感情タグBEST3
Posted by ブクログ 2019年01月19日
たとえ、罵られ、馬鹿にされて笑われようと、自分の信じた道をただ、ひたすらに突き進む武蔵。
どこにいても、何をしていても剣の修行になる。
自然という師、伊織という新たな弟子を持って、武蔵が生き生きしているように感じる。
吉川英治の描きたかった武蔵ではないだろうか、という気がしてくる。
Posted by ブクログ 2013年06月26日
「『将軍家の御指南役って、偉いんだろうね』
『うむ』
『おらも大きくなったら、柳生様のようになろう』
『そんな小さい望みを持つんじゃない』
『え。…なぜ?』
『富士山をごらん』
『富士山にゃなれないよ』
『あれになろう、これに成ろうと焦心るより、富士のように、黙って、自分...続きを読むを動かないものに作りあげろ。世間へ媚びずに、世間から仰がれるようになれば、自然と自分の値うちは世の人がきめてくれる』」
「『人と人とが円満に住んでゆければ地上は極楽だが、人間は生れながら神の性と、悪魔の性と、誰でも二つもっている。それが、ひとつ間違うと、この世を地獄にもする。』」
Posted by ブクログ 2012年08月13日
吉川英治という人の凄さはこの六巻に現れていると思う。
こと東京都港区にいるのも手伝ってか芝から品川を起点に、のらりくらりと江戸を散歩させられる。
それは武蔵の突き抜けた軽快さと小次郎の滑るような野心を両輪に。嵐の前の静けさが耳に痛い程の一冊。
Posted by ブクログ 2011年01月15日
吉川英治の武蔵は、司馬遼太郎の土方とは違って、
とにかく、真面目だ。
常に己を反省し、また人から学ぼうとする。
人によっては、
この小説の中に延々と続く、探求の旅は、地道で長く永く、
時に、単調かもしれないけれども、
俺はかな~り、はまった、わけで。
武蔵 対 小次郎
武蔵 対 お通
武蔵 対...続きを読む 弟子の育成
武蔵 対 自然の猛威
武蔵 対 己の煩悩
・・・
彼の気づきと、成長がとってもおもしろいのだ。
しかし、この巻での醍醐味は、
武蔵が、一人で戦うのではなく、
時に、軍師として。村人を統率し、野武士軍団を一掃する下りにある。
歴史に"もし"は無いけれども、
もし彼が、もう少し前に生れていたら、
信長が席巻した戦国時代の様相は、相当変貌していたはず。
と、勝手に妄想しつつ、
吉川英治の宮本武蔵の魅力を味わっていただきたく、
勝手な名場面を引用したい。
(なお、軍師宮本武蔵の活躍は、ぜひ小説を手に取っていただきたく!)
Posted by ブクログ 2010年10月21日
法典ヶ原の開墾・伊織との出会い
江戸での小次郎の活動
が主に描かれています。
武蔵の精神が成熟しようとしています。人を屈服させる剣ではなく、世を治めるための剣、または武力。その思想が開墾で見事に表れています。吉岡一門との死闘に勝っても驕ることなく、絶えず内省を続けてきた結果でしょう。一人の人間...続きを読むの精神的歩みです。
柳生への旅に出たお通、日々精力を強めていく小次郎、彼らと武蔵の運命はどのように絡んでいくのでしょうか。次が楽しみです。
Posted by ブクログ 2021年05月20日
6巻は2人目の弟子との出会い、共に荒野を開拓していく。
大自然を師匠とし、開墾の中で得られる苦労や失敗を修行と捉える生活はスケールが大きい。
新たな環境で試行錯誤を重ね、得た知恵や深めた思想は生き生きしている。武蔵は失敗するほど、柔らかく謙虚になっていくように感じる。その一方で人に何を言われても自分...続きを読むが信じることを貫く強さをもつようになる。
何事からも素直に学ぶ姿勢を持ちたいと思う。
「水には水の性格がある。土には土の本則がある。その物質と性格に、素直に従いて、おれは水の従僕、土の保護者であればいいのだ」
「富士山をごらん。あれになろう、これに成ろうと焦心るより、富士のように、黙って、自分を動かないものに作り上げろ。世間へ媚びずに、世間から仰がれるようになれば、自然と自分の値打ちは世の人が決めてくれる」
Posted by ブクログ 2017年09月11日
「よし俺は、剣をもって自己の人間完成へよじ登るのみでなく、この道をもって、治安を按じ、経国の本を示してみせよう。」
第6巻の武蔵の心情を表すもの。武蔵の心情から成長を追う。
Posted by ブクログ 2016年02月06日
新たな出会いの第六巻。
お通、城太郎、又八、朱美。
武蔵を取り巻く人々が消息不明になり、
そのまま三年が経過し、再び孤独の武蔵。
だが、そんな彼にも新しい出会いがあった。
城太郎に代わり彼を師と仰ぐ少年伊織。
彼を弟子に持つことにより武蔵も学んでいく。
そして、消息を絶つも無事だったお通だが、...続きを読む
ここでもまた武蔵とはすれ違う。
しまいにはナレーター(?)までもが、
彼らのすれ違いをもどかしく思い始める。
お通は強い女性なので、間違っても、
「大人になるって悲しいことなの・・・」
なんて言わないのだろうが、どうなるのか。
そしてもう一方気になるのは佐々木小次郎の動き。
城太郎は消息不明のままだがどうなったのか。
いずれにしても早く続きが読みたい。
Posted by ブクログ 2014年08月30日
武蔵目線のシーンを読むと、なんだかスッキリした気分になる。武蔵の考え方はシンプルで好感が持てるからかもしれない。
相変わらず、季節の表現が美しい!
