吉川英治のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ちげぐさの巻
清盛(平太)の20歳頃から30歳くらいまでが描かれる。貧乏武士の長男である平太の父(平忠盛)、母(祇園女御)、学友の遠藤盛遠(のちの文覚)、佐藤義清(のちの西行)らの関係の中で成長し、頭角をあらわし始めるまでの序章である。
それまでの貴族の時代に武士が台頭した理由は、院政による宮廷勢力の不安定に対して僧兵たちの力が抑えきれない状態になり、宮廷が護衛のために召し抱えた武士の地位を重んじるようになったというものである。
忠盛は平太の本当の父ではない。真の父は白河院か八坂の悪僧であることを盛遠から聞かされ、自分は誰であるのか葛藤し、不貞な母を嫌悪する。しかしその後の平太は、良くも悪くも生き方を大きく変えてゆく学友らを見て、自身も成長してゆく。時子と結婚し子をもうけ、六波羅に居を構える。そして僧団の強訴に対して破天荒な事件を引き起こすところで話は終わる。 -
Posted by ブクログ
曹操に始まり、孔明に終わる。孔明以後は描きたい人物が見当たらなかったという作者の気持ちもよく分かる。これまでの登場人物に比べたらインパクトの薄さは否定できない。
やはり曹操が魅力的である。残忍な気性とは裏腹に詩を愛するという叙情的な一面をもち、唯我独尊だと思いきや部下の意見を積極的に採用する柔軟性ももつ。そしてたとえ他国であろうとも、勇猛な武将に対して自然と抱いてしまう憧れと支配欲。上昇志向に溢れた男のほとばしる激情を感じさせてくれる。
孔明も劉備の意志を継いで健闘してたけど、終盤の人材難が、、、関羽や張飛が健在の頃にもっと勢力を伸ばせたら良かったんだろうけど、その頃は他国にも逸材が揃ってるし、難しいところである。
蜀が魏に勝ちきれなかった要因の一つに、錦の御旗として掲げていた「漢朝復活」という名目が、民衆の広い支持を得ることができなかった、というのがあったけど、これには考えさせられた。劉備の人徳は誰もが認めていたけど、時代は蜀を求めていなかったということであろう。