ドストエフスキーのレビュー一覧

  • 悪霊(上)

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    これまでに何冊か読んだドストエフスキーの小説の中で、最も難解な作品。
    主人公はステパン・トロフィーモヴィチではなく、ニコライ・スタブローギンだとわかるまでに時間がかかった。
    上巻のクライマックスは、ニコライとガガーノフの決闘であろうか。

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    2020年05月28日
  • カラマーゾフの兄弟(中)

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    父フョードルが殺害され、長男のドミートリイに嫌疑がかけられるあたりからは本当におもしろい。
    カテリーナから盗んだ3千ルーブルの内の半分、1,500ルーブルを袋に縫いこんで、それを胸にさげておいたという《恥ずべき》秘密の告白の場面は最高!
    「僕は卑劣漢だけれど、泥棒じゃない」と訴えるドミートリイの心理描写のうまさに舌を巻いた。

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    2020年05月27日
  • 悪霊 3

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    『罪と罰』『白痴』とこの『悪霊』と読んできて、どれもまだるっこしい序盤に不穏になりはじめながらも混沌とした中盤、一気にスピードをあげて破局になだれ込む終盤、というのは同じだなと思った。特に『悪霊』と『白痴』は、終盤のなだれ込み加減と、あまりにも急展開かつあっけない幕切れが似てる。

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    2020年05月27日
  • 白痴3

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    ネタバレ

    結核を患い余命幾ばくもないと信じている若者・イッポリートによる、長大な手記「わが必要不可欠な告白」を含む第3巻。感情の混乱や激発が頻発し、読む側の意識まで揺さぶられているような心持ちになる。
    ムイシキンとロゴージンとの関係性は変化することなく続く一方、ムイシキンとナスターシヤとの関係性は間に若き令嬢・アグラーヤを挟んで複雑化する。深く絡まり合った感情の糸が幾らかでも解けるのか、最終巻の展開を待ちたい。

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    2020年05月19日
  • カラマーゾフの兄弟(中)

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    神の存在意義からミステリーへの

    前半は、(前編)最終部の「大審問官」から続く神の存在についての考察が続きます。それは、アリョーシャが慕うゾシマ長老の死によって、さらに問われることに。この部分を読み進めるうちに、遠藤周作さんの名著「沈黙」を思い浮かべました。神への信仰が深まるにつれ、本当に神は存在するのか…。永遠に解決されない課題なのでしょうか…。
    一転、後半からミステリー調の流れになって、現実に引き戻されます。そして、ついにその時は訪れるのです。

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    2020年05月16日
  • 白痴2

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    ネタバレ

    第2巻では、主人公・ムイシキン公爵について「黄金時代にすら聞いたこともない純真さ、無垢さを披露したかと思うと、今みたいにとてつもなく深い心理観察でもって、いきなり弓矢みたいにぷすりと人の心を射貫く」という人物評が語られる。その評は的を射ているが前巻のムイシキン像に近く、本巻でのムイシキンはそのように聖人然とした様子だけでいることはできず、懐疑や嫉妬といった人間的な感情に苦しんでおり、物語全体にも不安感が漂う。

    本巻では、ムイシキンとロゴージンとの対話が印象的だった。特にロゴージンがどのようにムイシキンのことを感じているか語る場面が面白い。
    「レフ、おれはな、あんたが目の前からいなくなると、と

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    2020年05月15日
  • 白痴1

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    ネタバレ

    癲癇を患って他人からは「白痴」と呼ばれる青年・ムイシキン公爵、ならず者ながら一途な男・ロゴージン、凄まじい矛盾と葛藤を抱える美女・ナスターシヤ、3人の関係性が語られ始める恋愛小説第1巻。
    どの人物にも厚みがあるが、「完全に美しい人間」として描かれたムイシキンの人物像が特に印象的。純粋で高潔で、物事の本質を見抜く目を持つ彼を、多くの登場人物は愛さざるを得なくなるし、読者もまたそうだろうと思う。それでいながら、彼の哲学、死生観などは(長台詞で度々語られながらも)まだまだ底が見えず、興味が唆られる。

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    2020年05月13日
  • カラマーゾフの兄弟(上)

