ドストエフスキーのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
圧巻の最終巻。真実が次第に漏れていく中、愛する者たちに困難が降りかかる。犯罪者の苦悩と決断に感動は必至!
分厚いが一気に読める500ページ。ヒロインふたりに襲いかかる危機に白熱。ドラマチックな展開に夢中になるあまり、ラスコーリニコフの心理的な変化を見落としがちだった。なし崩し的にあの結末に向かうが、彼の信念そのものには変化がないことに不安をおぼえる。しかし、ラザロの復活を暗示するラストシーンに希望の兆しをみて感動。筋書きの面白さに駆け足で読み切ってしまったせいで、細かい考察はできていない。普遍的な内容を持つ本作は、まだまだ深掘りする価値があると思った。魅力的な登場人物たちは深く心に残る。 -
Posted by ブクログ
母と妹の登場、予審判事や妹の婚約者との対決、そして明らかになっていく犯罪の理由。福音書が彼に寄り添う。
加速感のある第3部と第4部を収録。追い詰められていくラスコーリニコフ。愛する母と妹に再会しても喜ぶ余裕もない彼の横で展開する家族ドラマ。超絶美人な妹の、傲慢な婚約者やストーカーとのすったもんだ、親友ラズミーヒンの人物像など、人間描写が魅力的で引き込まれる。
いっぽうで事件の方も進行しており、予審判事ポルフィーリーとのやり取りでラスコーリニコフの選民思想が明かされる。『非凡人』には犯罪の権利がある――良心にしたがった殺人を許容する、という結論は極端だとしても、命の価値を判断する=軽い命がある、という考えには現代においても答えが出ない人が多いのではないか。
ソーニャと聖書のエピソードが胸にくるものの、難解でもあり今ひとつ理解がおぼつかない。彼女の境遇が絶望的すぎてひいた。これを冷静に見きっているラスコーリニコフすげえ。「きみにひざまずいたんじゃない、人間のすべての苦しみにひざまずいたんだ」という言葉が心に残る。 -
Posted by ブクログ
命の価値によって殺人は許されるか?普遍のテーマに切り込む永遠の名作。あちこちで使われてしまうタイトル……元ネタはこちら。椎名林檎でもNintendo64でもないぞ!
これは面白い。難解な内容を想像していたが、犯行前後のサスペンスと犯人が心理的に追い詰められていく過程、深みのある人間関係のドラマに夢中になってしまった。
第1巻を読み終えた時点では、殺人の動機がまだぼんやりしているもののおそらくは、「多数の若者のために死んでくれこの老害!」ということだろうか。これは高齢化社会のなかで老人が命の価値をはかられる現状の日本にとってもリアルなテーマだし、犯罪を正当化する心理という意味では普遍的なテーマをはらんでいると思う。先が気になる展開な上、非常に考えさせられる内容に驚き、難解そうなタイトルに敬遠していた自分を説教したくなった。迷っている人は、とりあえずメッチャ面白いので読めー! -
購入済み
おもしろかった
半分も理解できてないだろうけど
ともかく読み終わった。おもしろかった。
なぜそうなったのかと思うところもあるが
世の中理屈で割り切れるものではないということからすると
とても現実的な物語なのかもしれない。
気力があれば読み返してみたいところだが
今はちょっと無理。 -
Posted by ブクログ
長老の遺体による腐臭騒ぎで、迷いが生じるアレクセイ。一方、ドミートリイは愛人のため金策に走り回っていた。
グルーシェニカの人柄と背景がよくわかる深掘りと、アリョーシャ(アレクセイ)の信仰が新生する第7編。第8編ではミーチャ(ドミートリイ)が奔走するなか、ついに事件が起こってしまう。続く第9編では、ジャンルが変わったのかと思うほどミステリー小説な展開に。疾走感のあるこの第3部で物語は一気に加速した感がある。相変わらず会話文の分量が多く、読みやすいが長い。とはいえ、思想性や哲学性の高かった第2部と比べるとよりエンタメ性が増し、それぞれの人物への感情移入も深まって、夢中で読み切ってしまった。
アリョーシャは誰にも好かれる主人公的な人物だが、ミーチャの複雑な人間性はかなり独特な魅力がある。欠点によって嫌われるか、逆に愛されるか、きわどいラインの個性を持っているのだ。グルーシェニカの心変わりにも心洗われるし、ますます各キャラクターが好きになった。 -
Posted by ブクログ
3回目なのにすっかり忘れているから、やっぱりおもしろいなあと読み進む。
忘れるからと、第1部と第2部はあらすじを追って書き出したが、何のことはない『罪と罰 2』巻末の「読書ガイド」に、翻訳者の亀山先生が第1部と第2部のあらすじを完璧にまとめてくださっていたのだ。第3部と第4部は最後の『罪と罰 3』の巻末にあった(それも忘れていて)。
この文庫本がある限り、そこを見ればよい、ということで、ここからはラクをしよう。
第3部の感想
