吉川英治のレビュー一覧

  • 宮本武蔵(5)

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    5巻は武蔵の成長よりも、苦悩や葛藤を乗り越えようともがく人間らしさが印象的。
    多感な青年期に、生きる意味を模索し、高い志を立てながらも恋愛に翻弄される姿は時代は違えど多くの人が通る成長過程ではないかと思った。

    女性(お通)に対する抑え難い本能と情熱に困惑し、遠ざけてきた武蔵だったが、自分さえ乱れなければ剣を鈍らせることはないと気づく。流されない自分でさえいれば安心して人を愛することができるのだと。

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    2021年05月20日
  • マンガ 三国志Ⅱ  赤壁の戦いと三国の攻防

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    ・狭義の三国志(220年:後漢滅亡〜280年:蜀滅亡迄)を2冊の漫画で描いた作品。
    ・非常にコンパクトに要約されており、また個性の強いキャラクターの特徴を確り捉えているため、三国志の入門書として最適。
    ・Iでは蜀の先帝 劉備を、IIでは劉備の右腕でありブレインであった諸葛孔明を主人公として描いている。
    ・漢統一、復興を志した2人だが道半ばで亡くなる。ハッピーエンドではなく悲劇で幕を閉じるが、劉備、諸葛孔明の誠実さ、温情、人身掌握術、リーダーシップ等学ぶことは幅広く多い。

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    2021年05月16日
  • 宮本武蔵(4)

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    4巻は、さらに武蔵の心と技が磨かれていく。
    これまで愚直に、強くなることだけを考えて修行を重ねた武蔵だが本阿弥光悦や吉野太夫との出会いの中で、本当の強さとは、心を張り詰めて自身に厳しくあるだけではなく、適度に緩みを持たせるしなやかさを持つことだと悟る。
    「生きている間の花は咲かせても、死してから後まで、この牡丹の薪ぐらいな真価を持っている人間がどれほどありましょうか。」(吉野太夫)

    物語は吉岡一門との決闘に向かって、徐々に緊迫感を増していく。武蔵は死を受け入れて戦う決意を固めるが、その中に「生きたい」と願う心を知る。
    生命を愛するということは、命の終わり方に意義をもたせることだと戦う覚悟を決

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    2021年05月12日
  • 新編忠臣蔵(二)

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    赤穂事件による世間の様子とかの描写が面白い。
    それぞれの立場で考えることが、今も昔も変わってないような気がする。
    この作品は、あくまで吉川英治氏の思いが入っているだろうけども、現代にも通ずるなぁと思った。

    知っているようで知らない忠臣蔵は普遍的な何かを感じさせてくれます。

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    2021年05月11日
  • 新編忠臣蔵(一)

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    誰もが知っている忠臣蔵。でも実際はよく知らない。と言うことで読んでみよう☺️

    いや〜面白い!
    人気の読み物で人気あったのがわかる。
    当時の時代背景などを知れたのは勉強になる。

    5代将軍、徳川綱吉の時代。
    天下の悪法と言われた生類憐れみの令が出され、武家社会から商業・文化が発展した世の中。
    元禄の世相がなんとなくわかった。

    浅野内匠頭、大石内蔵助、吉良上野介。
    お馴染みの主要人物が登場してきます。

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    2021年05月11日
  • 宮本武蔵(2)

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    2巻では、武蔵の挫折と心身の成長、沢山の出会いと別れが描かれる。
    城太郎という弟子との出会い、吉岡門下との戦い、何より石舟斎に出会わずして挫折する場面は印象的。また、青年らしく、お通に心惹かれる自分を戒める姿に人間らしさを感じる。


    功名心に燃える武蔵が、剣宗石舟斎の門の前で詩を読んだ時、
    「届かない!自分などには届かない人物だ」と感じる場面がある。
    それは武蔵にとって挫折であり転換点でもある。剣の技ではなく、剣の真理を求める厳しい修行の始まりだったのだと思う。

    武蔵は自身の未熟さを克服するため、「今から小理屈は早い、剣は理屈じゃない、人生も論議じゃない、やることだ、実践だ」と山沢に駆けて

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    2021年04月16日
  • 宮本武蔵(1)

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    宮本武蔵の名前を聞いたことがあったが、どんな人物かよく知りたいと思い読んでみた。

    又八と共に関ヶ原の戦いに参戦するところから物語は始まる。宮本武蔵は強いが心のない野獣のようであり故郷では嫌われ者。しかし、沢庵坊の図らいで姫路城に3年間幽閉される間にあらゆる書物を読み、生まれ変わる。そして武者修行、人間修行が始まる。
    武蔵の兵法鍛錬に向かう情熱と厳しさに恐れ入る。この青年が、どんな大人に成長していくのか見届けたいと思う。

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    2021年04月16日
  • マンガ 三国志Ⅰ 劉備と諸葛孔明

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    三国志について興味ゼロの人間に、2冊で一気に世界に引き込ませた良本。

    言葉だけ知ってた三国志。
    でも、なかなか手出しは出来ずにここまで生きてきた。
    そんな人間にとって、「2冊でいいのなら…」ということで、思い切って購入。しかも、初心者が入りやすいマンガで。

    結果、かなりハマってしまった。
    次を読みたくて仕方なくなる勢い。
    自分の趣味や嗜好を広げてくれた意味では、すごく意義のある本だった。

    今は、キャラに対して誰にどう思い入れしたらいいのかを探ってる状態かな。全体を把握した上でもう一周読んで、もう少し深く理解していきたい。

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    2021年04月07日
  • 三国志(二)

