【感想・ネタバレ】新・平家物語(九)のレビュー

あらすじ

源平それぞれに明日の運命を賭けた寿永2年。――ひとくちに源氏といっても、頼朝は義仲を敵視しているから、三つ巴の抗争というべきであろう。最初の勝機は義仲がつかんだ。史上名高い火牛の計で、4万の平家を走らせた倶利伽羅(くりから)峠。勝ちに乗じた義仲は、一気に都駈けあがる。京洛の巷(ちまた)は阿鼻叫喚。平家は都落ちという最悪の事態を迎えるが、一門の心は決して1つではない。

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Posted by ブクログ

 平安末期頃~鎌倉までの滅びゆく平家、源氏との戦いを描いた全16巻の大作です。

 続きが読みたくてつい夜更かしをしてしまう作品でした。

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2009年11月21日

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木曾義仲いよいよ表舞台へ。我が息子を頼朝の人質として預け、北陸で平家との直接対決。かの有名な火牛の計を用いて、倶利伽羅峠で平家を後退させ、いよいよ入京を果たす。一方、平家は先の戦いより都落を決行!義仲と新宮行家との対立を孕みつつ、源氏が京を治めるに至る。懐疑的な御白河法皇の狡猾さがここでも現れる。
義仲に平家追討の命を出しいよいよ。義経登場まであと少し。

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2022年05月08日

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前巻と変わらず、木曾義仲と平家に焦点が当てられている。平家は遂に都から去り、再起を誓い西国へ去った。後白河上皇にしてやられた宗盛は、その余りにお人好しな性格からかえって求心力がある側面もあるが、池頼盛の扱いや上皇との駆け引きを誤るなど、重要な政治局面を任せられない面が見られる。清盛亡き後、平家自体の結束は強まったが、力不足感は否めない。

一方で木曾義仲は遂に上洛し、官位も賜るまで勢力を伸ばした。しかし、葵と山吹の対立・新宮十郎行家との微妙な関係・頼朝への敵意など、源氏内における火種が山積みである。更に智略を得意としていない義仲は、後白河上皇の掌の上で転がされており、義仲の時代はそう長く続かない事を暗示させる。

平氏も義仲も問題を抱える中、後の天下人頼朝がどう関わってくるのか。義経はいつ再登場するのか。次巻に期待。

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2022年04月21日

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倶利伽羅峠の戦いから平家の都落ち、木曾義仲の入洛、朝日将軍と、本巻は動きが目まぐるしい。

本巻で、木曾義仲は勇猛ではあるが粗野で教養の無い、浅慮な人物として描かれているが(尤も、それは公卿視点ではあるが)、ものを知らないとは何とも恐ろしいものだと実感させられる。

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2018年11月18日

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平家都落ち。

木曽義仲のまわりで控える葵、巴御膳、山吹が、義仲と言うひとりの男を命がけで愛する姿は、女性の逞しさと怖さを感じました。

奢る武将の多い平家の中で、麻鳥を気にかける平経正の優しさが、心を打つ。

斉藤別当実盛が平家への忠義を貫いて、死んでいく姿が悲しい。

平家に代わって、都に入った義仲と朝廷の民を無視した権力争いは、今も昔も変わらないなと実感。

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2014年04月30日

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本巻の主人公は源義仲。木曽から挙兵し、平家一門との幾つかの戦いを経て、従兄である源頼朝とは嫡男を人質に出してまでも和睦し、いよいよ入洛。その後の洛中での振る舞いが非常に読んでいて面白い。礼儀作法を知らぬ田舎武者であるから何をするにつけしっくりこず、酒食に溺れて配下の統制も取れず、低い官位を授かりそうになって行家に止められ、後白河に朝日将軍の名を貰うも源頼朝と両天秤にかけられ、しまいには自分を頼って来た行家をも疑い出す始末…。悲運の将というのがぴったりである。その点、鎌倉を出ずに弟達を西上させた頼朝はクレバーであると言えるだろう。
さて、悲運の将には女性が付き物なのがこの種の小説のならいであるが、義仲の場合は、巴、葵、山吹という三人の妾が登場する。私が今までドラマ等で見てきた中では巴御前の男勝りが印象に強いが(「武蔵坊弁慶」では大地真央、「義経」では小池栄子が好演)、本巻では葵の強烈さにより影を潜めているように感じる。いずれ来る義仲都落ちの際には良いスパイスとなるだろう。次巻のお楽しみである。

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2012年09月21日

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