ドストエフスキーのレビュー一覧

  • 死の家の記録

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    囚人でもクリスマスには神聖な気持ちになるし年に一度の特別な日を子供のようにはしゃいでいるのがなんか泣ける。超閉鎖空間で暗くて自由が無い生活、独自の雰囲気と慣習、でも強い個性のさまざまな囚人たち…面白い。囚人病院で足枷をしたまま死んでいった人が印象的、囚人達の殺人の思い出話や身の上話が沢山、足枷を取って出獄するラストシーンは最高、卒業感ある。辛い生活の中でも希望を捨てない著者の過去を追体験した。

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    2017年02月17日
  • 未成年(下)

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    ドストエフスキーの中で、頭一つ抜けて面白い。紙とインキでこんなことができるともっと早く知っていたら、物理をやってはいなかったに違いない。

    繋がりがあるようでばらばらな話(逆のパターンは世に溢れている)が、未成年の思想を糊付けする、そんな、ばらばら感の点で最もドストエフスキーらしい。

    物語の中に、罪、罰、白痴、悪霊、といった言葉も登場するが、これらは…ちょっと気を利かせ過ぎかも知れない??

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    2016年11月19日
  • 未成年(下)

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    養父マカールが亡くなってからの終盤の実父ヴェルシーロフの独白に近い対話が迫真。写真について、神について、恋愛における慰みでなく愛について。

    白眉はヴェルシーロフが聖像を叩き壊す場面。その後も分裂する人間像が余すところなく描かれる。

    タチヤナ・パーヴロヴナの人の良さも少ない叙述ながら、光っていた。

    完全な理想的人物はありえず、どこか破綻しているが、憎めないのがドストエフスキーのメインキャストか。

    最後の先達のコメントがこの小説の歴史的な意義を示しているのも嫌味がなく、構成的にさすがという他ない。

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    2016年11月16日
  • 未成年(上)

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    自殺、妊娠。腹の探り合い。実父(ヴェルシーロフ)に子(アルカージィ)はあるときは不信、あるときは絶対の崇拝と激しく揺れ動く感情。祝宴性が全開だ。上巻終盤に出てくる親子の対決?の場面は見物だ。キーアイテムは手紙。ロシアにおけるサモワールの意義の描写もなにげなくいい。

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    2016年11月15日
  • 罪と罰 下

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    いよいよ完結の『罪と罰』
    自らの罪と向き合い翻弄するラスコーニコフの絶望的だが、希望のある終末へと向かっていく。はっきり言ってしっかりと読み込めているとは思えない。ただなんというか、意識の大きなうねりに身をゆだねていくうちに、様々な感情のぶつかり、葛藤を感じ、その波にのまれていった読書体験。最後ラスコーニコフのソーニャへの態度に何か救いを感じた。人間としてまっとうに生きるというのが正しい言い方ではないのかもしれないが、それでもやはり神のもとに生きる一人の人間としての生を取り戻すところは、一人の人間の再生の物語とも感じた。
    さていよいよそろそろカラ兄かな。

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    2016年11月04日
  • 悪霊(下)

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    スタヴローギンなしには、物語の精彩を欠いていただろう。そこに精神のもがきがあるからだ。あとは俗悪で、または、単に俗っぽさがあるのみだ。ステパンの最後の独白も良かった。良心があった。別立てにされたスタヴローギンの告白はやはり本編に含めるべきだろう。でないと、最後の彼の自殺が物語の救いにならなくなる。色々なことが明晰になるし、チホンとの対話が抜き差しならず、スタヴローギン性がより深みを増すからだ。あとは火事場の描写が迫真だった。

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    2016年11月03日
  • 賭博者

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    ギャンブラーの思考があますところなく描かれている。破滅への思考と行動。誰も止められない、手強い依存性。

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    2016年10月14日
  • 虐げられた人びと

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    ラスト30ページほどで、息を飲む謎が明かされる。幾重にも巡らされた入れ子構造。悪人、善人の描き方。金への執着。ネリーが登場してから、俄然物語は進み始めたが、やはり肝だったのだな。舞台装置もドラマチックだった。

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    2016年10月08日
  • 死の家の記録

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    ストーリーというより、エピソードの描写力が神がかっている。ありありとその情景、皮膚感覚、味わい、歌声が迫ってくるのである。

    動物、演劇、風呂、病院‥どれも迫真だ。

    一人一人の人物描写もまるでそこにいるかのようだ。

    貴族と民衆の溝の深さの描写も凄まじい。

    随所に織り込まれる、犯罪や刑罰に関する哲学的考察にも唸らされる。

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    2016年10月01日
  • 白夜/おかしな人間の夢

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    おかしな人間の夢、がすごい。宗教の真髄を余すところなく語っている。ゾクゾクする。
    百姓のマレイは好きなテイスト。
    白夜は下手だが、最後のまぜこぜになったねじれた感情の表現が秀逸。

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    2016年09月22日
  • 虐げられた人びと

