森博嗣のレビュー一覧
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「科学的」の捉え方が自分の中で変わった。
面倒を避けない、メソッドを重視する、データと慎重にお付き合いする、などなど。
震災直後に執筆された本とあって、当時の原発事故に対する人々の反応に向けた批判が背骨になっている。けれど、これはそのまま今年のコロナの話として読み替え可能だ。
そういえば、そんな話を朝日新聞の特集で見たような。論者は誰だっけな?
私たちはどんな悲惨な出来事からも、基本的には、何も学ばないらしい。
……いやいや、こういうペシミスティックな態度も、科学的じゃないんだった。
あくまでもデータと向き合い、現実的かつ慎重に、前向きに処していく態度。それが、科学的、という言葉の意味するとこ -
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森博嗣氏の整理術に関する本。最後はFになるが衝撃の面白さで、科学、理系という日本では新しい小説の形だったと思う。近年は、もう引退しているようなものとコメントしているが、まだまだ言いたいことは言うぜという気持ちも感じる本。
整理に関しては、理系的には元気になるという精神的なもの以外に整理の効果はないとバッサリ。科学の概念では整理というものは存在しない。あくまで散らかっている状態こそが自然で、均質化しているということであり、どこかにものを集めて止めるということは不自然だからだ。整理すると仕事ができるというのは幻想。とはいえ、片付けるという行為は、ちょっとだけ気持ちがいい、ということは認めた上ででき -
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この短編集を読んでとりあえずS&Mシリーズは終了ということですね。
10篇の短編集のうち、犀川先生と萌絵ちゃんが出てきたのは2編。
森先生といえば理系ミステリなんだけど、本書はあまり理系という感じはせず、どちらかというと『純文学』的な要素が強かった。
ミステリーというよりもちょっとホラーちっくというか、ファンタジーというかそんな感じがちがね。
森先生のすべてのシリーズを読破するという僕の読書人としてのライフワーク。これで現在まで読破したシリーズは、読破順に
『スカイ・クロラ』シリーズ
『ヴォイド・シェイパ』シリーズ
『Wシリーズ』
『S&Mシリーズ』
ということになる。
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ネタバレ 購入済み
娘に勧められて
娘に勧められて、読んでみることに…
現代もののミステリーは久しぶりだったので、付いて行けるか不安でしたが、すぐに杞憂に。
文章も好みだし、登場人物も魅力的。一気に読めました。
20世紀の終わりごろって、まだ携帯電話もインターネットも一般人にはそれほど馴染みのあるものではなかったなとか、出どころの不明なフロッピーを無暗に共用のパソコンに突っ込むなとか、WSとか懐かしさを感じるものがいろいろと…
中華航空機墜落事故って、この小説が書かれた少し前だったな、とかも。
シリーズもののようで、楽しみです。 -
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アリス・ワールドという仮想空間で起きた突然のシステムダウン。ヴァーチャルに依存する利用者たちは、強制ログアウト後、自殺を図ったり、躰に不調を訴えたりと、社会問題に発展する。
仮想空間を司る人工知能との対話者として選ばれたグアトは、パートナのロジと共に仮想空間へ赴く。そこで彼らを待っていたのは、熊のぬいぐるみを手にしたアリスという名の少女だった。
「講談社BOOK俱楽部」内容紹介より
え、今生きている世界ってリアルだよね?って確認してしまつた.VRとかでゲームを楽しんでいる人ってこういう感覚なのかなぁ.リアルとヴァーチャルが混在する世界って今すでに片鱗があって想像できる.どっちがいいとか悪いと -