ドストエフスキーのレビュー一覧

  • 賭博者

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    不思議な感覚、後半の読書疾走感が気持ちよかった、ぐいぐいページを進められた。ギャンブルの真髄が垣間見えた。でもそれが何かって、言い表せない。不思議で素敵。

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    2022年09月07日
  • カラマーゾフの兄弟〈1〉

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    ロシアの文豪ドストエフスキーの最高傑作といわれる長編小説。モームの世界の十大小説にも数えられる超名作。

    キャラ立ちが濃すぎるカラマーゾフ一家の面々に、金と女と信仰がからんでドロドロな世界観が出来上がっている。難しいイメージの本作だが、興味深い人間関係やリアルさのある各人物の心情に入り込みやすいため、意外にも第一部はすらすら読めた。グダグダな昼ドラ的展開が面白くもあり複雑でもあるなか、主人公アレクセイの清涼感には癒やされる。

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    2022年09月05日
  • 死の家の記録

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    ドストエフスキーによる監獄の記録ということになる。自身の体験を元にしたフィクションであり、モデルと思われる人もていねいに解説があってわかりやすい。大きなストーリーが流れているというわけでもなく、期待感もないのだが人物の観察が妙におもしろく読める。監獄とはいえ、かなり開放的になっているのは今とは違うようだが、ロシアとはこんなものなのかもしれないと思わせる。

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    2022年09月04日
  • カラマーゾフの兄弟〈4〉

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    第4巻は、かなり文学的な、じっくり読める内容。それにしても、よくずっーと高揚した物語が続くものだ。だが、アリューシャの影が薄い。12歳?のコーリャだってほとんど大人と変わらないぐらい心を顕にしてるのに。後半のイワンも凄い。でも、賢く理性的だったはずのイワンもミーチャと凄く似てきた。カラマゾフ家ののろわれているのか。
    すべてが繊細すぎ、すぐ傷つく。そして、この物語の背景に神キリストが居る。この世界を支配している。それが我々には分からない理由の大半を占めるのかもしれない。

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    2022年08月11日
  • カラマーゾフの兄弟(1)

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    カラマーゾフ入門編にどうぞ!複雑で長大な本編のエピソード達をうまく組み替えて一本の漫画に構築している。原作からしたら当然物足りないがとっつきやすい。

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    2022年07月30日
  • カラマーゾフの兄弟〈3〉

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    池田健太郎訳 中央公論社で検索したが、探せなかった。たぶん内容に違いはないと考えての感想。
    最初はアリューシャの話だが、性格がよくわからない。周りはアリューシャの純真さ、崇高な心を褒め称えるが、読んでいて、よくわからない人物。
    だが三巻は大半がミーチャの話。異常なほど真面目なのか、乱暴者なのか、金銭感覚がないのか、独りよがりなのか、精神異常者なのか、異常性のある人物。すべてが大袈裟だ。周りの人物も同じだ。とうとう裁判で父親殺しの有罪判決で、監獄へと護送されるところで終わる。
    ただ、不思議なのは、全部の場面がクライマックスのような作品。そこがドストエフスキーの凄いところか。ミーチャもアリューシャ

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    2022年07月28日
  • カラマーゾフの兄弟〈3〉

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    ゾシマ長老死後のアリーシャの動き、フョードルが殺されミーチェが護送されるところまでの3部。

    アリョーシャの人間的な変化(進化?)が、内面の動きに加えて実際のグルーシェニカに与えた「救済」という外部的な動き含めて、機微が非常に詳細に描かれており、冒頭から引き込まれ、そのままグルーシェニカが今度はミーチェに救済を与えたような流れにも見える。つまりは確実に死のうとしていたミーチェが生きているという状況は、アリョーシャの行動がもたらしたとも言えるのでは、と思った。

    殺人の犯人は三千ルーブルを論点に置くのであれば、状況証拠的にはミーチェになるが、決定的とは言えないが、血痕など調べられる?ないものなの

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    2022年07月07日
  • カラマーゾフの兄弟〈2〉

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    大審問官とゾシマ長老の伝記的内容が「対」になっているようにも見えたが、訳者の解題の通り、イワン陣営VSアリョーシャ陣営で見るととても構造が理解しやすかった。

    キリスト教が15世紀間の間に前提とした条件などが変わることで、既に実用に耐えうることができなくなっているという投げかけや、キリスト教が課した要望の高さ(自由など)についていけない多数派と乗り越えうる少数派を対比させ、かつ、当時とは数が違うことも引き合いに出し、内在する選民的側面を炙り出したりするなど、イワンの持つ、神の創った世界=キリストが悪魔から退けた世界、への疑念が詰まっているパート。

    そこから始まるゾシマ長老の伝記的パートが、イ

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    2022年07月05日
  • カラマーゾフの兄弟〈5〉エピローグ別巻

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    ついに読み終わりました。
    読み終えた自分を褒めたいです。
    後半はとても面白く読めましたが、
    それでも難解で、解説を読んで補っています。
    登場人物が一筋縄ではいかない感情起伏の激しい人々ばかりの中、アリューシャは、ホッとする存在でした。最後の言葉が意味するものは何なのか?
    しばらく考えています。

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    2022年06月18日
  • カラマーゾフの兄弟〈2〉

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    読書ガイドから抜粋

    僧侶は、妻帯を禁じられた黒僧、妻帯を許可された白僧の2種類に分かれ、19世紀半ばではだいたい2対5の割合で存在し、どちらの種類の僧侶も、僧衣の色はほぼ黒と定められていた。教会で地位を築くには黒僧になるのが必須だったため、アリョーシャが婚約したのはかなり攻めていだとも言える。

