【感想・ネタバレ】女王の百年密室 GOD SAVE THE QUEENのレビュー

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年06月02日

wシリーズを読んでいても思うことだけれど、正しいと考える思考回路、復讐したいと思う精神反応など、人にしか感じることがない、人以外、自然界には存在しない感情から人間の弱さ、脆さ、億劫さをすごく感じる。そして、それが人間の証明、定義だという皮肉と美しさ。

主人公はある一点で、動物から人間への進化の分岐...続きを読む点で生まれたであろう復讐という精神反応について、なぜ植え付けられて育てられたかのか、正しい、間違い、正しい、間違い、をひたすら行ったり来たりしている。

「一度人を殺した人間はまた人を殺すかもしれない。その前に罰しなければ。」その考え自体が病んでいる、と話すスホ。スホの話す言葉を聞き、ルナティックシティを見ると「病んでるのは私かもしれない」とだんだん説得されてくる。

現在の脳科学では実際に脳の活動を計測すると、意志が出現する前に神経回路網の活動が始まっていることが明らかになっているとのこと。私たち人間が「考える」ことを始める前に脳の神経回路は立ち上がっている。では、私たちが信じている自由意志とはなんなのか。

ルナティックシティが、人間を攪拌して分離した善だけを掬って創った街ならば。
ここの人たちが、人間が間違った道を進む前の分岐路に立つ存在だとしたら。wシリーズのナクチュの人々に繋がるのならば。彼らだけが遺伝子が残せるのもある意味頷けるわけで。
百年シリーズではルナティックシティについて主人公が「この街に未来なんかない方がいいと思うな。」と話すけれど、100年後のwシリーズを読むとうーん、あながち…。クライオニシストは悲しい結末に、なりそうだけど…(wシリーズを完読してないので分からない…)

お互いの住んでいた世界では決して相容れない存在が、ルナティックシティで自分たちの価値観の根幹を揺るがす謎に直面した時に「唯一価値観を共有できる存在だろう」と一瞬でも考える選択肢にあがるの、興味深かったな。

人間、人工知能、機械、生と死、性別の価値、相変わらず私の大好物だったので楽しく読めました。このまま百年シリーズの2冊目読みます。

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Posted by ブクログ 2019年11月27日

登場人物の描写が細かくて、イメージしやすく夢中で読めました。この街のシステムは誰が何のために作ったのか、住人が信じる宗教的な思想、女王の異様な若さ、全てが不可解で不気味でした。
人を殺すことが許されている世界。
殺された人間は神の手によって永い眠についたとされる。

サエバ・ミチルとともに行くロイデ...続きを読むィはウォーカロン。二人の住んでいた日本はシステムが発達していて、怪我や病気がすぐに治せる世の中。
それとは対象に女王の街は医者らしい医者はおらず、治療しないまま亡くなる。
価値観や思想の違いがあり、どちらが本当に幸せなのか考えさせられました。


ウォーカロンってなんなの!?
って思ってたらロボットのことなのかな?
他の作品にも出てくるみたいなので、また読んでみようと思います✨

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2017年08月15日

【あらすじ】
2113年の世界。小型飛行機で見知らぬ土地に不時着したミチルと、同行していたロイディは、森の中で孤絶した城砦都市に辿り着く。それは女王デボウ・スホに統治された、楽園のような小世界だった。しかし、祝祭の夜に起きた殺人事件をきっかけに、完璧なはずの都市に隠された秘密とミチルの過去は呼応しあ...続きを読むい、やがて―。神の意志と人間の尊厳の相克を描く、森ミステリィの新境地。

【感想】

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Posted by ブクログ 2017年06月25日

森博嗣の世界、奥が深い…
ちゃんとしたシリーズものはWシリーズが初めてだったので、いまいちわかっていなかったのだけれど、もしかして、どのシリーズも、どこかでつながっていたり、するのか…?

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Posted by ブクログ 2017年01月15日

なんだこれすごい。ぜんっぜん先が読めなかった。というか思考が追いつかなかった。森さんはほんとにすごい人だな。この一枚の写真からこのストーリーを生み出したのだろうか。。。。ラストがまた良い。

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Posted by ブクログ 2023年11月07日

「脳が浸る」という言葉が相応しいほどの森博嗣ワールド。ミチルの一人称視点で進む物語は未来のテクノロジイによってより可視範囲を広げている。
先進技術が存在する未来の文化人類史的舞台で起こる事件。未来から見たらおしゃれでイケてるゴミ箱すら貝塚扱いなんだろうなと思った。人間としての終わりは未来にあるのだろ...続きを読むうかと考えてしまった。

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Posted by ブクログ 2023年05月13日

森先生の本を久し振りに読んで、最初ちょっと、ん?って思ったけど最後はやっぱり森先生だなぁって思いました。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年01月30日

Wシリーズのために8年ぶりくらいに再読。
これ2000年に初版刊行って本当に????
なんかどんどん物語の世界に現実が近づいていないか??
森先生すごすぎないか???え???

