ドストエフスキーのレビュー一覧
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久しぶりの再読。フョードル・カラマーゾフは悪徳の権化のように思っていたが改めて読むとそうでもない。長男ドミートリイの方の暴力性の方がはるかに異常である。
彼に屈辱を受けた老二等大尉と息子イリューシャの挿話が心に響く。哀しい話なのだが、巨匠の筆に依ると直視して受け止めることができる。ここに人間の苦しみ...続きを読むPosted by ブクログ -
死の床につくゾシマ神父の回想と垂訓が2部の最後を締めるが、少し長すぎて要点が絞り込めていない。ここでこの大長編を読むのをやめた人は多いと思う。(わたしは二人知っている。)アリョーシャが物語の前面に出てくるが、ドストエフスキー作品中最も人気のあるキャラだけあってやはり好ましい。(ただしわたしはソーニャ...続きを読むPosted by ブクログ
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親父(フョードル・カラマーゾフ)の放蕩ぶりに言葉を失う。
なんせ1人の女性をめぐって長男と火花を散らすぐらいだから。
とんでもない奴だな。
予想では、この親父さん殺されるんじゃないかなと思う。
聖書とか、神様とか、キリスト教とかいうのは全く分からないので、ゾシマ長老の話はちょっと胡散臭く聞こ...続きを読むPosted by ブクログ -
父フョードルが殺害され、長男のドミートリイに嫌疑がかけられるあたりからは本当におもしろい。
カテリーナから盗んだ3千ルーブルの内の半分、1,500ルーブルを袋に縫いこんで、それを胸にさげておいたという《恥ずべき》秘密の告白の場面は最高!
「僕は卑劣漢だけれど、泥棒じゃない」と訴えるドミートリイの...続きを読むPosted by ブクログ -
前半は、(前編)最終部の「大審問官」から続く神の存在についての考察が続きます。それは、アリョーシャが慕うゾシマ長老の死によって、さらに問われることに。この部分を読み進めるうちに、遠藤周作さんの名著「沈黙」を思い浮かべました。神への信仰が深まるにつれ、本当に神は存在するのか…。永遠に解決されない課題な...続きを読む
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圧倒的。
読むべき読むべきといろいろなところで
紹介されているこの本だが、あまりの長さに
敬遠していた。
コロナウイルスによる自粛で、家にいる時間が
長くなったので、この機会によんでみることにした。
まだ上のみを読んだ段階だが、ストーリーの
面白さ、重厚な書きぶり、はっとさせられる
哲学に、こ...続きを読むPosted by ブクログ -
地下室の手記に続いて、ドストエフスキーの作品を読んだのは2作目。短編を先に読んで、著者のクセに慣れてから長編を読むのが自分に合ってたなーと思う。昔ドストエフスキーにチャレンジしたときは挫折してしまったけど、今読んだら特別難解というわけじゃないし、むしろ要素が詰まっているから読んでいて楽しいし、さっ...続きを読むPosted by ブクログ
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19世紀ロシアの文豪ドストエフスキーが描いた、神の存在とこの世に生きる人間の心の葛藤をテーマとした小説。「人を愛する心とは」といった命題について考えさせられました。まだ上巻だというのに、深い。しかし、カラマーゾフ一家の父と3兄弟を中心に語られる物語は親しみやすく、女性を巡る情景やそれに嫉妬する人間の...続きを読む