ドストエフスキーのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ上巻の冗長さが嘘のように、中巻以降は山場につぐ山場である。息もつかせぬ展開と言ってもあながち過言ではなく、いよいよ作者の本領発揮という感じだ。
中巻の見どころは、主人公ラスコーリニコフと予審判事ポルフィーリイの2度にわたる対決と、ラスコーリニコフとソーニャの密会である。中でも、ラスコーリニコフとポルフィーリイの初回の対決は際立ってエキサイティングだ。推理小説ばりの心理戦が展開されるだけなく、ここで初めて主人公の思想の全容が明らかになるからだ。上巻でちらりと示されたテーマが、さらに過激な形をとって再び読者に提示される。
すなわち、人間は「凡人」と「非凡人」に大別される。凡人は従来の思想の枠組 -
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表紙の出オチ感が芸術的である。まあ、芸術など、画太郎先生の前では下僕のような存在であるが。
先生はついに漫画だけでなく、文学作品までも再構築しはじめたようだ。まったく不思議なことではない。自然な流れである。むしろ、なぜ今までやっていなかったのかと盲点をつかれた思いだ。
うんこ、トラック、斧、という、文学では欠かすことの出来ない神器を使って人間のすべてを描き、断罪している。
ドストエフスキー本人がこの作品を読めないのが非常に残念ではあるが、読まずとも、こう言うであろうことは明白である。
「まん中もぬってーッ!!!」
次巻でエビゾーはババァに軟膏を塗ることができるのだろうか。
おそらく -
Posted by ブクログ
やはり世紀の傑作と呼ぶに相応しい作品であることは間違いない。
とりわけ下巻に関しては、上巻では恐怖の対象でしかなく、
もはや完璧と思われていたスタヴローギンやピョートルといった
革命的思想をもった若者たちの化けの皮が剥がれるかのごとく、
ある意味、誰よりも人間味というものが垣間見えた気がした。
その中でも物語が佳境を迎える舞踏会の混乱から放火事件への流れは、
完璧に組み立てられた構成に変な話しだが美しくもさえ感じてしまった。
全てにおいてドストエフスキーの描く人間模様というものは
現代においても決して色褪せることなく、通ずるものがある。
それはスタヴローギンが選んだ結末においてもだ。
巻末に -
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ドストエフスキーの小説のストーリーはいつもよめないですね。だからこそ飽きずに読んでいられる。
貴族、ヴェルシーロフと農奴の女の間に生まれた私生児、
アルカージイの手記という形でつづられる物語でした。
タイトルにもあるように、アルカージイは19歳だったかな?
未成年なんです。そんな青年の未熟さや愚かしさを隠そうともせず、
アルカージイは(物語の中での)事実を述べていきます。
あまりにもおしゃべりで、なんでもかんでもしゃべってしまうところなんかには、
辟易としてしまうような部分もありました。
また、賭博にはまったり、父の金を当てにして豪奢な生活を
おくるところなんかには、未成年らしいなぁとも思 -
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農奴解放令によっていっさいの旧価値が崩壊し、
動揺と混乱を深める過渡期ロシア。
悪霊に憑かれた豚の群れが、
湖に飛び込んで溺死するという聖書の記述から
無神論的革命思想を悪霊と見立て、
それに憑かれた人々とその破滅を描く。
そんな裏表紙の触れ込みのドストエフスキーの大作、悪霊。
罪と罰で遅かれ、初めてドストエフスキーに触れ感銘を受け、
そして次に選んだのがこの悪霊。
罪と罰で慣れたのか、今回は読みやすく感じる。
やはり人間の心理描写を描くのにすごく長けているというか、
時代性というものを感じずに読み進めることができる。
とても100年以上前の作品とは思えない、ある意味新しさがある。
重苦し -
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一つの長大なメロドラマである。小説を読むことの――ここしばらく味わっていたのとは別の種類の――楽しさを、思い起こさせてくれた。これまで読んできたようなロシア文学に特有の退屈さ・冗長さ(地主階級や小役人による殆ど無内容としか思えぬ埒の開かないお喋りの如き)は些かも感じられず、物語が実に力動的に展開する。或る意味で、娯楽小説といえる部分もあるかもしれない(冒頭に於ける老人の死に始まり、少女ネリーの死によって物語は閉じらるが、この少女の物語が小説にミステリ的な趣さえ与えている)。
アリョーシャは、徹底的に主体性が無く意志薄弱な男として描かれている。更に、彼は自分の思っていることを相手に話さないで -
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ネタバレ厨二病臭いなあ。と思うけれど、確かに戦争があったからこそ進化があったのであって、
血が流されたからこそ、今の時代を紡ぎだせたのだと思います。
そういう理論は後からだからこそ言える事だと思うのです。その当時にしては人殺しは人殺しだし。何人も巻き添えで死んでしまうし。
戦争が終われば英雄扱いや、日本の戦後の兵隊たちを、同じ国の人間が蔑む。極端だなあ。どっちが正しいのかはさておいて。
人が傷つくのは駄目なのはどうしてなのか。それは自分が傷つきたくないから。それ故に犠牲を肯定したいロージャは私としてはすごく共感できるし、馬鹿だなと思う。