ドストエフスキーのレビュー一覧
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娼婦を感動させたのに...
娼婦に気持ちが伝わったのは感動だ。
でも、主人公は分裂した感情を持つ。
単純でないのはつらいことだ。
だが、読者が
アンビバレンツを直視するなら
何かが見えるかもしれない。
娼婦ではないが汚れた状況下の女性である
『ブギーポップは笑わない』の織機綺、
『青春の門・筑豊篇』の牧織江、
また、同時期の作家トルストイの描く、
厳しい状況下にいた
『戦争と平和』のナターシャ
たちには、理解ある彼が現れて、
筋が単純だが、この手記では
誰も救われなくてつらい。
でも、矛盾や苦悩の中で
とにかく生きていると思う。
出世とかの土俵違いのところで
戦っている役人には
知識 -
Posted by ブクログ
最終巻。もう出だしからめちゃくちゃ面白い。ルージンがうまく立ち回ろうとして逆にやられちゃうという。レベジャートニコフグッジョブ!気持ち良かった!!
その後はカテリーナの場面でしんみりして、推しのスヴィドリガイロフの退場シーンでは息をのんだわ。やっぱりドゥーニャが忘れられなかったのか……。
もう、めちゃくちゃストーリーが面白いんですけど!! ドストエフスキー先生最高っす!!
ラストもいいよね。ラスコーリニコフにちゃんと未来がある感じがいい。この展開で読後感がいいのスゴイよな。
いやぁ、罪と罰、めちゃくちゃ楽しかったです。全3巻十日ぐらいかけて読んだんだけど、めちゃくちゃ濃い十日間だった。 -
Posted by ブクログ
2巻は母と妹が上京(ではないのか)してくるところからスタート。私のイチオシラズミーヒン大活躍。そして妹の婚約者ルージンの小物感もすごい(笑)今でいうモラ夫だよな。
ポルフィーリーがラスコーリニコフの論文の話をするところは手に汗握る展開!うぉぉぉっ!ってなった(笑)やっとここでラスコーリニコフがなにを考え殺害に至ったかがわかる。そう言うことかぁ。
後半は私のもう一人の推しキャラであるスヴィドリガイロフ(名前が長い!)が登場。会話が成立していない感じが好き。ソーニャと聖書の朗読シーンは聖書がイマイチわかんないからアレだったけど、ラストのポルフィーリーとの対決は面白かった!
いやぁ、盛り上がり場面 -
Posted by ブクログ
初めてドストエフスキー作品を読むにあたって、とりあえずページ数も少ないデビュー作を選びました。
正直、度肝を抜かれました。
デビュー作にして、人生のあらゆる智慧と苦悩が散りばめられています。
登場人物による往復書簡のやり取りは見ていて微笑ましいものから悲痛なものまで実に多彩でした。
この150年で人類の生活は劇的に豊かになったのでしょうが、それは量的な意味であって質的にはどうなのかと問いかけられている気がします。
強い自意識が心の渇きを生み出す。
死刑宣告を受ける前の若きドストエフスキーのデビュー作。
本当の豊かさとは何か
忘れそうになった時に読みたい1冊です。 -
Posted by ブクログ
初のロシア文学。やはり世界に名だたる最高文学だけあって読み応えが半端じゃなかった。困窮した生活や屈折した感情が起爆剤となり殺しに手を出してしまう主人公。時間が経てば経つほど罪の意識が重圧となり正常な状態ではいられなくなっていく。個性激しい数多くの登場人物との交際を通じて変転しゆく精神の有り様。しかし大切な人々へ向けられた愛は決して変わることがない。のっぴきならぬ状態まで追い込まれた果てに導き出される境地に見事感じ入ってしまった複雑な人物図や小難しい背景知識が根底にあるために所々で混乱をきたすが、それでも最後まで心を掴まれた。重厚な筆致で描き出されたある夏の出来事。罪を犯してしまった者の内面描写
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Posted by ブクログ
軽薄純情な青年アリョーシャと清純ヒステリックなナターシャの恋物語を中心とした人間ドラマ。冒頭から出てくる老人と犬(アゾルカ)がけっこう重要な役回りだったり、ネリーの意外な素性だったりと構成が巧みなように思う。語り手がドストエフスキー的な人物(デビュー作は当たってその後はうまくいっていない状態)というのも面白い。
