吉川英治のレビュー一覧

  • 宮本武蔵(2)

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    [再読]
    武蔵、又八、お通、佐々木小次郎、それぞれの人生が動き出す。
    それぞれが、自分の目標を持ち、それに向かって駆け出す。
    出会いと別れを繰り返し、武蔵も成長してゆく。
    何事も近道は無い。
    遠回りでも、それが自分にとって成長してゆく大切なのプロセスなのだと思える。
    何事も経験だ。

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    2018年12月24日
  • 上杉謙信

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    上杉謙信というタイトルだが、上杉・武田両方の視点で川中島の戦いを描く。
    互いが互いの腹を読みあい、裏をかこうとする。
    吉川英治のごつごつした文章が、なぜかつるつると気持ちよく入ってくる。

    歴史の結果は知っているけれども、謙信の視点に立てば捨て身の戦法が功を奏するのではないかと、信玄の立場になれば地の利と数で大勝するのではないかと、わくわくしながら読み進める。

    そしてタイトルの上杉謙信。
    戦国武将でありながら、あまりにもストイックで、理想主義。そして無私の人。
    これがフィクションの創造物ならできすぎだ!と言うところだけど、古文書にも記されている事実なのよねえ。

    同じ時代に同じ器量の武

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    2018年12月18日
  • 三国志(四)

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    曹操がいよいよ勢力を強めて、戦う度に覇者に近づいて行く。
    劉備は曹操の勢いに抗えるわけもなく、踏みにじられてしまうが、豪傑の忠臣関羽が曹操に一時降伏するところが最大の見所かな。
    よく関羽の条件を曹操が飲んだものだ。恐るべし関羽。

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    2018年04月08日
  • 三国志(七)

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    関羽が討たれ、張飛も没す。
    曹操も死、世代交代が進む。
    劉備が倒れ、孔明に引き継がれ、主役はその孔明に移る。
    そして、南蛮遠征へ。

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    2018年01月13日
  • 三国志(六)

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    魏の曹操、赤壁の痛手より西涼州の馬騰をもって蜀にあたろうとするも、途中馬騰は曹操に首を切られる。
    孔明の活躍で蜀が盛り返し、魏・呉・蜀、ますます三国の力強大となる。

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    2018年01月05日
  • 三国志(五)

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    ここでの主役は孔明に移り、孫権が、かの赤壁の戦いで曹操を破る。その後、劉備は劉備で、荊州を治める。
    相手の裏の裏をかく謀。孔明と周瑜を中心に、この中盤を彩っていく。

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    2018年01月03日
  • 三国志(四)

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    2018年初の本は、吉川英治三国志(四)
    曹操に捕らわれていた関羽が劉備の存命を察知し当初の約束通り遠く劉備の元に戻る件より、劉備がかの有名な三顧の礼を以て諸葛孔明を登用し、少数の兵力ながら策を巡らせ曹操と対峙しているあたりまで。

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    2018年01月02日
  • 三国志(三)

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    玉璽を手元から離さない袁術の件から始まり、曹操・呂布・劉備間の謀。そして、曹操の陣営に匿われた関羽と、劉備との再会への道筋まで。

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    2017年12月31日
  • 三国志(二)

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    董卓が謀られ、死し、孫堅が討たれる。
    曹操、孫策、劉備が力をつけるなか、玉璽が袁紹の手に渡る。いよいよ三国時代手前の様相を呈してくる二巻目。

    ただ、このペースだと全8巻は、年末年始に読み終えられない…。

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    2017年12月31日
  • 三国志(一)

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    今更ながら、ようやく手に取る機会を得る。
    言わずと知れた、かの吉川英治さんの三国志の(一)。年末年始の休みを使って一気に読み終える心意気であります。
    出だし、黄巾賊の来襲から、劉備青年が、張飛、関羽を出会い、董卓の長安遷都あたりまで。

    吉川英治さんの文体は常に男心擽り、無意識に先へ先へと読み先を誘う。先を読むのが楽しみであり、(二)へ続く。

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    2017年12月30日
  • 三国志(八)

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    8巻と分量は多いが、非常に読みやすく、あっという間に読み終えることが出来た。

    以下、この本から示唆を受けたことを列記。

    ・信賞必罰は組織を強くするために必要。
    ・何か事を起こす時は、十分な下調べをして、必勝の態勢で臨むことが大切。
    ・敵を欺くのであれば、味方すら欺くことも大切(要は、大事は慎重に進める必要あり)。
    ・苦手なことは手を付けてはいけない。(劉備玄徳の最後は・・・)

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    2017年08月01日
  • 宮本武蔵(1)

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    子難しくなくて解りやすいので、どんどん読めます。
    獣のような武蔵(たけぞう)から、三年後には宮本武蔵に改め、知性や礼儀を身につけた武蔵は結構色っぽくも映ります。
    現実には無い表現もすこーしあって、それが比喩であれど「燃える」武蔵を表現するにはぴったりだったりもします。
    とある漫画で宮本武蔵が気になったので、オトナ買いしましたが、手に取って良かったです。

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    2017年05月14日
  • 新・平家物語(一)

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    いまさらながらの平家物語。そして、いまさらながらの吉川英司。

