吉川英治のレビュー一覧
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上杉謙信というタイトルだが、上杉・武田両方の視点で川中島の戦いを描く。
互いが互いの腹を読みあい、裏をかこうとする。
吉川英治のごつごつした文章が、なぜかつるつると気持ちよく入ってくる。
歴史の結果は知っているけれども、謙信の視点に立てば捨て身の戦法が功を奏するのではないかと、信玄の立場になれば地の利と数で大勝するのではないかと、わくわくしながら読み進める。
そしてタイトルの上杉謙信。
戦国武将でありながら、あまりにもストイックで、理想主義。そして無私の人。
これがフィクションの創造物ならできすぎだ!と言うところだけど、古文書にも記されている事実なのよねえ。
同じ時代に同じ器量の武 -
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ネタバレ宮本武蔵第5巻では、主人公の旧来の友人である又八について多く書かれているように感じた。私の彼に対する印象は根本からのダメ人間である。何をするにも強者にゴマをするような態度を取り、常に目先の利益ばかりを考えているように思えた。彼がお金のために将軍秀忠の暗殺に加担しようとした場面では、欲望はいとも簡単に人間の理性を失わせるのだと思った。しかし、そんな彼が一番人間らしく見えてくるところが怖いところでもある。主人公の武蔵や、ヒロインのお通は並外れた純粋さと固い信念を持ち、言ってしまえば現実とはどこか遠くの存在に感じてしまうが、又八に関してはある意味で一番人間味があり、多くの読者に同情の念を抱かせるので
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ネタバレ第4巻では、主人公の武蔵は二人目の弟子を持つことになるが、その弟子から多くを学ぶことになる武蔵の描写は新鮮だった。武蔵は自分の信念を強く持ち、曲げることはしない一方、自分にはない能力や考え方には柔軟に対応しているところが人格者だと思った。人間は歳を重ねると往往にして若い者の意見を取り入れることに抵抗を感じることが多くなると考えるが、その中でも武蔵は誰に対しても常に謙虚な姿勢を崩さず、その姿に感銘を受けた。また弟子の伊織は両親を亡くしており、本来は絶望に打ちひしがれるところだと思うが彼は武蔵との師弟関係を通して自己を成長させていく高い志を持っており感動した。私自身、両親が健在の家庭環境で育った故
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ネタバレ第一巻、第二巻と比べて恋愛要素の強い第三巻であった。ヒロインのお通が死を覚悟する程、主人公武蔵のことが好きだと伝えるシーンは鳥肌が立つほど臨場感あふれるものだった。お通の恋心の描写はとてもリアルで読んでいて面白いが、もし自分がお通のような女性に好意を持たれる機会があったとしても私は少し距離を置いてしまうかもしれない。もちろん彼女の一途な愛を貫く姿勢は魅力的だが、私はお互いに刺激し合って向上しあえるパートナーが理想だと考えているためお通のような少々依存気質のある女性は自分には相性が良くないと思った。小説中の様々なシチュエーションで自分ならばどうするかと登場人物を自分に置き換えてみると、本書をより
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1巻から引き続き、引き込まれるように読んだ。宮本武蔵の強固な信念には感服する。彼は常に自分より上のものと比較することで自分の未熟さを思い知り、その克服のために絶え間ない努力をする。私は、他者と比較してはいけないという考えに半分共感する。確かに、他者と自分自身を比べて落ち込むのであれば始めから比較などするべきではない。しかし、それがポジティブな比較、つまり武蔵のような自分を鼓舞する比較であれば必ずしも悪いとは言えないと感じる。大切なのは、自分自身が絶え間なく向上していくことだと考えるため、他者との比較もその目的を達成するための一つの手段として捉えるべきだと思った。次巻がとても楽しみである。
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主人公の宮本武蔵は徳を重んじ義理を大切にする、まさに自分のイメージする侍だと思った。戦国時代において士農工商のすべてが恥を重んじていたことは現在でもその片鱗を残していると思う。恥を晒すぐらいなら死を選ぶという考えは極端だと思うが、現代でも卑怯しないことや誠実であることなど武士道精神が日本人のDNAに染み付いていると感じる。日本ほど形式を重んじる国はないと思う。それは良いことだと思うときもあるが、現代を生きる上で少し窮屈に感じるかもしれない。本書では、宮本武蔵は無鉄砲でがむしゃらな人間だとの印象を受けたが、自分の信念を持って生きる姿に心を動かれた。