森博嗣のレビュー一覧
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森博嗣さんのエッセイ。
見開きで100講、テーマに沿って章立てされているかたちのものでシリーズ2作目。
この手の執筆は大変とのことだが、ぜひ続きをとお願いしたい。
森さん本人も言っているとおり1作目の時ほどの
感動はないかなという感じはしましたが、
相変わらずどれもうんうんとうならされたり、
納得させられたりしてよかった。
とくにお気に入りは81、82講はまさに大切だと思っていたことだったので、それを文章で読めたこと、
それがわかりやすく発信されていることがうれしかった。
81講のタイトルがすごいインパクトなのだが、
つまるところ教育、子育てとはそういうことなのだと内容を読んで改めて認識でき -
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『事実とはこうしてあとから形成されるものだ。しかし、人の心の中の、そのときどきの葛藤は、二度と正確に再現されることはない。たとえ、本人の口が語ったとしても、その言葉は明らかに虚構である。理由も動機もすべて、光が当てられたときに現れる影に過ぎない。光の当て方によっては、影はどちらにも現れ、形の歪み方も変わり、幾つもが同じ時に現れることさえある。そんなものなのだ。ただ、それがあった、存在していた、ということを仄めかしているにすぎない。人が事実と認識している概念は、その程度のものだ。あるいは、ないに等しい、といっても良いだろう。』
Gシリーズは海月くんがキーマンか。伏線が多くて続きが気になる!
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Mシリーズ(水柿助教授シリーズ)の第2弾です。
この第2弾は、水柿君が小説を書いて小説家になる過程のお話です。
作中では、これは水柿君の物語の小説だと言ってますが、もはや森さんのエッセイてしてしか見れないですね。
いや、でも水柿君が小説だと言ってるので、やっぱり小説ということで(笑)
私的には前作よりも好きです。おもしろかった。
前作『~日常』は、常日頃考えてることをただただ文章にしたっていう印象だったんですが、今作は小説を書き始めて、デビューして、人気作家になってという過程が分かるので読みやすかったです。
水柿君(森氏)はやっぱり天才というか、変わり者というか、すごいなーと改めて思いました -
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ネタバレ森博嗣さん独特の言い回しが、かなり好きだ。例えば、
『神経が鈍感にデザインされている』
柔らかく、しかし淡々としているように感じる。
本書にも、随所に散りばめられている。
さて内容は、
クラスメイトの死と、一枚の鉄のプレートから話が始まる。
礼拝堂の清い白いイメージから、土の暗い黒いイメージへの変移が面白い。
登場人物たちの話し言葉も違和感がなく、読みやすい。
かなり好きな部類だ。
佳境の短文が、主人公の思考や行動と連動していて緊張感があり、次へ、次へと掻き立てられるものがあった。
森博嗣さんの文章が読みづらいと感じた方は、こちらを読んでみると良いと思う。
高校生が主人公なので、共感する部 -
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初の文庫初出し本
この感じで行けばあと1,2年で初出しが電子書籍というものになりそう。
つぶやきのクリームの第二弾にあたる作品
構成は思いつくがままの100編というもの。
内容については、変な話とくに語れることもなく、
というのも相も変わらず森博嗣さんらしい物言いがつまっていて、
自分はそれが好きなのだと再確認するばかりだったからである。
読んでいて思いついたのは、
この中には実践したいと思う理(ことわり)がたくさんつまっている。
けれども、実践し難い、実践不可能と思ってしまう自分がいるのは確かだ。
それは自分一人で実践するとまわりから顰蹙をかうし、などと考えてしまうからである。
それは -
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哲学者 土屋 賢二と小説家兼某国立大学工学部助教授 森 博嗣の対談本
タイトルは、哲学の名言「人間は考える葦である」(パスカル)と、森博嗣の代表作(兼デビュー作)の「すべてがFになる」からきたものだろう。
土屋 賢二の自虐と森博嗣の冴えた常識はずれの対談で、瞑想した対談。土屋 賢二の一貫したダメっぷりはいつものエッセイ通りなのだけども、森博嗣の饒舌ぶりはエッセイとは違って興味深かった。
森博嗣が土屋 賢二に小説の書き方をレクチャして、ふたりでそれぞれ短編小説(ミステリィとミステリ)を描くという体になっている。
土屋 賢二も小説は見事にダメで、おそらくこれはダメなものの集大成/具現化という -
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森博嗣の265冊目にして初の文庫書き下ろしとなった『つぼやきのテリーヌ』。
前作『つぶやきのクリーム』の第二弾みたいなエッセイ。・・・それにしても、このタイトル。
思いついたことを見開きの2ページに納め100個ほど詰め込んだ”森博嗣のおもちゃ箱”みたいな本。
内容的には共感できる部分が少ないのが、おもしろい所かな・・・。
ところで、
Gシリーズの文庫新刊を楽しみにしているのだが・・・
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【内容(「BOOK」データベースより)】
しなければならないことは、すべて自分がしたいことだ―。思いついたことを思いついた順に綴った一〇〇個の端的エッセィからあふれ出す森イ -
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最早、森博嗣というひとのことが好きすぎて正常な判断ができなくなっているのは重々承知の上で、書きます。
目から鱗が落ちまくりました。特に、「人生とはおおむね、自分の思うようにいっている」というくだり。「こんなはずではない」と思いながら生きていても、それでも、それを改善するよりかは現状の方がまだ良い、だから今のままだ。であれば、それはやはり、自分が思うようにいっているのでは?
そうだね、と大きく頷くと共に、森氏は優しくなられたなあと思う次第です。優しく、というと若干語弊がありますね、彼は昔から優しいひとであったと思うので。ただ、なんと言いましょうか、丸くなられたなあと。
引退をすでに見据えた本なの