吉川英治のレビュー一覧
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西上する足利軍は怒涛の進撃を見せ、ついに京都を奪回。楠木正成の自刃など宮方軍は瓦解を見せ、後醍醐方の勢力は吉野に篭ることとなる。
復活を遂げた尊氏だったが、喜びに浸っているとは見えなかった。未だ続く南北朝の血みどろの争い、志を共にした者とすら殺しあわなければならない現世。その中に彼が見たものはなんだったのか―。
無常を感じずにはいられないこの作品にあって、最期の「黒白問答」が一つの救いとなっています。
「長い戦乱は、みなを苦しめたには違いはないが、庶民の生活はいつともなくずんと肥えていましょうが。外へこぼれ出た宮廷の文化。分散された武家の財力、それらも吸って」
血でこの世を変えねばならない時 -
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尊氏を筑紫へ落ち延びせしめた宮方軍。京は勝利の喜びに浸っていた。わけて新田義貞は後醍醐天皇の寵姫を賜わり、凱旋将軍の栄誉を浴びていた。この中にあって、依然行く末を憂いていたのは楠木正成。尊氏の反攻を脅威に感じ、和解策を献上するもそれは採られるはずもなかった。
都が戦勝一色に染まる間、尊氏は大宰府を基点として戦力の充填に務める。わずか一ヵ月半の間に陸軍・水軍ともに大軍団を揃え、東上を開始する。そしてついに、両軍激突となるのであった―。
真に国の行く末を案じている楠木正成、彼の姿が印象に残ります。彼こそまさに忠誠の士と呼んでしかるべき人でしょう。またそういう人はいつの時代でも受け入れられないもの -
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治安維持者として、尊氏は建武新政での権限を日にしに強めていく。新田義貞や後醍醐の皇子、大塔ノ宮らはそれに危機感を覚え始め、反尊氏の勢力をなしていく。
相反する二つの勢力は京での、水面下の工作合戦からついに武力衝突へ至ることになった。尊氏は蟄居していた鎌倉から進軍、怒涛の勢いで京を攻め落としたが、新田義貞をはじめとする敵の反撃に大敗を喫してしまう。
再起不能となってしまった足利軍。尊氏は捲土重来を懸け、西へ落ちてゆく。だがそれも薄氷を踏む道程であった―。
新田義貞を誅する―その目的のため尊氏は挙兵しました。初めは破竹の進撃を見せていても、ついには西へ逃れることとなります。今日の勝者が明日の敗者 -
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ついに幕府への反旗をひるがえした足利高氏。怒涛の勢いで六波羅に迫り、これを蹂躙した。また同時期に東方では新田義貞が決起し、鎌倉を急襲する。果敢に抵抗する鎌倉武者もいたがその勢いには逆らえ得ず、百五十年に及んだ鎌倉幕府は遂にその幕を閉じる。
争乱の世が終わり、平和な時代がやってくると思われたのも束の間。戦後の褒賞・利権をめぐり公卿と武士、また武家同士での対立が起こり、世の風に再び火種が孕まれることとなる―。
ついに鎌倉幕府滅亡となりました。
滅んでいくものへの哀れみはやはり日本人独特の感性でしょうか、敗者の散っていく様は涙を誘うものがあります。
ほとんどの武士は勤皇精神ではなく、飼い殺しにされ -
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隠岐島へ流され幽閉の身となった後醍醐天皇だが、その持つ政治的影響力は全く衰えずむしろ日に日に強くなっていく。
一度は下火となった宮方だったが後醍醐天皇奪還の成功により、千早城で頑強な抵抗を続けていた楠木正成を始めとする一味の、倒幕の気運はいよいよ高まっていく。
高氏率いる足利家にも、ついに派兵の命が下る。長年胸に秘めてきた野望を成就させる機会が、ついに訪れた。不退転の覚悟で、高氏は西上を開始する―。
後醍醐天皇の奪還作戦と、楠木正成の頑強な籠城戦が主に描かれています。
中でも楠木正成の人となりが、神格化されず等身大として描かれています。見た目は平凡だのに、接してみるとその人格に心を打たれる。 -
