吉川英治のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
こよいの霧はすべて血か。
濃霧の中激戦となった永禄四年、第四次川中島の戦いを焦点に、歴史小説の大家吉川英治が読ませます。上の文は、合戦を終えて主従二人で合戦上を引き上げるときの謙信の心情。ゾクっときた。
英雄の心事は英雄のみが知る。
好敵手であった信玄と謙信。
謙信が単騎、信玄の陣中に斬り込み、信玄との一騎打ちを果たすシーンはドラマチックで読み応えたっぷり。
この永禄四年ごろは後の天正(信長が天下をとった時代)、慶長(関ヶ原のころ)などの時代より、もっともっと人間が骨太で荒肝だったという。
戦は人の力によるもの。だから戦国は人を磨く。
謙信の言葉「死中生有り、生中生無し」。
文武両道、