吉川英治のレビュー一覧

  • 新・平家物語(十四)

    Posted by ブクログ

    歴史には諸説が付きものだが、吉川作品には諸説を丁寧に紹介するという特徴がある。本巻では壇ノ浦の戦いにおける源義経と梶原景時の先陣争い、義経の腰越状がそれにあたる。

    だが壇ノ浦の戦いで当初不利な戦いを強いられた義経が、平家方の船の漕ぎ手を射る場面は登場せず、諸説として言及もされていない。おそらく義経を高潔な人物としては描こうという吉川の意図だろう。

    ここから先は義経の悲劇に多くの紙幅が割かれるのだろうが、本巻の描写を読むと、「情に棹させば流される」という『草枕』の一節が真であると思わざるを得ない。

    0
    2019年02月15日
  • 新・平家物語(十三)

    Posted by ブクログ

    「屋島」から「壇ノ浦」前夜という、源平合戦のハイライトが描かれている。

    有名な那須与一のくだりも。

    しかし本巻を読んでつくづく思うのは、平宗盛という人物の愚鈍さ。文官としてはそれなりだったのかもしれないが、軍官としては全くの無能。まるで選手が優秀なのにダメ監督のせいで勝てないスポーツチームのようである。

    いや、吉川英治の人物描写が秀逸であるというべきか。

    0
    2019年02月03日
  • 新・平家物語(十二)

    Posted by ブクログ

    「敵を欺くにはまず味方から」を文字通り実践している、熊野の別当の湛増の駆け引きが面白い。

    一方で平宗盛の愚鈍さがより強調されているのは、湛増の駆け引きの上手さと義経の戦の上手さを引き立てるためだろう。

    0
    2019年01月24日
  • 新・平家物語(十一)

    Posted by ブクログ

    「一ノ谷の戦い」が本巻のメイン。

    歴史小説は登場人物が多く、人物間の人間関係やその人が置かれている状況が目まぐるしく変わるため、それらを読み解くのは、パズルを解くのと同じ感覚なので面白い。

    吉川英治は「この世の無常」を描写するのがとても上手いと思う。

    0
    2019年01月12日
  • 新・平家物語(十)

    Posted by ブクログ

    木曾義仲の終焉がメインだが、終盤は一ノ谷へという内容。

    義仲は所謂「バカ正直」な人物として描かれ、そこを後白河法皇や公卿に付け込まれ、最後は義経に滅ぼされる。時勢を読めというメッセージだろう。

    一方、義経は義仲と比較して思慮のある人物として描かれているが、それでも思い立ったらきかない頑固な側面は幼少期から変わっていない。

    終盤、後に頼朝との対立の一因となる一連の梶原景時とのことが始まっている。

    0
    2018年12月08日
  • 新・平家物語(九)

    Posted by ブクログ

    倶利伽羅峠の戦いから平家の都落ち、木曾義仲の入洛、朝日将軍と、本巻は動きが目まぐるしい。

    本巻で、木曾義仲は勇猛ではあるが粗野で教養の無い、浅慮な人物として描かれているが(尤も、それは公卿視点ではあるが)、ものを知らないとは何とも恐ろしいものだと実感させられる。

    0
    2018年11月18日
  • 新・平家物語(八)

    Posted by ブクログ

    この巻における最大の出来事は平清盛の死であろう。確かに、本巻では源氏の蜂起へ大きなスペースが割かれているが、やはり清盛の死が最大の出来事であると考える。

    清盛の死を描写するにあたり、最初に木曾義仲の口からこのことが語られる、という書き方をしているのが興味深い。

    言うまでもなく、源氏にとっても大きな出来事であることを強調するためだろう。

    0
    2018年11月09日
  • 三国志(一)

    Posted by ブクログ

    劉備はいい人だけど、なんで好かれるのかよくわからない。張飛と曹操がかっこいい。董卓の悪役っぷりもよい。呂布はなんか残念。Audible(朗読)で読んだけど、意外といいですね。

    0
    2018年11月07日
  • 新編忠臣蔵(二)

    Posted by ブクログ

    知らなかったが、吉良を切りつけてから討ち入りまでは1年半以上の月日が経っている。
    その間の両家の状況や、内蔵助の作戦が丁寧に描かれている。
    相変わらず人の主要人物以外の名前は覚えられなかったが、内蔵助の魅力的な人柄はよくわかった。

    0
    2018年10月30日
  • 新編忠臣蔵(一)

