森博嗣のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
森 博嗣の短編集。
短編集と言っても、他シリーズとの関連も深い物語がある。
明確に登場人物の名前が出ていない久手も、「あぁ、これは、あのシリーズに登場するあの人の物語だな」と言った具合に・・・。
そして、やはり、謎解きの答をワザワザ記していないのもよい。
■『ラジオの似合う夜』
Vシリーズ、あるいは四季シリーズを読んでいたら分かる筈だが、それらを読んでいなくても、ミステリとして、楽しめる。
ラジオって・・・そうか、なるほどな!
■『檻とプリズム』
物心ついたときから檻の中で暮らしていた(ことに気がついた)少年の物語。
比喩を比喩として記さずに、人間の成長について描かれている。そして殺人の -
Posted by ブクログ
森博嗣が1996年から2001年まで、自身のホームページ上で
毎日休むことなく書き続けた日記を書籍化したシリーズ、
「I Say Essay Everyday」の最終刊。
まえがきで森博嗣自身も書いているが、
このシリーズは価値が非常に高いと思う。
まず、エッセィとして単純に面白いことは確かである。
実際、この日記がホームページ上で公開されていた当時は、
そのユーモアあふれる文章をただ楽しんで読んでいた覚えがある。
だが、この日記の価値は他にもある。
日常の出来事の記述の間にちりばめられた、
新しい発想、考え方、視点、切り口の数々。
それらを非常に純度の高い状態で吸 -
Posted by ブクログ
どうも、人間という生きものは、満足を求めすぎるのではないか。癒される時間、リラックスできる時間を求めすぎる。優しさや静けさを求めすぎる。しかし、本当にそれらがそんなに大事なのだろうか。もっと不安定な、もっとどきどきするような時間の方が実は大切なのではないか。そんなことを、考えたりする。
翌日は土曜日。週末は、仕事をしないことに決めている。特に、仕事よりも面白いことがあるときは、しないことに決めている。これは、平日でも同じだ。
子供の頃、学校へ行っている頃は楽しかった。ううん、もっと小さいときは、もっともっと楽しかった」
「何が楽しかった?」
「えっと、わからない。 -
購入済み
面白い!
ミステリーに哲学的要素がはいり、
本当に面白かったです。
謎がいくつも絡み合っているので、
あらためて読み直したくなる作品。
ミステリーですが、
横軸には淡い恋愛があり、
シリーズものなので
キャラクターたちの恋の行方も気になるところ。
-
Posted by ブクログ
再読2冊目。この本は作者の著作から文を切り出してコメントと写真を追加した文集。巻末には糸井重里さんのコメントあり。
これは実際に目で見ないと良さはわからないので個人的お気に入り文を一つ引用。
「天才は計算をしても答えを出さない。彼らは計算式そのものを常に持っている。我々は答えしか持たない。これが天才と凡人との差です。」
ーなににつけても、反対か賛成か、好きか嫌いか、を決めようとする。どうして決める必要があるのか。反対の時も賛成の時もある。好きなところも嫌いなところもある。ありのままに受け入れることがなぜできないのか。つまりは煩わしいから、決めてしまいたいのである。 -
Posted by ブクログ
著者は気鋭のミステリー作家、建築工学専攻の元某国立N大助教授。
本書は工作が大好き過ぎて家の庭に鉄道や自動車、ラジコン飛行機を作ってしまう森氏が、「もの作り」の精神について説いたもの。著者の本はこれが初めてでした。端的で明瞭な文章によって、今まで眠っていた好奇心が目覚めた気がしました。
過去、現在、未来において「もの作り」に関心がある人間が読むとそのセンスや考え方に共感すること請け合いです。しかし本書は工作好きの人間だけが読むに値する本ではありません。何故なら多くの場合、読者各々が興味のある分野は「もの作り」と共通のセンスが存在するからです。例えば、「執筆」と「工作」です。 -
Posted by ブクログ
Zシリーズの第二弾。
ロボット対戦ものを、ある意味リアルに描いた物語。
このシリーズは一貫して、意味/無意味を考えさせられる。
あり得ない世界を現実に持ち込んだあり得ない世界。
非常にクダラナイ物語の中に、妙にシリアスなメッセージが込められていたり、滑稽であったり、皮肉であったりするところが魅力。
「世の中に存在するどんなものでも、明日で終わりなんてものはないよ。」
「目的が個人的なものから社会的なものに近づくほど、最適の道筋へ自動的に導かれるように設定される。それがテクノロジィというものだ。」
「人間(の形)は戦いに向かないってことですよ」
こういう言葉が、クダラナイ文脈の中でサ -
Posted by ブクログ
森 博嗣(もりひろし)の「ZOKU」シリーズの第1作。
「ZOKU」シリーズはいまのところ、
■ZOKU(ゾク)
■ZOKUDAM(ゾクダム)
■ZOKURANGER(ゾクレンジャ)
の3作となっている。
僕は、現在のところ最終作となっている「ZOKURANGER」を先に読んでいて、非常に深い感銘を受けた。
そして、この度シリーズ第1作目の「ZOKU」を読んで、やはり共通して感じたことは・・・
くだらなぃ〜!!!
非常〜に、くだらない!!
とるにたるかたらないかのギリギリのラインでの物語だ。
ミステリー作家と言う肩書きを持ち、「スカイ・クロラ」の森博嗣だからこそ、こんな真逆のことを書