ドストエフスキーのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
『悪霊』というタイトルのくせに上巻のワルワーラ夫人の庇護の元生活しているヴェルホヴェンスキー氏の高等遊民みたいな話で「このおっさん、好き勝手に暮らしてんなー」と気楽な雰囲気がある。
ところが、下巻に進むにつれてヴェルホヴェンスキー氏は脇によけて不穏な動きが出てきて事件が起こし、ラストの方は悲惨。
「ルカの福音書」の引用にからめて、スタヴローギンを中心として(表面的にはピョートルだけど)悲劇に向かっていく展開の仕方、書き方は好み。
神(またはそれぐらいすごいもの)を信じるか、信じないかで全然違う。信じている人は平穏。信じてない人はなんで生きてるのか意味を見つけようとして苦しむ。そんな図式が古 -
Posted by ブクログ
面白かったです。特に表題の『おかしな人間の夢』と『メモ』は、ドストエフスキーの作品を理解するために役に立つと思い、学生時代にやったみたいにメモをとりながら丁寧に読みました。『罪と罰』のラストを彷彿とさせる、とても奇妙な、そしてなにか真理を含んでいるように思わされる夢。大胆なキリスト教的信仰告白。彼の作中人物たちが、苦しみにのたうちまわり、傷付いて血を流し、発狂し、殺し殺され首を括りピストル自殺をし、あらゆる痛みを与えられながらも、ほんの数人がようやっと掴んだなにものかを、言葉にするとこうなるのでしょうか? いえ、結論を出すにはまだ早いと思います。これだけが答えではない、むしろこれは彼の思想の一
-
Posted by ブクログ
面白かったです。特に最後にナターシャが父親に許される場面がとても好き。ネリーのあまりにも救いのない悲惨な物語と、妻の怒りと、それまでの父と娘の苦しみ…これらから生まれた、必然的で無理のない、人間心理に即した許しだったと思います。
頑なさがなにを生むというのでしょう? 残酷さばかりが蔓延るこの世界で、どうしてわざわざ人間同士が傷付け合わなければならないのでしょうか? 我々人間は皆それぞれに必ず苦しんでいるというのに。泥と血に塗れ、胸に剣を刺され、折れて思う通りに動かない脚で、それでもどうにか立っているのは、言葉と心を持つ仲間同士が互いに支え合っているからではないのか…。娘を呪い、許しを与えぬまま -
Posted by ブクログ
えげつない、遊川和彦さんのドラマ(「家政婦のミタ」「〇〇妻」)みたいな、崩壊夫婦の葛藤と、死の物語。
大爆笑の失恋ドラマのような、19世紀最高の振られっぷり、と言いたくなるボーイ・ミーツ・ガール。
ドストエフスキーさん、敬遠するのはホントに勿体ないですねえ。
############
ドストエフスキーさんというと、矢張り、「罪と罰」「白痴」「悪霊」「カラマーゾフの兄弟」の四大長編になります。
(茫漠たる昔に読んだ記憶で言うと、読み易いのは「罪と罰」だと思いますが)
なんだけど、「貧しき人々」も「虐げられた人々」も「地下室の手記」も面白かった。ほかも読んでみたいな、と思っていたところで -
Posted by ブクログ
とても他人事とは思えない、悲惨な物語でした。今この瞬間、一体どれほど多くの地下室の住人が、日本はもちろん世界中に存在するのでしょうか? 推測するに、インターネットの世界で見かける、異常に自己顕示欲が強くて無意味に悪意を振り撒く人々や、突然無関係の他人に襲い掛かるタイプの犯罪者達等は、この地下室の住人にあたるのではないかと思います。プライドだけは高いのに、現実には何事もできず、疎外され、嘲笑を浴び、傷付き果てて、対象のはっきりしない憎しみを抱いており、なんでもいいから復讐をしたい、恨みを晴らしたい、と思っている…。彼らのような人々は、一体どうすれば救われるのでしょう? 確かに、傲慢という点で彼ら