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Posted by ブクログ
16巻に渡る吉川英治の新平家物語の最終巻。嘗て栄華の極みを見た朱鼻の伴卜や奥州の吉次・新宮十郎行家も呆気ない最期を遂げ、義経忠臣の佐藤忠信や伊豆守源有綱も凶刃に倒れる。堅田衆や藤原秀衡の助けもあり、権力争いから抜け出し慎ましく生活していた義経も戦乱の因果には抗えず、秀衡の子泰衡に寝首をかかれ、妻百合野と子と共に衣川にて果てる。また、時代の寵児頼朝の死後、源氏内の権力争いが泥沼化し、実朝が公暁に暗殺され源氏3代で滅んだ事も、史実が示した通りである。権力争いに巻き込まれる限り、「盛者必衰」は避けられぬ理であることがよくわかる。
一方、麻鳥・蓬夫婦や那須大八郎が見つけた椎葉村の平家残党、敦盛を討った後発心し、出家の上法然の弟子となった熊谷直実の様に、この世の権力争いから身を引く事で地上の極楽を見出した人間もおり、真の幸せとは何かを問いかけている。出世することが幸せなのか?有名になる事が幸せなのか?そうでは無くて、気の置けない人々に囲まれ、慎ましく暮らす事こそが幸せなのだと示唆していると感じる。
ボリュームが凄かっただけに、読破の達成感もひとしおであった。また読み返したい。
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