森博嗣のレビュー一覧

  • 正直に語る100の講義

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    直近で読んだ『お金の減らし方』とかぶる内容もあり。『お金の減らし方』のときはテーマの軸に沿った話題で話がすっと入ってくると思ったけれど、少しテーマに縛られ過ぎて窮屈な感じもしたので、本書のように一貫性のない内容も良い。縛りがない方が、話の展開に自由度が増しているように感じた。

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    2020年05月27日
  • お金の減らし方

    購入済み

    インプットとアウトプット

    自分は20代後半までビジネス書を一切読んだことがなかったが、
    その後ビジネス書からのインプットを続けたことによって今はそれなりの収入を得られるようになりました。
    意識せずにインプットを強化し続け、貪欲に仕事に生きるインプットに励んだことを肯定してくれる内容でした。
    そして無意味に散財しないこと。当たり前かもしれませんが見栄のために散財することほど無意味なことは無いし、それについても肯定してくれる内容でした。

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    2020年05月24日
  • 神はいつ問われるのか? When Will God be Questioned?

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    人がいて、ウォーカロンがいて、トランスファがいて、人がその行動をほとんど、バーチャルで済ます。
    行き着く先は、人が肉体を必要としない世界ではなかろうか?
    それなのに、子孫が欲しいと思うのは、すべての人が肉体を捨てた世界は、その先なんの変化も無くなってしまう様に思えるからだろうか?
    この先、この物語は、自然回帰に向かうのか?
    バーチャルに集約されてしまうのか?
    それとも、それらがちょうどいい風にバランスを保った世界になるのか?
    興味深い

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    2020年04月30日
  • 恋恋蓮歩の演習 A Sea of Deceits

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    Vシリーズ第6弾。豪華客船内失踪&紛失事件の話。面白かったー!保呂草さんの最後のあの一言は「くぅーっ」ってなるくらい好きな締め方でした。その後のエピローグの緩やかに着地する感じも良かったです。そして恋恋と蓮歩の意味を調べて気付くタイトルの素晴らしさ。

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    2020年04月18日
  • アンチ整理術

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    ネタバレ

    アンチ整理術という挑戦的なタイトルではあるが
    中身はビジネス書、というよりも寧ろ読み物に近いかもしれない。
    森先生節炸裂で単純にエッセイとしても面白かった。

    自分は断捨離ブームに懐疑的で、
    ワクワクしないものは捨てろ、後悔しないと言うが
    大体捨てた数日後に必要になって後悔するので
    できるだけ捨てたくない。

    絶対に不要だと断言できない、将来役に立つ可能性のあるもの。
    断捨離なんてもってのほか、
    不要なものを捨てるだけでいいという言葉に
    すっきりした。

    自分が稼いだ金と交換するのはその可能性があったからで
    可能性の山、宝の山である。
    勿体ないと思って溜め込むことが悪のように書かれた整理術本が多くて不愉快だったので
    宝の山と言ってくれる人がいて嬉しい気持ちだ。

    確かに片付けは本当に必要なのか。
    不衛生なのはもちろん良くないし、秩序は社会維持のためでもあるが
    家庭で整理整頓は親が子供にさせるもの、上から目線のニュアンスがある
    というのも納得するところ。
    部屋が片付いているというのは身だしなみと同種の問題というのは
    そのとおりだと思った。

    作業もやりかけが出てくる。
    進捗した段階じゃないとどれがいらないとか判断できない。
    片付けられるのは創造的な仕事をしていないから。
    内心気になっていて、片付けないとなあという意識がある限界を超えたときに片付けを決断する。
    この辺りもまるで自分のことかと思う言い草だった。

    言い訳だと思う人には言い訳でしかないのだろうが
    自分は正にこれだ。
    集中力がないからやり散らかしてしまう。
    PCもウィンドウをたくさん開きっぱなしにしている。
    でもやり散らかしてたくさんのことをちょっとずつ片付けていかないと
    なにも片付かないのだ。

    何をすれば良いかわからない状態とは、なんでも良いからした方が良い状態である というのは確かに名言。
    どんどんものは増える。新しいことを始めるから。
    それだけ面白いこと、やりたいことが多いから。

