ドストエフスキーのレビュー一覧

  • 地下室の手記
    ネガティブな人はきっと好きだと思う
    でも、社会不適合者じゃない大多数の人にこそ読んで欲しい

    安っぽい幸福と高められた苦悩と、どっちがいいか?
    ぼくらは死産児だ
    のところ、僕もずっとそんなことを考えていたんだ!って泣きそうになった。
    ずっと考えてた人に言えないモヤモヤを言い当ててくれたみたいな清々し...続きを読む
  • 虐げられた人びと
    何が好きかって、彼の作品のキャラは作者に踊らされていない
    それぞれの人の欲望や信念が丁寧に描かれている

    天才なんだなと思う。
    何故、女性の機微をここまで理解出来るのだろうか
    彼は時々、熱病そのものだったのではないかと勘繰ってしまう

    そしてドストエフスキーの作品における
    純粋無垢が故の悪漢
    中々に...続きを読む
  • 地下室の手記
    主人公に、まるで未来の自分が書いたような強い共感を感じた。肥大化したプライドで他者を見下し、同時に自己が矮小で卑劣な存在だと認識していながらも、それを変える為に前向きな、つまり現実と対峙することから逃げ続ける。高すぎる理想で、他人を嘲笑するが、それは自分自身にも適用される。
    主人公が語る事柄も、経験...続きを読む
  • 罪と罰 上
    初罪と罰は亀山訳だったが、こっちの江川訳の方がなんかしっくりくる感じがある。
    マルメラードフのどうしようもなさ、でも憎めなさ。
    ラズミーヒンいいやつすぎ。
  • カラマーゾフの兄弟〈3〉
    いろんな意味で衝撃でしたしミステリー小説の始まりみたいになっちゃってて、おや?私は世界的に有名な文学作品読んでるはずでは?と戸惑いました。

    始まりは不穏としか…これまで数々の奇跡が語られてきたゾシマ長老の棺から、腐臭が漏れだし、あっという間に噂になってしまう。反長老派や不信心者たちからは嘲笑われ...続きを読む
  • カラマーゾフの兄弟〈2〉
    ゾシマ長老がいよいよ最後の懺悔をし、聖体を受けたいと言う朝から始まる。

    アリョーシャはゾシマ長老から修道院を出るように言われているけれど、何故なのかというのがこの朝のパーイーシー神父からの言葉に現れていた。

    神父がアリョーシャにかけた言葉「さあ、お行きなさい、みなし児よ」って今思うと含みあるなぁ...続きを読む
  • カラマーゾフの兄弟〈4〉
    ミステリーの行方にドキドキしてるってのに、最初はコーリャとかいう自称社会主義者の14歳の少年とアリョーシャとのなんだかこれいる?っていうエピソードから始まります。が、これがとても良いのです。アリョーシャの修道院を出ても変わらぬ態度を堪能出来ましたから。

    そしてイワンとスメちゃんのやりとり。これこ...続きを読む
  • カラマーゾフの兄弟(下)
    神とは、善と悪、罪への向き合い方、人を赦すこと、愛とは何か、そして家族や友人、恋人との関係などの本質が描かれています。
    こんなに長い小説を読むのは初めてで、読み終わるまで2ヶ月くらいかかりました!
    アリョーシャが好きです。
  • 罪と罰(上)
    人名がややこしい。
    主人公の妹アヴドーチャ・ロマーノヴナ・ラスコーリニコフは、愛称の「ドゥーニャ」以外に「ドゥーネチカ」「アヴドーチャ・ロマーノヴナ」と呼ばれる。
    登場人物全員がこんな調子なので「この名前は誰?」と混乱し、名前に気を取られている間にストーリーを忘れてしまいがち……
    おすすめは、ネット...続きを読む
  • カラマーゾフの兄弟(上)
    私は北海道出身なのだが(アイヌでない)、そもそも北海道は神によって作られた日本の一部なのか、という疑問があった。この作品も、神はいるのか、いないのか、この神なのか、あの神なのか、という堂々巡りが続くものの、なんだか全員が絶望的な終わりを迎えるように記憶している(アリョーシャでさえ、書かれなかった続編...続きを読む
  • 貧しき人々
    ロシアの文豪、ドストエフスキーの処女作。

