市川拓司のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ読み始めは、普通なら漢字で書かれるはずのところが平仮名で書かれていたり、親子の会話がとぼけたような雰囲気で、読みにくいと思ってしまった。しかし読み進めるにつれて、色んな「不具合」がある巧も、それについて何も文句を言わずに付き合う息子の佑司も愛おしく感じ、「あなたがいてくれるだけで幸せ」とみんなが思い合っている家族がとても羨ましく感じた。「存在自体に意味がある」という考えは澪が亡くなっているからこそより一層感じるものなのかもしれないが、アドラーの心理学にも出てきたとおり、この考えは人を幸福にするのだよな。度合いは違うにせよ、周りの人たちみんなに、そう思いながら関わっていきたいな。
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Posted by ブクログ
近所の商店街に最近できたセレクト本系の書店さんでお見かけして、読んでみました。
市川拓司さんの書籍は初めてでした。
どうしても"発達障害"と聞くとまだまだ社会や周囲からはネガティブに捉えられたり、何かしら支援が必要なのではと窓口を廻ったりという印象が強いかもしれませんが、本作中における市川さんの、何の変哲もないことであるかのように/ごく当たり前に/ありのままにご自身を、発達障害だから自分はこういう特徴があって、こういう工夫や対策を行なっている、面倒臭いでしょう?とでもいうようなあっけらかんとした至極自然に捉えられていらっしゃる姿が、とても素晴らしいと感じました。
当の私もASDの診断を受けているので市川さんと診断名としては同じことになりますが、具体的な特性や困りごとについては、非常に共感できるものと、あまり重ならない点とが入り乱れていて、あぁ本当に十人十色なんだ、ひとりひとり異なるのだ、と改めて実感できました。
個人的なメモに近いですが、以下に共感できた点を、備忘録的に箇条書きさせていただきます。
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・ひどい目に遭わされた人間への「恐怖心」はいつまでも消えなくて、そのことは決して忘れない。なので常に用心して距離を置くようにしている
・「ASDは恋に落ちるのではない、相手に命懸けで懐くのだ」
・ASD的特性から、僕は自分から誰かに声をかけるということをほとんどしない。かなり内向的で閉じている。しかし諍いを避けたいという防衛本能からなのか、声をかけてきた人間には愛想良く振る舞おうとする。
・集団欲がなく「生まれながらの民主主義」体質なために、怒りはむしろ一般の人よりも遥かに感じにくくできている。だけど僕は怒りを感じるべき場面で、概ね悲しくなる。なぜ人ってこうなんだろう?と悲しくなる。怒りがなく、代わりにとびきりの不安を加える。
・僕は閉じた人間なので、視界に人が来ると、それだけでストレスを感じてしまう。
・僕は自分の言葉で他者に行動を促すことが苦手なために、人に物を頼むことができない。徹底して不干渉でいかにも自閉的な体質だ。
・似たような夢をずっと昔から繰り返しみてきた。隕石や輝く飛行物体。あと大型のジェット機が墜落する夢もよく見る。
・一度やると決めたことはいくらでも続けることができるって性格は、ASDに依るところが大きいと思う。「習慣を変えたがらない」「こだわりが強い」
・外見的特徴。すごく痩せている。首が長く、手足も長い。髪がくるくるの天然パーマ。
・僕はとにかく人の攻撃心が怖い。怒り、憎しみ、妬み、権威的な威圧、全てが恐ろしい。そんな感情を露わにするひとを見ると、それこそチビりそうになる。こういった感情は僕らに底知れぬ恐怖を呼び起こす。未知なるものへの恐れ。異常な行動を目にした時の気味悪さ。
・「愛妻家」「真のマイホーム主義」妻、親、子供とのつながりは大切にする一方、それ以外の人とは積極的に交流を持とうとしない。
・僕の背中には数本の固くしこった筋が走っている。「すじゴリ」。結構深いところにあるので、かなり強く押さないと届かない。それを押されると、何とも言えない快楽が全身を貫く。
・ストレスというのは人の生を損なうので、それもできるだけ感じさせないようにしたい。なので言い争いはしない。
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これだけ多くの共感できる本に、お方に出会うことができて、私は救われた思いがしました。 -
Posted by ブクログ
再読。
高校生の時に『恋愛寫眞』で市川拓司にハマって、この本も何度も読んだ。
いつからか恋愛系の小説が合わなくなって、この本もずいぶん長い事読んでいなかったけど、久しぶりに読んで、あぁやっぱりこの人の恋愛小説はすごく好きだなぁと改めて思った。
なんでこうも心がきゅうっとするような言葉や表現、比喩ができるんだろう?
