ドストエフスキーのレビュー一覧

  • 罪と罰 下
    ポルフィーリーペトローヴィチとの鬼気迫る論戦と
    すべてをソーニャに明かし懺悔のため道に膝間づき、キスをするロージャ。

    人物の心理描写が本当にみごと。
    これを読まずに死ななくてよかった。
    ぼくのソーニャはどこですか。
  • 悪霊 2
    少し前に1巻の文句を言ったのを反省したくなるぐらい面白い。

    心理的な怖さが持続しつつ加速、一気に読んでしまった。2巻だけでも傑作。
    こうなると、あれ程読みにくくて、投げ出しそうになった1巻すら読み返してしまった。

    さっき3巻を買いに行ったらまだ出てなくて、衝撃を受けた。
    3巻が待ち遠しい。
  • 罪と罰 1巻
    表紙の出オチ感が芸術的である。まあ、芸術など、画太郎先生の前では下僕のような存在であるが。

    先生はついに漫画だけでなく、文学作品までも再構築しはじめたようだ。まったく不思議なことではない。自然な流れである。むしろ、なぜ今までやっていなかったのかと盲点をつかれた思いだ。

    うんこ、トラック、斧、とい...続きを読む
  • 罪と罰 下
    凄い。すごすぎてよく分からないくらい。
    感情の元の部分を直接殴られてるような文章だった。

    全巻の中で一番好きな場面はカチェリーナの夫の葬式から亡くなるまでのシーン。
    本当に人間書くのがうまい。
  • 悪霊(上)
    結構難しい。いや、かなり。
    カラマーゾフの兄弟と並ぶドストエフスキーの思想書と書かれてるけど、こっちの方がより観念的というか。最初のほうとか、ステパン氏の説明にどれだけ割くんだという感じ。

    それでもさすがなのは、読ませられる。各キャラクターが非常に際立ちます。ピョートルはいけすかないし、悪魔超人ス...続きを読む
  • 悪霊(下)
    やはり世紀の傑作と呼ぶに相応しい作品であることは間違いない。
    とりわけ下巻に関しては、上巻では恐怖の対象でしかなく、
    もはや完璧と思われていたスタヴローギンやピョートルといった
    革命的思想をもった若者たちの化けの皮が剥がれるかのごとく、
    ある意味、誰よりも人間味というものが垣間見えた気がした。
    その...続きを読む
  • 悪霊(下)
    ドストエフスキーといったら、やっぱり衝撃作「罪と罰」?名作中の名作「カラマーゾフの兄弟」?もちろんそれらは外せないけど、この「悪霊」も彼の思想がぎっしり詰まった必読書です。
  • 未成年(上)
    ドストエフスキーの五大長編の中ではもっとも好きな作品です。まだまだ無力さを持った未成年の主人公が力を尽くして未熟さから脱しようとしている様が好きだったりします。
  • 悪霊(上)
    農奴解放令によっていっさいの旧価値が崩壊し、
    動揺と混乱を深める過渡期ロシア。
    悪霊に憑かれた豚の群れが、
    湖に飛び込んで溺死するという聖書の記述から
    無神論的革命思想を悪霊と見立て、
    それに憑かれた人々とその破滅を描く。
    そんな裏表紙の触れ込みのドストエフスキーの大作、悪霊。

    罪と罰で遅かれ、初...続きを読む
  • 虐げられた人びと
    一つの長大なメロドラマである。小説を読むことの――ここしばらく味わっていたのとは別の種類の――楽しさを、思い起こさせてくれた。これまで読んできたようなロシア文学に特有の退屈さ・冗長さ(地主階級や小役人による殆ど無内容としか思えぬ埒の開かないお喋りの如き)は些かも感じられず、物語が実に力動的に展開する...続きを読む
  • 罪と罰 上
    厨二病臭いなあ。と思うけれど、確かに戦争があったからこそ進化があったのであって、

    血が流されたからこそ、今の時代を紡ぎだせたのだと思います。

    そういう理論は後からだからこそ言える事だと思うのです。その当時にしては人殺しは人殺しだし。何人も巻き添えで死んでしまうし。

    戦争が終われば英雄扱いや、日...続きを読む
  • 死の家の記録
    こんな格好のいい題名の本はドストエフスキーしか認めません!!
    読み応えありました。
    お風呂のシーンがかなり衝撃的。また読み返そう。
  • 未成年(上)
    個人的には、罪と罰よりも面白いと思う。
    ちょうど主人公に近い年齢で読んだため、20年後にもう一度読み返してみたい作品。
  • 罪と罰 下
    病的な主人公ラスコーリニコフが自らの秘めた思想を遂行するために殺人を犯したところから人間の存在意義を問いただした作品だと思う。よりどころのない孤独、疎外感、理想と現実の差から生じる絶望感は罪を犯していなくても人間が感じるものである。ドストエフスキーは主人公にありどころを失った人間を投影し、社会情勢、...続きを読む
  • カラマーゾフの兄弟(中)
    イワンは何かから逃げるようにモスクワへ旅立つ。ゾシマ長老の死去とともにアリョーシャの心に何かの変化が表れる。そして自暴自棄になったミーチャはついに。。検事の取調べで身も心も丸裸にされたミーチャの心情描写がリアルで、実は本当は殺していないのか?とすら思わせる。

    3人の兄弟がどういう形で再会するのか。...続きを読む
  • 罪と罰 3
    我々が信じてる<運命>とは、天下り式に手渡される絶対権力のメタファー。それこそが<シラミ>であり、ラスコーリニニフの思想的殺害相手だった。
    しかし殺人は殺人。妄執から現実へと魂が引き裂かれる。
    さて、光文社新訳文庫によりリハビリはこれくらいにして、そろそろそれ以外に入ろう♪
  • カラマーゾフの兄弟〈3〉
    ドストエフスキーの真骨頂とも言うべき、「魂の相克」、善と悪のが同居。分裂する自我。いや善と悪という観念は人間が勝手に作り上げたもの。
    ドスト氏はその上を喝破する。人間の奥深さ、不可解さに驚愕。
    そして第3部はとにかくミーチャの滑稽さ過剰さに爆笑させられた。
  • 罪と罰 1
    <いまこそ理性と光の・・・意志と力の王国が訪れたんだ>
    思想性が頭をもたげ始める。いやー、文章も簡潔で、ドスト氏の小説の中で一番読みやすいんじゃないかな。
  • 罪と罰 2
    「だれもがみな、平等な権利をもっているんです、そうして<永遠の戦争、万歳>、むろん、新しいエルサレムが生まれるまでの話ですけどね!」
  • カラマーゾフの兄弟〈5〉エピローグ別巻
    筆者の推察する「第2の小説」の構想に、こちらも興奮!アリョーシャのその後、少年たちのその後、ああ想像が膨らみます。