吉川英治のレビュー一覧

  • 三国志(三)

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    張飛のお馬鹿ぶりに呆れたり、関羽の強さに圧倒されたり、劉備の慎重すぎる行動にイライラしたり…と人間模様が面白いですが、やはり曹操派かな?と。

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    2013年12月02日
  • 新・平家物語(二)

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    ネタバレ

    保元の乱から平治の乱にかけての話になり、いよいよ面白くなってきました!
    天皇家の悲哀が特に切ない。文章に天皇家に対する敬意も感じられて、その時代の人間の感覚に近づける気がする。
    崇徳上皇と麻鳥の関係に権力争いに翻弄される一番の被害者である天皇家の悲しさが表現されていたと感じました。
    一方の公家は滑稽なまでにおろか。
    もう公家の時代ではないというのがひしひしと伝わる。

    武家の棟梁としての清盛と義朝の対比も面白い。
    端整な重盛VS悪源太義平の嫡男対決もわくわくする。
    ついに13歳の頼朝も登場するし、長期戦でのんびり読むつもりだったけど、早く続きが読みたいです。

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    2013年11月25日
  • 鳴門秘帖(三)

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    舞台は敵の本拠地。
    敵をバッタバッタと斬り捨てて、陰謀を暴き、水戸黄門のように
    完全勝利.......と思いきや、相変わらず主人公、間が悪いし弱ぇ~。

    どんどん話は進むので物語的には面白いのだが、
    ヒーローがチトさえないのが残念。

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    2013年11月16日
  • 新・平家物語(五)

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    義経の平泉入り。頼朝の近況。京の都では鹿ヶ谷事件が発生する。

    歴史にIFはないですが、頼朝が伊豆に送られずに、西国に送られていたら。政子に出会っていなければなどと考えてしまいます。義経も同様です。平家もしかりで、清盛が長生きだったら。重盛が病にならなければと。

    ただ、この些細なひとつずつの積み重ねが、重大な結果に繋がると思えば、自分の生活でも何もしないと言う選択肢はないと実感。

    鹿ヶ谷事件で、平教盛・重盛が大納言成親との親類関係に苦しむ様や、政子が頼朝と通じていると苦しむ北条時政。そう言った親兄弟の関係で苦しむ様は平治の乱や保元の乱とあまり変わっていない気がします。

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    2013年11月03日
  • 宮本武蔵(8)

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    ネタバレ

    よくよく考えると武蔵と小次郎の対決の必然性がお世辞にも滑らかに、自然な形で導入されていないな、これは大きな弱点。
    ただそれを補ってあり余る魅力が満載、この巻の小次郎との最後の対決シーンもそうなんだが、戦いの場面の文章が凄い。
    映像が浮かんでくる表現とはまさにこの作品に当てはまる。
    でも詰まるところ本作の魅力は最後の文章に詰まってるんだろうな。
    『波にまかせて、泳ぎ上手に、雑魚は歌い雑魚は踊る。けれど、誰か知ろう、百尺下の水の心を。水のふかさを。』

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    2013年11月11日
  • 三国志(六)

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    諸葛亮孔明と並び称される龐統も軍師として加わり、劉備がいよいよ蜀を取って一大強国になるのがこの6巻。
    酒癖悪く粗暴だった張飛が将軍として成長を見せたのもこの巻でとても好きな場面です。

    曹操は西涼の馬超に苦戦し、劉備にも連戦連敗で漢中という重要拠点を失ってしまう。老齢による翳りがこの英雄にも見え始めていた。

    呉の孫権も、劉備と孔明の仕組んだ荊州返す返す詐欺によく我慢しながら、魏に戦いを挑むものの、名将張遼の前に大敗北をしていた。

    蜀の隆盛を苦々しく思う魏と呉は密かに軍事同盟を結ぼうとしていた…

    大人になって改めて読むと、呉の孫権は実によく我慢したなあという印象。
    こういう乱世の駆け引きと

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    2013年11月01日
  • 宮本武蔵(7)