    文庫16冊という、この大作に手をつけるかどうか、迷うばかりであったが、いまこれに取りかかることに決めた。

    悩むことはなかった。数ページを読んで、たちまちこの作品と出会ったことに感謝の気持ち。この読み手を一瞬に惹きつける力こそが吉川英司の凄みであるといえよう。

    たんなる歴史小説なのではない。そこに書かれているのは、想い・苦しみ・悩み・愛憎・妬み・裏切り・確執などから逃れられない、生身の人間の姿。ひとりひとりの生きざまが歴史というものをつくりあげていく。

    【このひと言】
    〇愛情はすべてを越えた愛情であるときに、ほんとの美しさを持

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    2017年05月07日
  • 三国志(八)

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    初めてこの作品を読んだのは、某無双ゲーム(灰色っぽいパッケージで、弩兵が最強なあれ)の影響で三国志に興味を持ったのがきっかけで、中学生の頃だった。
    その後しばらく三国志からは離れていたのだけれど、つい最近、手持ちの本を整理していたら、半ば黄ばんだこの文庫本が出てきた。
    懐かしいなぁ〜という思いから、第一巻の冒頭を眺め始めたが最後、半月くらいで全部読んでしまった。

    三国志を初めて通しで味わった時の印象は、中盤までが劇的で面白いということだった。
    貧しい劉備が決意とともに立って、呂布や董卓が討たれ、袁紹を平らげて着実に力をつけていった曹操が、孔明の登場によって赤壁で苦渋を舐め、孔明の意図通りに、

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    2017年03月19日
  • 牢獄の花嫁

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    数年前に吉川栄治歴史館を訪れた時勧められたのがこの「牢獄の花嫁」
    古くさい小説だなとそのまま本棚に
    その後友達に勧められて新平家物語を読み吉川栄治のストーリーや面白さを知りこのお正月読んでみることにした
    数少ない吉川栄治の探偵小説で原作はフランス大衆小説が元になっているという
    登場人物、ストーリーとちょっと昔の東映映画のようで一気に読めた

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    2017年01月07日
  • 三国志(八)

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    201612
    軍師孔明、周瑜
    趙雲子龍、劉備玄徳、関羽、張飛
    魏呉蜀天下三分の計
    三顧の礼
    泣いて馬謖を斬る
    死せる孔明、行ける仲達を走らす

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    2016年09月19日
  • 平の将門

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    日本史において貴族の時代が終わり、武士の時代が開幕するきっかけとなった事件が平将門の乱だ。関東地方の一豪族、平将門はをあっという間に周囲を征服、中央から派遣されていた役人たちを追い出し、その勢いで自身はもう一人の天皇と称して、京へ攻め上ろうとする。結局、京の指示を受けた武士たちが将門軍を打ち負かし、将門の乱自体は短期間で終わるが、それ以後、武士階級が注目されるようになる。

    こうした歴史を知っていると、平将門とは粗暴で親分肌、革命家というイメージだが、吉川英治の描く将門は全く異なる。

    将門は若いころ、京へ留学したことで、都や貴族社会にあこがれを持ち、貴族には頭が上がらない。他人の意見に流され

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    2016年06月03日
  • 上杉謙信

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    上杉謙信で連想するのは、川中島の戦い、毘沙門天、敵に塩を送るハナシ、等々。信長や秀吉と違って戦国時代日本のトップに立つことには興味がなく、自分の力の誇示に満足するアスリートのような印象がある。吉川英治が描く上杉謙信もストイックな戦いのプロ。戦の感覚を味わうために戦国武将をやっているってカンジだ。かといって、殺人大好きな残虐非道な性格ではなく、民にも臣にも愛情を注ぎ、バランスのとれた人間だった。

    そんな他の武将とは違う価値観を持った上杉謙信が、ライバル武田信玄と川中島の戦いに挑む。信玄はキツツキ作戦で謙信をおびき寄せようとするが、謙信はその裏をかき、単身で信玄の本陣を急襲する。そして、謙信の太

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    2016年05月20日
  • 宮本武蔵(4)

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    待っていましたの第四巻。

    三巻と同様、本阿弥光悦に誘われ、
    美しい世界でしばしの休暇を味わった後、
    宿敵吉岡一門との死闘に臨む武蔵。
    いよいよ宮本武蔵と言えば!のアレが登場する!

    そしてついに読者も待ち望んでいたであろう、
    すれ違いを続けてきたお通との再開。
    強さを追い求めてきた武蔵だったが、
    彼女もまた別の道で強さを追っていた。

    一方、彼らと比べると光と影のような又八と朱美。
    又八は自業自得だが、朱美は気の毒である。
    お通と比べて彼女には何が足りなかったのだろう。
    運が悪かったのか。それとも弱かったからなのか。
    もしも舞台、もしくは執筆時期が現代だったならば、
    武蔵と又八、お通と朱美の

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    2015年10月05日
  • 三国志(六)

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    自分はどの武将に憧れるか。それは何故か。そんな風に掘り下げて自分を見つめ直しながら読むのも一興。但し、誰しも諸葛孔明に憧れるのではないだろうか。少なくとも自分はそうで、それはやはり、描かれ方が圧倒的であるという事も大きい。趙雲や張飛、関羽、黄忠。味のある登場人物が多い。読めば読むほど、のめり込む事請け合い。

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    2015年06月26日