2014/8/30
Posted by ブクログ 2013年11月02日
小次郎の野心とそこから来る狡猾さ、武蔵の求道の態度がこの作品の精神的支柱であることに疑いはないが、こういった誰にでも身に覚えのありそうな設定をそこかしこに散りばめられているこの作品は、やはり周到に構築された渾身の一作なんだろう。
再々読ながら楽しんで読ませてもらっています。
ところでこの作品、日本全...続きを読む国を紹介する観光宣伝小説でもありますな。
東海道中膝栗毛じゃないけど、こういった設定は日本の娯楽の伝統なのかもしれない。
Posted by ブクログ 2013年10月21日
どこまでも、己の道にブレない武蔵とは対象的に、初期からいた城太郎や又八の方向性が段々と物語のなかで変わっていき、それぞれが違う流れのなかで、思いもよらぬ人生の形に昇華して行く。思いのすれ違いや誤解、人の常なるこころの傾向により、どうにも避け難い人と人の別れと邂逅こそがこの作品の醍醐味。
Posted by ブクログ 2013年06月12日
あれになろう、これに成ろうと焦るより、富士のように、黙って、自分を動かないものに作り上げろ。世間へ媚ずに、世間から仰がれるようになれば、自然と自分の値打ちは世の人が決めてくれる。
Posted by ブクログ 2011年02月19日
黒沢明の「7人の侍」に似た(あちらが似ているのだろうが)村人を村人たちとともに悪者から救う話も出てきて、面白く話は進む。ストーリーとは関係ないが弟子の伊織が「おらも大きくなったら、柳生様(将軍家のご指南役)のようになろう」と言うと武蔵は「そんな小さ望みを持つんじゃない。、、、富士山をご覧、あれになろ...続きを読むう、これになろうと焦るより、富士のように黙って、自分を動かないものに作り上げろ。世間へこびずに世間から仰がれるようになれば、自然と自分の値打ちは世間の人が極めてくれる」武蔵の人生観を見た言葉でした。
Posted by ブクログ 2009年12月31日
~内容(「BOOK」データベースより)~
長い遍歴をともに重ねてきた城太郎は、木曽路でぷっつり消息を絶ち、武蔵は、下総の法典ケ原で未懇の荒野を開拓しはじめた。恃むべき剣を捨て、鍬を持った武蔵!これこそ一乗寺以後の武蔵の変身である。相手は不毛の土地であり、無情の風雨であり、自然の暴威であった。―その頃...続きを読む、小次郎は江戸に在って小幡一門と血と血で争い、武蔵の“美しい落し物”も、江戸の巷に身を奇せていた。
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Posted by ブクログ 2009年10月04日
新たな弟子伊織を迎え、いろんな意味で成長していく武蔵。この頃には沢庵坊の風貌さえ窺がえる事ができる。伊織への礼儀の躾け方は見習わなければいけないかもしれないと痛感させられた。
Posted by ブクログ 2022年01月29日
武蔵は、下総の法典ヶ原の小屋に住み、彼に弟子入りを申し出た伊織という少年とともに、荒野の開墾をはじめます。はじめは彼のすることを冷ややかなまなざしでながめていた村人たちは、山賊の襲撃から武蔵が人びとを守ってくれたことで彼に信頼を寄せるようになります。
一方お通は、柳生宗矩の甥の兵庫のもとに身を寄せ...続きを読むており、彼女の武蔵に対する想いを知っている兵庫は、二人の仲を案じますが、石舟斎が危篤であるという知らせを受けて、お通は武蔵に会うことのかなわないまま、江戸を去っていきます。
小次郎は、軍学者の小幡勘兵衛の弟子たちの恨みを買いますが、北条新蔵をはじめとする門人たちのなかに剣の腕で小次郎にかなう者はなく、返り討ちとなります。他方の武蔵は、無法者たちの挑発を受けながらも、あえて剣をとることなく、世間の悪口雑言には耳を貸さずにみずからの信じる道をひたすら突き進んでいきます。
