない方なのだろうなと想像はしていたけれど、想像の斜め上を行っていた。かなり論理的で、考えが固まっており、人によっては手厳しいと感じることもあるだろう。でも、その考えの殆どが私には納得できたり、共感するものだった。
誰しもが作者のように、真に贅沢な生活はできない。財産や能力が違いすぎる。でも、考え方や社会の捉え方は参考になる。ただ、周りを冷めた目で見ているのではない。そこには筋が通った生きていく上での賢い考え方がしっかり組み込まれていた。
………………(以下 抜粋多)
✳︎無駄だ、贅沢だ、というのなら、生きていること自体が無駄で贅沢な状態といえるだろう。人間はなぜ生きているのか、と問われれば、僕は「生きるのが趣味です」と答えるのが適切だと考えている。趣味は無駄で贅沢なものだから、辻褄が合っている。
第29回:暇だから「観察日記」みたいに書こう
・どうして選挙に行かない人が多いのか?
・どうして子供が減ってしまったのか?
・この際だから、やめた方が良いものを書いて おこう
は共感の嵐でした。政治家でもない人がこれだけわかるのに、どうして政治家はわからないのだろう?と謎です。
✳︎インターネットが普及し始めた頃、そこには本当に貴重な情報が集まった。人間の知性に接することができる。静かな場所だった。30年位前のことだ。
✳︎人の意見、人の経験は自分に当てはまるか?
判断や方法等について、他者の意見や経験などを参考にすることが多い。だが、ちょっと考えればわかることだが、条件が違いすぎる。なんとなく、成功した人の方法を採用すれば、自分も成功できるような気になるけれど、自分はそもそも成功する人かどうか、という点で疑問を持ったほうが良いだろう。
要は、安易に人の意見やデータに飛びつくなということ。逆に失敗した人の経験を聞いて、同じ失敗をしないように注意をすることは有益だ。
(教育について)
✳︎褒めても叱っても、人は育つ。
叱ると、真面目な人と隠れる人になり、褒めると、自己アピールする人とふてくされる人になる。さて、どちらが良いだろうか?褒める時と叱る時が当然あるだろうから、その時々で、褒めて、そして叱れば良い。それが自然だと思う。最初から「褒めて育てよう」なんて方針を決めるのは不自然だ。ただ、叱る事は、難しい。怒らずに叱る事は非常に難しい。
✳︎知らないことが馬鹿なのではない。知ろうとしないことが本当の馬鹿である。
✳︎日本人の特有の2つの価値観。若い事は良いことだ。働く事は良いことだ。
✳︎大人しいことや怒らないこと、ルールを守ること、つまり協調性が、社会人には求められる。感情的なものも、周囲と合わせる必要がある。不満や不審を抱いてもすぐに表には出さない、笑顔で応えて逆らわない、という従順さも「性格が良い」などと表現される。要するに、「いちいち考えない」ことが、社会では必要みたいだ。
✳︎今年も新しいエンジンを中古で手に入れ、それを分解し、オイルで手を真っ黒にして作業に没頭した。これは何のためだろう?
もちろん、自分の気持ちをわかりたいからだ。自分の気持ちを知る事は、自分との対話であり、また孤独を感じることでもある。これがとても面白くて楽しい。生きている喜びの大半がこのような時間にあると感じている。
第38回簡単な方法に縋って失敗する
は特に、参考になった。
✳︎どうすれば良いでしょうかと問い続ける人たちは、方法を探しているし、解決する方法があると信じているのだが、残念ながら、方法は存在しない。まず、それを認識することが問題解決の第一歩である。
その問題に至った履歴を丁寧にたどり、自分で考え、自分を修正し、自分の時間と力を費やして、何とか自分の未来を築き直すしかない。それは簡単ではないし、誰も知らない方法によって実現するだろう。問題が解決したら、そこで初めて、その人の方法が生まれるのである。
(略)したがって、既存の方法に安易に飛びつかないこと。ある人物1人の指摘を鵜呑みにしないこと。できるだけ多くの意見を受け入れよく考えること。悩む時間を惜しまないこと。回り道を少しずつ進むこと。1つの方法にこだわらず、その時々で最適なものを考えること。そうすることで自然に問題は薄れていく。ゆっくりと、自由や幸せに近づくことができるだろう。
