森博嗣のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「これは、狙ってやっているのかな?」と感じたら、十中八九、それはもう何年も前から伏線が敷かれていた、仕組まれたものなのだろうな、と森先生に関しては思っています。
そういう意味で、「ここへ導かれて来たのではないか」と感じるハギリやヴォッシュのように、読者は「こう考えるように仕向けられているのではないか」と森先生に対して思うのかもしれません。
Wシリーズは(たぶんそれもわざとなのだと思うけれど)、現代と、これから進むであろう未来の可能性を大いに示唆していて、読んでいて、何度も本を閉じて考えさせられます。
道徳的、倫理的な問題を扱っているにもかかわらず、本体温は常に低めで、でもだからと言って血が通っているわけではないのが特徴的。
森先生の文章は、ささくれだった心を収めてくれるように思います。冷静とは冷徹ではないのだな、と。
ストーリーとしては、ヴォッシュ博士の登場で、謎だったことが少しだけ解明されます。が、最後のエピローグでどどーんと爆弾が落下されたので、また分からないことだらけです。
機構以外で、人間とウォーカロンを違わせるものは、なんなのか。最近のロボット産業の発達を見ていると、そう近くはない将来に、同じ質問を人類は投げかける必要が出てくるのかもしれないな。と思います。それが良いことか悪いことかは、また別問題ですが。 -
Posted by ブクログ
相変わらず面白い。
他のシリーズとバラバラに読んでいるから、時系列がごっちゃになっているけど 笑。
首吊り自殺についての考察、死について考察する場面が多かった。
死ぬことは特別ではなく、身近で当たり前のことかもしれないけれど(若い僕には 笑 まだ理解できていない)、ただただ悲しく寂しいのは自身にとっても他人にとってもそうだと思う。
ちょっとしたエキストラが再び登場したりして、スピンオフするから本当に作者の話は油断できない。
“
「通常、自殺というのは、本人にとって、最も簡単な手法が選択される」海月が言った。
「うん」加部谷は頷いた。海月の言葉を引き出すことは、けっこうな醍醐味である。
「どうして、簡単な手法が選ばれるわけ?」
「難しい手続きこそが、生きていくこと、生き続けることの象徴だからだろう」
” -
Posted by ブクログ
今回の短編集は、とにかくアタリですよ。収録作が全部好きとか珍しい(笑)
1話目の「トロイの木馬」からかなりぐいぐいっと惹かれたんですよねー。この設定好きだなー。近い将来ありえそう。
で、サクサクと読んで、赤いドレスの話にハラハラしつつシンちゃんの探偵っぷりにおおーとなりタクシードライバーのオチに平和さを感じてゲームの国の回文に感心しつつ(「若い犀川」にニヤリとした)ハードボイルド探偵にしんみりして……
やーらーれーたー!!
ラストのS&Mの二人に全部持ってかれたー!!(笑)
これは、もうね。完全にS&Mシリーズファンへのサービスだよね。森先生ありがとうございます(笑)
Vシリーズを読んだあとやから、なんか紅子さんの存在も感じるし、色々もう!!
これがあるから森作品はやめられないわ(笑) -
Posted by ブクログ
ラジオの似合う夜〉〉この物語は(私にとっては退屈だった)Vシリーズ十巻を読み遂げたことに対するご褒美だった…いや,あの十巻は,この物語を堪能するための序章だった…と言っても良いぐらいだ…
…森先生は,とてもエレガントな大人のためのラブ・ストーリーを描ける人だった…
この作品を読んで改めて、森先生は素敵だと思いました。その理由は色々ありますが、その中の一つは、とても自然体で、誰かに評価されようという力みが全く感じられないところです。だから読者もリラックスして森先生の描いた絵の中に入って行けるのだと思います。
Vシリーズの『恋恋蓮歩の演習』を読んだときにも感じたことですが、森先生は、人間の醜い部分と対比させなくても、人間の美しい部分を輝かせることが出来る作家さんです。もしかしたら、運命を引き寄せようとすることもなく、運命を拒むこともないような生き方が、最も人間らしく美しい生き方なのかもしれません。しかし、当然のことながら、そのような生き方も、誰かに支えられていることを忘れてはいけないのだと思いました。
「ラジオの似合う夜」が素敵な理由は、語り手が自分に対してとても客観的だからだと思います。それは、とりもなおさず、森先生が、自分に対して客観的な人だということだと思います。そして、読者は語り手が翳す鏡に自分の姿を映し、美しいところはもちろん、醜いところも受け入れることができるのです。
「ラジオの似合う夜」に登場するX・Jという女性、そして、もう一人の女性、さらに、直接登場しない女性、いずれも、とても魅力的に描かれています。森先生は、どの女性が最も好きだったのでしょうか? いや、この疑問は、愚問ですね。きっと、その時、目の前にいた女性、または、脳裏に浮かんだ女性が、その時、最も大切な女性だったはずです。
2話目の『檻とプリズム』は、あまりピンとこない作品でしたが、森先生は、時々このような物語を描くことで、ご自身の中の毒を排出しているのかもしれませんね^^;
証明可能な煙突掃除人>>この作品は、森先生らしいオチが楽しめる作品ですね…実際にこんなことが起こったら、どうなってしまうのか分かりませんが…
巻末の「ライ麦畑で増幅し」も、私にとってとても嬉しい物語でした。これは『イナイ×イナイ』が刊行された'07/5に初出した話ですが、Xシリーズの3巻目に当たる『タカイ×タカイ』までを読み終えたこのタイミングで出会えたことで、よりしっとりした感動を味わえました。森先生は、このようなサプライズを演出することがとても上手く、読者は期待していなかったギフトのリボンを解く度に目頭を熱くしてしまうのです。
S&Mシリーズ、Vシリーズ、四季シリーズ、Gシリーズ、そしてXシリーズ…森先生の壮大なサーガに寄り添う短編集たちは、卵をタップリ含んだフレンチトーストのように、しっとりした味わいがありました。
そういえば、Gシリーズの主力メンバ(山吹、加部谷、海月)と真打ち?萌絵に加え叔母様まで登場する「刀之津診療所の怪」も楽しい作品です。謎の医師は、誰なのか(最後に分りますが)、そこに現れる謎の男は誰なのか(私は特定に至っておりません)…まだ、謎が残っていることを思い出してしまいました('◇')ゞ -
購入済み
真賀田四季に興味を持たれたら
『四季』の『春』と『夏』に相当する話です。物語は真賀田四季の視点で進みます。作中で真賀田四季はまだ幼い(知性的には兎も角)ですが、可愛く描かれています。『すべてがFになる』のアニメを見て真賀田四季に興味を持たれた方には特にオススメです。