    購入済み

    神の存在と人間の心の葛藤

    19世紀ロシアの文豪ドストエフスキーが描いた、神の存在とこの世に生きる人間の心の葛藤をテーマとした小説。「人を愛する心とは」といった命題について考えさせられました。まだ上巻だというのに、深い。しかし、カラマーゾフ一家の父と3兄弟を中心に語られる物語は親しみやすく、女性を巡る情景やそれに嫉妬する人間の心がわかりやすく表現されており、ドストエフスキー初心者にもすぐ入りこむことができました。次の中巻も期待大。原卓也さんの翻訳も非常に好感が持てます。素晴らしい翻訳、ありがとうございます。

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    2020年05月06日
  • 悪霊 3

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    正直ちゃんと理解はできてないと思うけど、それでも面白かった。
    特に三巻目はいろんな事件が起こり大量に人が死ぬなど、動きが激しいしわかりやすい部分も今までの巻よりは多かったので読みやすかった。

    『祭り』でのカルマジーノフのあたりはすごく笑えた。
    実在の人物であるツルゲーネフがカルマジーノフのモデルらしいが、どれだけドストエフスキーは彼に不満があったのかと…。

    最後に読書ガイドもついているので、あぁなるほどあれはそういうことだったのかと発見できることも多くて良い。

    (2024/02/16:再読)

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    2020年05月03日
  • 未成年(下)

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    「未成年」はドストエフスキー五大長編の中でも難解、つまらないなどという噂を良く聞いていたので、読み始めるのが少し躊躇われていましたが、
    これこそ躊躇わずにできるだけ若いうちに読んでおきたい本だと強くお勧めできる作品でした。
    主人公による一人称の手記として記述されているため、登場人物の激しい心の動きに主人公のこれまた激しい心の動きが重なりあって、確かに全ての筋を理解するのは難しいでしょう。
    しかし、自分のことも他人のこともなかなかわからない主人公の目線に入り込んで、「あぁ、この人はこういう人だったんだ」と登場人物を徐々に理解しつつも、たまに裏切られたりする気持ちを共有して読み進めると、登場人物が

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    2020年04月27日
  • 地下室の手記

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    暗く、ジメジメした穴ぐらから溢れ出る呪詛。
    ポジティブを全て向こうに回し、己の駄目さ加減を棚に上げて捏ねくり回される自己肯定。
    でもなんか途中から、なんか自分のこと言われてる‥と感じたり。
    妙にハマった。

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    2020年02月04日
  • カラマーゾフの兄弟(1)

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    (今はまだ読んでいる段階ですが)

    面白すぎる


    (読み終えました)

    びっくりしました。こんなに面白い本があろうとは。
    漫画という手法の無限の可能性にも触れることができた気がします。

    RGPのようにのめり込む要素があって、すぐに読み切ることが出来ました。心の中の苦悩や葛藤が、一気に外に漏れだすような感覚。これもデトックスのひとつですね。

    この本を読んで、本作に挑戦する意欲が湧いて来ました。この本を常に横に携えてね。漫画→本作→漫画→…のように延々と繰り返せるんじゃないかって。そう思えるほど、素敵な作品に出会いました。

    私にとっては、映画で言うクリストファーノーランの作品のようにずっと

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    2019年11月16日
  • 地下室の手記

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    肥大する自己意識。ちっぽけであると分かっていると同時に、どこか偉大であると信じている自己の存在意義。結局、極悪にも、善良にもなりきれずに世界を恨む。人間の普遍的な自己意識と世界との関わりの間で揺れ動く悩みは時代や場所が変わっても色褪せずに多くの人々の心に問いかけ、また、慰めてくれている。

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    2019年09月24日
  • 死の家の記録

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    読むのは3回目。今回始めてこの作品の重要さに気づいた。ドストエフスキーは獄中体験からその後の創作のインスピレーションを得ていたのだと思う。たとえばキャラクター。彼の作品に登場するキャラの多くは、おそらく獄中にいた囚人をモデルにしている。…という発見に興奮していたものの、訳者解説に同じことが指摘してあってがっかりした。

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    2019年09月08日
  • 罪と罰(下)

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    下巻では金持ちのスヴィドリガイロフが登場。これは解説によるとラスコーリニコフの影の分身のような男であるらしいが、机上の選民思想と強烈な自尊心から殺人を犯したラスコーリニコフと比べれば、最後は善行で終わっているわけであるし、彼の立ち振る舞いはおよそ作中でラスコーリニコフとドゥーニャが罵るほどの悪人には思えない。