頑固である事は、精神的に弱いと言える。若い頃から、このような頑なさが育ち始めている。だから、若いうちに、自分が頑固にならないように気をつけておこう。自分はこんな人間だ、と思い込まない。今の状況に満足して落ち着きたい気持ちはわかるけれど、いつも新しいものに目を向け、自分の考えを疑い、疑問点を探そう。だし、周囲に反発しなければならない、と焦らないこと。自分は、まだまだこれからだ、将来を見据えて、じっくりと考えていこう、と大きく構えていればよろしい。誰かに理解してもらう必要は無い。常に、自分を理解し、自分を認めることが1番大事だと思う。 大事な事は、自分が望むシチュエーションをいつもイメージすることだろう。
✳︎自分が好きなようにできない、と感じている人たちは、まるで自分の人生をコンテストに出品して、周囲から審査を受けるような具合に、日々を捉えているみたいだ。確かに勉強や仕事の1部には、そんな競う面がある。けれど、人生の大部分がそうではない。全部が競争だという錯覚を早く正したほうが良い。人生は戦いでも競争でもない、と思うだけで、生きやすくなるだろう。
Posted by ブクログ
もう安定の森博嗣としか言いようがない。随筆は何冊も読んでいたので、既視感も数多かったが、いくつか新たな発見もあった。
何より端正で無駄のない文体に惹かれて、手に取ってしまうのかも知れない。
Posted by ブクログ
森さんのエッセイ。近所の勉強できるお兄ちゃんは達観した隠居じいさんになっていました。エッセイ中の森さんの考え方にはとても惹かれる。でも森の中で自前の人が乗れるくらい大きな模型鉄道いじって暮らすことはできないな。人に干渉されるのは嫌だけど、都会暮らしがいい。
賛同するフレーズ
・仕事をすることが偉いという感覚には、仕事で出世することで、人を支配できる立場になれる、という羨望の期待が潜んでいる。(パワハラで糾弾される可能性を考えると、偉くなるのはリスクがメリットより大きいのが昨今)
・自分以外の人たちに、自分の感情を受け止めてもらおうとする欲求が強くなりすぎ、自分一人では楽しめない、怒れない、笑えない、というような症状を呈する
(他社依存の人がネットにはびこっている。うざい)
・大勢に合わせようという気がないだけ。みんなに合わせても、特に面白くない。それより自分がやりたいことをしたい。
・人の生き方に感化された、といった体験はない。立派だなとか、この人には敵わないと感じることは多々あるし、その場合は尊敬に値する人物と位置付ける。でも、だからといって、その人のライフスタイルは、まったく別の問題であって。僕には関係ない。
・他者に関わるなら、本を読めば良い。それが最も効率が高いし、優れた才能を理解する機会に巡り合える。
Posted by ブクログ
憧れはあるけど、年代のギャップが凄くて20代で理解できる価値観は多くなかった。
価値観を押し付けられている感じは無かったけど少なくとも俗世への偏見ありまくりだろという感じは滲み出ていた。
Posted by ブクログ
頷けるところは多かったけど極端過ぎるだろうと思う部分もあった(色意味ないよとか気の合う隣人と会うより本読む方が良いとか)
個人が良いならそれで良いってスタンスだったので嫌な感じはしなかった
日々の生活描写をちょくちょく挟んでいたが羨ましい限り
理想的な老後
車の趣味はめっちゃ合う
ビート欲しい
Posted by ブクログ
特に好きではないのだけれど、タイトルに惹かれ手に取るとあらまた森博嗣氏か。
いや、この落ち着いた文章も今の私に合うのだろうね。また同じ様な事をこの本でも言っているよと思うが、生き方に共感したり、ふと力が抜けたりすることができる。
何色が好きか問題
完成とは幻滅を伴うもの
「死に方」
の項は特に良かった。
Posted by ブクログ
ずっと以前「すべてがfになる」のシリーズを読んでおもしろかったという記憶が……
その時に森さんの経歴を知って
なるほどこういう小説が書ける人なのだと納得した。
それ以後、久しぶりのエッセイ。
森さんファンには驚きはないのかもしれない。
言っていることはよく理解出来るし
なるほどと思うことも多々あるけれど
森さんエリアがしっかり壁に囲まれていて
入ってみたいけれど跳ね返される感じ。
「はい、そうてすね、私の道を行きます」とすごすご戻ってきました。
Posted by ブクログ
気づきの多い一冊だった。
自分を楽にしてくれたのは、
生き甲斐追求に拘らず、まずは自分自身を諦めることからスタートすると気持ちが楽になる。
物事は複雑に考えず、シンプルに素直に思った通りにやっていこうと思えた。
そして自分の頭で考える事の大事さ。
頑固にならないよう、変化を恐れず楽しみたい。
過去よりも今が1番楽しいと言えるように、生きていけたら幸せ。