吉川英治のレビュー一覧
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ネタバレ結末がわかっているので、なかなか頁が進まない。
劉備帝国の設立もまもなく、関羽が痛恨の死。老いた曹操も病に没し、やがて悲運は張飛、さらには玄徳の身にも。
英雄と言えども人の子、些細な油断が命取りになるという教訓。関羽の短慮さは年のせいなのだろうか。
玄徳はお人好しだったのか、後継者に恵まれていない。養子は部下を見捨て、実子の王太子は愚直。劉備亡き後の孔明の苦悩が目に見えるようだ。
その孔明が呉に競り勝ち、さらには南蛮国への大遠征にのりだす。五度戦って五度敵を許すいたちごっこは、コメディみたいで笑ってしまう。ただ中国内の英傑との決戦ではないので、冗長で退屈だった。自策を楽しむあまり、遠征に軍 -
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ネタバレ名軍師孔明とともに龐雛を得た玄徳。しかし、龐雛は孔明に嫉妬したがため計を誤って落命する。赤壁の戦いののち、周瑜没し、呉は魏に大敗し、孫権の妹姫を帰国させた玄徳との仲も険悪に。
玄徳はついに蜀一国と三城を攻略、さらに黄忠、法正らの名将も傘下に加わり一大勢力に。
魏王曹操の横暴ぶりが目立ち、部下までも誅する非道ぶり。叛乱の手が上がり、玄徳とも因縁の対決を見るが、敗走する。
劉備やっと五十を超えて漢中王として即位する。いまが蜀の隆盛期なのだろう。知略に長けるようになった張飛や、あいかわらずの趙雲の武勇もめざましいが、養子の腑甲斐なさに傾国の兆しが見える。
才人才に亡ぶ、という言葉が身にしみる盛者 -
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ネタバレ呂布ついに倒れ、曹操の天下が訪れる。劉備は皇叔として官職に就くが、曹操打倒のクーデターに加担したがため都を落ち延びることに。敗戦により関羽、張飛とも別れ、関羽は曹操の軍門に下る。名馬との出会い、そして曹操のもとにあっても忠義を失わない関羽の義侠心に惚れる。張飛はあいかわらずせっかちだが、知略に長けた一勝をあげ、劉備も愚を装って曹操を欺くなどなかなかの野心家。
だんだん三国志らしさが出てきた。
曹操の勝負運強さには驚く。玄徳もなかなか貫禄が出てきた。
登場人物が多く、名前がややこしいので混乱するが、読み出すと止まらないおもしろさ。
智慧に溺れたあまりに命を縮めた偏屈学者の一件は、耳に痛い。 -
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ネタバレ奢れるものは久しからずという乱世後漢末期。
董卓は倒れ、曹操はいよいよ地歩を固めつつあるが、劉備はいまだ地方の太守、それすらお人好しのため呂布に奪われてしまう。
徳で善政を行い慕われればよいのだが、リーダーは優柔不断ではならず、ときに非情にならねばならぬかな、という気にもなる。謀計謀略の限りを尽くし、信じては裏切られる世の中はいまに通ずる。
しかし、玄徳の温厚さは豪傑呂布までをも義理堅くしてしまうし、曹操の腹心にその危うさを見抜かれつつも、曹操自体は側に近づけて憚らない。曹操は意外と逆境が多い人物で部下に救われやすい、カリスマ性があるのだろうな。
小物ではあるが英雄ならずとも策士も活躍す