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    またまたすれ違いの妙。
    しかしこんなに子供を舞台回しとして上手く使っていたのか、完全に忘れとりましたが感心しきり。
    子供を上手く使う作品はメリハリが絶妙に効くとは当方の持論。
    さてさて最終巻へ向かいますか。

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    2013年11月02日
  • 宮本武蔵(6)

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    小次郎の野心とそこから来る狡猾さ、武蔵の求道の態度がこの作品の精神的支柱であることに疑いはないが、こういった誰にでも身に覚えのありそうな設定をそこかしこに散りばめられているこの作品は、やはり周到に構築された渾身の一作なんだろう。
    再々読ながら楽しんで読ませてもらっています。
    ところでこの作品、日本全国を紹介する観光宣伝小説でもありますな。
    東海道中膝栗毛じゃないけど、こういった設定は日本の娯楽の伝統なのかもしれない。

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    2013年11月02日
  • 宮本武蔵(5)

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    吉岡一門との死闘という山場を越えたせいか、微妙に一休み的な感じがする巻。
    ただ又八のどうしようもない小市民さと小次郎の何処となく子供っぽい描写が続き、特に後者は武蔵の成長の描写との対照性後半への布石含めて活劇ものには必須の要素。
    ちなみの「活劇もの」にネガティヴな意味は全くなく、むしろ最高の賛辞と言っても過言ではなく。

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    2013年11月02日
  • 新・平家物語(一)

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    ネタバレ

    数年ぶりかの再読。やっぱり私はこの小説の清盛が好きです。前回は最後の十六巻までいけなかったので今回は読み切りたい!

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    2013年10月27日
  • 宮本武蔵(4)

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    本作の見せ場の一つでもある吉岡一門との決闘。
    そこに至るまでの緩やかだが次第に増す緊迫感、怒涛の決闘シーン。
    加えて本巻あたりで登場人物に更なる深みと輪郭が与えられる。
    それにしてもここまでは小次郎は何処か子供っぽく描かれている、バガボンドのドラスティックな設定も頭の片隅には残っていることもあり、やはりこの男の行方も気になる。
    結局のところ、兎に角面白いということですな。

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    2013年11月02日
  • 宮本武蔵(3)

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    吉岡清十郎、本来なら才人・賢人なんだろうがあまりに偉大な先人とその遺産に潰されてしまった典型例として描かれている。
    しかし一方で再起し生きようとする生命力の象徴としても扱われる。
    この作品にファンが多いのは武蔵の求道的態度が一番なんだろうけど、脇役もそれぞれに深い味わいがあるからではないだろうか?
    やっぱり日本の国民文学の一冊と評価されることに疑問の余地はないという感じでしょうかな。

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    2013年11月02日
  • 宮本武蔵(2)

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    色んな登場人物が交差しつつ、すれ違う描写が絶妙。
    主人公たる武蔵と小次郎、両人とも野心に溢れる若者として突き進んでいくがやはり小次郎の方が微妙に子供っぽく(あるいは敵役のように)描かれているかな?
    この辺りがエンターテインメントとしての基本かと。
    あとやっぱりバガボンドより上品かな、時代のせいだろうけど。
    リアリズムという名の直接的描写にもやはり良し悪しというものはある。
    まぁとにかく今は吉川武蔵の世界に浸りましょう。

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    2013年11月02日
  • 三国志(四)

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    ネタバレ

    劉備の居場所がわかった関羽は、曹操に見送られついに都を出発する。途中、五つの関所が立ち塞がるが彼は次々と突破して劉備とついに対面し、張飛と新たに趙雲も仲間に加わった。

    一方、南では孫策が暴漢に襲撃され27歳で命を落としてしまう。後を継いだ孫権はわずか19歳であった。

    曹操は圧倒的に兵力で上回る河北の袁紹を滅ぼしていたが、劉備は47歳になろうというのにまだ一国すら持たない身であった。彼は自分を補佐する軍師が欠けていることを感じ、三顧の礼で諸葛亮孔明を迎えることに成功する。
    彼の説く天下三分の計に沿って劉備は今後動くことになる。

    この巻は曹操が袁紹を破った大逆転劇と、劉備が孔明を得たという一

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    2013年10月19日
  • 宮本武蔵(1)