全く内容を覚えていなかったけど、血か、死か、無かを読んだあとだったので、色々衝撃。
ロイディってウォーカロンだったの......続きを読む.
ウォーカロンてWで初見かと思ってたのに...
20年前の伏線をどんどん回収してくのさすがだし、物語が古臭くなく近代的な未来として想像できるのすごい...

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Posted by ブクログ 2021年10月16日

西暦2113年。旅の途中で道に迷ったサエバ・ミチルとウォーカロンのロイディがたどり着いた高い城壁に囲まれた街。女王デボウ・スホの統治の下、100年間完全に閉ざされた街で起きた殺人事件。閉ざされた街を舞台に、街の秘密、殺人事件の謎、生と死の本質が描かれます。

百年シリーズ第1作。

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Posted by ブクログ 2021年07月10日

近未来の文明や価値観の描き方が面白かった。
主人公の性別を敢えて伏せた描き方で、いろいろ予想しながら読めた。
死とは何なのか、個人とは何なのか考えさせられる。

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Posted by ブクログ 2021年04月24日

物語に入り込むのに時間がかかり、読み終えるのに時間がかかりました。
しかーし、終盤の街の秘密や神の正体、ロイディとミチルの関係と秘密などなど、次々と明かされる事実に最後は一気読み。
各キャラクターの名前が過去作に出てきたものが多く、勝手にどういう関係なのか想像してしまいます。

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Posted by ブクログ 2021年02月17日

wシリーズ後に読んだが、良いタイミングで読んだと思う。

森博嗣には珍しくドンデン返し的な展開があり、面白かった。クジアキラは一体誰なのだろう?

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Posted by ブクログ 2020年01月05日

殺人事件に関する謎解きよりも、この街がどのように成り立っているのかを解き明かしていくことがメインなのかな。ワクワクする話ではなく、じわじわと広がる不気味な空気を感じながら読むとより面白いと思う。
人物描写がとても細かいので、想像しながら読める。

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Posted by ブクログ 2018年01月04日

さすが!
中だるみも否めないけど
最後まで読んで、単文で改行されてるのにも納得。

頭と器と心の問題。
ただ不思議な街に辿り着いただけじゃなかった!

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Posted by ブクログ 2017年08月12日

百年シリーズは本作も「迷宮百年の睡魔」もコミックで読んで原作はまあそのうちにと、後回しにしていた。
「彼女は一人で歩くのか」から始まるWシリーズにデボラの名が出てきたり、殊に赤目が出てきたりと、これはちゃんと百年シリーズを読まなければと手に取る。

結構厚みがあり、読み応えがあったが、森先生の静謐な...続きを読む文章をじっくり味わった。
コミックの印象では現世と遠い世界でよっぽど未来のことだと思ってた。本作を読むと2113年とあるし、ウォーカロンは人工的に生まれた人間でなく、やや旧タイプのロボット。Wシリーズとの時間軸での関係はどうなんだろう。

本作もWシリーズも生きることがテーマになっているんじゃないかと思う。
「ものではない。集積したメモリと、そこに行き交う信号、その処理のシステムです。」
ならば、肉体は無くても、システムさえあれば生きられるのか。

さあ、「迷宮百年の睡魔」、「赤目姫の潮解」も読まなければね。

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Posted by ブクログ 2023年10月23日

インスタの小説紹介で気になり読んでみた。

カイバミチルとロイディの関係性が
「キノの旅」に出てくるよな関係性だなと思った。

時代は2100年くらいの設定で
この時代では知識のやりとりが全てデータで行われ、
紙や本などの媒体が非常に貴重となっている。
この設定も面白いと思った。

物の価値観(特に...続きを読む死に対する)が特殊で
価値観としての考え方が一通りしかない。
他の考え方はないという国にミチルたちは迷い込む。

そこで起こる殺人。
死んでる人は死んでる。ただそれだけ。
犯人なんて捜さない、死んでる、それで終わり。

自分の価値観と全く違う価値観の人といると
別世界にいる気がしてきてしまう。

ちょっと期待しすぎたのもあって
終わり方が個人的にはうーんと思ってしまった。

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Posted by ブクログ 2023年07月11日

ミステリーというより、命の価値観が異なるスコシフシギな世界に迷い込んで、生きること、復讐すること、罪などなど。改めて主人公と一緒に考えるような物語だった。

未来の技術に託してコールドスリープさせるので基本、「死」ではなく「眠りにつく」という捉え方の世界。だから近しい人が眠りについても淡々と受け入れ...続きを読むる人の描写がある。ミチル同様、異質に思えるけれど、例えば他の物語で登場人物たちが「来世でまたね」的なことを絶対絶命の場面で言ってたら、異質さではなく何やら泣けてくる……かも。来世も遙か未来の科学技術も不確かな約束事なのに。

