吉川英治のレビュー一覧

  • 私本太平記(六)

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    ・建武の新政において後醍醐天皇は息子の護良親王を征夷大将軍とするが、足利尊氏と対立、失脚する。
    ・足利尊氏は上洛時に新田義貞、北畠顕家らに敗れて九州まで後退するが、足利尊氏に対する武士の信頼は厚い。
    ・上記の過程での争いにおける各々の戦術の記載は生々しく面白い。(尊氏の戦略家としての采配に関して読み応え有り)

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    2011年04月02日
  • 上杉謙信

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    川中島の戦いとその前後をピックアップして書かれている。自分としては、上杉謙信の人となりについて(出自や独自の宗教観を持っていたこと、琴や歌を愉しむことなど)、人物自体を知りたかったので、そのような目的からは得た物がそれほど無かった。次の機会にそういった本を読みたい。

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    2011年02月21日
  • 宮本武蔵(6)

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    黒沢明の「7人の侍」に似た(あちらが似ているのだろうが)村人を村人たちとともに悪者から救う話も出てきて、面白く話は進む。ストーリーとは関係ないが弟子の伊織が「おらも大きくなったら、柳生様(将軍家のご指南役)のようになろう」と言うと武蔵は「そんな小さ望みを持つんじゃない。、、、富士山をご覧、あれになろう、これになろうと焦るより、富士のように黙って、自分を動かないものに作り上げろ。世間へこびずに世間から仰がれるようになれば、自然と自分の値打ちは世間の人が極めてくれる」武蔵の人生観を見た言葉でした。

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    2011年02月19日
  • 私本太平記(五)

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    足利高氏が京都六波羅を制圧、新田義貞が鎌倉を征伐。後醍醐天皇が復帰し、建武の新政を始めるが、余りにも天皇中心主義で、武士達は論功行賞に不満を残す。
    次巻は、壮絶な権力闘争の場面になるのだろうし、楽しみである。

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    2011年02月19日
  • 三国志(六)

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    「聞説、曹丞相は、文を読んでは、孔孟の道も明らかにし得ず、武を以ては、孫呉の域にいたらず、要するに、文武のどちらも中途半端で、ただ取柄は、覇道強権を徹底的にやりきる信念だけであると」

    自分の認識もこれに近い。
    だから曹操はダメなのだ、ということではなく、だからこそ曹操は偉大なのだ、という意味で。

    曹操の偉大さを讃えんがために文武の才を称揚するパターンが多いけど、ちがうと思うんだよね。
    文武の才がとやかくじゃなく、何よりもその覇道を貫こうとする信念こそが何よりも彼の強みなんじゃないのかなあ。
    いたずらに文武の才を褒めそやすのは大事なところを損なってる気がしてならない。

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    2011年03月05日
  • 私本太平記(四)

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    後醍醐帝は隠岐から脱出を図る。
    楠木正成は、金剛山で抵抗を図り、その意気込み、戦術が、まさに彼を英雄に仕立て上げる。
    金剛山に足を運んでみたいなぁ。

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    2011年02月11日
  • 三国志(五)

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    三国志のいいとこはみんな負けるとこだね、やっぱ。
    致命傷を負わなければ、場合によっては致命傷に思えるくらいの傷を負ったとしても、生きてさえいればなんとかできるっつーね。

    失敗しない人間なんていない。いるとしたらそいつは何にもしてないだけ。だからこそ失敗しない英雄譚ではなく、失敗をする英雄譚が意味を持つ。英雄とて失敗する。しかし彼らは挫けない。失敗から学び、失敗を失敗のままにせず、逆に大きな成功の礎とする。

    孔明無双というか、チートオリ主としての孔明に思えてくる。モノローグのない逆行物みたいなね。三国志の、演義の、更に小説だから二次創作的な誇張はまあしょうがないんだろうけど、曹操や周瑜がもは

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    2011年03月05日
  • 三国志(七)

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    哀しいかな、錚々たる英雄達が、雪崩れのごとく落命する。
    いよいよ、三国志の物語は、終焉に向かう。


    「黄巾の乱」に始まった三国志序曲は、
    「董卓軍対連合軍」「中原争乱と曹操台頭」「荊州攻防、赤壁の戦い」と、ここまで一気に駆け上がっていく。
    そして、本巻「美髯公関羽の死」から、次巻クライマックス「五丈原の戦い」へ突入していく。


    やはり、三国志は、生身の人間を描く。
    -"老い"とは。
    孔明渾身の未来への手紙 "出師の表"とは。


    涙なしには、、、
    どうぞ、泣ける詩を。


    そして、語る、吉川英治。
    いや改めて、この長編は深いと思った今日。

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    2011年01月30日
  • 私本太平記(一)

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    幕末本を読んでいると、どうしても天皇の歴史を理解する必要があり、先ずは南北朝の時代を知るべきだと思い、読むことにする。
    登場人物の繋がりが絶妙で読んでいて飽きない。

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    2011年01月29日
  • 三国志(四)

