ドストエフスキーのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ長い物語の中で、いくつもの父と子の関係が描かれている。
ヒョードルと実子たちと私生児
二等大尉とイリューシャ
血のつながりだけではなく、「父=教え導く者」としての関係性も散見される
長老とアリョーシャ
アリョーシャとコーリャ(コーリャに父がおらず、偏った考えで突き進むところも印象的)、こどもたち
そして、ロシア正教に基づく神と登場人物たちの関係
勤めを果たさない父を持った4人のカラマーゾフの兄弟のうち、外の世界に父を求めたアリョーシャだけが、精神の安寧を、救いを得たようにみえる。
最後のシーンでアリョーシャは、両親の元で幸せに過ごす幼少期の尊さを少年たちに説くが、今後の自分たちの繋がりを強調する。
両親に恵まれなくても、求めれば導きを得られ、精神を貶めず引き上げていくことはできる、という思いが込められているように読めた。
…しかし、面白かったけど長かった!
普通の会話でも登場人物が軒並み「!」と叫んでいて、エネルギー過剰、、とやや当てられて(嵐が丘でも同じ印象を受けた)さらにイワンの1人語り問答のわけのわからなさもあって、途中ちょっと停滞しました。
でもモームが紹介している中で「冗漫で読み飛ばすこともある(大意)」と書いていたので、そっか〜理解しきれなくても一度読み通してみよう、と少し気楽に付き合えました。
ロシア正教について予備知識があった方がより面白いかな、と初心者向けのキリスト教の本を併読したことで、ドミートリーの罪の意識などが多少理解しやすくなって良かったです。
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Posted by ブクログ
ネタバレ金持ちが気まぐれに差し出す金は慈善として高く評価され人々の心を打つが、貧乏人が必死に自分を削ってまで少しだけ金や物を与えても、感謝されることは少ない。主人公は見栄っぱりで、お茶にも入れなくていい砂糖を入れるタイプの初老男性。彼には大切な娘のように思っている親戚の女性と手紙のやりとりをして、己の貧しさを理解しながらも、一番大切なお金をその女性にこまごまと差し出していた。それは真心からくる優しさであり、彼女に優しい人間だと思われたいからだった。しかし、彼女はお金がない生活に耐えきれず結婚を決意してしまう。もう手紙のやりとりはできない。主人公らのささやかな友情も、最後には良い思い出の終着点としてしか残ることはない。お金があれば幸せになれるとは限らないが、お金がなければ何も始まらない。孤独と貧しさの中で、彼はもう幸せを見出せない。
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Posted by ブクログ
9/10
真実は文字の向こう側に存在する。
第一部は長尺であり様々な登場人物の相互関係が描かれ、クロニクル的で、極めて難解だが、止まらない。この部が悪霊の土台を作ると思うから、何があっても無視してはならない。中には無視をする人もいるらしいが、勿体無い。そしてニコライとピョートルが出てきた場面は、突如の登場で、ようやく来たか!と素直に思ってしまった。まるで霹靂を感じた。そこから、一気に面白くなる。革命が起こる前の、この不安定な空調がしみじみ、最初っから感じることができる。第二部はもうたまらなく面白い、難しいのは難しいが、ピョートルとニコライの隠された謎と不気味な空気がドストエフスキーでは感じられない数少ない空気だなと感じた。
江川卓 新潮文庫版の流れ方が完璧。ステパンとワルワーラの出会いからの遍歴から始まり、関係の終局で終わる。