吉川英治のレビュー一覧

  • 私本太平記(二)

    Posted by ブクログ

    楠木正成登場。
    それほどの勢力でもない土豪を恃むしかなかった朝廷の無謀さに呆れちゃう。もっともこの見方は俯瞰的に見ることができる後世の人間だからこそなんだけど。

    0
    2016年02月25日
  • 私本太平記(一)

    Posted by ブクログ

    この時代への勉強不足を補うためにもまずは物語から。吉川英治を読むのは、4作目(あまり読んでなかったなぁ)。
    小説と知りつつ、高氏が倒幕の志を確立する置文の件には感心しちゃう。藤夜叉の配置も流石だ。何より文章に品と格があるよね。当時はこれが大衆的とされてたって言うんだから。文章表現は時代とともに変わるけど、残っていって欲しい表現だなぁ。

    0
    2016年02月21日
  • 三国志(八)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ・昨年から読み続けていた三国志を漸く読み終えました。
    ・実際にところ、これまでの三国志についての僕の知識は、小学生時代に父親に買ってもらった小学生向けの超短縮版と、ゲーム「三国無双」くらいのものでしたが、最近漫画「キングダム」にハマっていることもあって、今回改めて読んでみたのでした。
    ・最終巻に作者自身が記した通り、物語の「華」は、やはり、曹操と、中期までの諸葛亮孔明の2人でしょう。晩年の孔明は、綺羅星の英雄たちが流星のごとく散っていったのち取り残され、彼に関する記述も勢いが失われたように思います。司馬懿仲達という好敵手が現れてなお、物語の奥底に漂う寂しさは拭いようもありませんでした。野心家で

    0
    2016年02月14日
  • 宮本武蔵(6)

    Posted by ブクログ

    新たな出会いの第六巻。

    お通、城太郎、又八、朱美。
    武蔵を取り巻く人々が消息不明になり、
    そのまま三年が経過し、再び孤独の武蔵。

    だが、そんな彼にも新しい出会いがあった。
    城太郎に代わり彼を師と仰ぐ少年伊織。
    彼を弟子に持つことにより武蔵も学んでいく。

    そして、消息を絶つも無事だったお通だが、
    ここでもまた武蔵とはすれ違う。
    しまいにはナレーター(?)までもが、
    彼らのすれ違いをもどかしく思い始める。
    お通は強い女性なので、間違っても、
    「大人になるって悲しいことなの・・・」
    なんて言わないのだろうが、どうなるのか。

    そしてもう一方気になるのは佐々木小次郎の動き。
    城太郎は消息不明のま

    0
    2016年02月06日
  • 親鸞(一)

    Posted by ブクログ

    時代になじむのが大変でした。
    そうか…牛なのかカゴをひくのは…
    そうか…ハエがたかるのか家の中に…
    そうか….政治が安定してなくて、貧乏人は食べ物もなく鶏の骨をしゃぶっているのか(しかも取り合う)

    可愛くて純粋で利発な十八公麿(まつまろ)が、範宴となり、彼なりに進む道について思い悩むところまで。

    0
    2016年01月27日
  • 宮本武蔵(5)

    Posted by ブクログ

    再会してまたすれ違う第五巻。

    吉岡一門との決闘に勝利し、
    お通と再会し、又八と和解する武蔵。
    めでたしめでたし…と思いきや、
    お通とは再会してもすれ違い、
    又八は相変わらず周囲に流される。
    朱美は相変わらず運命に翻弄される。
    そして裏で糸を引く佐々木小次郎。

    ヒーローヒロインである武蔵とお通よりも
    人間らしい又八や朱美に共感を覚えてしまい、
    本当の悪である佐々木小次郎には腹が立たず、
    流されるだけの又八にイライラしてしまうのは、
    悪に惹かれて弱きを憎む人の業なのだろうか。

    今更ながら、見事な人間模様が描き方である。

    0
    2016年01月15日
  • 三国志(五)

    Posted by ブクログ

    次第に物語りは三国へ集約されてくる。そして、登場人物では、策士が目立つようになり、血みどろの謀略戦を演じるのである。勇よりも知の勝る戦。さて、ここまでくると読むスペースが急激に上がる。既に三国志の世界にどっぷり嵌り、その世界を味わい、その世界に生き始めているのだ。世に、まだこのような楽しみが残されていた。そして、この世界観を一つの切り口に、また世を見る視点が増えた気がする。

    0
    2015年06月22日
  • 三国志(四)

    Posted by ブクログ

    諸葛孔明がようやく出てきた。その登場、為人の説明だけでも身震いするような感動がある。劉備などは、この人がいないと、ただの戦下手じゃないのだろうか。いつの世も、作戦が重要であるという事を思い知る。

    0
    2015年06月20日
  • 三国志(二)

    Posted by ブクログ

    起こっては鎮まる謀略。それにより淘汰される勢力図。歴史は我欲と奇策で彩られる。劉備の如きは、最も腹黒い人材なのかもしれない。だとすると、勧善懲悪の主人公を誰に重ねて読めば良いのか。そんな事を考えながら読むのも、また一興である。

    0
    2015年06月06日
  • 新書太閤記(十一)

    Posted by ブクログ

    やっと読み終わった…

    ご存知豊臣秀吉の波乱万丈ながらもガンガン出世して百姓の子供から天下人まで登り詰めるお話。

    この辺の歴史は本当に表層しか知らなかったので、まず単純に勉強になった。へー家康と秀吉って戦ってたのねとか知らなかった…

    与えられたら仕事は何であれ全力で取り組み、今までのやり方を刷新して成果を出す。常識にとらわれずに新しいやり方をゴンゴン実行。とことん合理的。戦国時代によくこんな考え方や行動が出来たものだと不思議でならない。完全に突出してるものね。この人と家康。

    戦わないで済むならそれに越したことはない、って発想はなかなか出ないよねぇ多分当時。華々しく戦ってナンボっぽいものね

    0
    2015年03月11日
  • 三国志(八)

    Posted by ブクログ

    最終巻。
    読み終わった!!