この本は恋愛要素だけじゃなくて友情、家族の愛もあって全てが胸をついてくる。
ねちっこさや重苦しさがなくて、ただただ優しい雰囲気。
それなのに泣かせられる。
久しぶりに市川拓司の良さを思い出せたのがなんだか嬉しかった。
他の読めてない作品も読もう。
優しくて切なくて、それでもって穏やかな気持ちにさせてくれてありがとう。 -
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あぁー、とても切ないけど素敵な話だった。15才の春から始まった二人の恋の物語はポコ、ポコと小さい音をたてるようにゆっくりと進んでゆく。
話は主人公の巧の視点でゆっくり、ゆっくり語られる。それはきっと巧が心と身体に不具合を抱えている為ゆっくりとしか前に進めないのと、6週間の雨の日が終わるまでと期間が限定されているからだろう。ゆっくりと語られることによりその風景や描写、雰囲気、臭いがより深く伝わってくる感じがする。
特に妻の澪と交際したての頃の初々しさ、冷たくなった手を相手のポケットに入れて温め合うシーンとか、お互いを思いやる気持ちや不器用さ、純粋な愛情、何か心地が良かったな。
ある事が原因で澪はアーカイブ星へいってしまうが1年後の雨の日に彼女は再び巧と息子の佑司の前に現れる。しかし夏がくる前にまた澪は…
後に澪から手紙で意外な真相が語られる。涙、涙。
もし自分だったら、つらい別れがもう一度待っていたとしても、やはり会いたい。
物語のなかで、ノンブル先生が澪の事を「アジサイのような女」と言っていた。「雨とともに訪れ雨とともに去ってゆく」それだけの意味だろうかと思い花言葉を調べてみたら、良い意味も悪いのもある。一番しっくりくるのはこれかな「6月の誕生花」「芯が強くて、お互いに足りないものを補いあって助け合う」「強い愛情」。
あと、2人の会話のなかでいいなぁと思ったのが「君のとなりは居心地が良かった」ってフレーズ、大切な人に言って貰えたら凄くいいなぁと思う。
ゾウサンとクモの巣の歌、本当にあったんだ。コミュニケーション能力や友達と遊ぶ楽しさを知る目的とした歌らしいです。知らなかったー。
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ネタバレ佐々時郎
将来の夢はハリウッドで脚本家になること。母子家庭で一人っ子。
南川桃
時郎と同じクラス。時郎に自分の伝記を書く依頼をする。傲慢で、わがままで、気紛れ。粗野、かなりがさつ。二年生の秋に父親が町の縫製工場の支社長に就任して家族ごと引っ越してきた。
高見アキ
桃が引っ越してくるまでの女王。工場幹部の娘。
JG
アキの恋人で工場幹部の息子。
R2
JGの相棒。
菊池サユリ
日系の三世か四世。
加山飛男
学校一の不良。
潤一
桃の兄。八つ上。
香川ユカ
時郎がちょっといいなと密かに思っている女の子。
ミィ
ミノル。あいまいな男子。 -
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ネタバレいま、会いにゆきます★.3.7
公園で会った子のオススメ本って事で読んだ。
普通の小説とはちょっと違うタッチ。ナレーションが少なくセリフと主人公の心の声で構成されているのがおもしろい。
終盤までアーカイブ星から帰ってきた(死んだはずなのに現れた)澪が何者なのかが分からなくてずっと気になりながら読みすすめた。ラストで全てが明らかになって伏線も回収されてて泣けた。ここから先はネタバレになるが死んだあとに帰ってきた澪は8年前の彼女であったのだ。澪は8年前事故に遭い未来にタイムスリップし、そこで自分が高校の同級生の巧と結婚し子供もいるがすでに自分が死んでいるという事実に直面する。この梅雨の季節だけのタイムスリップで自分がどんなに二人に愛されていたか、幸せな家庭を持っていたのかを知りそれを実現するために8年前に戻った澪は動き始める。その幸せが長く続かないとわかっていても….。
澪と巧の純愛さに心が浄化された気分だった。愛っていいなぁ。