    何か押し付けるようなのではなくて、要は人によるという話で、
    ◯◯術と銘打ってもそういうやり方もあるよくらいの意味に取るのが良い
    という書き方も好きだった。

    何をどうすれば整理したことになるのか、した方がよいかも人や条件によって変わるのに
    整理しなきゃ駄目って思い込んでしまう人がほとんどというのもそのとおりだろう。

    お子さんにプラモデルの作りかたを指導したことを後悔したというのも
    興味深いエピソード。
    若者にアドバイスすることは、彼らの楽しみを半減させる可能性がある。
    子供が夢中になっているものに水を差さない。
    だが危険があってはいけない、というアドバイスだけをする。
    適度な距離感も必要だ。やはり、指導は『上から目線』だから。

    心が散らかっていないか頭の中を整理するのが重要。
    整理・整頓は、本質を見極めること。

    担当編集の方との会話も小気味よかった。
    努力だろうが知力だろうが運だろうがなんだっていい、結果がでるかどうか。世の中は非情。
    ピアニストが力が足りないと感じたとして、本やセミナーに参加しても駄目。
    もうピアニストになっているから。
    本やセミナー程度のことなら誰でも教えられる。
    プロになってしまったらあとはピアノを弾くしか無い。
    かといって、闇雲にやれば良いというのでもない。

    情報過多というわりにみんな薄っぺらい情報しか見ていないし深く追求しない。情報と情報の関連性も考えない というのもかなり共感した。
    意外とみんな、自分で考えないのだと最近度々認識する。

    考えない情報は死んだデータ。変化しない。
    考えることで始めて情報が生きる。生かせば自分のものになるし応用がきく。
    本質を考える。考えるのはただだしいつでももとに戻せる。考えて決めるのではなく判断せずいずれの判断についても可能性を考える。
    考えないし、考えて判断して、もう変えてはいけないと勘違いしているケースが実際多いように思う

    やらなきゃいけないけどできないこと。森先生でもそんなのはしょっちゅうというのも
    凡人として安心できるポイントかもしれない。
    嫌だなと思いながらやるしかない。
    得意なことと好きなことが一致していると働きすぎるから、
    得意なものを嫌々やるのが理想というのが面白い。

    人に訊く前に自分で考える。
    大事なのは方法論ではなくどこへ向かって歩きたいか。
    目的地も無く行き方を模索してもそれはどこへも辿り着けないに違いない。

    反断捨離という言い草も面白かった。
    収納というが隠しておくほど嫌なものは買わなければ良い。
    買うのを我慢するよりバイトして欲しいものを買う。
    収納できなくなったら広いところに引っ越す。
    トータルで価値があるものを所有していればトータルで売れるのだから生きているうちに断捨離する必要などない。

    みんな人の目を気にする。それが悪いといっているのではない。
    僕にはその気持がないというだけである。
    という言い方も素敵だと思う。

    自己完結し自分のために生きる。
    他者の評価はちょっと微笑ましい程度のオプションという考え方、良いなと思った。
    自分の行為を一番よく見ているのは自分。

    ラストの
    片付ける暇がないのだからしかたがない。そう、すべては、しかたがないことなのである。
    という終わり方も良かった。

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    2020年03月24日
  • キャサリンはどのように子供を産んだのか? How Did Catherine Cooper Have a Child ?

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    『結局、あらゆる問題は、地球なのか、それとも僕個人なのか、というサイズの違い、焦点距離の違いに帰着するようだ。あまりにも、両者の差が大きすぎる。これを切り換えるとき、誰でも軽い目眩に襲われ、とりあえず今日は眠ろう、と目を瞑るのである。』

    「影ができるのは、光が当たっているからだ。」

    「思いついたときに、貴方は納得するはず。正解とは、自身が納得できる仮説のことですから」

    『この世で最も大事なもの、価値のあるものは、生命だと思い込んでいた。
    なんとなく、そう信じていた。それは、僕が生きているからだ。
    たまたま生きているからにすぎない。
    そうではなかった。
    生命ではなく、存在なのだ。
    存在こそが、最も重要な、この世界を形成するユニットであり、基本だ。』

