吉川英治のレビュー一覧
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匿名
ネタバレ 購入済み石舟斎へ挑戦すべく柳生の里へ向かう武蔵を中心に登場人物らが躍動する。お通も又八も朱美も、それぞれに情念を燃やす。そしていよいよ、傲岸不遜な佐々木小次郎が登場。
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Posted by ブクログ
北条執権下から南北朝という動乱の時代を描いた、吉川英治氏による超大作の第一巻。
背景としてあるのは、形骸化した鎌倉幕府と討幕を目論む後醍醐天皇方、両陣営の対立という壮大な構図です。
<あしかが帖>では、この構図がもたらす不穏な雰囲気のなかで、うら若き又太郎青年(後の足利尊氏)の成長が描かれています。
先祖の遺志との邂逅(この勇者覚醒のようなシーンがとにかく熱い)、ライバルや仲間や女性との出会いと別れ。
山あり谷あり、爽やかでありながら切なくて、青春小説のような趣のある序幕です。
続く<婆娑羅帖>では、天皇方のカリスマ然とした公卿・日野俊基朝臣が中心人物になっています。
幕府側と天皇側の争いの端緒がついに開かれ、不穏が戦乱へと変化していく。
日野俊基は、言うなれば、革命軍の実行リーダーみたいな人物で、飄々としているけれども、風格と信念があってカッコいいです。
子どものころに読んだ吉川英治氏の<三国志>は、私の読書遍歴の原点であり、子どもながらにその壮大な語りに興奮を覚えたものでした。
この<私本太平記>もまた、漠然として固定化されたイメージでしかなかった歴史上の人物が、着色を施されて自由気ままに動き出すような、そんな愉しさがあります。
丁寧に、それでいて流れるように語られていくので、知らず知らずのうちに、又太郎や俊基朝臣の足跡に惹き込まれ、夢中になれる作品でした。