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    文章に使われている言葉は難しいのに、スラスラと読めてしまう不思議な感じ。また、内容の展開に無駄がないのもいい。
    呂布のエピソードが多く、呂布のイメージが変わるストーリーが楽しめる。
    諸葛亮がまだ出てこないので早く読み進めたい。、

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    2021年03月21日
  • マンガ 三国志Ⅱ  赤壁の戦いと三国の攻防

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    ①同盟を組む回数が多い
    →めちゃくちゃ同盟組むじゃん!ってのが最初の感想。目的達成の為には合理的な判断なのだろう。

    ②憎しみを起点とした戦は勝てない
    →何回かこのパターンがあったが、全て負けてると思う。冷静な判断が出来ないのかと。

    ③どこで戦うか?が大事
    →数では負けてるが策で勝つパターンが何回かあったが、下手に策を返そうとしたことが敗因じゃないかと。
    勝てるポイントで戦う。

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    2021年03月15日
  • 三国志(二)

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    ゲームのイメージから、呂布って結構初期に退場するかと思っていたんだけど割と長く活躍するんだなぁ。
    あと、あの、張飛が、どうにも…次巻以降に見せ場があればいいんだけど。

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    2021年02月14日
  • 三国志(一)

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    難しい言葉だらけなのにすらすらと読めるのは何故か?
    面白くてあっという間に読めたし面白い!

    第1巻
    黄巾の乱から董卓の遷都まで。

    読み始めた次の日には第2巻を購入していたので、続きを楽しみにしています。

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    2021年02月13日
  • マンガ 三国志Ⅱ  赤壁の戦いと三国の攻防

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    Ⅰ、Ⅱを通して楽しく一気に読むことができた。これまで三国志に興味はあったものの挫折してきたが、今回初めて全体像を把握できたことで、更なる興味が広がった。
    入門用として最適な本だと思う。

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    2021年02月12日
  • 三国志(一)

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    文章の読みやすさにまず何より驚いた。風景描写も適度に入っているというのに、頁が進むの速い速い。過度な表現が少ないからだろうか。
    加えて、当然のように面白い。古典の宿命としてキャラクターに魅力は感じにくいけれど(原点としても一読者からすればありきたりなキャラクター故)、話の展開でぐいぐいと読ませられる。二巻以降も楽しみだ。

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    2021年01月31日
  • 新・平家物語(一)

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    ちげぐさの巻
    清盛(平太)の20歳頃から30歳くらいまでが描かれる。貧乏武士の長男である平太の父(平忠盛)、母(祇園女御)、学友の遠藤盛遠(のちの文覚)、佐藤義清(のちの西行)らの関係の中で成長し、頭角をあらわし始めるまでの序章である。
    それまでの貴族の時代に武士が台頭した理由は、院政による宮廷勢力の不安定に対して僧兵たちの力が抑えきれない状態になり、宮廷が護衛のために召し抱えた武士の地位を重んじるようになったというものである。
    忠盛は平太の本当の父ではない。真の父は白河院か八坂の悪僧であることを盛遠から聞かされ、自分は誰であるのか葛藤し、不貞な母を嫌悪する。しかしその後の平太は、良くも悪くも

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    2021年01月27日
  • 三国志(一)

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    曹操に始まり、孔明に終わる。孔明以後は描きたい人物が見当たらなかったという作者の気持ちもよく分かる。これまでの登場人物に比べたらインパクトの薄さは否定できない。
    やはり曹操が魅力的である。残忍な気性とは裏腹に詩を愛するという叙情的な一面をもち、唯我独尊だと思いきや部下の意見を積極的に採用する柔軟性ももつ。そしてたとえ他国であろうとも、勇猛な武将に対して自然と抱いてしまう憧れと支配欲。上昇志向に溢れた男のほとばしる激情を感じさせてくれる。
    孔明も劉備の意志を継いで健闘してたけど、終盤の人材難が、、、関羽や張飛が健在の頃にもっと勢力を伸ばせたら良かったんだろうけど、その頃は他国にも逸材が揃ってるし

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    2021年01月03日
  • 私本太平記(八)

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    日本史の授業で習った複雑な南北朝時代の動乱が改めてよくわかり非常に面白かった。足利尊氏、後醍醐天皇、新田義貞、楠木正成、佐々木道誉、北畠顕家…個性豊かな登場人物と波乱の歴史。大河ドラマがさらによくわかる。

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    2020年12月15日
  • 私本太平記(一)

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    理解が浅く、しかも複雑で心理的にとっつき難い南北朝の時代を理解するために読み始めた。さすが吉川英治。先がどうなるのかを気にならせ、ぐいぐいと読者を引っ張っていくスタイルは、まるでミステリー小説のようだ。

    足利尊氏の青年期から始まるストーリー。武家の名門の嫡男として世間の注目を集める立場にありながら、どこか掴みようがなくて、有能で有望なのか分からない。。という人物設定。田楽がどんな物か、婆娑羅とは何なのか、分かってきた。倒幕の意思を秘めるようになる尊氏の今後が気になる。

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    2020年12月14日
  • 上杉謙信

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    第四次川中島合戦の話。
    上杉方と武田方との心理戦が面白い。
    敵に塩を送る逸話は二人がまさにライバルであることを示している。

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    2020年12月12日
  • 私本太平記(八)

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    正成の湊川の戦いから、尊氏が没するまで。まあ、ムチャクチャに戦ばかり続く時代で、敵味方、本当に入り乱れる。これでこの太平記は完結するが、尊氏の死後も34年後まで南北朝は続く。この時代のことを初めて理解した。中高校時代、日本史、全く興味なかったしなあ・・・

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    2020年12月06日