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    通算三度目の読書開始。
    文章が綺麗でありながら躍動感あり、今も読み継がれるばかりでなくインスピレーションを与えて新たなマンガを生み出す素となるのも頷ける。
    しかし過去の記憶が曖昧なのか、武蔵は第一巻からこれほど大人びていたかな?
    バガボンドと混同しているのかもしれない。
    いずれにせよこの大作をもう一度楽しんで読破しよう。

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    2013年11月02日
  • 新・平家物語(四)

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    ネタバレ

    「平家であらずんば、人にあらず」という言葉の様に平家は全盛を極める。鞍馬山を抜け出し、平家打倒を誓う義経の旅立ち。

    時の権力者の清盛のもとには、多くの女性が身を捧げる。その彼女たちの悲哀もよく描けています。特に妓王の翻弄され続ける生き方が悲しい。そういう仕打ちにあってきたと言う時代があったから、現代の女性たちは強いのかなと感じました。

    義経も、母の常磐恋しさがよく伝わってきます。時代に翻弄され続ける様を見て、改めて現代の日本に生まれて良かったと思います。

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    2013年10月03日
  • 新・平家物語(二)

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    保元の乱から平治の乱までを描いています。
    貴族と武士の力関係が逆転するきっかけとなった時代の節目だけに興味深い。それ以上に負けた側と勝った側の人間模様も考えてしまいますね。

    敗者の崇徳天皇の讃岐での悲哀。奢り高ぶる信西と権力の中枢から滑り落ちる藤原頼道。その信西も源氏により殺されてしまう。それも文覚のこの一言に集約されていると思う。

    「人間にとって何よりの毒は権力だよ。」

    親兄弟でも、反目しあい、殺しあう時代。「今日の友は明日の敵」の世界。後に頼朝が人間不信になってしまうのも分かる気がします。しかし、大河ドラマの世界と言うのは一度、小説などを読んでから見ないと歴史認識が誤りますね。

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    2013年08月03日
  • 新・水滸伝(一)

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    ネタバレ

    初・水滸伝。 未完で終わったと知りつつも、読み始めてしまった。

    <ネタバレ>
    えらいたくさん登場人物がでてくるのは知っていたけれど、それがなぜ108名もいるのかは知らなかった。人間の強欲によって開かれてしまった扉。そこから弾け出た108名の星宿。
    何かに流されるがごとく、梁山泊へと集まってゆく。

    大義名分、同情に値する理由は大きくあるけれど、それでも殺戮にまみれて自らの手を汚してきた登場人物たちが”悪の根元”である高俅を成敗せんと向かって行く。善悪の棲み分けが曖昧なようでいて、とても明確であることの矛盾が面白い。

    一番好きなのは、黒旋風・李逵。吉川英治の描く黒旋風は、とんでもなく無邪気で

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    2013年07月20日
  • 宮本武蔵(8)

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    試合前、武蔵が伊織に対してかける言葉が深く心に残る。「ひとたびお世話になった方のご恩を忘れないこと、武道だけでなく学問にも励み、謙虚に、人の避けることも進んでやること。肉親がいないため僻みやすくなるが、温かい人の中にすめ。人の温かさは、自分の心が温かくなければわからない。長い生涯があるが命は惜しめ。事ある時、国・武士道のため、捨てるために命を惜しめ。」
    美しい師弟関係が人を育てるのだと改めて思う。

    天稟の才能である小次郎の剣と努力で築いた武蔵の剣。最後は、武蔵の信じた精神の剣が小次郎の信じた技や力の剣を打ち勝ち、幕を閉じた。

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    2013年06月28日
  • 三国志(六)

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    ネタバレ

    魏の張遼、呉の甘寧、蜀の趙雲子龍が今回は大活躍。
    老将の黄忠も、快勝!
    そしてとうとう玄徳は、王位に即位し漢・呉・蜀の三国志の形になった。

    相変わらず孔明にしてやられる曹操が愉快だ。

    この巻では、残念ながら関羽の活躍はなかった。

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    2013年06月16日