人間に対する観察力というか洞察力が深いのか虐げる側と虐げられる側はあっても単純な善悪の話はない。公爵の考え方(ゲスなところはあるが)も現代人には同調できる面もあるのではあるまいか。どちらかというと悪意なく天使のように悪魔的所業を行うアリーシャのほうがゲス野郎な気もする。自分の知人でホス -
Posted by ブクログ
ルーレット賭博の魅力に取り憑かれ、泥沼に嵌まっていく人たち。賭博そのものよりも、賭博に取り憑かれる心理を通じて「人間」を描く。本作からも、「全てを平準化する力としての金の威力」という、ドストエフスキーの一貫したテーマの一つを強く感じとることができる。またギャンブルに対する関わり方や、金銭的な感覚を通じて、ロシア・フランス・イギリスの国民性の違いをかなり強調して描いている。ロシア=蕩尽、フランス=収奪、イギリス=分配といったかなり大雑把な分類(イギリス推し・フランス嫌いがすごい)ではあるが、それなりに説得力はあるし、なによりそういった分類が、作中の登場人物の特徴を際立たせ、魅力的な人物として描く
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Posted by ブクログ
ドストエフスキーが実際にシベリア流刑に処されたときの体験を元に書かれたのが本書らしい。
シベリアでの囚人たちの生活が見事に書かれていてとても興味深かった。
やはり人間観察がうまい。
自分がどんな立場で、誰に愛され尊敬されているのか、誰に憎まれ嫌われているのかなどもしっかりと把握していたようだ。
笞の過酷さ、不衛生な環境など辛い面ももちろん多かったが、演劇などの催し物でみんな楽しげにしてたり、監獄だからといって一定して暗いだけではなくさまざまな人間関係や浮き沈みがあるんだなぁと知れた。
小説というより記録の色合いが強いので、難しく深読みしたりする場面が少なく、今まで読んだドストエフスキー作品 -
Posted by ブクログ
ネタバレ□星5
岩波文庫と比較して、まず言葉遣いが現代寄りであるため、内容に入れる点で古典新訳の優位性が個人的に凄く魅力的に映った。
□内容・感想
正直、岩波文庫の上までは読んで、放置して古典新訳でちゃんと読もう!と思って読んでいたので大筋は知っていた。
ラスコーリニコフの狂気と人間味が混じる描写は、サイコパスとはまた異なった、理解に及ぶ範囲の心情を鋭く映し出していると感じた。
正直、登場人物と話の細かな要点等をメモしているわけではないので、見逃している点も多々あると思い感想を述べられるほどではないが、古典ならではの重々しさを漸次、感じた次第。 -
Posted by ブクログ
白夜: とある内気で空想家な青年が、橋で泣いている少女に出会う。彼はすぐに彼女を愛するが、彼女には一年前に別れ、再開を誓った人がいて、その人が現れないがために泣いていたのであった。
恋の初々しさを感じるストーリー。
おかしな人間の夢: 自殺をしようとしていた男が、夢で別世界へ行き、互いに愛し合い真の幸福で満たされている人々に出会う。しかし、彼が地球から堕落を持ち込み、その世界は変わり、地球上と同じ状態になっていく。
彼は夢から醒めたとき、自分は真実を発見したと確信し、伝道を始める。己を愛するように他者を愛せよ、と。
幸福状態の描写が美しい。が、堕落を人々は喜んで受け入れていく。
「生を意識 -
Posted by ブクログ
最後の一文で鳥肌が立ってしまった。
なんか、気のせいか分からないけど、3巻だけ一気にいろんな感情が押し寄せる。1巻2巻は、ラスコーリニコフの陰鬱とした心の中での戦いがメインだったのに、3巻に入ると今まで出てきた人達が伏線を回収するかのように一気に押し寄せる。
ラスコーリニコフの弱さ、独白のシーン。わかる気がする。
弱くて仕方ない自分をどうにかしたくて、それで一歩を踏み出したくて、それが殺しの方向に向いてしまった。
そしてソフィアに独白するシーン、良い。不幸な1人の女に縋り出す感じが、凄くいいし、初めは崇高な目的の元に独白していたはずなのに、自分の弱さをどんどん曝け出していくシーンが心