吉川英治のレビュー一覧

  • 新・平家物語(四)

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    ネタバレ

    「平家であらずんば、人にあらず」という言葉の様に平家は全盛を極める。鞍馬山を抜け出し、平家打倒を誓う義経の旅立ち。

    時の権力者の清盛のもとには、多くの女性が身を捧げる。その彼女たちの悲哀もよく描けています。特に妓王の翻弄され続ける生き方が悲しい。そういう仕打ちにあってきたと言う時代があったから、現代の女性たちは強いのかなと感じました。

    義経も、母の常磐恋しさがよく伝わってきます。時代に翻弄され続ける様を見て、改めて現代の日本に生まれて良かったと思います。

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    2013年10月03日
  • 新・平家物語(二)

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    保元の乱から平治の乱までを描いています。
    貴族と武士の力関係が逆転するきっかけとなった時代の節目だけに興味深い。それ以上に負けた側と勝った側の人間模様も考えてしまいますね。

    敗者の崇徳天皇の讃岐での悲哀。奢り高ぶる信西と権力の中枢から滑り落ちる藤原頼道。その信西も源氏により殺されてしまう。それも文覚のこの一言に集約されていると思う。

    「人間にとって何よりの毒は権力だよ。」

    親兄弟でも、反目しあい、殺しあう時代。「今日の友は明日の敵」の世界。後に頼朝が人間不信になってしまうのも分かる気がします。しかし、大河ドラマの世界と言うのは一度、小説などを読んでから見ないと歴史認識が誤りますね。

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    2013年08月03日
  • 新・水滸伝(一)

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    ネタバレ

    初・水滸伝。 未完で終わったと知りつつも、読み始めてしまった。

    <ネタバレ>
    えらいたくさん登場人物がでてくるのは知っていたけれど、それがなぜ108名もいるのかは知らなかった。人間の強欲によって開かれてしまった扉。そこから弾け出た108名の星宿。
    何かに流されるがごとく、梁山泊へと集まってゆく。

    大義名分、同情に値する理由は大きくあるけれど、それでも殺戮にまみれて自らの手を汚してきた登場人物たちが”悪の根元”である高俅を成敗せんと向かって行く。善悪の棲み分けが曖昧なようでいて、とても明確であることの矛盾が面白い。

    一番好きなのは、黒旋風・李逵。吉川英治の描く黒旋風は、とんでもなく無邪気で

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    2013年07月20日
  • 宮本武蔵(8)

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    試合前、武蔵が伊織に対してかける言葉が深く心に残る。「ひとたびお世話になった方のご恩を忘れないこと、武道だけでなく学問にも励み、謙虚に、人の避けることも進んでやること。肉親がいないため僻みやすくなるが、温かい人の中にすめ。人の温かさは、自分の心が温かくなければわからない。長い生涯があるが命は惜しめ。事ある時、国・武士道のため、捨てるために命を惜しめ。」
    美しい師弟関係が人を育てるのだと改めて思う。

    天稟の才能である小次郎の剣と努力で築いた武蔵の剣。最後は、武蔵の信じた精神の剣が小次郎の信じた技や力の剣を打ち勝ち、幕を閉じた。

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    2013年06月28日
  • 三国志(六)

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    ネタバレ

    魏の張遼、呉の甘寧、蜀の趙雲子龍が今回は大活躍。
    老将の黄忠も、快勝!
    そしてとうとう玄徳は、王位に即位し漢・呉・蜀の三国志の形になった。

    相変わらず孔明にしてやられる曹操が愉快だ。

    この巻では、残念ながら関羽の活躍はなかった。

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    2013年06月16日
  • 宮本武蔵(6)

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    あれになろう、これに成ろうと焦るより、富士のように、黙って、自分を動かないものに作り上げろ。世間へ媚ずに、世間から仰がれるようになれば、自然と自分の値打ちは世の人が決めてくれる。

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    2013年06月12日
  • 新・平家物語(一)

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    新平家物語を再読。
    武士が貴族の犬として存在した時代。時代が混とんとする中、平家の忠盛、清盛や源氏の為義、義朝らが力を付けていく。人が生きると言う事はきれいごとではないと改めて感じました。

    いつの時代であっても権力闘争と言うのは尽きない悩みの様です。
    鳥羽上皇と崇徳天皇の親子間の確執。悪左府頼長と道長の兄弟間の確執が混乱や権謀渦巻き、争いの火種となる。

    悪左府頼長の政治への態度は敵も多いと思いますが、実は政治に対して最も真剣だったのではないか。そして、妻子を捨て、仏の道を選択した西行こと佐藤義清もまた、人生に対して正直だったのだと再読して感じました。

    奢れるものも久しからずと言いますが、

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    2013年06月03日
  • 私本太平記(八)

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    この作品もようやく読破。約4ヶ月であるから、月に2冊のペースで読みきったことになる。日本史好きな私ではあるが、もともとこの時代は好きでもないし詳しくもなかったのだが、職場の同僚SYUくんが「くちゃくちゃで訳わからなくなるから」と半ば強制的にくれたため読み始めたのである。
    読んでみると、彼が言っていたほどはくちゃくちゃでもなく、訳が分からなくて方向性を見失うことはなかった。最終盤において、足利直義と高師直のナンバー2争い、尊氏と直義の兄弟喧嘩などが畳み掛けるように勃発しているさまを言っていたのだろうが、もともとこの辺りは高校時代の大河ドラマで観ていたし、先に読んだ「日本の歴史 第8巻 南朝と北

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    2013年06月01日
  • 私本太平記(七)

