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Posted by ブクログ
もちろん吉川英治は愛国者である。戦前は 「宮本武蔵」 などの作品群で国民を鼓舞し、勇気を与えた。また保守・右翼界の人たちとの交流もあったようである。しかし思想で固まっていた人ではない。左翼の学者から教えを請うようなこともあり、自らの座右の銘である「我以外皆我師」の実践者でもあった。そんな彼にとって、敗戦は例えようもない挫折であったろう。実際にGHQによって公の場からの追放の憂き目をみる。多少とも愛国的であるとされた人間はそういう扱いを受けた時代である。復帰して書かれた本作品の平家は"悪"に描かれていない。悪だから負けたのか?そんなわけはない。この物語の底流にある無常観には吉川の先の大戦への思いが感じられるのである。
この巻から登場する人物は多い。後に義経の近臣となる佐藤兄弟、那須兄弟、そして藤原秀衡。頼朝と政子の出会いとの恋情があり、北条一族も登場。"怒め坊"弁慶がまた彼らしい登場を見せる。それにしても当時の坊主ってのは悪いのが多いね。多田行綱の密訴により、いわゆる「鹿ケ谷の陰謀」が露見し、時代は風雲急を告げていく。
Posted by ブクログ
義経の平泉入り。頼朝の近況。京の都では鹿ヶ谷事件が発生する。
歴史にIFはないですが、頼朝が伊豆に送られずに、西国に送られていたら。政子に出会っていなければなどと考えてしまいます。義経も同様です。平家もしかりで、清盛が長生きだったら。重盛が病にならなければと。
ただ、この些細なひとつずつの積み重ねが、重大な結果に繋がると思えば、自分の生活でも何もしないと言う選択肢はないと実感。
鹿ヶ谷事件で、平教盛・重盛が大納言成親との親類関係に苦しむ様や、政子が頼朝と通じていると苦しむ北条時政。そう言った親兄弟の関係で苦しむ様は平治の乱や保元の乱とあまり変わっていない気がします。
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