森博嗣のレビュー一覧
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わかっているけどできない、ということはつまり、本当には理解していないということだ。
という箇所が、ここ数年、早く寝ようと努力しているはずなのに、ついつい夜更かしをしてしまう自分に向けて書かれているようで、ぐさりときました。なるほど、私はまだ早寝の効果や早寝するべき理由を本当には理解していなかったのか…と粛々とした気持ちになりました。
100個のエッセイで、どれも前作に比べると辛辣さが減ったというか、まろやかな優しさに変化したような。それよりも、多様性についての表記が増えたように思いました。
引退する、と知ったときは世界が崩壊するんじゃないかというくらいの衝撃を覚えたのに、いつのまにか引退す -
Posted by ブクログ
トランスファがさらに人間らしくなってきて、人工知能とトランスファの違いがさらに無くなってきて、ちょっと話が分かりにくくなってきたのできちっとその辺を意識しないとついていけなくなる。
今回は、日本のウォーカロン・メーカーのイシカワの工場が謎の人工知能に占拠されてしまったという話で、当然ウグイやハギリ博士がそこに関係していくことになる。
前巻からそうだが、もうハギリ先生はどんな危険な場所へもウグイに連れられていくというのが基本となってしまったようだ(笑)。
でも今回活躍したのは、キガタ・サリノ。危険な宇宙空間での任務をサリノが達成し、サリノがウグイに抱きしめられるというシーンはウグイ・ベス -
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人工知能やトランスファや人間と変わらないウォーカロンなどの登場で、機械と人間の差がどんどん無くなってきている状況。人工知能もシンギュラリティーを超えれば、自然と人間や他の生物のように、病気になったり、悩んだりするのかもしれない。
そう言えばこのWシリーズには『シンギュラリティー』って言葉は出てこないが、今から200~300年後の未来っていう設定だからとっくにシンギュラリティーを迎えているはずだけど・・・。これはこれで未来のあり方としておもしろい。
本当に個人的な感想なのだが、この巻のウグイはちょっと積極的(笑)。今までウグイはハギリ先生をできるだけ危険な場所に連れて行ったり、危険な目に遭わ -
Posted by ブクログ
ネタバレ人工知能とクローン人間にスポットを当てたテーマだったが、今回はそんなことどうでもよくて、ハギリ先生とウグイの関係でしょ!
ハギリ先生の護衛担当がウグイからサリノに代わったけど、ハギリ先生が無意識になにかとサリノをウグイと比べているところが微笑ましい。
そして、なんといってもハギリ先生とウグイが居酒屋で食事をする場面。もう、ニヤニヤが止まらない。この巻までのウグイ名場面集のトップ3には間違いなく入るシーンだったね。
なんか、こういう視点でWシリーズを読むのは間違っている気もするけど・・・笑。
もう、この二人いい歳して、中高生の恋愛か!って突っ込み入れたくなるけど、まあ、恋愛とか愛情とかあまり重 -
Posted by ブクログ
ミチルとロイディにまた会えるぞ!と意気揚々と読みだしたら、鮭川とか知らない名前がたくさん出てきて、なんだか時代もそこまで未来ではないようだし…あれ?間違えたのかな?としばし途方に暮れながら読み進めました。
そして、まあ、これはこれで面白いかも…とストーリーに入り込んだあたりで、だんだんと「自分」が混在する内容になり、今度は違う意味で途方に暮れました。
この「私」は一体、今は誰のことを言っているんだろう。そもそも、これだけの人数は存在しているんだろうか?脳内での会話とかじゃなくて??
小説って、連鎖的というか、ビビっときたシーンを取り出すことはできても、そこだけではその衝撃は伝えられなくて、