吉川英治のレビュー一覧
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保元の乱から平治の乱までを描いています。
貴族と武士の力関係が逆転するきっかけとなった時代の節目だけに興味深い。それ以上に負けた側と勝った側の人間模様も考えてしまいますね。
敗者の崇徳天皇の讃岐での悲哀。奢り高ぶる信西と権力の中枢から滑り落ちる藤原頼道。その信西も源氏により殺されてしまう。それも文覚のこの一言に集約されていると思う。
「人間にとって何よりの毒は権力だよ。」
親兄弟でも、反目しあい、殺しあう時代。「今日の友は明日の敵」の世界。後に頼朝が人間不信になってしまうのも分かる気がします。しかし、大河ドラマの世界と言うのは一度、小説などを読んでから見ないと歴史認識が誤りますね。 -
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ネタバレ初・水滸伝。 未完で終わったと知りつつも、読み始めてしまった。
<ネタバレ>
えらいたくさん登場人物がでてくるのは知っていたけれど、それがなぜ108名もいるのかは知らなかった。人間の強欲によって開かれてしまった扉。そこから弾け出た108名の星宿。
何かに流されるがごとく、梁山泊へと集まってゆく。
大義名分、同情に値する理由は大きくあるけれど、それでも殺戮にまみれて自らの手を汚してきた登場人物たちが”悪の根元”である高俅を成敗せんと向かって行く。善悪の棲み分けが曖昧なようでいて、とても明確であることの矛盾が面白い。
一番好きなのは、黒旋風・李逵。吉川英治の描く黒旋風は、とんでもなく無邪気で -
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新平家物語を再読。
武士が貴族の犬として存在した時代。時代が混とんとする中、平家の忠盛、清盛や源氏の為義、義朝らが力を付けていく。人が生きると言う事はきれいごとではないと改めて感じました。
いつの時代であっても権力闘争と言うのは尽きない悩みの様です。
鳥羽上皇と崇徳天皇の親子間の確執。悪左府頼長と道長の兄弟間の確執が混乱や権謀渦巻き、争いの火種となる。
悪左府頼長の政治への態度は敵も多いと思いますが、実は政治に対して最も真剣だったのではないか。そして、妻子を捨て、仏の道を選択した西行こと佐藤義清もまた、人生に対して正直だったのだと再読して感じました。
奢れるものも久しからずと言いますが、 -
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この作品もようやく読破。約4ヶ月であるから、月に2冊のペースで読みきったことになる。日本史好きな私ではあるが、もともとこの時代は好きでもないし詳しくもなかったのだが、職場の同僚SYUくんが「くちゃくちゃで訳わからなくなるから」と半ば強制的にくれたため読み始めたのである。
読んでみると、彼が言っていたほどはくちゃくちゃでもなく、訳が分からなくて方向性を見失うことはなかった。最終盤において、足利直義と高師直のナンバー2争い、尊氏と直義の兄弟喧嘩などが畳み掛けるように勃発しているさまを言っていたのだろうが、もともとこの辺りは高校時代の大河ドラマで観ていたし、先に読んだ「日本の歴史 第8巻 南朝と北 -
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本作品の主人公は紛れもなく足利尊氏だろう。そしてライバルとして楠木正成が据えられている。まあ、同じ源氏出身同士で仲違いをした新田義貞を合わせれば二人か。いや、後醍醐天皇も入れれば三人か。ならば護良親王も合わせれば四人…と、まあ主人公を引き立てせるためには幾人かのライバルを登場させるのが小説のやり方。話を戻そう、楠木正成。彼はどの時代人においても評価が高く、戦前などは彼が超ベビーフェイスで、尊氏がヒールという扱いだった。それは勿論、後醍醐天皇を敵に回した尊氏と、支え続けた正成という図式だからである。本作品は戦後描かれた作品であり、そんな図式にはとらわれず、この二人のキャラクターを魅力たっぷりに描