ドストエフスキーのレビュー一覧

  • 死の家の記録
    作家、ドストエフスキーが体験した『シベリア抑留』を基にして描かれた小説で、規格外の囚人たちに囲まれる作者の分身の孤独さと、「地獄の沙汰も金次第」という身も蓋もない『真実』を突きつけられてしまいました。

    本書は作家、ドストエフスキーが『ペトラシェフスキー事件』に連座し、1850年1月から54年1月ま...続きを読む
  • 悪霊 別巻~「スタヴローギンの告白」異稿~
    『永遠のロストナンバー』という宿命を持ち続けるドストエフスキーの『悪霊』の中にある「チーホンのもとで」の中にある『スタヴローギンの告白』ここでは世界初の試みとして現存する3つの告白を収録しております。

    「<告白>のない『悪霊』は丸屋根のない正教寺院である」

    これはロシアを代表するドストエフスキー...続きを読む
  • 悪霊 3
    ドストエフスキーが後年に著した『五大長編』の内、政治的な意味あいが最も強いといわれる『悪霊』その完結編です。全ての物語上の複線が回収され、狂乱と崩壊に向かって疾走する様子が描かれております。

    登場人物の実に3分の1が何らかの形で死を迎えるという陰惨極まりない小説であるドストエフスキーの『悪霊』その...続きを読む
  • 悪霊 1
    『ネチャーエフ事件』に発想をえて綴られたドストエフスキーによる政治小説です。『内ゲバリンチ殺人』という陰惨なテーマとスタヴローギンという悪魔的な主人公に『人間とは何か』ということを突きつけられます。

    ロシアの誇る文豪、ドストエフスキーが後年に発表した『五大長編』のうち、内容的にはもっとも『危険』と...続きを読む
  • 罪と罰 上
    某犯罪学の教授曰く、法学部生が読むべき本。有名文学作品というと暗くて重いというイメージだったが、先が気になる展開のおかげもあってサクサク読めた。タイトルからして深いテーマを扱っているがあまり身構えずに読み始めても楽しめると思う。大学生くらいなら主人公の考え方に共感できてしまう人も少なくない…ような気...続きを読む
  • 罪と罰 下
    主人公にかなり感情移入していたので救いがある終わり方でよかった。最後の短い部分ではあるが刑務所の中での主人公の変化は読んでいて安心?できる。
  • 罪と罰 下
    下巻では一つ一つの会話を噛みしめ、読む時間を多く費やしてしまった。が時間を費やしても読んでおきたかった一冊と言えるはず。1860年代のロシア人も、2010年代の日本人も、大事なところはさして変わらないのではないのか?という思いを持ちながら読み進めていった。
  • 罪と罰 中
    とにかく人間の感情、悲哀、エゴ、理不尽さなどが隅々に描かれている。中編になって、やっと登場人物の名前(と愛称)をおぼろげながら把握できてきた。ラスコーリニコフの罪がいつ暴かれるのか、スリリング。
  • 虐げられた人びと
    一気に読みました。星50ぐらいつけたいです。特に中盤ぐらいまでは。終盤ちょっと失速?と思いましたが、最高です。こんなの読んでたら気が狂いそう…。
  • 罪と罰 1巻
    バンチコミック完結全4巻
    ドストエフスキー原作の世界的名作を漫F画太郎先生が改編、そして再構築!

    何故、人を殺してはいけない?
    何故、罪の意識が芽生える?

    うるせー!
    くだらねー!

    くらえ!ゲリ便!!
    立ち上がれチンポ!!

    本当にくだらねー世の中だけど
    さいごに笑えればいいのです。

    きっと...続きを読む
  • 罪と罰 4巻(完)
    大迫力の見開きの数々、崖から突き落とされたような急展開、毎度のことではあるが。そして、核心はどこに行ったのか最後は行方不明。でも、いいじゃないか。文豪の罪と罰はこの漫画家に如何になぞられたか、それが大事なのだ。
    罪と罰のコミカライズとしてはとても人に薦められたものじゃないけども。
  • 罪と罰 4巻(完)
    いろいろなことをほっぽらかすように、すごい形の終わり方。
    終わらせ方が統一されているようで、さすがだなぁとw。
  • 死の家の記録
    「イワンデニーソヴィチの一日」と、この「死の家の記録」は、
    私の中でベスト・オブ・シベリア流刑小説の地位を常に争っています。
    いや、これらの他に読んだことないんですが。

    こちらに関しては、貴族がいきなりシベリアに来て精神的にかなり参ってる感じにぐっときます。
    お風呂の不潔さにうひゃー、とか囚人服が...続きを読む
  • 死の家の記録
    シベリア流刑囚として過ごした4年間の体験を元に執筆された本書には、ドストエフスキー諸作品の通定音が最も濃縮された形で表れている。共に暮らした囚人や兵士達に、時には犬畜生相手にまで向けられるその洞察力は、ふとした会話や行動から対象の内面に潜り込み、当人も自覚していないその愚かしい性質や特徴を暴き立てる...続きを読む
  • 悪霊(下)
    「完全な無神論でさえ、世俗的な無関心よりましなのです」雑誌連載時にはその内容ゆえに掲載を見送られた「スタヴローギンの告白」内で用いられる、上記の言葉が個人的ハイライト。そう、無神論というのは「絶対的な神が存在する場所に、絶対に何も置こうとしない」という思想を信仰する、一つの宗教的態度である。宗教に無...続きを読む
  • 悪霊(上)
    ドストエフスキーの長編小説の中でも最も難解といわれるこの『悪霊』だけどその分より深淵に踏み込んだ、どうにも救われない個人の内面というテーマの描かれ方は随一。見栄や思想、強欲、宗教、そして時代…誰もが目に見えない「何か」に心を奪われ、病人の様に生きている。キリスト教には病人の代わりに悪霊を引き受けてく...続きを読む
  • 罪と罰 下
    そして長い物語の最後にあるエピローグは格別に美しい。罪と罰はひとえに救済の物語なんだと思う。社会的圧力に苦しむ人、他人の欲望に苦しむ人、そして罪悪感や自らの自意識に苦しむ人。そうした人たちに対してドストエフスキーは暖かい眼差しを込めて、人間であることを最大限肯定しようとする。「彼はただ感じただけだっ...続きを読む
  • やさしい女・白夜
    『やさしい女』は41歳の中年男の話。『白夜』は26歳の青年の話。オジサンと若者だけどどっちも理屈っぽくてプライドが高い男の考えが綴られる。もう読んでいて「バカ!バカ!バカ!」と泣きたくなるくらい。でもそんな不器用な人間の話だからこそ、今読んでも面白いのかもしれない。
  • 悪霊(上)
    「ニコライ・スタヴローギンは事実、部屋の中にはいっていた。彼はごく静かに部屋にはいってくると、一瞬戸口で立ちどまり、もの静かな眼差しで一座をみわたした。」

    やっと出てきたか、と言いたいけど、スタヴローギンの登場で物語は動き出す。

    ヒントは二つある。

    (ヒントその1)
    ミハイル・バフチンはドスト...続きを読む
  • 悪霊(下)
    ドストエフスキーのなかでも、なぜだか今まで読むことをためらっていた一つ。(タイトルがタイトルだからでしょうか)

    しかしながら、そうしておいて良かったように思える。

    高校生ぐらいの自分が、スタブローギンに出会ってしまっていたら、完全にハマってしまっていたでしょうよ、恐ろしいことに。

    非常に魅力的...続きを読む