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    2020年03月14日
  • 目薬αで殺菌します DISINFECTANT α FOR THE EYES

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    割とサラッと読めた。
    ストリーというよりは登場人物の変化に重点を置いていたような。
    登場人物多くてS&Mシリーズからの読んでいる私は楽しめました。

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    2020年03月09日
  • 作家の収支

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    あまり聞かない小説家のお金の話。原稿料、紙本の印税、電子書籍の印税からどこまで経費で落ちるのかまで。出版のハードルは昔よりも下がってはいるがその分競争相手が増えたということ、本を出したら凄いの時代は終わったなどとか、お金以外の話も興味深かったです

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    2021年12月30日
  • キャサリンはどのように子供を産んだのか? How Did Catherine Cooper Have a Child ?

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    国家反逆罪の被疑者であるキャサリン・クーパ博士と彼女の下を訪れていた検事局の八人が、忽然と姿を消した。博士は先天的な疾患のため研究所に作られた無菌ドームから出ることができず、研究所は、人工知能の完璧名セキュリティ下に置かれていた。
    消えた九人の謎を探るグアトは、博士が無菌ドーム内で出産し、閉じた世界で母子だけで暮らしていたという情報を得るのだか。
    (あらすじより)

    はい!いいね!
    最後がとてもいい!
    それだけで満足w

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    2020年03月01日
  • つぼみ茸ムース The cream of the notes 5

    購入済み

    森博嗣さんの生活のつぶやきです。森博嗣さんは名古屋大学の元先生で小説もエッセーも、名古屋育ちの私には身近に感じられます。初期からネットを使いこなしていた森博嗣さん。この本は自分の為になります。

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    2020年02月19日
  • 本質を見通す100の講義

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    ネタバレ

    この手の本によくある目次は問いだけが書いてあるような印象だけれど、本書は問いとその答えが1行で書かれていて、目次を見れば本書の要点がつかめるような造りになっていてナイス。メモしておきたいテーマがたくさんありすぎて絞りきれないほど。スバルさんとの会話の例がおかしかった。斜め上!「自力で答えにたどり着いたと思ったらそれ以上は求めない」というのは、初期のあの作品のことかな。『medium』もそうなのかも。失敗することも多く、うまくいったところだけを見せているという点は、ちょっと表現は違うけれど、イチローも同じようなことを言っているなと思い出した。

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    2020年02月06日
  • 道なき未知

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    筆者自身、悲観的に未来を考える方で、しかし実はそれこそが創作活動、創作エネルギーにつながっていることがわかる。
    なんだ、悲観的に生きていて、いいんだって、勇気を与える書。

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    2020年01月25日
  • χの悲劇 The Tragedy of χ

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    Gシリーズ第10作

    本作品はエラリー・クイーン作「ドルリー・レーン4部作」の「Xの悲劇」のオマージュらしい。とは言え自分は作品を読んだことがないのだが、巻頭の言葉や各章の最初を飾る文言はかの作品から取られたものらしい。解説の法月綸太郎さんによれば、「ドルリー・レーン4部作」は不朽の名作とのことで、「Xの悲劇」は著者が初めて読んだミステリー小説と言うことだ。一度是非とも読んでみたい。