    エピローグでラスコーリニコフは自殺しなかったことを後悔するが、スヴィドリガイロフは自殺した。死を恐れ、話題に出されることも嫌っていたのに。ドゥーニャはソーニャのようにスヴィドリガイロフを救えなかったから、という単純な比較で自殺した・していないを論じることはできない。

    なぜスヴィドリガ

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    2026年02月17日
  • 罪と罰(上)

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    序盤マルメラードフの長台詞の悲惨さと長さにげんなりしたがラスコーリニコフが金貸しのアリョーナ・イヴァーノヴナを殺害するシーンは驚くほど真に迫っていた。
    まるで今ここで殺人が行われているかというほどの臨場感だった。
    殺人を犯す前からラスコーリニコフの精神状態は異常であり躁鬱の気があるのか突拍子もない行動・言動が多かった。
    それが、殺人後はますます増えていき、全く理解し難く理性的でないそれらの行動についていけなかった。
    ページをめくる手どころか本を開くのも億劫になった。
    結果として上巻を読み終えるのに3ヶ月近くかかった。

    ドストエフスキーは心理を描く作家らしいが、これが一人ラスコーリニコフだけで

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    2026年02月17日
  • 罪と罰 2

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    いよいよ、本巻ではラスコーリニコフが追い詰められていきます。本巻でのメインイベントは妹アヴドーチヤの婚約者である成金弁護士のルージンとの対決、ラスコーリニコフと娼婦のソーニャの密会、そしてラスコーリニコフと予審判事ポルフィーリィーとの2度の対決と盛り沢山。

    まずは、ルージンですね。彼の人間性自体が今の時代ならセクハラ(笑)。大きく歳の離れたアヴドーチヤに対しての彼の歪んだ愛情(これは愛情と呼ぶよりも所有欲と言ってしまった方が近いかもしれない)が描かれます。
    そのルージンの「愛情」とは、『金銭的に不自由している若くて美しく、それでいて不幸な女性に対して、自分と結婚することにより、大金と弁護士の

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    2019年08月16日
  • 貧しき人々

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    ロシアの文豪、ドフトエフスキーの処女作。
    貧しい47歳の小役人と同じく貧しい10代後半の少女との文通形式の小説。
    この小説が書かれたのは1846年ということは日本で言えば江戸時代の後期ということになる。
    江戸時代に書かれた小説の登場人物の心情がこれほど豊かに描写されているということを今の時代に普通に読めるということがまず奇跡的。
    主人公の小役人マカールが少女ワルワーラを自分の娘のようにあるいは孫のように、しかし実は本当に女性として真に愛している状況が読み取れ、それが涙をさそう。
    最終的には悲恋となるが、この小説は「人を本当に思いやる」ということがどのようなことなのかを教えてくれる。
    どんな時代

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    2019年03月04日
  • 地下室の手記

    購入済み

    自意識過剰と書いているけど、実際は人の悪意を正面から受け止め過ぎた悲しい主人公だと思いました。人間は脳髄で考えているのではなく手足からつま先に至るまで、それぞれ別々に考えている。頭も尻もない下等動物の連中が暑い寒いを正確に判断したり、喰い物の選り好みをするのはまだしも、人間の脳髄なんぞが寄っても附けない鋭敏な天気予報までもはっきり表しているのだから。主人公は言動だけでなく人間の態度や、ささいな行動からも人の悪意を感じ取ってしまうのではないだろうか。
    この主人公の考え方は狂っているように見えるが、それは他の人より目立っただけだと思う。

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    2019年03月03日
  • 罪と罰 下

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    19世紀ロシアの小説家ドストエフスキー(1821-1881)後期の長編小説、1866年。

    一般的には、実存思想の先駆とも云われ、思想小説と見做される。しかし、主人公ラスコーリニコフが殺人に到るまでの心理描写や、予審判事ポルフィーリイとの論争場面、さらに終盤のスヴィドリガイロフとドゥーニャとの緊迫したやりとりなどには、推理小説さながらの迫力と戦慄が感じられる。さらに、都会の貧苦に喘ぐ人々を描いた社会小説とみることも可能であろうし、エピローグに於けるラスコーリニコフとソーニャの姿は深遠な愛の物語ともなる。ドストエフスキーの作品には、小説という文学形式の多様な相貌が詰まっているように感じる。ときに

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    2018年07月21日