もうろうとして母と妹に再開し、妹ドゥーニャの犠牲的婚約の話が面白くないラスコーリニコフなんだけど、自分の罪にもおびえて複雑。そりゃそうだ。でも、妹アヴドーチャ(ドゥーニャ)がすごい美人で、だから家庭教師先でも追いかけられ、お金目当てで婚約したルージンにも執着されるのだが、嫌気がさして彼を振りそうな時に、ラスコーリニコフを献身的に看護してくれた人のいい友人ラズミーヒンとも速攻、恋に落ちるとは…、都合よすぎ。しかしそこがまた面白くさせ、うまいのかもね。
ラスコーリニコフはちょっと変人。殺人を疑われていると知りながら、予審判事ポルフィリーや警察官にちょっかいを出すのだもの。幽霊や悪夢を見てしまうのも当然。過去雑誌に「犯罪の研究」の文章を発表していたのをバレるなぞ、SNS時代じゃないのに、わかってしまうのは昔の斬新なリアルかな。
第4部の感想
スヴィドリガイロフがラスコーリニコフの前に登場。妹ドゥーニャを子供の家庭教師なのに追いかけて困らせた張本人。この人もおかしな人、不思議なことを言う人で物語を複雑にしている。
登場人物多数なのに皆がみな、個性的で饒舌で、長い長いセリフ。策士策に溺れる、じゃなくて小説家小説に溺れて、読者読みに溺れるというところ。
妹ドゥーニャのしみったれ婚約者ルージンをみんなでやっつけるところは痛快。しかし予審判事ポルフィリーとの息詰まるやり取りは真に迫ってすごい。ソーニャとの邂逅は唐突感を抱くのだけど。 -
Posted by ブクログ
第一部あらすじ
7月の太陽が照りつけるペテルブルグの街中を、元大学生ラスコーリニコフは歩いている。
彼は殺人計画を立てていて、そのターゲット金貸し老女アリョーナの居室を下見の目的で訪れるのである。はたして実行できるのか、神経質にびくびくしている様子が描かれる。
いよいよ金貸しアリョーナの部屋に着き、古い銀時計を質草に金を借り、また訪れると予告して去る。
幾ばくかのお金を手にして居酒屋に寄るラスコーリニコフ。そこで、マルメラードフという飲んだくれの元役人に出合い、酔いに任せたおしゃべりで彼の家庭事情を聴かされる。再婚した妻の病気、子沢山、そして前妻との実娘ソフィアの稼ぎ(売春)に頼る生活。
ラスコーリニコフは酔っぱらったマルメラードフをそのアパートまで送り、貧困にあえぐとても悲惨な生活状況をつぶさに見る。
自分の下宿に帰ったラスコーリニコフは母からの手紙を読む。仕送りが途絶えた事情、妹ドゥーニャの家庭教師先での災難、ルージンという男との婚約を知る。しかし、その婚約は母や妹の貧困脱出の打算が見え、暗澹となる彼。
ラスコーリニコフは、自身の非力、むなしさに悲嘆・無気力で自堕落になっている様子、そして金貸し老婆を殺さなくてはいけない、という極端な思想に走る狂気的状態が描かれる。
いよいよ、息詰まる殺人実行の描写で、第一部は終わる
わたしの感想
ラスコーリニコフが殺人を実行するまでにどうして至ってしまうのか?あまりにも唐突で、ちょっと理解できなかった。ストリーが進むにしたがってわかるのだろうか。
それはむしろ、酒場で知り合ったマルメラードフという飲んだくれの独白。どうしようもない哀れな自虐話の内容。母親からの手紙の内容のおぞましさ悲惨さ。母・妹が彼に期待し犠牲に走る心理。それを知り怒り不甲斐なく思うラスコーリニコフ、そんな別物語が潜んでいるのを感じるのは、読む視点が変わったのだ。
第二部あらすじ
夢中で下宿に帰って死んだように眠っても興奮冷めやらないラスコーリニコフ。そこへ突然の警察からの呼び出し状にぎくりとする。
ドキドキしながら警察を訪れ、別件「不払い下宿代の催促だったとだった」と知る。警察の事務官ザメートフにラスコーリニコフが「自身が父親の早世による貧困で大学をやめざるを得なかった事情、下宿屋の娘との婚約、死別したために借金になってしまった」事情を語り、書類にサインするも、警察では「金貸し老婆殺人の話題」が飛び交っていて、精神が持たず失神してしまう様子。そこから彼の罰が始まる。
下宿で寝込み、友人ラズミーヒンや医師のゾシーモフたちが親身に介護するも、抜け出してアリョーナのところから盗んだものを隠したりする。妹の婚約者ルージンが下宿に来れば喧嘩したり、警察事務官ザメートフと危険な会話をしたり、街をさまよい懊悩する。
そのさなか、マルメラードフの事故死に遭遇、母から送金されたなけなしの25ルーブルをマルメラードフの残された家族にあげてしまう。
下宿に戻ると田舎から出て来た母と妹ドゥーニャが待っていた。
わたしの感想
あらすじを忘れていたからなのか、ジェットコースターのように変化にとんだ展開に驚く。さすが犯罪ミステリー小説の古典だ。それから、スラブ人のというか、ロシア人の極端な性格、熱するかと思いきや、氷のように冷める上がったり下がったりの行動の満載に圧倒される。『カラマーゾフの兄弟』もそうだったが、ドストエフスキーの骨頂だ。