森博嗣のレビュー一覧
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著者は気鋭のミステリー作家、建築工学専攻の元某国立N大助教授。
本書は工作が大好き過ぎて家の庭に鉄道や自動車、ラジコン飛行機を作ってしまう森氏が、「もの作り」の精神について説いたもの。著者の本はこれが初めてでした。端的で明瞭な文章によって、今まで眠っていた好奇心が目覚めた気がしました。
過去、現在、未来において「もの作り」に関心がある人間が読むとそのセンスや考え方に共感すること請け合いです。しかし本書は工作好きの人間だけが読むに値する本ではありません。何故なら多くの場合、読者各々が興味のある分野は「もの作り」と共通のセンスが存在するからです。例えば、「執筆」と「工作」です。 -
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Zシリーズの第二弾。
ロボット対戦ものを、ある意味リアルに描いた物語。
このシリーズは一貫して、意味/無意味を考えさせられる。
あり得ない世界を現実に持ち込んだあり得ない世界。
非常にクダラナイ物語の中に、妙にシリアスなメッセージが込められていたり、滑稽であったり、皮肉であったりするところが魅力。
「世の中に存在するどんなものでも、明日で終わりなんてものはないよ。」
「目的が個人的なものから社会的なものに近づくほど、最適の道筋へ自動的に導かれるように設定される。それがテクノロジィというものだ。」
「人間(の形)は戦いに向かないってことですよ」
こういう言葉が、クダラナイ文脈の中でサ -
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森 博嗣(もりひろし)の「ZOKU」シリーズの第1作。
「ZOKU」シリーズはいまのところ、
■ZOKU(ゾク)
■ZOKUDAM(ゾクダム)
■ZOKURANGER(ゾクレンジャ)
の3作となっている。
僕は、現在のところ最終作となっている「ZOKURANGER」を先に読んでいて、非常に深い感銘を受けた。
そして、この度シリーズ第1作目の「ZOKU」を読んで、やはり共通して感じたことは・・・
くだらなぃ〜!!!
非常〜に、くだらない!!
とるにたるかたらないかのギリギリのラインでの物語だ。
ミステリー作家と言う肩書きを持ち、「スカイ・クロラ」の森博嗣だからこそ、こんな真逆のことを書 -
購入済み
おもしろい!
初めてアプリで小説を購入!題名に惹かれて買いました。
パソコンで管理された孤島の研究所でおきる不可解な事件。
トリックや研究所のを理解するのに必要な、パソコンやネットワークの話も(少し前の作品だからか)細かく説明がされていて、分かりやすいと思います。
また今の感覚だと、小説に出てくるようなシステムの会社は実存するあたりも、
時を経て、この作品がより面白く感じる気がします。
キャラクターも魅力的だし、奇妙な事件を通して個々のキャラクターの内面、変化が感じられるのもとても良かったです。
とにかく、気づいたら読み終わってました。
アプリ初の小説がこの作品で良かったです。 -
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「工学部・水柿助教授の解脱」森博嗣
エッセイ風私小説。藁半紙色。
他のレビューで書いたかもしれませんが、自分、森博嗣の小説が体質的にあわないようで…
これだけ売れてる作家さんの作品で、「あ、無理」ってくらい読めないのは珍しい。
一応10年間のうちくらいで、「すべてがFになる」「四季 春」「スカイ・クロラ」を読んだんですが、全部苦手でした。。
そんな自分が唯一、そして他と対照的に大ファンな森博嗣作品が「水柿助教授」のシリーズで。
とうとう終わってしまいました。
この理系風味というか、論理的雑談というか、大好き、はぁと。(作中表現より)
他作品でこれと似たような雰囲気のものがあれば是非、読ん -
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久しぶりに森博嗣を読むと、頭の中にミントの葉っぱを散らしたような気分になる。
そうそう、こういう気分が味わいたかったんだ。新鮮なんだけど、どこか懐かしい。
そういうわけで、定期的に森博嗣を読まないと、私が私じゃないような。
きっと、すべて、幻想だろうけれど。
森博嗣という人に興味のないひとには、何の意味もないであろう本著。歴代の小説の中から、格言のようにして一節が抜き出される。そこに付随する、彼自身が撮った写真。つけられるタイトル。短く付け加えられたコメント。それに価値を見いだせないのであれば、この本の意味はなくなってしまうと思う。それでも、いい。
不思議な立ち位置にある本だと思う。 -
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ネタバレ再読です。
これは、偶数章しかない物語。
前作の「幻惑の死と使途」と同系列に起こっている事件。
萌絵の高校からの同級生、簑沢杜萌の話である。
彼女の家族、そして彼女が誘拐され、500万円というはした金が盗まれる。
はした金、と表現したのは、彼女の父親が政治家であるためだ。
しかも、3人いた犯人のうち2人が何者かによって射殺されてしまうという謎の事件。
そして、事件に関係あるのかないのか、目の見えない兄の素生がその事件の直後に姿を消していることに気がつく杜萌。
兄のことが大好きだった杜萌は、自身に降りかかった誘拐事件のことよりも、兄の行方が気になって仕方ない。
そして、今回も萌絵はこの事件に関 -
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全ページカラーの贅沢な文庫。
森博嗣の奥様のささきすばる氏がイラストを担当。もう、それだけでひとつの世界が創りあげられていて、涙が出そうです。
一度読んだら消えてしまうお話、というのが、とてもロマンチック。でも、ただ甘いだけじゃない、ただロマンチックなだけじゃない。
非現実的でいてとても自分に近いような、自分の側にいるひとが一番遠く感じるような。相対するはずのものを含有した世界観は、森博嗣独特のものなのかなと思う。
ひとつのレーベルに甘んじることのない、複雑そうにみえて、「ただそのままで在る」というとてもシンプルな佇まいは、文章から香ってきそう。
楽しい時間を過ごせます。 -
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ネタバレ再読です
珍しく登場人物が書かれておらず、この物語は全て奇数章しか存在していない。
なぜなら、同時に別の事件も起きており、それは次の「夏のレプリカ」で明かされるため。
そちらでは、全てが偶数章となっている。
この物語は、長い間マジシャンとして生きてきた人物たち(あえて"たち"とする)の世紀のイリュージョンのお話。
マジシャンという職業の人物がたくさん出演していることによって、どこかにたくさんのトリックが隠されているだろう、という人間の心理を巧く利用している。
有里匠幻という昔は偉大であったマジシャンが、最期にかけたマジシャンとしての生き様を見せられる。
しかしそれは、と