    第1部で父フョードルがイワンとアリョーシャを相手に投げかけた問い、つまり神の存在と不在をめぐる問いが第5編「プロとコントラ」と第6編「ロシアの修道僧」に結実する。

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    2022年06月13日
  • カラマーゾフの兄弟〈3〉

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    1巻、2巻は難しい内容で、わからないまま読んでいましたが、この第3巻は怒涛の展開で、とても面白かったです。
    ミーチャの言葉や行動がようやく理解でき、応援したくなりました。真相はどこにあるのか?4巻が楽しみです。

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    2022年06月12日
  • 悪霊 1

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    ドストエフスキーの本、以前挑戦した時は名前の法則の難しさ、(リーザとエリザヴェータは同一人物か?)などが把握しづらく挫折したが、本書の巻末の「読書ガイド」にて解説が添えられている。

    ヴェルホヴェンスキー氏とワルワーラ夫人の関係がよくわからず、不思議だった。はじめは夫人の子供の家庭教師だったのか?とも思うけど、もう子供たちは大きくなり独立したりしているのに、未だに同じ屋敷に住んでいる。ハンサムなヴェルホヴェンスキーの服装にまで口出しして恋人のようにも見えるけど、姪との結婚を勧めたり。距離が近いパトロン?うーん。変な関係。

    夫人の息子スタヴローギンとヴェルホヴェンスキーの息子ペトルーシャが登場

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    2022年05月04日
  • カラマーゾフの兄弟(上)

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    量はもちろん、質としても読み応えがあります。
    宗教やロシア、ヨーロッパ文化などの知識を入れて再読すれば、内容の理解度も変わってくると思います。
    疲れたので(笑)、ひとまず別の本読んでから、中巻に進みます。

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    2022年04月30日
  • 罪と罰 2

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    推理ものを見ているようかの気分だ。ラスコーリニコフは冷静ではなく、聞いてもいないのに自分に不利になるような挙動を取り続ける。罪の意識は人間をこんなにも非合理に走らせるのだろうか。

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    2022年03月08日
  • 罪と罰 下

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    脇役と思っていた人格が突如主人公と入れ替わり、主人公の一つの面を物語る。その手際良さに圧倒された。ラスコーリニコフが熱に浮かされてみた夢が、パンデミックやSNSの普及、更には昨今の戦争を予言するかのようで、真の名作というのはどの時代にあっても色褪せないのだとつくづく思う。

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    2022年03月06日
  • 罪と罰 中

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    どんどん展開してゆく物語に息をつけないほど。次から次へと仕掛けを叩き込んで来る。最初は読み切るまでに何日かかるかと思ったが、中巻は引き込まれ過ぎて徹夜で完読。古典の凄さを思い知った。

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    2022年03月01日
  • カラマーゾフの兄弟(上)

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    「罪と罰」「地下室の手記」に続くドストエフスキー三作目。チェーホフも間に挟んだりして、だいぶロシア人への免疫もつけた上で臨んだ。時代と場所は違えど物語のスケール感や台詞回しの大仰さという意味ではバルザックを挟んだこともプラスに働いた。
    膨大な人数の登場人物をここまでのピッチと情報量で描き出し、数ページにも及ぶセリフを交えながら生き生きと動かす。読書量がまだまだ足りない自分にもわかる。こんな小説はドストエフスキーにしか書けない。
    内容に立ち入ってレビューするには重厚すぎる本作だが上巻に関してはやはり大審問官の件が最重要かと。
    宗教の効用は人間が信仰と引き換えに不死を手に入れるといったある種の取引

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    2022年02月19日
  • 罪と罰 上

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    ネタバレ

    雑誌で20代の時に読む本と紹介されていたので読んだ

    主人公が家賃を払えず、大家さんにビクビクしながら外出しているのに「俺はいつかビックになる」とか、「考えてるのが仕事」とか、現代の夢見がちな若者と同じことを言っていて、昔も変わらないなんだなと思った

    主人公が偉大な人間になるために行うことが殺人で、これも現代での通り魔的な事件と似ているなと思った

    この本を読んで、殺人した後、どのようになるかを目の当たりにした気がする
    もし、自分に子供が出来たら、読んでほしいと思った

    キチガイとか、証拠もないのにお前が犯人だとか、雑な犯行なのに捕まらないとかは、笑ってしまった

    最後に、ソーニャが何もして

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    2022年01月29日
  • 未成年1

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    いつもながらの複雑な人物相関に翻弄される。
    キレイには頭に入らない。
    「ロスチャイルドになる!」と宣言したあたりからは一気に読み易くなる。

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    2022年01月26日
  • カラマーゾフの兄弟〈5〉エピローグ別巻

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    エピローグ。
    ドミトリーとカテリーナの和解。
    (引用)こうして二人は、ほとんど意味もなく、狂おしい、ことによると真実とかけはなれた言葉をたどたどしく交し合っていたが、この瞬間にはすべてが真実であり、ともにひたむきに自分の言葉を信じていたのだった。

    この二人はその場の情熱で自分にも嘘を吐くし、似たもの同士なんだろうね。裁判でのカーチャの虚偽発言が有罪に導いたのは間違いないし、ミーチャは甘んじてそれを受け入れようとしているということか。

    そして、イリューシャの葬儀で幕。書かれなかった第2の小説に繋がる箇所。

    その後は亀山先生の解説。ドストエフスキーの生涯と評論「解題」。
    ドストエフスキーはギ

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    2022年01月23日