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後醍醐天皇からの勅使を受け、楠木正成はようやく挙兵を決意する。正成の参戦と笠置山での勝利で宮方は勢いに乗るが、幕府の奇襲によりあえなく敗北。後醍醐天皇は隠岐島へ流され、他の公卿たちも流罪や断罪に処された。しかし水面下では楠木正成の工作が進んでいた―。
後醍醐天皇の流罪の様子が主に描かれています。
またそれに伴い佐々木道誉が生き生きと暗躍しています。
これで大方は鎌倉の勝利に終わったかのように見えますが、後醍醐天皇が撒いていった争乱の種、また自らを死んだように思わせた楠木正成の動向が今後どのような実を結んでいくのか、次が楽しみです。
平家物語にもある諸行の無常さがここでもよく感じられます。ま -
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北条政権末期、政治は乱れ幕府の求心力は失われつつあった。再び乱世の観を呈しつつあるこの時代に、後に室町幕府の開祖となる足利高氏が登場する―。
この時代、鎌倉末期・南北朝時代・室町時代についてはよくイメージを持っていなかったのですが、それが全く関係なく、とても面白く読めます。
足利尊氏、新田義貞、後醍醐天皇、佐々木道誉といった鍵を握る人物達が登場し、生き生きと描かれています。
高氏の秘めた野望がどう帰結していくのか、続きが楽しみです。
吉川作品を読むのはこれで二作目ですが、しかし面白い。おそらく絡めて書くのが上手いのでしょう。素晴らしいエンターテインメントです。 -
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お通・城太郎の旅路
朱美の受難
小次郎の登場と又八との出会い
清十郎と武蔵の立ち合い、そして伝七郎の登場
が描かれています。
武蔵の剣も精神も更なる研鑽を見せています。
光悦との出会いにより、今後どうなっていくのか楽しみです。
武蔵を追うお通と朱美の運命が悲惨すぎます・・・。
朱美は清十郎に犯され、後に小次郎の狂った愛を受けることになるし(ここでは小次郎はかなりの危険人物として描かれています)、お通はお杉婆に苦しめられることになります。
彼女らの旅もどうなっていくのでしょう。
この巻では人間模様が多分に描かれていると感じました。武蔵を中心に動いていく奇妙な人間の縁、どうなっていく -
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一巻~八巻全部の感想
コミック「バガボンド」を二十巻ぐらい読んでから、この本を手にとりました。コミックで、ある程度人物をイメージできてたので、長いなが~い長編でしたがサクサク読めました。
武蔵、お通、又八、城太郎、吉岡、お杉婆、朱美、佐々木小次郎もろもろ、それぞれの視点からのストーリーも描かれおりよかったですね。
お通の武蔵を想う恋、武蔵に異常な執念を燃やすお杉婆、武蔵と親友であった又八の裏切り、嫉妬・・・
コミックと違い(原作だからそれはそうか(笑))、佐々木小次郎は高慢で憎らしいキャラクターでいかにも悪者という感じでした。さすが、最後のラストボス(笑)武蔵と最後の闘いは -
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3巻のメモ
陳珪・・・徐州の名士で高官、息子は陳登
病気療養中で普段は家で寝ている、という記述がよく出てくるが、自分や息子が危なくなると、
サッと出てきて素早く策をめぐらし、難をのがれる。ほんとに病気なのか?と疑いたくなるような活躍ぶり。
3巻の適当なあらすじ
陳珪&陳登父子の活躍により、
ついに曹操は呂布に勝利。呂布&陳宮は処刑される。
劉備も活躍。
その後一瞬だけ曹操が劉備にべったりな時期があった。
都にいるとき、劉備は皇帝にお目通りを許され、昔の王様の子孫→今の皇帝とも親戚
ということが皇帝にも知れる。
以降劉備は「劉皇叔」と呼ばれることになる。
皇帝