    劉備がなくなってからいまいち読む速度が上がらなくてちょっと苦戦。
    でも、趙雲すら老将と呼ばれ、息子たちも次々と亡くなり、遺されてる孔明も年老いていく。
    眉間に皺なくしては読めなかった。

    孔明の死で話は終わってるが、後蜀30年を読んでも、つらくて仕方なかった。

    0
    2014年12月18日
  • 黒田如水

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    黒田官兵衛の青年~中年期が描かれてます。
    戦略、智略がこのようにすごい!
    というよりは黒田官兵衛の人柄、義を重んじ、正しいと思った道を貫き通す性分にクローズアップされているように感じます。

    秀吉との心の交流。竹中重治との邂逅。
    史実に沿ってどのように官兵衛が考え、信念の基に行動していったのか、その心情が描かれてます。

    しかし、負けた城主は一族諸共処刑されたり、
    責任を取って切腹したり、稚児まで手にかけたり、
    時代がそのような時代であったにせよ、読んでいて苦しい気持ちになりました。

    初め、官兵衛は飄々とした軽い男なのかな、と思いきや
    そんなことはなく、話が進むにつれて義に篤く、主君には裏表

    0
    2014年12月17日
  • 三国志(六)

    Posted by ブクログ

    山場なんだろうな。
    劉備も関羽張飛、みんないい年齢になってきてそろそろ退場もありえちゃうのかなとドキドキしながら読んでます。

    曹操の周りの将たちも、勇将ばかりだと褒められていたけれど
    いまや劉備の周りの将軍たちがすごすぎる。

    0
    2014年12月06日
  • 三国志(五)

    Posted by ブクログ

    三国志のなかで、一番盛り上がってまいりました、なところなのかな?
    すべて孔明の手のひらのうちか!

    劉備も気づけば50歳。いい配下に恵まれてはいたけれど、一国の城主になるには・・・長い歳月。

    0
    2014年11月27日
  • 三国志(四)

    Posted by ブクログ

    ようやっと面白くなってきた。
    曹操の陣営にはほんといい将軍が揃いに揃っててすごいな・・・。
    ついに孔明が出てきて、城も構えて
    さぁ勢いに乗るか!と思いきや、そうとは行かないのかなぁ。

    0
    2014年11月19日
  • 新・水滸伝(一)

    Posted by ブクログ

    「西遊記」「三国志演義」「金瓶梅」を含めた四大奇書の1つ。梁山泊に猛者が集い、闘い滅んでいく姿を書いた話。残念ながら、吉川英治さんのは未完...

    0
    2014年11月11日
  • 宮本武蔵(2)

    Posted by ブクログ

    般若野における奈良の牢人たちとの格闘、柳生の城内における家人たちとの死闘が描かれる。
    闘争時の筆致は見事だ。
    武蔵の五体は紅蓮の実体となる。すなわち寒冷の極致と灼熱の極致とが、同一のものとなる感覚である。
    又八、お通、佐々木小次郎、吉岡清十郎と名脇役たちの物語も展開していく。
    筆致の見事さと、人物たちの物語の展開、吉川英治は読んでいて、本当に面白い。親鸞も良かったが、この宮本武蔵もまた格別だ。

    0
    2014年11月11日
  • 上杉謙信

    Posted by ブクログ

    「敵に塩を送る」という言葉でも有名。武田信玄とは、何度も川中島で戦う。武田信玄と優劣つけがたいほど強い。しかし天下取りなどには、興味をあまり示さない。鬼神。自ら毘沙門天の転進と信じていた。

    0
    2014年10月13日
  • 三国志(七)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    結末がわかっているので、なかなか頁が進まない。
    劉備帝国の設立もまもなく、関羽が痛恨の死。老いた曹操も病に没し、やがて悲運は張飛、さらには玄徳の身にも。
    英雄と言えども人の子、些細な油断が命取りになるという教訓。関羽の短慮さは年のせいなのだろうか。

    玄徳はお人好しだったのか、後継者に恵まれていない。養子は部下を見捨て、実子の王太子は愚直。劉備亡き後の孔明の苦悩が目に見えるようだ。

    その孔明が呉に競り勝ち、さらには南蛮国への大遠征にのりだす。五度戦って五度敵を許すいたちごっこは、コメディみたいで笑ってしまう。ただ中国内の英傑との決戦ではないので、冗長で退屈だった。自策を楽しむあまり、遠征に軍

    0
    2014年10月10日
  • 三国志(六)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    名軍師孔明とともに龐雛を得た玄徳。しかし、龐雛は孔明に嫉妬したがため計を誤って落命する。赤壁の戦いののち、周瑜没し、呉は魏に大敗し、孫権の妹姫を帰国させた玄徳との仲も険悪に。
    玄徳はついに蜀一国と三城を攻略、さらに黄忠、法正らの名将も傘下に加わり一大勢力に。
    魏王曹操の横暴ぶりが目立ち、部下までも誅する非道ぶり。叛乱の手が上がり、玄徳とも因縁の対決を見るが、敗走する。

    劉備やっと五十を超えて漢中王として即位する。いまが蜀の隆盛期なのだろう。知略に長けるようになった張飛や、あいかわらずの趙雲の武勇もめざましいが、養子の腑甲斐なさに傾国の兆しが見える。

    才人才に亡ぶ、という言葉が身にしみる盛者

    0
    2014年10月07日