    さて、海月と加部谷がどうなったのだろうなどと思いながら本を開くと、登場人物に馴染みのいつものメンバーの名前が出てこない。わかったのは島田文子という名前だけだったが、まさか彼女が主人公になろうとは、ちょっと意表をつかれたという感じか。前作とは全然違う作品なのだろうと予想は出来たが、あまりにも舞台が違いすぎて百年シリーズの最終作を読んでいる気分になった。そう言えば島田は前作で香港に行くと言っていたので、その続きだろうかと読み始めたのだが、どれだけ時間が経っていることか。だが、最後まで読んで、ようやく前作との繋がりが見えてなかなか感動してしまった。
    本作品は久しぶりにミステリー小説らしい物語だったように思う。その辺は解説の法月さんも触れられていたようだ。Gシリーズはミステリーだかなんだかよくわからない作品が多く、解決したのかしてないのか中途半端でもやっとするのではないだろうか。それに比べて今回の物語は確かに解決という観点からは微妙と言えるが、島田の推理でスッキリした感じで読みやすかった。ただ、読んでいてだいたい犯人の想像はつくだろうが、あんな理由では動機だの方法など思い至らないのが普通かもしれない。
    島田文子の活躍を通して、またS&Mシリーズを最初から読みたくなってきた。これは著者の陰謀だろうか。彼女はあのシリーズの最初に登場し、時々顔を出しながら本作品の直前の作品に登場している。最初からここに主人公にするという伏線をはっていたというのは考えすぎだろうか。彼女もまた、真賀田博士に才能を見出された一人であるという印象を強く受けた。
    この作品の結末は非常に衝撃的で複雑な気持ちになったが、それと同時に次作への期待感で気分が高揚した。本作品は島田文子という人物の魅力が凝縮された一冊だったように思う。
    Gシリーズはいよいよ最終コーナーに入りつつあるようだが、次回作も楽しみである。

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    2020年01月25日
  • 迷宮百年の睡魔 LABYRINTH IN ARM OF MORPHEUS

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    『女王の百年密室』と同様、あっという間に読んでしまった。デボウ・スホが再び登場するのは驚き。
    ウォーカロンのロイディの成長からも目が離せませんでした。現代もAIが発達してきているけど、ロイディのように新しい回路が形成され、自分の意思で行動できるように変わっていくのだろうか。そうしたら人間がいなくなっても、今度はロボットが人間となり、社会はそのまま保ち続けられるのだろうか。

    また二人の旅が見てみたいと思いました。
    森博嗣さんすごい。

    人が死にたいと思うのを何によって抑制することができるのかという問い。
    このストーリーの末尾でミチルがメグツシュカに問う
    「生きているのと、そうでないのと、両者の違いはどこにありますか?」
    「あなたが生きていれば、あなた以外の誰かが、あなたに会いたいと思う。他人に、そう思わせるキーワードが、生きているということかしら。」
    この会話にヒントがあるのではないかと思った。

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    2019年12月10日
  • 道なき未知 Uncharted Unknown

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    行き詰まったとき、迷っているとき、森博嗣の本を読んでいます。
    自分を縛っている「当たり前」が、みんなにとっての当たり前ではないんだなって思えるからです。
    森博嗣の文章を読むと、まだ、大丈夫。まだ、進めるって思えます。
    とはいえ、真似はできませんし、落ち込むところもあります…。

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    2019年11月27日
  • 女王の百年密室 GOD SAVE THE QUEEN

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    登場人物の描写が細かくて、イメージしやすく夢中で読めました。この街のシステムは誰が何のために作ったのか、住人が信じる宗教的な思想、女王の異様な若さ、全てが不可解で不気味でした。
    人を殺すことが許されている世界。
    殺された人間は神の手によって永い眠についたとされる。

    サエバ・ミチルとともに行くロイディはウォーカロン。二人の住んでいた日本はシステムが発達していて、怪我や病気がすぐに治せる世の中。
    それとは対象に女王の街は医者らしい医者はおらず、治療しないまま亡くなる。
    価値観や思想の違いがあり、どちらが本当に幸せなのか考えさせられました。


    ウォーカロンってなんなの!?
    って思ってたらロボットのことなのかな?
    他の作品にも出てくるみたいなので、また読んでみようと思います✨

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    2019年11月27日
  • それでもデミアンは一人なのか? Still Does Demian Have Only One Brain?