武蔵と小次郎の人物像の対比があざやかで、両者の人間としての器の大きさのちがいがいよいよ明確になります。
Posted by ブクログ 2018年10月03日
映画化・ドラマ化・漫画化など、様々なかたちで紹介されてきた大人気歴史小説の第六巻。この巻の注目は、やはり後に養子となる宮本伊織の登場だろう。未開拓の地として当時の江戸の町を描写するシーンはなかなか味わい深く、そこは面白かった。
Posted by ブクログ 2018年01月21日
VS山賊が面白かった。
伊織は良いキャラクターなんだけど、武蔵が伊織を大事に大事にしている様を読むにつけて城太郎が不憫に思える。
武蔵自身に城太郎に対する後悔の念があるからそうさせているのだろうけど。
城太郎を養子にしたお金持ちの名前も時々出てきているので、城太郎との再会もそのうち描かれるのだろう...続きを読む。期待。
Posted by ブクログ 2017年03月23日
新たな弟子伊織を従え、下総の国や武蔵野に居を構え、農業をしたりとおおよそ剣術修業とは遠い日々を送る武蔵。この巻は武蔵が多く出てきていよいよ話が進むのかなという期待があったが、武蔵自身、小次郎との対決はあまりしたくない感じにも受ける。宮本武蔵という人物像を中心とした話なのでしょうがない感じもするが、次...続きを読むの巻も読み進めていきたいと思う。
Posted by ブクログ 2016年09月09日
積ん読チャレンジ(〜'17/06/11) 17/56
’16/09/09 了
武蔵にとって生涯二人目の弟子、伊織との出会いが描かれた巻。
伊織とお通は道中で互いを知らずに行き会うが、肝心のお通と武蔵は出会わぬまま。
石舟斎の危篤の知らせを聞いたお通は江戸表を離れてしまう。
一方の武蔵...続きを読むはひょんなことから江戸の町で力を付けていた無法者たち、半瓦の弥治兵衛の勢力と敵対することになる。
その半瓦の弥治兵衛のところにはお杉婆と佐々木小次郎も出入りしているし、一方で朱美と又八は一つ屋根の下で寝食を共にしていた。
人の動きの激しいことこの上ない。
武蔵は吉野郷を出て依頼お杉婆にあること無いことを喧伝され、一条寺での吉岡一門との決闘、江戸表の無法者たちとの対立を経ていよいよその悪評の広がりようも甚だしい。
一方、彼と直に出会い、彼の人間性に触れた人物は、多くが彼を剣の腕前のみならず一人の人間としても尊敬の念を抱く。
武蔵を藩に招くことを推挙するのも石母田外記だけでなくなり、次第に彼の実力が評価されてきたことがうかがえる。
しかし市井の人々に武蔵の真価が正当に評価されないことが、見ていてもどかしくてならない。
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気に入った表現、気になった単語
「「この深夜に、なんで其方(そち)は、刃物など研いでいるのか」
すると少年は、げらげら笑いながら、
「なアんだ、、おじさんは、そんなことにびくびく(漢字)して、寝付かれなかったのかい。強そうな格好をしているけれど、内心は臆病なんだなあ」
武蔵は、沈黙した。
少年の姿を借りた魔魅と、問答でもしているような気持に打たれたからである。」(P17)
「人間の力が土や水や自然の力を自由に利用する時、はじめてそこに文化が生れる。坂東平野はまだ人間が自然に圧倒され、征服されて、人間の智慧の眸(ひとみ)は、茫然とただ天地の大をながめているにすぎない。」(P22)
「「三代、雨露をしのがせて貰った小屋に、手をついて、別れをいえ、礼をのべろ。……そうだ、もう名残はよいな」
いうと、武蔵は屋内へはいって、火を放(つ)けた。
小屋は見るまに、燃えあがった。伊織は、熱い眼をして見ていた。その眸が、余り悲しげなので武蔵は、説いて聞かせた。