    その日暮らしで貧乏から抜け出せない初老の小役人と、病弱で幸薄い生い立ちの少女による往復書簡…

    と、話しはこれだけなのですが、手紙という性質を意識しながら読み進めると、会話と違い、文章で語られる熱い言葉の勢いに、自然と引き込まれて行きます。典型的なのは、結...続きを読む
  • カラマーゾフの兄弟〈2〉
    難しい。「大審問官」に至るまで随分と時間がかかってしまった。
    でも、「大審問官」を読んだときには、自分の内側にあった問に対する答えのヒントがありそうで、とても惹きつけられた。
  • カラマーゾフの兄弟(下)
    ついに読み切ることができました!読みたいなと思いつつもなかなか手が出ていなかったけれども、読めて良かった。充実した読書時間を過ごせたし、ドストエフスキーの他の作品も読んでみたくなった。私の読書の世界が広がりそうな予感がして嬉しい。

    下巻では、庶民や大地を肯定するところが印象的だった。ノブレスオブリ...続きを読む
  • カラマーゾフの兄弟(上)
    やっと読み始めることができたのも束の間、なかなか読み進められない日々が続いたが、段々登場人物一人ひとりが魅力的に思え、読み進められた。

    特に印象的だったのは、誇りや卑劣かどうかを重視していること。これは中巻・下巻にも繋がる一つのポイントなのだと思う。誠実でありたいという登場人物たちの思いがこういっ...続きを読む
  • カラマーゾフの兄弟(中)
    いよいよ中巻。

    この巻で特に印象的だったのは、泥棒と卑劣漢の対比に表されているように、高潔たろうとすること、名誉、恥辱なのではないかと思う。あるべき姿、ありたい姿が自分の中で明確になっていないとこういった考えや感情は湧いて来ないと思うので、やはりこの本の登場人物たち、特にミーチャは自分をしっかり持...続きを読む
  • 罪と罰 3
    ここまでの長編小説、しかも古典的な海外文学を読んだのは初めてだった。1回目では登場人物や起こった出来事を把握しきれず、2回通り読んだ。

    1番の感想としては、人間は極貧、劣悪な環境の中でもここまで意思を持ち、強く生きていけるのかと、元気づけられた。逆に言えばここまで劣悪な環境だからこそ意思を持てるの...続きを読む
  • 罪と罰 下
    最後の方は一気に読んでしまった。外国文学の、あるいは古い作品のあの独特の劇のような語り口は正直得意では無いのだが、主人公の行く末を早く見届けたくて手が止まらなかった。
    罪への意識、というものはかくなるものなのか。
  • 地下室の手記
    「俺は病んでいる・・・ねじけた根性の男だ」で始まる非常に暗い小説。小説は2部に分かれ、Ⅰ部の「地下室」はモノローグで主人公のねじれた人生観がくどく語られ、Ⅱ部の「ぼた雪に寄せて」では主人公を「ひどく苦し」めている思い出が語られます。
    Ⅰ部は難解で矛盾だらけ(ただ、注意深く読むと論理的一貫性があるのか...続きを読む
  • カラマーゾフの兄弟(中)
    「兄弟たちよ、愛は教師である。だが、それを獲得するすべを知らなければいけない。なぜなら、愛を獲得するのはむずかしく、永年の努力を重ね、長い期間をへたのち、高い値を払って手に入れるものだからだ。必要なのは、偶然のものだけを瞬間的に愛することではなく、永続的に愛することなのである。偶発的に愛するのならば...続きを読む
  • 地下室の手記
    マゾヒスト、と呼べば良いのだろうか。氏曰く、自意識自尊心が極めて強い、人並外れて賢い人たちは、 それ故に悩み苦しむ機会が多く、気づくとそこから快楽を感じるようになってしまうらしい。 氏は冒頭でそういう人間がp0「我々の社会に存在する可能性は大いにある」と述べているが、 私自身がこういう感情に一定の覚...続きを読む