吉川英治のレビュー一覧
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ネタバレ密かに都の恋人の元へ逢いに戻った敦盛も、義経の助けでそっと平家のいる屋島へ戻り、兄経正の助けで忠度の陣に加えられる。一ノ谷では、後白河の密使により和平の議が持たれると信じた平家の油断の隙に大手の範頼が東から、搦手の義経が軍を分かちながら背後と西から挟み撃ちをかけ、平家軍は潰走する。多くの公達は討たれ、南都焼討の罪を負う重衡は生け捕られて、罪業消滅の思いで鎌倉へ送られていくが、そこで千手の前と最後の愛の日々を過ごす。
義経の思慮深さや控えめさもあるが、この巻は重衡の贖罪思想感が強かった。吉川英治の描く平家物語は、平家物語のようでもっと普遍的な人間の業や平和への重い祈りを描いていてよい。
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購入済み
上手いものです
日本のディケンズ、吉川さんのエッセイ。
お値段もお求めやすいですね。
時代を感じさせる内容が多々ありますが、
菊池寛の発言を取り上げたりで、やっぱり面白い。
お好みで。 -
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私は六巻が一番好きである。平家物語の番外編とも云える南海の孤島・鬼界ヶ島に流された俊寛らの現地暮らしがはじまる。俊寛の物語は能や人形浄瑠璃でも題材になっており、よく知られている。人の幸福とは何かを考えさせられる不思議な物語だ。
そして義経。平泉から叔父・新宮十郎行家を頼り、那智に渡る。そこでひとりの老婆・さめと出会う。静かな暮らしは続かず、平家方の探索の手を逃れるため、都を目指す。さめが連れていってほしいと泣きつき、義経がそれを許すところが印象に残る。本当に優しい青年だよ、義経は。応援したくなるでしょ、これは。旅の中途で江ノ三郎を供に加え、都の仁王小路の一軒家で義経、鎌田正近、さめ、三郎の四人 -
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もちろん吉川英治は愛国者である。戦前は 「宮本武蔵」 などの作品群で国民を鼓舞し、勇気を与えた。また保守・右翼界の人たちとの交流もあったようである。しかし思想で固まっていた人ではない。左翼の学者から教えを請うようなこともあり、自らの座右の銘である「我以外皆我師」の実践者でもあった。そんな彼にとって、敗戦は例えようもない挫折であったろう。実際にGHQによって公の場からの追放の憂き目をみる。多少とも愛国的であるとされた人間はそういう扱いを受けた時代である。復帰して書かれた本作品の平家は"悪"に描かれていない。悪だから負けたのか?そんなわけはない。この物語の底流にある無常観には吉
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Posted by ブクログ
本作品は"国民作家"吉川英治の代表作で、昭和25年から32年まで「週刊朝日」誌に連載された。25年はまだGHQ占領時代で、娯楽も少なかったこともあって、日本的な美意識や生き様を描いた本作は大変な評判を集めることになった。その盛り上がりは昨今のベストセラーの比ではなかったようだ。来年の大河ドラマは平清盛を主人公に据えることが決まっているし、本書の注目度も上がるかもしれない。平家物語を描いた作品には、ほかに橋本治や宮尾登美子らの手になるものがある。平家作品が増えるのはファンとしては大歓迎であるが、その中でも本書の輝きは図抜けていると云える。
第三巻は平治の乱の決着とその戦後処