ドストエフスキーのレビュー一覧

  • 虐げられた人びと

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    ラスト30ページほどで、息を飲む謎が明かされる。幾重にも巡らされた入れ子構造。悪人、善人の描き方。金への執着。ネリーが登場してから、俄然物語は進み始めたが、やはり肝だったのだな。舞台装置もドラマチックだった。

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    2016年10月08日
  • 死の家の記録

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    ストーリーというより、エピソードの描写力が神がかっている。ありありとその情景、皮膚感覚、味わい、歌声が迫ってくるのである。

    動物、演劇、風呂、病院‥どれも迫真だ。

    一人一人の人物描写もまるでそこにいるかのようだ。

    貴族と民衆の溝の深さの描写も凄まじい。

    随所に織り込まれる、犯罪や刑罰に関する哲学的考察にも唸らされる。

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    2016年10月01日
  • 白夜/おかしな人間の夢

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    おかしな人間の夢、がすごい。宗教の真髄を余すところなく語っている。ゾクゾクする。
    百姓のマレイは好きなテイスト。
    白夜は下手だが、最後のまぜこぜになったねじれた感情の表現が秀逸。

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    2016年09月22日
  • 虐げられた人びと

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    日曜の午後、急にドストエフスキー読みたい!気分になって一気読み。今まで読んだ彼の作品のどれよりも読みやすかった。それに、主人公(語り手)を素直にかっこいい!と思ってしまった。今まで読んだ彼の作品は、どれも、「自分にもこういう弱い部分がある」と共感しつつ、親しみは持ちたくなかった。(持てない、ではない。笑)けど、ワーニャ。彼は本当に素敵だったので、驚いてしまった。ナターシャと父の関係性には、舌を巻くリアリティがあった。家族って近すぎて全体像が見えない分、すごく難しい。どの人物も重厚で複雑なドラマを持っていて、読み返したらまた違う人の気持ちにフォーカスするだろうな。けど…なんといったらいいか。これ

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    2016年05月09日
  • 賭博者

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    ヤバイ。愛も金も人生をかけてルーレットにかける主人公の感情に完全に惹きつけられた。"ロシア人特有の病的性格を浮き彫りきする"と本の広告にあるが、この一発に全てをかける気持ちは誰もが持ってるんじゃないか??

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    2016年02月27日
  • 貧しき人々

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    初めてのドストエフスキー。この年になるまで読んだことがなかったことに恥じる。ただただ圧倒。手紙だけのやり取りだけで、主人公である二人の感情の起伏状態、貧しくとも互いを労わり励まし続け、自分の周りの人達や状況を伝えあうのだか、その表現の豊かなこと‼︎ 娘が昔を回想して描く描写など、目の前にその風景が見えるよう。貧しくとも心まで貧しくならず、尊厳を保つことの美しさ。心を豊かにするのは決してお金ではなく、人の温情なのだという。

    訳者のあとがきより「人と人との繋がりが希薄になる現代こそもう一度読み直されるべき小説ではないか。」まさにそう思う。

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    2016年02月27日
  • 死の家の記録

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    人間の本質について一つの答えが書かれていたように受け取った。心理の書き込みはやはり非常に緻密で、この作品の場合は形而上学的というより写実的であるし、五大長編より少ないページ数なのに、読み込むのにはやはり相応の体力がいった。これがドストエフスキーの転機になった体験かと思うと、一文字余さず特別な文章のように思えて、読んでいるあいだ中ずっと襟を正す気持ちだった。
    それから、罪と罰、白痴、悪霊、カラ兄の原形が垣間見える人物が出てくるとなんとなく嬉しい気持ちになった…

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    2015年12月19日
  • 悪霊(下)

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    上巻で詰みそうになったけれど踏ん張って読んでよかった。下巻に入ってからは面白くて面白くて一気読みだった。最も印象に残ったのはキリーロフだった。
    いろいろと考えあぐねているし、これからも年単位で考え続けることになりそう…

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    2015年12月19日
  • 悪霊 3

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    一番好きな小説。自分が歳をとったからなのか、亀山さんの訳が分かりやすいのか、これまで何度も読んできた本のはずなのに、新たな気づきも多く、世界も広く感じられた。

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    2015年09月23日
  • 未成年(下)

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    『未成年・上巻』の終盤あたりから面白さが増してきて、下巻は過去に起こった出来事や事件が、主人公・アルカージィを通しながら明るみになってゆく。

    感銘したのは、アルカージィと実父ヴェルシーロフが感情をむき出しにして、じっくりと語り合うシーン。
    父親をだんだんわかりはじめてきたと率直にその場で告白する息子と、父親は息子のナイーブな喚声が大好きだと言いながら、語る言葉一つ一つに深い思想がしみとおっている。

    『未成年』はアルカージィの成長過程を描く手記で、回想と記述のプロセスによって自分自身を再教育している。
    私が個人的に好きな登場人物、タチヤナ・パーヴロヴナ伯母さんは、主人公をバックアップするいい

