森博嗣のレビュー一覧
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「人道的という言葉だけの価値観に束縛されている人たちには、きっと理解できない。何故、生きている牛や豚を殺してそれを食べるのか? それは人が生きていくため。では、自分が生きるためならば、何が許されるのか? 生命を奪う相手が人間ならば、それは罪なのか。たとえ、殺される本人が許しても、その行為は罪なのか。」
「その一方では、時が経ち、待っていれば、人は誰でも皆、死んでしまう。つまり、殺すことが可能なのは、生きている間だけです。生命体は、何故、死ぬのか。新しい生命は、古い生命の死の上に成り立っている。それが自然の摂理。花は枯れて、実をつける。実は落ちて種となる。多くの動物は、産卵のために死ぬのです。 -
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2011.03.10
『リプレイ』を読み終わって、あまりの壮大さになんとも言えない余韻が続き、次読む本は軽いものがいいと思った。何かないか何かないかと本棚を探しながら、こういうときは土屋先生の本がぴったりなのだけれど、既読のものばかりだった。
ふと手に取った『工作少年の日々』。数ページ読むと所々でくすっと笑える。これはなかなか・・・!と思い読み始めた。
しかし、軽い部分があるものの、途中で手を止めて考えることもしばしばだった。
- 僕から見ると、世間の多くの人たちは、とても複雑な生活をしているように観察される。いろいろな例外を作り、いろいろなしがらみに囚われる。そういった雑多なことに対し -
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小説家になる気などさらさら無かった私ですが、森氏の作品が好きなので、購入して読んでみることにしました。
森氏の「小説家という職業」の遍歴、森氏なりの「小説家という職業」に対する見方 (そういう意味では、タイトルに偽りはありませんね)
小説を書き、職業とするためのノウハウを記した本ではありませんが、そんなことよりもっと大事なことが書かれていると私は思います。
これから小説家を目指すべき人には必読でしょうし、小説家を目指さない人も、職業人であれば読んで損はないかもしれません。
最後に大変なめた話で申し訳ありませんが、小説を一度書いてみたいな、とこの本を読んで思いました。 -
Posted by ブクログ
うわあ・・・。短編集なめてました。
森博嗣さんはもう長編だけでなく短編集もすべて読みつくそうと思った瞬間です。
衝撃のラストという言葉がふさわしい。
そしてVシリーズ全部読んでない人はまだこの本読むべきじゃないです・・・泣
まあ嬉しいネタバレです。
最初と最後がこうつながるなんて!おどろかされっぱなしです。
毎回新鮮な気持ちで読める森ミステリ。リンクがわかったときの「ああ!」っていう感じがあるからやめられません
短編なだけあって、殺人事件はひとつもでてきません。
日常のなかの不思議な出来事を、ちょっとした話題にしてみんなで推理しあうはなしが大半なので、いつも推理小説を推理しないで読む私も、じ -
Posted by ブクログ
例によって森氏の「シリーズ外作品」。
もの凄く複雑な構成の「実験的小説」。
登場人物6人の、モノローグだったり
客観だったりの短い章が積み重なり、
一つの「本筋」ストーリーが進んでいく。
またコジマケン氏のイラストがふんだんに入り、
何というか絵本のようなマンガのような
不思議な読書感。物語を読むときに、
かなりこのイラストに引っぱられて
キャラクターを理解しようとしてしまう。
舞台は、とある大学。
そこの教職員たちの中で、ナイショだが
実は夫婦だ、という人が一組いる。
その中で起きる連続殴打事件。
最初はケガをする程度だったが、
とうとう死者まで出る。
警察が介入してくる中で、
徐