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    「はじめは呂布と親しみ、のち曹操に拠って、近頃また、袁紹に拠って、みな裏切っています」
    蔡瑁が玄徳のことをそのように評する下りがあるが、読んでいて、玄徳が呂布を評した場面を思い出す。
    呂布を生かすか殺すか悩んでいる曹操に、こいつは本当裏切ってばっかいますから殺した方がいいっすよ、っつったら呂布に、お前にだけは言われたくないわお前が一番信用できん男やないかい、と言われたところ。
    呂布が悪逆非道だったから負けたわけでも玄徳が聖人君子だったから勝ったわけでもなく、呂布は負けたから悪逆非道となり玄徳は勝ったから聖人君子になったんだろうなあとか思う。

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    2011年03月05日
  • 宮本武蔵(3)

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    面白い。小次郎も登場し、役者はそろった。吉岡清十郎を破った武蔵はこの後どの様に吉岡一門の戦うのだろうか。

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    2011年01月22日
  • 三国志(三)

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    「閑話休題」と書いて「それはさておき」と読む。
    やはり陳宮が好きである。呂布は曹操と比べ馬鹿で粗暴であるがそれでも正直で好感が持て貴様よりはマシだ。そんな下りがあるが、もし曹操と劉備を比べたらどうだろうか。まだ曹操の方が人間味があるのではないかなとか思う。基本的に劉備を善人とすることに無理があるんではなかろうかと思えてならない。
    引き続き、陳父子がうざい。相当にうざい。

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    2011年03月05日
  • 宮本武蔵(2)

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    時は未だ、関ヶ原の戦い後、大阪の陣、前である。
    そして彼は、武者修行の途上にある。


    物語のラストは、巌流島なのか何なのか知らないけど、
    この第二巻では、あの"佐々木小次郎"が、肩に小猿を乗せて颯爽と登場する。


    そういえば、
    かの物語三国志では、趙雲が漢中での対曹操戦で、見事な空城計 (By 兵法三十六計) を演じた時、「満身これ胆の人か」と、劉備が言ってた。


    武蔵。
    言うとすれば、
    「満身これ剣の人」か。


    引用するが、相手は"釘"。
    若干二十歳、武蔵、おそるべし!

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    2011年01月15日
  • 新・水滸伝(一)

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    中3時、横山光輝の「水滸伝」を読んで以来、初めてしっかりと活字で読みました。最高の娯楽作品♪二巻以降が楽しみ。

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    2011年01月02日
  • 私本太平記(一)

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    面白かった。
    室町時代にどのように突入していったのか、
    なぜ鎌倉幕府は倒れたのか、等を政治、軍事的側面から描いている。

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    2010年10月26日
  • 私本太平記(一)

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    吉川文学の味わい深いシリーズだと思います。
    歴史の学びにも参考になりますし、男女あるいは当時の夫婦間の情愛の機微も、丁寧に描かれていると思えます。

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    2010年09月10日
  • 三国志(五)

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    ちょっと間が空いて、三国志もようやく半分。

    敗戦により散り散りになっても、主君の生存を信じ、再会を信じて、敵国に召抱えられていても義を守り通す関羽。ここまでの信頼関係を生涯に持てた人間って、他に望むものがあるんだろうか。金銀財宝なんかより、ものすごい財産だよなぁと思います。
    どんなに叩きのめされても、財産は奪えても絆は奪うことはできない。やっぱり、どう考えても一番大事なものは人間関係の中にこそあるべきで、それを守る為に、弱い立場にいる人を守る為に立てる人は立つ。そういう思いはみんなに伝わるし、だからこそ応援してもらえる
    力になってもらえるもんだと思います。
    どんだけ偉い人に従っていようが、責

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    2020年01月12日
  • 三国志(六)

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    続いてもう1巻。

    孔明すごい!「最小の労力で最大の効果を」ってのが自分のここ最近のテーマなんだけど、まさにこれを地でいく孔明はすごい才能の持ち主だったんだろな、と思います。
    ただ、頭がいいのはもちろん、相手に合わせて振る舞いを変化させることができる、適した形でアウトプットできることができて初めてあの明晰な頭脳は活きてくるんじゃないかな、とも思いました。文官には論破することで、武官には詳しい説明をせず主の威光と結果で。納得が得られなくても盲目的に説得ばっかりしないとこが、部分的な最善よりも大局的な最善を見ていて、なるほどなぁと思いました。

    やっぱり、常に大局を意識した仕事ができる人ってなかな

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    2020年01月12日
  • 三国志(八)

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    いやー「沈まぬ太陽」以来の長編小説、長かったけど、おもしろかったです。

    三国志。

    三国志自体が登場人物が星の数程いて、それぞれにドラマがあって泥臭いところから煌びやかなところまで幅が広くておもしろいってのもそうなんだけど、俺は読み進めていく中で、このおもしろさは著者である吉川英治の文才によるところも大きいんだろなって思いました。

    すごいなー、これだけの大作を書き上げることって、大仕事だ。

    でも、この三国志を読んでる3ヶ月間で、いろいろ新しい価値観に触れることができたのがなによりの収穫でした。

    個人と組織との考え方の違いを、自分の仕事に照らし合わせながら実感として得られたところ。まぁ答

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    2020年01月12日
  • 三国志(五)

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    やっとかの有名な赤壁の戦いが終了。なるほど、そういうことだったのか。今まで興味がなかったのですが、映画の『レッドクリフ』が観たくなりました。それにしても孔明は先を読めすぎです。面白いんですが、ちょっとスゴすぎなんじゃないだろうか…。

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    2010年04月16日