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    日曜の午後、急にドストエフスキー読みたい!気分になって一気読み。今まで読んだ彼の作品のどれよりも読みやすかった。それに、主人公(語り手)を素直にかっこいい!と思ってしまった。今まで読んだ彼の作品は、どれも、「自分にもこういう弱い部分がある」と共感しつつ、親しみは持ちたくなかった。(持てない、ではない。笑)けど、ワーニャ。彼は本当に素敵だったので、驚いてしまった。ナターシャと父の関係性には、舌を巻くリアリティがあった。家族って近すぎて全体像が見えない分、すごく難しい。どの人物も重厚で複雑なドラマを持っていて、読み返したらまた違う人の気持ちにフォーカスするだろうな。けど…なんといったらいいか。これ

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    2016年05月09日
  • 賭博者

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    ヤバイ。愛も金も人生をかけてルーレットにかける主人公の感情に完全に惹きつけられた。"ロシア人特有の病的性格を浮き彫りきする"と本の広告にあるが、この一発に全てをかける気持ちは誰もが持ってるんじゃないか??

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    2016年02月27日
  • 貧しき人々

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    初めてのドストエフスキー。この年になるまで読んだことがなかったことに恥じる。ただただ圧倒。手紙だけのやり取りだけで、主人公である二人の感情の起伏状態、貧しくとも互いを労わり励まし続け、自分の周りの人達や状況を伝えあうのだか、その表現の豊かなこと‼︎ 娘が昔を回想して描く描写など、目の前にその風景が見えるよう。貧しくとも心まで貧しくならず、尊厳を保つことの美しさ。心を豊かにするのは決してお金ではなく、人の温情なのだという。

    訳者のあとがきより「人と人との繋がりが希薄になる現代こそもう一度読み直されるべき小説ではないか。」まさにそう思う。

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    2016年02月27日
  • 死の家の記録

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    人間の本質について一つの答えが書かれていたように受け取った。心理の書き込みはやはり非常に緻密で、この作品の場合は形而上学的というより写実的であるし、五大長編より少ないページ数なのに、読み込むのにはやはり相応の体力がいった。これがドストエフスキーの転機になった体験かと思うと、一文字余さず特別な文章のように思えて、読んでいるあいだ中ずっと襟を正す気持ちだった。
    それから、罪と罰、白痴、悪霊、カラ兄の原形が垣間見える人物が出てくるとなんとなく嬉しい気持ちになった…

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    2015年12月19日
  • 悪霊(下)

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    上巻で詰みそうになったけれど踏ん張って読んでよかった。下巻に入ってからは面白くて面白くて一気読みだった。最も印象に残ったのはキリーロフだった。
    いろいろと考えあぐねているし、これからも年単位で考え続けることになりそう…

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    2015年12月19日
  • 悪霊 3

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    一番好きな小説。自分が歳をとったからなのか、亀山さんの訳が分かりやすいのか、これまで何度も読んできた本のはずなのに、新たな気づきも多く、世界も広く感じられた。

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    2015年09月23日
  • 未成年(下)

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    『未成年・上巻』の終盤あたりから面白さが増してきて、下巻は過去に起こった出来事や事件が、主人公・アルカージィを通しながら明るみになってゆく。

    感銘したのは、アルカージィと実父ヴェルシーロフが感情をむき出しにして、じっくりと語り合うシーン。
    父親をだんだんわかりはじめてきたと率直にその場で告白する息子と、父親は息子のナイーブな喚声が大好きだと言いながら、語る言葉一つ一つに深い思想がしみとおっている。

    『未成年』はアルカージィの成長過程を描く手記で、回想と記述のプロセスによって自分自身を再教育している。
    私が個人的に好きな登場人物、タチヤナ・パーヴロヴナ伯母さんは、主人公をバックアップするいい

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    2015年08月18日
  • 悪霊(上)

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    再読である。まるで初めて読むように味わうことができた。日本の近現代文学にも影響を与え続ける名作をたっぷりと味わえ、普段の読書より濃密な時間を過ごすことができた。スタヴローギンがやはり気になる。彼の最後が暗示する「未来」とは予想してみたくなる。ステパンもカルマジーノフも滑稽でもあるが、生きることに真摯で好感持つことができた。「スタヴローギンの告白」にもある通り、作者のこの作品にかける情熱は熱く沸き立っている。

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    2015年08月14日
  • 死の家の記録

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    ドストエフスキー作品の中では読みやすく、エンタメ度が高い。てか、一番おもしろい作品かも。
     作者自身の経験(1850年頃の獄中生活)をもとに描かれた体験レポートである。獄中にいる様々な人物についての考察の繰り返しであり、それがなによりおもしろい。ドストエフスキーの観察眼、描写力がすばらしい。
     大変おすすめの一冊であった。

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    2015年05月09日
  • カラマーゾフの兄弟〈3〉

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    ネタバレ

    ミーチャの出番が多く、350ページあたりからやっと父殺しが発覚する三巻。
    その辺りからはテンポもよく、かなり読みやすくなったように感じた。

    ミーチャは高潔なのかもしれないけど、身近にいたら断じて関わりあいにはなりたくないタイプだと思う。
    素直で純粋な面も多いが、それ故にかあまりに直情的すぎて危険に感じる。
    それが今後の裁判にどう響いてくるのかが気になるところ…。

    (2022/03/28に再読。感想は再読記録のほうに。)

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    2015年03月17日