ドストエフスキーのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
日曜の午後、急にドストエフスキー読みたい!気分になって一気読み。今まで読んだ彼の作品のどれよりも読みやすかった。それに、主人公(語り手)を素直にかっこいい!と思ってしまった。今まで読んだ彼の作品は、どれも、「自分にもこういう弱い部分がある」と共感しつつ、親しみは持ちたくなかった。(持てない、ではない。笑)けど、ワーニャ。彼は本当に素敵だったので、驚いてしまった。ナターシャと父の関係性には、舌を巻くリアリティがあった。家族って近すぎて全体像が見えない分、すごく難しい。どの人物も重厚で複雑なドラマを持っていて、読み返したらまた違う人の気持ちにフォーカスするだろうな。けど…なんといったらいいか。これだけ濃いドラマが書けるドストたんやっぱり偉大
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Posted by ブクログ
『未成年・上巻』の終盤あたりから面白さが増してきて、下巻は過去に起こった出来事や事件が、主人公・アルカージィを通しながら明るみになってゆく。
感銘したのは、アルカージィと実父ヴェルシーロフが感情をむき出しにして、じっくりと語り合うシーン。
父親をだんだんわかりはじめてきたと率直にその場で告白する息子と、父親は息子のナイーブな喚声が大好きだと言いながら、語る言葉一つ一つに深い思想がしみとおっている。
『未成年』はアルカージィの成長過程を描く手記で、回想と記述のプロセスによって自分自身を再教育している。
私が個人的に好きな登場人物、タチヤナ・パーヴロヴナ伯母さんは、主人公をバックアップするいい立役者であり、最も厳しい教育者であったように思う。 -
Posted by ブクログ
ネタバレこの作品の中で語られる思想的な側面についての批評は、多くの方々の先行するそれをご覧ください。他のレビュアーの方々の批評はもちろん、これに関する論文等、読み込めば読み込む程の面白さがあると思います。
私はむしろ、ドストエフスキーという名前、作品の分量、そして「思想的な」難解さという、この作品についてまわるイメージ・評価が先行しているようにな印象を受けます。
本作の思想的な対立軸や、対決の内容自体を追いかけて読むことも面白いと思います。しかしそもそも、それ以前に、この作品は物語として、読者をこれでもか、これでもかと引き込んでくれる面白さ、楽しい(というとやや語弊があるか?)仕掛けに満ちています。
次の展開がついつい気になってしまうワクワク感、クスクスと笑いが漏れてしまう強烈な皮肉、ゾクゾクと背筋を凍らせる背徳、思わずうめきを漏らしたくなる鈍痛のような衝撃、等々・・・
思想的・哲学的な側面に深く踏み込まなくても、純粋に物語として楽しめます。そして、そのような読み方は決して間違っていないと思いますし、むしろ間違っていると斥けてはならないと思います。物語として楽しめた時点で、十分に小説の楽しみを享受できているといえるのではないしょうか。
登場人物別に言えば、まずステパン氏が面白い。この作品の笑い担当といってもよいかもしれません。彼は生活力のない、浮世離れした感のある、貴族をパトロンに持つ学者先生です(『学者先生(爆)』としたいところです)。やや社会不適合なタチの、今風に言えば「自宅警備員」風の人物です(中年のいい年なんですが)。そんな彼に向けられる、語り手の少し遠回しで辛辣な物言いは、上巻冒頭部から冴えわたっています。学者先生を向こうに回して、鋭いジャブを繰り出します。パトロンのワルワーラ婦人の彼に対する理不尽なまでの罵詈雑言とともに、彼の登場する場面は笑い通しになること請け合いです。
次に、ピョートル。彼はステパンの息子で、混乱・騒擾を引き起こしてロシア社会を転覆させてしまおうという陰謀を抱いて、小説の舞台である街にやってくるのです。今風に言えば「中二病」をこじらせている点では、あの親にしてこの子と言った感があります。しかし、彼はとにかくよくしゃべる。16ビートのドラムス、速弾きのギターの様な、究極のマシンガントーク。彼の言葉の身も蓋もないあけすけな内容、異常な熱のこもったアブナイ独演会。これが夜な夜な、「同志」達の秘密の集会等の場の、ろうそくが照らす薄暗がりの中で展開されます。時に笑いあり、時に迫力あり、醜悪なのについつい聴き入ってしまう―一級のペテン師の弁舌に身を委ねる、危険な愉悦があります。彼のハイテンション・ハイテンポな語り(というか騙り)が読者の脳内で再生されたとき、その強烈な魅力に引きずり込まれることでしょう。
