吉川英治のレビュー一覧
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平治の乱の大詰め、熊野詣の留守を好機と観て、源義朝挙兵。わずが半日で鎮圧される源氏。その後次々と捕縛される中、源義平のエピソードと最後は無念でしかない。ここでようやく常盤御前とその子供たちも具体的に登場。後々義経も今はまだ、牛若丸として鞍馬寺へ、幽閉。源氏嫡子の頼朝も捕縛され、東国の伊豆へ。なんで西国ではなく源氏の本拠地に近い伊豆なのかな…と疑問が残る。この乱後、平家主導の政治がいよいよ本格的に始動して行くこととなる。この巻は武士だけでなく、脇役とも言える平民の欲望、欲求を男女問わずうまく情報として描写されており、決して泰平な世の中と言えない事をバランスよくまとまっている
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ネタバレ諸葛孔明の唱えた天下三分の計を成就させ、漢王室の復興に向けて順調に勢力をつけていった蜀の劉備だが、関羽が呉の孫権に殺されたことで歯車が少しずつ狂っていった。張飛も寝返った部下に殺され、かたき討ちと呉の孫権に出兵するが敗北してしまう。私情のままに動いたために、魏を倒すどころかかたき討ちすらできずに劉備はこの世を去る。諸葛孔明は劉備に代わって魏を倒すことを誓い、優れた才略で着々と敵を倒していく。しかし「泣いて馬謖を斬る」の故事成語になった馬謖のミスにより長安侵攻の機会を失ってしまった。最期には病に倒れ、ついには劉備の夢を叶えることはできなかった。
関羽・張飛が殺された後、劉備が諸葛孔明に従って無 -
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6巻は2人目の弟子との出会い、共に荒野を開拓していく。
大自然を師匠とし、開墾の中で得られる苦労や失敗を修行と捉える生活はスケールが大きい。
新たな環境で試行錯誤を重ね、得た知恵や深めた思想は生き生きしている。武蔵は失敗するほど、柔らかく謙虚になっていくように感じる。その一方で人に何を言われても自分が信じることを貫く強さをもつようになる。
何事からも素直に学ぶ姿勢を持ちたいと思う。
「水には水の性格がある。土には土の本則がある。その物質と性格に、素直に従いて、おれは水の従僕、土の保護者であればいいのだ」
「富士山をごらん。あれになろう、これに成ろうと焦心るより、富士のように、黙って、自分を