来世は証明しようがなくて信じる信じないが個人の判断に委ねられる。有るんだかないんだか、て感じだ。科学技術よりも遥かに不確かで、口にする登場人物たちも心の底から来世を信じてるとも思い難かったりする。不確かさにすがるしか他に道がない儚さに胸が詰まる。何より「命が終わる」こと前提だ。
一方の、ルナティックシティは「眠らせといて未来で治そう」(かたく信じてる)。儚くない。事務処理感すらある。名残惜しさがない。命が終わらない。

でも、一緒に過ごせなくなるなら、寂しかったりつらかったりするもんじゃない?人間だもの。
あと、未来の技術に期待するあまり、みんな、だんだん大した怪我や病気じゃなくても、できるだけいい条件で眠りについて、未来で楽しく過ごそうってならないの?
などなど、読んでて思わず思考が良き道に行っちゃう話だった。

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Posted by ブクログ 2023年06月03日

森さんの本は、s&mシリーズしか読んだことがなかった。10年以上前だ。ふとしたきっかけでwシリーズを読み、このシリーズも手に取ることになった。

肉体が失われた絶え間ない独り言のような対話。
思考実験的な物語。
森さんの本を読んでいて、初めて村上春樹のことを思い出した。深く考え、確認はしなか...続きを読むったけど、何故か文体に類似性を感じた。

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Posted by ブクログ 2022年04月20日

どうして年齢が進まないのか、どうしてある人物を見てはいけないのか、というところが気になって読んでました。さすがは森博嗣で、理屈がありますね。このシリーズも楽しみです。

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Posted by ブクログ 2021年11月26日

2002/01/29

森氏の理系頭にはいっつも驚かされる。
「真実」と「罪」の定義はあやうい。またもや視界のないところにトラップ。

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Posted by ブクログ 2021年07月06日

あの分厚さの壮大なミステリーだと思ったから拍子抜けだったので、独特な近未来のファンタジーだと思ったら楽しめたのかもしれない。トリックは釈然としない。最後の方は、つっかかり、もう一度冒頭を読み直した。神とか女王とか閉じられた楽園とか、人と都市のイメージが曖昧で入り込むのに時間がかかった。

なんという...続きを読むのか、
大事なところは改行の多い、
空虚な感じの、
空気感。


p122
堅苦しいパーティなど誰も計画しないのに、堅苦しくないパーティの実施は事実上不可能なのだ。

p416
関係ないと思えば、すべてが関係ない。
関係があると思えば、世界中のことが僕と結びつく。
結局のところ、自分で線を引く以外にない。

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Posted by ブクログ 2020年08月06日

★★★☆☆ 3.0
主人公が嫌いでした。あと森さんのカタカナの多用も腹が立ちました。近未来の世界観なので仕方がないことではあるけれども、わざとやってるのかと思うくらいには際立っていました。確かに世界観と設定は面白いし、命という概念が相対化されます。しかし、結末も驚きはないし予想以上でも以下でもない。

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Posted by ブクログ 2019年06月12日

設定が特殊過ぎて全くミステリーではないのだけど、面白かった。サエバ・ミチルとクジ・アキラの物語。Wシリーズを読み終えたので、ウォーカロン初登場のこちらを読み始める。2人の結末を何となく覚えてるので、そこにどうやって辿り着くかが切なくも楽しみ。

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Posted by ブクログ 2018年11月14日

神の正体は予想通りではあったが、ミチルについては予想外だった。考え方次第で死のとらえ方が変わり、平穏に暮らせる、という街の姿は、SFの衣を被っていたけどまさに宗教だったな…。

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Posted by ブクログ 2018年11月08日

ややこしいけど、面白かった

どうやらシリーズ物らしく、果たしてこの話から読んでよかったものか…
森博嗣さんの本を読むのは初めてで、面白かったので
他のも読んでみようかな。

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Posted by ブクログ 2017年04月14日

小説を衝動買いするという経験が今まであまりなかったと思うが、この作品はこの装丁に強く惹かれて手に取った。
終始靄がかかったような感覚だった。価値観というか、社会通念が違いすぎる社会に迷い込んだ気分てこんな感じか。
シリーズモノのようなので、続編も読んで…みるかどうかはなんともいえないかなぁ。

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