最後にスタヴローギン。下巻の「スタヴローギンの告白」に全てが詰め込まれています。人を誘惑し、陥れ、破滅させてしまう彼の悪魔的所行-身の毛もよだつ、同時になぜかその背徳に強く胸を打たれてしまう、高鳴る鼓動を禁じ得ない感覚。これは他のどんな物語でも、そうそうは得られません。これこそがこの作品の真骨頂でしょう。
長々と恥かしげもなく述べ立ててしまいました。私の低劣な作文力では、もはや(当然のことながら)この作品の魅力を語り伝えることは出来ません。とにかく、だまされたと思って読んでみて下さい。難しく考えずに、書かれたことを享受してみてはいかがでしょうか。心を根底から揺さぶる仕掛けが満載です。この巨大な熱量を持った物語を満喫してください。こんなに強烈な、こんなに迫力のある物語、そう簡単には出会えないのですから。 -
購入済み
こ、これは。
噂には聞いていた初マンです。天才奇才もはやこの作者を表現する言葉はないでしょう。
読中、頭からウジが湧きます。ついでにそのウジが身体中の穴に入り込み内蔵を喰い荒らします。
ウジは視神経も犯し眼球が飛び出します。汚物は飛び散り、四肢は腐りやがてかつて経験したことのない
恍惚があなたを蝕みます。 -
Posted by ブクログ
フョードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキーの中編2編です。
どちらも男性から女性への愛をテーマにしていますが、「愛すること」への苦悩が滲み出た作品になっています。しかし、男性目線から言えば、これはむしろ「面倒な女」「性悪女」に「問題あり」なのではないだろうか。(←わっ、ブーイングは赦してください。(笑))ドストエフスキーさん、あんまり「女」でいい目にあってこなかったのか?(笑)
とはいえ、『やさしい女』はまず男が悪い!(笑)中年であるにもかかわらず、金に物を言わせ少女と結婚したはいいが(羨ましい!わっ、ブーイングは赦してください。(笑))、その妻への本当の愛を内に秘めたまま伝えることもせず、不倫→駆け落ちの一歩手前まで年若き妻を追いこんでしまっています。そしてその後、夫がしめす妻への犬のような従順ぶり。妻は妻で、「やさしさ」を通り越して、夫の質屋という職業、そして、かつて士官であった頃の決闘からの逃げ腰事件を軽蔑しており、そうした嘲笑や不倫事件が夫を卑屈にさせた面もあります。しかし、妻はその「やさしさ」が故に(?)不倫の過去を苦悩しており、夫のしめす重たすぎる「愛」をもはや受け入れることができなくなった時、妻がとった行動はそれしかなかった・・・。
この作品は、その最後の時から遡って夫が回想する形式であり、そのたどたどしい思いのたけをぶちまけるような文体は、夫の後悔と茫然とした様子を如何なく顕わし、読者へその「愛の重さ」もストレートに伝えてくれます。重たすぎる「愛」。なかなかさじ加減が難しい感情だけに、身につまされるテーマではありますが、ドストエフスキーはこの中篇の中で惨めな男を通して見事に文学表現として昇華させているといえるでしょう。
一方、『白夜』のヒロイン、ナースチェンカは結果としていえば「性悪女」ですね。(笑)しかし、主人公の夢想男(!)が勝手に横恋慕していたという見方もありますが・・・。(笑)主人公の夢想男(!)は、ある晩出会ったナースチェンカと毎夜のようにお互いの話をするうちに、ナースチェンカの恋の橋渡しをする羽目になってしまった・・・。そして、その結末とは・・・。一回ひねりのオチもなかなか面白い作品に仕上がっていると思います。これまでの夢想した過去の語りようと、ナースチェンカの過去の語りようを対比させるかのような語り口の違いは、性格から状況まで一気に読者にさらけ出す、卓越した著者の描写力といってよいでしょう。ただ、「話します、話します」と言って一向に話が進まない会話や(笑)、「神よ」とさかんに言いまわされる常套句には少々疲れた部分もありますが(笑)、ロシア的(!)な会話の妙もたっぷり味わえる文体になっているのではないかとも思います。少し現実感がない描写もたびたびあるのですが、やはりそれも「白夜」のなせるわざなのでしょうね。(笑)
夢想と愛ゆえの盲目が産んだひとときの「愛」。ある意味、使い古されたテーマであるともいえますが、ドストエフスキーが幻想的雰囲気の中で描く「愛」の語りがとてもよい作品になっています。
あれっ!?、こうしてみると、やっぱり男の方に「問題あり」なのか?(笑)