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後醍醐天皇からの勅使を受け、楠木正成はようやく挙兵を決意する。正成の参戦と笠置山での勝利で宮方は勢いに乗るが、幕府の奇襲によりあえなく敗北。後醍醐天皇は隠岐島へ流され、他の公卿たちも流罪や断罪に処された。しかし水面下では楠木正成の工作が進んでいた―。
後醍醐天皇の流罪の様子が主に描かれています。
またそれに伴い佐々木道誉が生き生きと暗躍しています。
これで大方は鎌倉の勝利に終わったかのように見えますが、後醍醐天皇が撒いていった争乱の種、また自らを死んだように思わせた楠木正成の動向が今後どのような実を結んでいくのか、次が楽しみです。
平家物語にもある諸行の無常さがここでもよく感じられます。またそれを楽しむようにすら思える姿勢も。曳かれていく道中にも句を詠む、風流な美意識が感じられました。
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第3巻では笠置が落ち、正成の赤坂城も落ちる。そして、後醍醐天皇が隠岐に流される話が長々と続く。この巻では高氏(のちの尊氏)はほとんど登場せず、婆沙羅大名、佐々木道誉が最後まで幅を利かす。NHK大河ドラマの「太平記」では陣内孝則さんが演じているが、尊氏とは違う意味で凄い人やわ
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元弘の乱が興り、楠木正成が満を辞して、ついに立ち上がる。
楠木正成に対し、佐々木道誉が後醍醐帝と北条高時の間を自由に動き回る。決して愛すべきものではないが、動乱期における魔物なのであろうか。
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▼本を読んだ理由(きっかけ・動機)
もともと吉川英治氏の作品は全て読破したいと思っていたため、いずれ読むつもりであった。
このタイミングで手をだしたのは、山岡荘八氏の『源頼朝』を読んで、鎌倉~応仁の乱を経て戦国に到るまでの歴史を改めて知りたいと思ったから。
「足利尊氏」という人物をぼんやりとしか知らなかったのも動機のひとつ。
▼作品について
室町幕府を起こした足利尊氏を主人公に南北朝動乱の始まりから鎌倉幕府崩壊後の泥まみれの戦模様が描かれている。
これを読めば、室町幕府が早期に瓦解し、応仁の乱を経て戦国に突入した理由がよくわかる。
▼感想を一言
切なくなった
▼どんな人におすすめ(気分、状況)
日常に疲れ、厭世観に付きまとわれている人。
「足利尊氏」の晩年の悲しさも最後の「覚一法師」の琵琶問答に救われる。
▼作者について
歴史・時代作家としては吉川英治氏が描く作品は司馬遼太郎氏のリアリティとは違い、人間愛に溢れている。
作品は最後に”救い”があり、現実の厳しさの中にも一輪の花(希望)を咲かせるような
読む人を励まそうとするような一面があるように思える。
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後醍醐天皇は動座して笠置へ逃れたが笠置の戦いで鎌倉方に追われて囚われる。楠木正成登場。赤坂の戦い敗走。
後醍醐天皇隠岐の島遠島。佐々木道誉が付き添い引き渡し。楠木正成再起、天王寺の戦い。
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私が本作品において最も好きなキャラが佐々木道誉。婆娑羅大名の代表格である。ブログタイトルにあるとおり、私はファンキーなキャラが大好きなのだが、彼はまさにそれ。単なるファンキーではなく、仕事はきっちりこなし、上(佐々木道誉の場合、北条高時や後醍醐天皇)からの覚えも良く信頼され、本音は別のところに有ったり、好き放題人生を謳歌する…。まさに私の目指すもの。
本巻では佐々木道誉が主人公のようなものだった。想い人を追ったり、隠岐へ島流しされる後醍醐天皇を護送したり…。
そんな中で、足利尊氏に語った台詞がこれ。
「いや、元気なのは当たり前だ。お互いこんな時代にこの若さではないか。浮世が面白くて堪らぬよ。時にお主はどうなのだ」
こんな陽気な楽天的な人生を歩んでいきたいものである。