市川拓司のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ4-5回目かな積読
自分史上読んでる回数トップレベル
読みたくなる本
今回は終活目的でもうこれで破棄しようと思って手に取ったわけだけど
捨てない…
なんだろうな
気持ちが鎮まる本で
波打つ本で
凪で終わる
こうありたい…と思う気持ちにもなるし
こうは生きられないという絶対的な確信と
こういう風に生きてこなかったという後悔とか
でもこの生き方やこの世界の終わりかたに
憧れを感じてしまう
そして今日からちょっと大切にしていこうと思うものが見つけられる感じ
誰もが探しているのに見つけられなくてぐるぐる自分の周りを回り続けてでも全然見つからないっていうものに出会えた感じ
それとテキスト以外表現のしよう -
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Posted by ブクログ
ネタバレこの物語は大学生の時に読んだはず。あの頃、29歳の智史と花梨をすごく大人に感じていて、大人なのに、純愛は壊れないものなのだと信じられてすごくホッとしたことを思い出した。
読み返した30歳の私といえば、妥協もできず、一般的に暮らす30代の女性が受ける愛情が欠けた状態で暮らしているような気がしている。
それに失恋もして、まだ泣いている。
でも、読んで良かったと思う。私が人生に求めているものがこの本にはある。
家族、恋人、友達、悲しみが決まっている小さな命、全てへの愛がこの本の中には存在している。
悲しみへの答えも。
私は、生きて手に入れた思い出は、すぐには取り出せなくても脳みその奥の方にしっか -
Posted by ブクログ
すごい。やっぱり市川さんすごいなぁ。
最後、怒涛のクライマックスで感情揺すぶられて、
目頭が熱くて喉の奥が苦しくて
だけど先を追いたくて、必死に食らいついて
物語の終わりの合図とも言える小説の題名、
「いま、会いにゆきます」の文字が
目に入った瞬間、あぁ、終わった…って、
諸々の感情から解放されて
0.5秒しないうちに滲んで見えなくなっちゃった。
この作品で描かれていることは
ただ、愛してるってことだけ、
それだけをこんなに切なく美しく
膨らませられるのって素晴らしいことだよなぁ。
市川さんの作品を読むのは5作目で
なんとなく会話の掛け合いの特徴とか掴めてきて、
そういうの見つけるたびに
あ -
Posted by ブクログ
世間一般的に言うと"間違ってる"生き方をしていて
周りからは嫌われている。
だけど理解して受け入れて背中を押してくれる
"たった一人"がいれば生きていける。
勝手なレッテルを貼られては虐げられ、どちらかといえば陰でひっそり慎ましく生きている、
だけどしっかり自分の信条を掲げて真っ直ぐ生きることをやめない。
そんな登場人物達が出会い、別れて、
再会するまでを描いた愛おしい青春短編集。
私はYour song が一番好きでした。
作品紹介とはまた別ですが
「まるで音楽のような、読む手を止まらせてくれない先へ先へと駆り立てる力を市川さんは持っている」
解説の -
Posted by ブクログ
安心安定の市川拓司でした。
優しい世界を描かせたら、右に出る者なしと断言できる。
そんな素敵なお話でした。
今作も特段な設定ではない。祖父を軸に孫とその彼女。祖父の昔話を二人に語っている。
大雑把に説明すればこれだけなのだが、そこは流石の市川ワールド。
“純”で“一途”で“温かい”。
読みやすい表現が、さながら絵本を読み聞かせる母親を彷彿させる感じがしました。
筆者夫婦も寛太と真利子と良く似ている。むしろ夫婦をモデルとし、寛太と真利子が居る。
筆者のエッセイを読んだとき、そんなふうに書いてあったと思います。
変わり者の旦那と、それを見過ごせない思いやりの奥さん。
ちゃんとバラン