【感想・ネタバレ】私本太平記(六)のレビュー

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 後醍醐天皇の元、集った将帥がついに袂を分かちます。
 それにしてもこの時代の物事の進みの早さは凄いですね。

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2020年02月01日

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治安維持者として、尊氏は建武新政での権限を日にしに強めていく。新田義貞や後醍醐の皇子、大塔ノ宮らはそれに危機感を覚え始め、反尊氏の勢力をなしていく。
相反する二つの勢力は京での、水面下の工作合戦からついに武力衝突へ至ることになった。尊氏は蟄居していた鎌倉から進軍、怒涛の勢いで京を攻め落としたが、新田義貞をはじめとする敵の反撃に大敗を喫してしまう。
再起不能となってしまった足利軍。尊氏は捲土重来を懸け、西へ落ちてゆく。だがそれも薄氷を踏む道程であった―。

新田義貞を誅する―その目的のため尊氏は挙兵しました。初めは破竹の進撃を見せていても、ついには西へ逃れることとなります。今日の勝者が明日の敗者になる。つくづく無常を感ぜずにはいられません。
言い方はおかしいですが、尊氏は家康に非常に近い人間だと思います。鷹揚としていて外からは人畜無害や優柔不断と見られても、辛抱強く機を待ち、最も深謀な目で行く末を見つめている。室町・江戸と二つの幕府を開いた二人には、やはり共通するものがあるのでしょう。

西へと逃れていく尊氏(ここにも彼の戦略眼があります)の今後がどうなるか、また捲土重来はなるのか、次が楽しみです。

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2010年10月21日

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建武の新政が始まるが、内部対立ばかり。尊氏は後醍醐天皇の命令を受けずに鎌倉に戻り、さらに帝の命令で足利を打ちに来た新田義貞を退け、その勢いで上洛。しかし、義貞らの反撃を受け、いったん九州に引く。話の展開が早い。2020年4月からNHK BSプレミアムでやってる大河の「太平記」にやっと追いついて追い抜いた

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2020年11月01日

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建武新政への不満から、大塔宮を中心とする公卿方と足利尊氏は、対立を避けられなくなる。
大塔宮暗殺のあと、足利尊氏は、新田義貞を中心とする後醍醐帝の勢力に敗北を喫し、九州に逃れていく。
佐々木道誉の人を食ったような動きに圧倒されるとともに、足利尊氏と楠木正成らの互いに惹かれ合う関係が面白い。

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2019年12月30日

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建武の新政は脆くも崩れさるわけだけど、人間の根源的な私欲が引鉄になるんだなぁ。そも皇室が二党になったのだって後醍醐が皇太子を自分で決めたかったからだし、新政を崩壊に向かわせたのは、阿野廉子が自分の産んだ子を皇太子に立てたかったから。
それにしても平安時代ならいざ知らず、自分では何にもできない公卿ばらが、天下を我がものと思える感覚がまったく理解できないんだなぁ。

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2016年03月17日

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▼本を読んだ理由(きっかけ・動機)
もともと吉川英治氏の作品は全て読破したいと思っていたため、いずれ読むつもりであった。
このタイミングで手をだしたのは、山岡荘八氏の『源頼朝』を読んで、鎌倉~応仁の乱を経て戦国に到るまでの歴史を改めて知りたいと思ったから。
「足利尊氏」という人物をぼんやりとしか知らなかったのも動機のひとつ。

▼作品について
室町幕府を起こした足利尊氏を主人公に南北朝動乱の始まりから鎌倉幕府崩壊後の泥まみれの戦模様が描かれている。
これを読めば、室町幕府が早期に瓦解し、応仁の乱を経て戦国に突入した理由がよくわかる。

▼感想を一言
切なくなった

▼どんな人におすすめ(気分、状況)
日常に疲れ、厭世観に付きまとわれている人。
「足利尊氏」の晩年の悲しさも最後の「覚一法師」の琵琶問答に救われる。

▼作者について
歴史・時代作家としては吉川英治氏が描く作品は司馬遼太郎氏のリアリティとは違い、人間愛に溢れている。
作品は最後に”救い”があり、現実の厳しさの中にも一輪の花(希望)を咲かせるような
読む人を励まそうとするような一面があるように思える。

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2012年01月09日

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・建武の新政において後醍醐天皇は息子の護良親王を征夷大将軍とするが、足利尊氏と対立、失脚する。
・足利尊氏は上洛時に新田義貞、北畠顕家らに敗れて九州まで後退するが、足利尊氏に対する武士の信頼は厚い。
・上記の過程での争いにおける各々の戦術の記載は生々しく面白い。(尊氏の戦略家としての采配に関して読み応え有り)

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2011年04月02日

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私本太平記5巻の紹介で、吉川英治は滅び行く人々の悲劇を描くのがものすごいうまいと書いたが、この6巻でも、印象的に散っていく人がいる。後醍醐天皇の息子で、天皇家にしては珍しい剛の者、大塔の宮護良親王。担ぎ上げられるだけ担ぎ上げられ、落日のさなか誰も助ける者がいない悲劇。人に恵まれればもっと活躍しただろうなと思う。

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2009年10月04日

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建武新政成るが公家主導の政治に不満続出。大塔宮は尊氏を敵視。鎌倉では北条氏の残党が挙兵し直義を破る。尊氏は直義救援の兵をあげるが朝廷反逆となる。宮方新田義貞と朝敵尊氏の対決の構図となる。

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2020年12月15日

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とうとう足利尊氏が活動開始。と言っても、彼自身が精力的に動いた訳ではなく、まずは弟の直義が護良親王を斬ることにより火蓋が落とされる。そしてそれでも頑として動かない尊氏。直義に散々説得されようやく重い腰を上げる。三国志の劉備しかり、吉川英治氏が書く英雄はこんな鈍な一面を持つ英雄が多い。前巻までとは打って変わって流れるような話の展開であっという間に読めた。

一点だけ興味深かった点を列挙したい。

本作品ではあまり後醍醐天皇の心情は詳しく描かれないことが多いが、このセリフは中々粋だった。
「今の例は昔の新儀だった。朕の新儀はまた後世の先例となろう。藤房、そちには駸々たる時勢の歩が分からんとみえるな」
わかりやすく言えば、「前例は自身が作るものだ」というもの。皇族でこのようなセリフを吐いた人物は後醍醐天皇以外に知らない。隠岐に島流しに遭ったり、足利尊氏、新田義貞、楠木正成などの武士を良いように使ったりするさまは、まるでこの約150年前に幽閉されたり源氏と平氏などの武士を上手く使っていた後白河法皇とキャラクターが被る。

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2013年06月01日

Posted by ブクログ

(全巻合わせた感想)
文章が読みやすく、状況描写が上手でその場の雰囲気や気持ちが手に取るように分かり、その文章の巧みさに感嘆した。内容は主人公尊氏及び周辺の人々に何らの魅力を見出せなかったので、少しつまらなかった。

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2012年02月07日

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