    Posted by ブクログ

    何となく知っていた忠臣蔵をきちんと知りたいと思い、たくさんある中で吉川英治を選んだ。
    書き出しがとてもよかった。
    しかし、やはり47士は多すぎて、浅野内匠頭、大内内蔵助、その息子、それと吉良上野介、以外は、全員うろ覚え。
    吉良側の武士も多数登場するので本当にわからなくなり、大まかなあらすじ追うだけになってしまった。

    0
    2018年10月30日
  • 黒田如水

    Posted by ブクログ

    黒田如水とは、黒田官兵衛のこと。長年、知恵袋として秀吉に仕えた。が、彼の頭のよさが災いして、秀吉の晩年には、次の天下を狙う危険人物として秀吉にマークされる。何とか切腹を回避しながら、黒田家を存続させつつ、政権が徳川に移ると見るや否や、秀吉への恩顧など過去の話と割り切り、関が原の戦いでは、東方として九州征伐するなど、その機敏さは目を見張るものがあるものの、人としてはどうなの?といってしまいたくなる。この小説は、そのあたりの如水の心の機微を捉えていて、奥深い。

    0
    2018年10月23日
  • 三国志(四)

    Posted by ブクログ

    20年振りに再読中。曹操は北部を手に入れ、呉は孫権が起ち、劉備玄徳は諸葛孔明を得る。それまでが歯痒いだけに、孔明登場以降は痛快。やっぱり面白いのは4巻からだね。

    0
    2018年10月16日
  • 新・平家物語(七)

    Posted by ブクログ

    事象・寿永の乱の序盤戦が話の中心。

    「富士川」「田子ノ浦」「袖師」「蒲原」など、現在でも使われている地名が当時も使われていたことが見てとれる。

    もっとも小説なので定かではないが...

    0
    2018年09月23日
  • 新・平家物語(六)

    Posted by ブクログ

    義経の堅田での出来事、以仁王の挙兵への企てなどが話の中心だが、終盤は世に言う「治承三年の政変」。

    この間の主要人物は源義経、平時忠、武蔵坊弁慶だろう。

    有名な「五条大橋」は、ちょっと違ったかたちで書かれている。

    歴史小説はしばしばいろいろなことを教えてくれるし、気づかされる。例えば、義経と西住法師とのやりとり。ここを読んで、自分も所詮は「内容の貧しい人間」に過ぎないのでないかと思い知らされた。

    0
    2018年09月15日
  • 新・平家物語(五)

    Posted by ブクログ

    前半の主人公は平家の誰かというよりも寧ろ源頼朝。後半の中心はかの有名な「鹿ヶ谷の陰謀」

    この辺りから頼朝の登場頻度が高くなるということは、平家にとっても頼朝の存在が無視できなくなっているということを示唆するためだろう。

    0
    2018年08月27日
  • 新・平家物語(四)

    Posted by ブクログ

    平家の繁栄。俗に言う「驕る平家」も。

    中盤以降は牛若(義経)にスポットが当てられているが、本巻では思い立ったら後先考えずに走ってしまう人物として描かれている。

    最終的に非業な最期を遂げてしまうわけだが、このことの発端として書かれているのだろう。

    もっとも、幼少期から大人に忖度してばかりいたら、のちの“源義経”はないわけだが。

    0
    2018年08月15日
  • 新・平家物語(三)

    Posted by ブクログ

    平治の乱からしばらくの間の平穏。

    山岡荘八と違い、吉川英治は客観性を強調しているように見えるが、人間の欲を描写するのが上手い。

    0
    2018年08月13日
  • 新・平家物語(一)

    Posted by ブクログ

    以前、途中まで読んで止めてしまったが、山岡荘八『徳川家康』の次はこれだろうと思い、再び読み始めた。

    『徳川家康』と違い、最重要人物である平清盛は既に20歳になっている。

    本巻は貧乏時代の平氏から保元の乱の前夜まで。

    山岡荘八と違い、客観的に淡々と書かれているように見えるが、権力を巡る公卿どうしのドロドロした争いが読み取れて興味深い。

    0
    2018年08月09日
  • 三国志(三)

    Posted by ブクログ

    戦乱の中で、手の握り合いと裏切りが目まぐるしく交差する。
    特に呂布が、部下の策謀にはまって、誰の味方なのか分からなくなってしまった。
    武術だけ飛び抜けて強くても、乱世は収められないんだなぁ。

    0
    2018年03月31日
  • 三国志(八)

    Posted by ブクログ

    蜀をまとめた劉備と魏王として対峙する曹操が、漢中で激突し、関羽・黄忠らの奮戦もあり、この地を収めることに成功します。
    漢の故地である漢中を収めてもなお、なぜ劉備が天下を治められなかったのか、残り2巻をたどります。

    0
    2018年03月31日