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Posted by ブクログ
「大審問官」はさすがに圧倒的。テーマが多岐に渡り、内容の深さも難解さも段違い。
本編の感想ではないが、「大審問官」の理解のために、木下和郎氏のブログ「連絡船」が非常に参考になった。
同ブログは基本的に、この光文社の亀山郁夫訳『カラマーゾフの兄弟』について亀山氏の理解の間違いを指摘する内容のものだ。その部分は、読んでも別に面白くはない。
ただ、「些細なことながら、このようなニュアンスの違いの積み重ねによって読者は、少しずつ、しかし確実に原典から遠ざけられて行く。」その六、と題されたページ(彼の亀山訳批判のエントリの通し番号らしい)の「大審問官」評は秀逸。
途中に亀山氏の解釈への批判が挟まりはするものの、「プロとコントラ」全体の中での「大審問官」の位置付けや、大審問官へのキスの意味、大審問官の論点に関連するキルケゴールの引用などなど、このブログを読むこと自体が素晴らしい読書体験となるほどの充実ぶりだった。
ついでに木下氏の他のブログも拝見したが、文学に対する確固たる信念と深い知見を持っておられる方のようだ。個人的な怨恨だとかで粘着して個人攻撃している人では決してない。これから『カラマーゾフの兄弟』を読む人はぜひご一読を。
Posted by ブクログ
1巻よりもさらに引き込まれて一気に読んだ。
ただ、「大審問官」の章だけは難解で、2回読んでも全然理解できなくて考えるのを諦めた。
「神」の名を使わず「彼」としていたり、「イワンの創作」という作中作の形をとって核心を語ろうとしているように感じる。
頑張ったけどキリスト教の知識がないのでよくわからない。
巻末の解説を読んでも、『黙示録』の基礎知識が書いてあってさらに混乱した。
一方で、イワンが語った子どもの凄惨な話は、想像したくないほど胸が苦しくてたまらなかった。
悪いことも知らない何の罪もない命が、なぜこれほど残酷に苦しまなければならないのか。
自分で自分を守れない子どもや動物たちが辛い目に遭うのを見るのが本当に耐えられない。(その類の小説もテレビのニュースも辛くて見たくない)
その不条理をどうしても許せないイワンの怒りは、まさに私が日頃感じている憤りを代弁してくれているようで、深く共感した。
心に残ったのは、長老の教えの中で語られる「一粒の麦」の一節。
『一粒の麦は、地に落ちて死ななければ、一粒のままである。だが、死ねば、多くの実を結ぶ。』
この一節が浮き上がって見えるような不思議な感覚で、今の自分の心に染みた。
大切な人の死も決して終わりではなく、残された者の中で形を変えながら続いていくのだと受け取った。
そして、ミステリー好きとして1番面白かったのが「謎の訪問客」のエピソード。
一編の短編ミステリーを読んでいるような見事な構成で、中盤の展開には「えっ!」と衝撃を受けた。
完璧な紳士だと思っていた人物が抱えていた、あまりに深い闇。心理戦のような緊迫感と最後の驚き。引き込む力がすごかった。
作中のあちこちに、不穏な伏線が散りばめられていて「何かとんでもないことが起きる」という気配が充満している。
第1巻、第2巻と時間をかけて、ジェットコースターがカタカタとゆっくり頂上まで登ってきたような感覚。
いよいよ次の3巻で事件が起きるのか。
早く続きが読みたい。
(Audibleだと理解しにくいので2巻からは本のみ)
Posted by ブクログ
大審問官のところの思想が難しく、読み取れなかったので、色々と整理しながら読み進めた。
分かるところ(自由の重荷の部分)があったり、逆に霧がかかっているように全く分からない(3つのなんちゃらこんちゃら)に苦しめられた。
トロッコ問題で考えたら理解しやすかったかな。
神様は自由を与えた。
それは「このままだと5人の老人を殺してしまうが、レバーを切り返せば若者を1人助けることができる。さぁ君はどうするか。」
という問いを与えた神様は悪いやつだ。
レバーがなく、選択もなく、仕方がない、俺のせいではない、誰であっても同じだ。と思えたら楽だったのに。
だけれども、神様はこの選択を与えて俺を苦しめた。
っていう考えに、自由は与える、君は罪に苦しむかもしれない。でも、そうなったら私が愛で救うよ。って返しをする。
これは、トロッコに轢かれた若者のお母さんが、「君は5人の老人を救おうとしたんだ。それは立派なことだよ。仕方がない、仕方がない。」
選択の自由→苦しむ→愛し、一緒に苦しむ
Posted by ブクログ
ゾシマ長老と敵対するフェラポント神父の登場からイリューシャと父スネギリョフとの出会い。イワンの大審問官にゾシマ長老の辞世の説教まで。
特にこだわりがなければ巻末の読書ガイドは先に読むのがオススメ。
イワンの創作物語詩である「大審問官」はロシア内でのキリスト教の立ち位置などがわからない私にはふわっとしかわからず。ただ、熱量はすごい。冷めた感じのイワン、こんな熱い男だったのか……。
罪罰の時にも思ったんだけど、ドストエフスキーは連載小説がうますぎる。2巻の終わりの引きはやばい
あの終わり方はすぐ次読みたくなるやん……小説の構成力というか何というか、ほんとに上手いな……。
宗教に関しては全く詳しくない私がこんなにグイグイ引き込まれるの、マジすごい。
あと、亀山郁夫氏の翻訳がとにかくライトで読みやすい。
格式より読みやすさ重視の私、大歓喜。
2巻読み終わって気づいたんだけど、もしかして光文社版のカラマーゾフの兄弟は巻末の読書ガイド読んでから本編読んだ方が良さげ……?(いつも巻末のあとがきや解説は本編読み終わったお楽しみとして取っておく人)
この情報、「大審問官」読む前に知りたかった……ッ!!ってなってマス、今(笑)
3巻は読書ガイドから読むし、迷ったら巻末読むわ。亀山先生ありがとう。
でも、「ゲーテのファウストも是非読んでね!」はハードルが高すぎますよ亀山センセェ……でも、アリョーシャが見たイワンの背中の暗示……知りたい……
Posted by ブクログ
第2巻の有名な大審問官のくだりは一読しただけではよく解らず何度も読み返した。キリストの教えでは大多数の弱い庶民は救えないのでローマカトリックは悪魔と手を結んだと大審問官がキリストに語る。よくこんな不信心な発想できるな。でも仏教の大乗/小乗の分裂(人々の救済を目指す/自身の解脱を目指す)と似ているとも思った。イワンの主張は大審問官の1つ前の子ども殺しのくだりと併せてごもっとも。科学がさらに発達した現代の我々にとってはイワンの考え方が近く感じる。解説に出ていたライプニッツの楽天主義を批判するヴォルテールの小説カンディードもいつか読んでみたい。
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