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    本作品の主人公は紛れもなく足利尊氏だろう。そしてライバルとして楠木正成が据えられている。まあ、同じ源氏出身同士で仲違いをした新田義貞を合わせれば二人か。いや、後醍醐天皇も入れれば三人か。ならば護良親王も合わせれば四人…と、まあ主人公を引き立てせるためには幾人かのライバルを登場させるのが小説のやり方。話を戻そう、楠木正成。彼はどの時代人においても評価が高く、戦前などは彼が超ベビーフェイスで、尊氏がヒールという扱いだった。それは勿論、後醍醐天皇を敵に回した尊氏と、支え続けた正成という図式だからである。本作品は戦後描かれた作品であり、そんな図式にはとらわれず、この二人のキャラクターを魅力たっぷりに描

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    2013年06月01日
  • 私本太平記(五)

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    長旅になる覚悟をしていた本作品であるが、いつの間にか折り返しを過ぎた。足利高氏、佐々木道誉、新田義貞らがどんどん鎌倉幕府を裏切り、武士の世はいったん滅亡。倒幕にあたっての高氏と道誉の食えぬ関係での友情、高氏と義貞の微妙な関係、どれも興味深く楽しめた。
    そして建武の新政がスタート。楮弊により庶民が右往左往する様は哀れさを通り越して滑稽だった。それを普及させようと工夫を凝らす道誉もまた面白い。
    前巻までは時間がゆっくりと流れていたが、今後はペースアップしていくこと間違いなしである。楽しみになってきた。

    以下に興味深かった内容を引用しておきたい。

    ・世良田の南へ半里、利根川べりに行きあた

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    2013年06月01日
  • 三国志(四)

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    曹操の勢い止まらず。しかし、孔明がいよいよ登場し、軍師としての頭脳を実践で開花。曹操と玄徳の戦いがいよいよはじまる。

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    2013年05月26日
  • 三国志(三)

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    ネタバレ

    薫承(とうしょう)らの陰謀も叶わず曹操の天下に。
    全てを手に入れたい曹操(そうそう)が次に望んだのは、なんと玄徳(げんとく)の腹心、関羽(かんう)だった。
    これが実に、切ない片想いなので笑える。
    曹操の恋、という表現も、男同士でも恋って言うんだーと納得。

    変人の学者、禰衡(ねいこう)や、愚かな呂布(りょふ)の最後など、登場人物が相変わらず個性的で面白いんだけど多すぎて真剣に読んでいないとついていけない。

    それにしても関羽かっこ良すぎ!
    曹操に対しても、精一杯誠実に忠義を守ろうとするあたりが、惚れてしまう。
    はっきり言って玄徳よりあなたが主役級。

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    2013年05月20日
  • 神州天馬侠(一)

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    子供の頃にわくわくしながら読んだ冒険時代活劇。
    人を乗せて飛ぶ巨大鷲などは、テンプレながら子供心をくすぐる王道アニマル!吉川英治だけあって読みやすいのもよし。

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    2013年05月11日
  • 三国志(二)

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    曹操はすごい魅力的なんだろうな。敵方の武将を次々に自分の手中におさめちゃうから。孫策、貂蝉とか色々面白い人物も活躍。

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    2013年04月23日
  • 宮本武蔵(5)

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    又八のための助言や、剣術でなく剣道を志すことを悟る姿を通して、武蔵の人格に益々惚れ込む。自分のためでなく人のために何故剣を使わないのかー石田母記の言葉がすごく心に響いた巻。誰のために頑張るのか。自分のためだけであれば勿体無い。人のために力をつけるのだ。

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    2013年04月10日
  • 三国志(三)

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    曹操の力がどんどん増してきた。この先 どん民を支配してゆくのか。その中で劉備はどう対抗してゆくのか楽しみ。しかし、よく首を斬る 残酷なまでに。

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    2013年04月01日
  • 新・平家物語(二)

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    保元の乱が書かれてある。家族や親戚同士の戦いが泥くさかった。三国志も平安末期も、実質的な権力者と形式的な権力者の構図が似ている。すなわち、天皇か武人かということで、天皇とかお上の力を利用して、武人は戦いの大義名分を作って権力を牛耳っている。書かれた時代が戦争時期のため、天皇の表現が非常に丁寧だ。作者である吉川英治の、権力についての洞察がさらりと書かれてあった。曰く、「人を狂わせるものだ」と。
    しかしまあ読んでいて、清盛始め、「~盛」がつく人物が多かったり、「~頼」とか似たような名前ばかりが出てきて、非常に頭に入りづらい。だから大河ドラマを見て、映像でイメージをつけてから読むことにする(^.^

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    2013年03月30日
  • 宮本武蔵(8)

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    全八巻の旅を完了。宮本武蔵をもっと知りたくなる良書であったと思います。全体を通して7巻の沢庵宗彭の言葉が記憶によく残った。この沢庵さん、沢庵漬けの考案者っぽい。

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    2013年03月07日
  • 宮本武蔵(6)

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    いい大人が楽しんでしまってます。小学生高学年から読めると思うので子供達に読んでもらいたいです。難しい所は大人がフォロー。いい本ですね。

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    2013年03月05日
  • 新・平家物語(二)

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    源氏と平氏の対立の始まりが描かれている。保元の乱、平治の乱といえば、今まで教科書で見た程度の知識だったが、読んで途端に色づいた。

    一部の権力争いが、義理や野望によって血縁の絆を裂くほどの大きな乱になった。特に源家の分裂、為義の最期は、日本で永く生きていた武士の美徳とその代償を象徴しているようで、非常に印象的だった。

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    2013年02月22日