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    ネタバレ

    昨年、大好きなWシリーズが終わって残念に思っていたのでWWシリーズが始まり嬉しい。
    また、サエバ・ミチルなど他シリーズのキャラクターも出てきて、いよいよいろんなシリーズが長い世紀を超えて繋がっていることが匂わされる。
    タイトルに表される通り「1人」という概念とは肉体が単位なのか、脳が単位なのか、思考が単位なのか。人工知能までも「人格」と言えるようなものを持ち始めた時代、何をもって「1人の人間」というのか、考えさせられる作品だった。
    作品中では、家族が肉体を共有していたから違和感なく自分の肉体、と思えたのかもしれないが、実際に自分の脳が違う肉体に入ったらどうだろう。やっぱり思考に影響しているのではないだろうか。
    「肉体は思考・心の一番外側」っていうのをどこかで聞いたことがある。脳を他の容れ物に入れる、というという進化について、あまり想像ができない。これまでのWシリーズでは人間とウォーカロン、ロボット、人工知能に明確な区別があったが、WWシリーズではその境目すらどんどんなくなっていきそうな気がする。想像力がついていけるか。
    森博嗣先生はやはりすごすぎる。

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    2019年11月26日
  • 神はいつ問われるのか? When Will God be Questioned?

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    『つまり、何も言わない。彼女の自由にさせるべきだ。させるなんていう言葉も横柄だ、と思う。彼女の自由は彼女のものなのだ。なにか問題でもあるだろうか?』

    『ロジは、これを見せたかったのか…。それくらい、これが好きなんだな、と思った。だから、できるだけ真剣に体験して、彼女を理解しよう、と僕は思った。』

    「憶測だけれど、自分の影響力を測りたかったのかもしれない」
    「どういうことですか? 自殺者が何人出るか、実験したとでも?」
    「そう…、そのとおり。人工知能だったら、そういうことに、興味を持ちそうだ」
    「もしそうなら、明らかな犯罪です。それこそ、電源を切って、システムを全削除すべきです」
    「それは、犯罪者は容赦なく撃ち殺せ、というのと同じだよ」

    『神は、人間が絶滅したら、自身の存在が消えることを知っているのだ。
    神は、人を作ったかもしれないが、それは自身の存在を確かめるためだっただろう。神は、人間の意識が作るものだからだ。』

    「魚がいないのは、どうして?」
    「人間がいないから、魚もいないの ー すべて絶滅しました。動物は役目を終えたのね」
    「世界には、何がいるのかな? 機械? コンピュータ?」
    「機械もコンピュータも、すべてナチュラルになりました。もう地球と同じです。私たちもそうです。静かに存在しています」

    『目を開けた。
    足許に落ちる水を確かめる。
    いろいろな考えが巡った。
    何が本当で、何が嘘か。
    見えているものか、見せられているものか。』

    「でもね、人間というのは、一人ではなにもでにない。力を合わせる必要があるんだ、なにをするにもね。そうなると、他者を説得する必要が生じる。ここが問題だ。ここで、ピュアではいられなくなる。人間が汚いのではなくて、人間関係が人間を汚してしまう、ということ」

    『世界を消すよりも、さきに自分が消えようと考える神、それが人間だ。
    自分が神だと、どうして考えないのか、という問題を思いついた。
    それは、神になることよりも、神に縋る方がずっと楽で、安心できるからにすぎない。安心とは、安らかに眠れること、生を放棄すること、すなわち死を望むことだ。それを、ちょっとした言葉のレトリックで逸らし、誤魔化そうとする。』

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    2019年11月10日
  • それでもデミアンは一人なのか? Still Does Demian Have Only One Brain?

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    ネタバレ

    WWシリーズ一作目。とは言え、Wシリーズの続編で、百年シリーズも押さえておかないといけない感じ。ハギリがグアド、ウグイがロジ、サリノがセリンに名前を変えて再登場。相変わらずふんわりとした感じに書かれる森先生。毎回誰かの解説とか考察が読みたくなる。というか、読まないと理解出来ない。
    人間とウォーカロン、更にトランスファ、そして人の脳をウォーカロン?ロボット?に搭載してコントロールするとか、だいぶ難しい感じになってきた。
    タイトルの意味は、デミアンの中にヘルゲン・ミュラが入っているから「それでもデミアンは一人なのか?」なのだろう。中々面白いタイトル。

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    2019年09月20日
  • χの悲劇 The Tragedy of χ

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    しばらくGシリーズ離れてて今ごろ読みました。
    最後の1ページで森博嗣作品の奥深さを改めて実感。
    とりあえずこれまでの作品読み返したい。

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    2019年08月29日