吉川英治のレビュー一覧

  • 三国志(八)

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    物語りはピークを過ぎ、劉備が死して以降、惰性の感がある。作者もそれに気付いており、編集を諸葛亮孔明に視点を置いている点を告白する。そしてもう一人、曹操。これらの役者が居なくなった後、最早続ける大義は無いと、物語りは閉じられる。そして晋へ。三国志を知ると知らないとでは、教養だけでなく、人生そのものが変わる。そんな名作である。

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    2015年06月28日
  • 三国志(七)

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    次々と役者が死んでいく。世代交代も三国志の面白さ。しかし、どこまでが史実でどこまでが創作なのか。吉川英治作という事で更に手が加わっており、何が何やら、である。日本人の三国志観は、吉川英治発という事で良さそうだが。

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    2015年06月27日
  • 三国志(三)

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    争いは絶えない。平和は続かない。際限の無い出世欲は、他を巻き込み、乱世が続く。統括された警察機能がなく、それを制御する分権、法治が無い限り、暴力と私的利害による対立は連鎖する。しかし、この対応において暴力をキーとした合理主義が成立する。つまり、より多くの兵を求め、そうなるために、魅力のある大将が必要となり、また、組織内の規律が重要となるのだ。

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    2015年06月13日
  • 上杉謙信

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    古文調で読みにくくはあるが、筆者の謙信に対する深い愛情・憧憬が感じられる。それが溢れ過ぎて、やや一面的になっていることはやむなしか。

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    2015年04月19日
  • 宮本武蔵(3)

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    出会ってはいけない二人が出会う第三巻。

    宍戸梅軒との意外な繋がりが判明するも、
    経験を通して成長した武蔵は、
    戦わずに逃げることを選び、
    本阿弥光悦と出会い、惹かれるも、
    自分とは住む世界が違うと思い、
    彼の元を去っていく。

    そして様々な苦難を乗り越え、
    吉岡清十郎との果たし合いを
    木剣一つであっさりと済ませる。

    一方、又八と小次郎、お通と朱美。
    武蔵の周囲の出会ってはいけない二人が
    ついに出会ってしまう。

    あとがきで聖書との類似性が指摘されていたが、
    どの辺が似ているというのだろうか。
    私が思うに、宮本武蔵を読む人も
    聖書を読む人も物語の結末は知っているが、
    愛を貫くキリストと強さを

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    2015年04月07日
  • 新書太閤記(二)

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    ネタバレ

    この巻は藤吉郎が寧子(ねね)を娶るまでと桶狭間の戦いが主要なところでしょうか。藤吉郎が徐々に足場を固めていってます。前田犬千代は利家のことですよね。徳川家康の忍耐強さは幼い時からずっと身に沁みついていったことなのだなぁと改めて思いました。

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    2015年02月24日
  • 鳴門秘帖(三)

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    なんとか阿波国に密入国し、剣山に幽閉されている恋人のお父さんのそばへ行った法月弦之丞さん。
    史実からして阿波の蜂須賀家がお取り潰しになるわけはないので、どうするのかな…と思った部分も上手にまとめてありました。
    最後までサクサクと楽しく読めたよ。
    法月さんが結局はお千絵さんと結婚したっぽい後日談だったけど、まぁ納得のラストだったかな。
    あっという間に読み切った3巻でした。

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    2015年01月13日
  • 鳴門秘帖(二)

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    大正15年、つまり昭和元年に書かれたとは思えないくらい楽しい隠密時代モノ。
    常にヒーローの会話が阿波の敵方に盗み聞きされるのが不思議なんだけど、とにかく話にスピードがあるし、少しくらい読み飛ばしても話はつながるからスキマ時間読書に最適!

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    2015年01月13日
  • 鳴門秘帖(一)

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    文体が語り口調で、なかなか楽しい時代小説。
    江戸時代に阿波徳島藩が討幕を考えていて、それを探りに行った幕府隠密さんが10年帰ってこなくて…。
    ヒーローは美形、何があっても死なない。
    王道な大衆文学です(笑)

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    2015年01月13日
  • 新書太閤記(一)

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    ネタバレ

    吉川さんは『三国志』しか読んでいませんが、読ませるのが上手な作家さんですね。まだまだ序盤なのに、引き込まれて読んでしまいました。信長に仕えてからの秀吉しか知らなかったので、奉公先で頭がまわりすぎるため妬まれたり、疎まれたりして暇を出されたり不遇の時があって、それが秀吉を大きくする礎になったのかなぁと、興味深く読みました。これからどんどん出世する秀吉が楽しみです。

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    2015年02月24日
  • 三国志(七)

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    世代交代。
    今か今かとおもっていたけれど、ついに名将たちが亡くなって行く。
    最初は読みにくかった三国志もすっかり登場人物に愛着がわいていたらしく、とてもさみしい!