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    2015年08月18日
  • 悪霊(上)

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    再読である。まるで初めて読むように味わうことができた。日本の近現代文学にも影響を与え続ける名作をたっぷりと味わえ、普段の読書より濃密な時間を過ごすことができた。スタヴローギンがやはり気になる。彼の最後が暗示する「未来」とは予想してみたくなる。ステパンもカルマジーノフも滑稽でもあるが、生きることに真摯で好感持つことができた。「スタヴローギンの告白」にもある通り、作者のこの作品にかける情熱は熱く沸き立っている。

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    2015年08月14日
  • 死の家の記録

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    ドストエフスキー作品の中では読みやすく、エンタメ度が高い。てか、一番おもしろい作品かも。
     作者自身の経験(1850年頃の獄中生活)をもとに描かれた体験レポートである。獄中にいる様々な人物についての考察の繰り返しであり、それがなによりおもしろい。ドストエフスキーの観察眼、描写力がすばらしい。
     大変おすすめの一冊であった。

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    2015年05月09日
  • カラマーゾフの兄弟〈3〉

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    ネタバレ

    ミーチャの出番が多く、350ページあたりからやっと父殺しが発覚する三巻。
    その辺りからはテンポもよく、かなり読みやすくなったように感じた。

    ミーチャは高潔なのかもしれないけど、身近にいたら断じて関わりあいにはなりたくないタイプだと思う。
    素直で純粋な面も多いが、それ故にかあまりに直情的すぎて危険に感じる。
    それが今後の裁判にどう響いてくるのかが気になるところ…。

    (2022/03/28に再読。感想は再読記録のほうに。)

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    2015年03月17日
  • 死の家の記録

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    去年も読んでいたか。何度読んでも、いつ読んでも新鮮だ。
    ドストエフスキーにとって、教育を受けたことのない人間のあいだで生活するのは、違う国で暮らすようなものだったろう。初めのうちは、違う星に来ちゃった感があったな。

    読んでいるあいだ、人間のあらゆる可能性を夢見たのがダンテの「神曲」で、眼前に現れた人間のあらゆる可能性を描いたのがドストエフスキーの「死の家の記録」だと感じた。

    日本が江戸時代をやっていた頃に、こんなに素晴らしい文学作品が生まれていたなんて、信じられない。

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    2015年01月09日
  • 悪霊(上)

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    ネタバレ

    この作品の中で語られる思想的な側面についての批評は、多くの方々の先行するそれをご覧ください。他のレビュアーの方々の批評はもちろん、これに関する論文等、読み込めば読み込む程の面白さがあると思います。

     私はむしろ、ドストエフスキーという名前、作品の分量、そして「思想的な」難解さという、この作品についてまわるイメージ・評価が先行しているようにな印象を受けます。
     本作の思想的な対立軸や、対決の内容自体を追いかけて読むことも面白いと思います。しかしそもそも、それ以前に、この作品は物語として、読者をこれでもか、これでもかと引き込んでくれる面白さ、楽しい(というとやや語弊があるか?)仕掛けに満ちていま

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    2014年12月30日
  • 罪と罰 4巻(完)

    購入済み

    こ、これは。

    噂には聞いていた初マンです。天才奇才もはやこの作者を表現する言葉はないでしょう。
    読中、頭からウジが湧きます。ついでにそのウジが身体中の穴に入り込み内蔵を喰い荒らします。
    ウジは視神経も犯し眼球が飛び出します。汚物は飛び散り、四肢は腐りやがてかつて経験したことのない
    恍惚があなたを蝕みます。

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    2014年11月24日
  • 悪霊(下)

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    非難する術を持たぬ子どもの無意識の威嚇、愚かしくて痛ましいほどの無防備な絶望の姿。それは確かにこの世に数少ない、まるで心臓に釘を刺すように胸を打つものである。それがスタヴローギンの感じた(自分では感知できない)唯一の良心の在り処だったのかもしれない。

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    2014年05月24日
  • 罪と罰 下

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    『思弁の変わりに生活が登場したのだ。』
    自分の世界から世界の中の自分に移行できるかどうかが鍵だなあと思った。人を否定しているのに人に助けや愛を求めてしまう自分を罵って逃避するのではなく、そうでしか生きられない自分の存在を真摯に見つめてまず認めること。生身の体の伴わない思弁からでなく、自分自身から始めること。

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    2014年05月18日
  • 罪と罰 上

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    人の精神状態はあらゆる行動の基盤だ。アリストテレスは情念によってではなく理性によって行動しようと欲する者のみが善を行うことができると言うが、理性が感情をコントロールするのは並大抵のことではない。輪郭をもった感情が理性によって変化していくことはどの程度可能なのだろうか。

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    2014年04月13日
  • 悪霊(上)

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    「地下室の手記」→「罪と罰」→【悪霊】→「カラマーゾフ」の順で読んでいくと、長さ的にもムリなく、ドストエフスキーの根暗な魅力にハマれると思います(^ω^)

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    2014年02月24日