「このままにして立ち去れば、後には野盗や追い剝ぎが住むに決まっている。それではせっかく忠節な人の跡が、社会(よのなか)を毒する者の便宜になるから焼いたのだ。……分かったか」
「ありがとうございます」」(P30)
「「先生、天狗ってほんとにいるの」
「いるかも知れぬ。……いやいるな、世の中には。--だが、牛若に剣法を授けたというのは、天狗ではないな」
「じゃあ何?」
「源家の残党だ。彼らは、平家の社会(よのなか)に、公然とは歩けなかったから、皆、山や野にかくれて、時節を待っていたものだ」
「おらの、祖父(おじい)みたいに?」
「そうそう、おまえの祖父は、生涯、時を得ず終ってしまったが、源家の残党は、義経というものを育てて、時を得たのだ」
「おらだって--先生、祖父のかわりに、今、時を得たんだろ。……ねえそうだろう」
「うむ、うむ!」」(P51)
「「--間違いだった!水には水の性格がある。土には土の本則がある。--その物質と性格に、素直に従いて、俺は水の従僕、土の保護者であればいいのだ。--」」(P54)
「おらも大きくなったら、柳生様のようになろう」
「そんな小さい望みを持つんじゃない」
「え。……なぜ?」
「富士山をごらん」
「富士山にゃなれないよ」
「あれになろう、これに成ろうと焦心(あせ)るより、富士のように、黙って、自分を動かないものに作り上げろ。世間へ媚びずに、世間から仰がれるようになれば、自然と自分の値うちは世の人がきめてくれる」(P113)
【琴瑟が和す】
琴と大琴との合奏の音がよく合うことから、夫婦仲の良いことのたとえ。「琴瑟相和し」
「一人の侍を養うことが、いかに重大か。殊に新参を入れる場合においては、なおさらであることは、呉々も、父の細川三斎からも、彼は教えられていた。
第一が、人物である。第二が、和である。いくら欲しい人間でも、細川家には、細川家の今日を築き上げた譜代がいる。
一藩を、石垣に喩えていうならば、いくら巨大な石でも、良質な石でも、すでに垣となって畳まれている石と石との間に、組み込める石でなければ使えないのである。均等のとれない物は、いかに、それ一箇が、得難い質でも、藩屛(はんぺい)の一石とするわけにはゆかない。
天下には、可惜(あたら)、そういう角が取れないために、折角の偉材名石でありながら、野に埋もれている石が限りなくある。」(P298)
【藩屛】
かきね。かこい。守りとなる物のたとえ。「皇室の藩屛となる」
【可惜(あたら)】
[副]《形容詞「あたら(可惜)し」の語幹から》惜しくも。残念なことに。あったら。「―好機を逃した」
あたらもの【可惜物】
惜しむべきもの。惜しいこと。あったらもの。
「―を。我がために塵ばかりのわざすな」〈宇津保・藤原の君〉
あたらよ【可惜夜】
明けてしまうのが惜しい夜。
「玉くしげ明けまく惜しき―を衣手離(か)れてひとりかも寝む」〈万・一六九三〉
「小次郎は、座敷の真ん中に坐って、鞘を払ってみたところが、研げていないどころではない--晃々(こうこう)と百年の冴えを革めて、淵の水かとも、深くて蒼黒い鉄肌(かねはだ)から--燦(さん)として白い光が刎ね返したのである。」(P306)
【ぶ‐りょう〔‐レウ〕【無×聊】
[名・形動]退屈なこと。心が楽しまないこと。気が晴れないこと。また、そのさま。むりょう。「―を慰める」「―な(の)日々」
Posted by ブクログ 2012年10月29日
途中1ヶ月半くらい間を空けて読み終えた。(仕事めちゃ忙しかった…)
話がどこに向かってるのかわからなくなった。武蔵の豪快さ、気持ち良さもあまりなく、停滞した感じあった。小さいエピソードがたくさんの巻だった。
城太郎がいなくなって、伊織が出てきたのも、自分の中で整理がつかず。今後の為の伏線なんだとは思...続きを読むうが。