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    2014年12月13日
  • 三国志(三)

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    今回は曹操と玄徳をメインにして動いてるので、やっとわかりやすく勢いが出てきて面白くなってきた!

    そういえば、いっちばん最初に出てきた「芙蓉」はどうなっているのだろう?とおもっていたのだけど、少しだけその後の話が出てきて嬉しかった~。

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    2014年11月11日
  • 三国志(二)

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    1冊読むのにすごく時間がかかってしまった。
    やっと物語が動き出した!とおもっても、全体で見るとまだスターと地点にも立ってないのだろうなと・・・。

    子供向けの、三国志武将大百科という本を片手に読んでますが、人物の多さに必死です。

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    2014年11月06日
  • 宮本武蔵(5)

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    自分のしたことを、共々喜んでくれる者があるのは大きな張り合いというものじゃないか。(武蔵→又八)

    由利権之助

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    2014年10月12日
  • 大岡越前

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    ネタバレ

    大岡越前が様々な苦難を経て、江戸南町奉行にとりたてられた大岡越前守の話。越前は、過去の自分が犯した罪を自分自身で裁きつつも、今の江戸の乱れは、過去の徳川綱吉の制定した生類憐れみの令が原因であると命を賭して将軍(この時は八代吉宗だが)に詰め寄った。

    大岡越前は、奉行になる前は、大岡市十郎のち忠相といい、親戚の犯した罪で閉門させられるなど、決して出世コースをひた走っていたわけではなく、本書では、浮浪者のようなことまでして、夜の街をさ迷い歩いていたとも書かれている。

    同族の忠真の娘お縫と結婚したあとは、伊勢の山田奉行となり、法を護持し、管理下の民を愛することにおいては、治領の境を接しあっている紀

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    2014年10月11日
  • 上杉謙信

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    「啄木鳥の戦法」で有名な第四次川中島合戦の様子。例の講談調の語り口で活写される、謙信の太刀を軍配で受ける信玄…というシーン。戦国時代のハイライトベスト10を選べば、確実に入るだろうこの失禁必至の場面、「どうせ盛ってんでしょ」と自分は斜に構えてしまう。

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    2014年09月23日
  • 黒田如水

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    「三国志」「宮本武蔵」でお世話になった吉川英治コーナーに、今年の大河ドラマの主人公を加えたくなって購読。

    正直、もっと天才軍師らしい活躍をするのかと思っていたので、ちょっと「あれれ?」な感じは否めませんでしたw かなり限られた期間に限定した展開で、もっと生涯そのものを描いているのかと思っていたので。ただ、黒田官兵衛という人物を語る上で決して外せないエピソードの“長期の幽閉”と、そこへ至るまでの経緯と詳細に話を絞って描きこまれたドラマには、この人物をほとんどよく知らない自分も強く惹き込まれました。
    基本、大河ドラマは興味がないので観てませんが、今回は、ちょっとどうしようかと悩むところw

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    2014年05月17日
  • 黒田如水

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    信長を裏切った荒木村重の居城、伊丹城に幽閉された事件を中心に描かれている。戦乱の状況下で獄窓に這う藤の花がやさしい。14.2.15

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    2014年02月15日
  • 黒田如水

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    何か腑に落ちん。救出劇に活躍した女がその後処刑され死んでしまうとか、創作部分かと思われるところでイマイチ腑に落ちん。

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    2014年02月07日
  • 新・平家物語(六)

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    六巻は、鹿ケ谷の陰謀始末から。俊寛が鬼界ヶ島に流された。
    重盛がとうとう死んでしまった。
    平家側と朝廷側との均衡が保てなくなっていくのも近そう。
    義経が弁慶とついに出会う。
    治承三年の政変が起こるところで六巻はおしまい。

    「好い老人になってゆくのも、なかなかむずかしい関門にちがいない。生理的に気みじかになり、判断力に努力がいる。怒りっぽく、また反対に愚痴にもなる。すべての人間の表裏が見えすいて、とかく人の狡知やかけ引きが目について仕方がない。」というのが面白かった。

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    2014年02月02日