ドストエフスキーのレビュー一覧

  • 罪と罰

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    文庫版上下巻2冊を四苦八苦しながら読み終えた直後にこのまんがを手に入れ、復習のつもりで読んでみたが、やっぱり難解な文字だけよりも、まんがの方が理解しやすかった。逆にまんがから読んでもよかったかも?

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    2023年01月27日
  • カラマーゾフの兄弟(下)

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    裁判シーンが白熱。丁寧な人物書き込み。法廷小説としても面白い。結局イワンが真の犯人でドストエフスキー本人と重ねたのか。スメルジャコフが本当に良い役回りをしている。アリョーシャとコーリャの第二部が書かれなかったのが残念でならない。

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    2023年01月22日
  • カラマーゾフの兄弟〈5〉エピローグ別巻

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    エピローグそのものは短いが、その後に訳者による年譜と外題があるため、1冊分になっている。それが理解のためにとても役に立つ。

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    2023年01月22日
  • カラマーゾフの兄弟〈3〉

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    ネタバレ

    狂乱と喧騒の第3巻。

    途中まで、ミーチャの魅力がまったくわからん……と思いつつ読んでました。
    思い込みで突っ走るし、浪費家でお金にだらしがないし。
    なんで、作者から「高潔な」と人物描写されるのか、他の登場人物からなんだかんだ言いつつ好意をもたれているのか、理解できん、と。
    でも、終盤で彼が絞り出した
    「親父の血にかんして、ぼくは無実です!  罰を受け入れるのは、親父を殺したからじゃない、殺したいと思ったから、ひょっとするとじっさいに殺しかねなかったから、なんです······」
    というセリフで、今までの彼の支離滅裂な行動も、性格の甘い部分も、ぜんぶが反転して人間らしく思えてくる、見事さよ!

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    2023年01月18日
  • 罪と罰 下

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    ずっと長いこと名作と呼ばれている作品を読まなきゃと思いつつも、放置してしまっている。年末の休みを利用して罪と罰を読破しようと思った。
    のだけれど、思ったよりも長かった。

    とにかく長かった。ずっと何ページにもわたって一人の人が喋り続けている。わりと重大なことかと思ったらそうでもなかったりする。とにかく描写が細かく、長く感じた。読んでて辛い気持ちになるエピソードもあって(マルメラードフ関連のエピソードが辛すぎた…)なかなか思ったよりスピードが出なかった。

    以下、章ごとのメモ。

    ・第1篇〜第2篇
    うんざりするような暗澹たる描写が続く。
    とくに自分をうんざりさせたのは、弱った牝馬を群衆たちが寄っ

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    2023年01月03日
  • 罪と罰 3

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    再読
    エピローグでのソーニャの存在が際立っている
    エンディングもとても良くて、訳の良さなのか全体を通じて小難しい文学という感じではなく、物語にしっかり入り込めた
    自分としては、罪と罰は、この光文社版が一番好き

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    2022年12月24日
  • 罪と罰 3

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    ドゥーニヤのスヴィドリガイロフへの発砲を最後のクライマックスとして、物語は徐々に終焉へと向かう。エピローグが感動的である。

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    2022年12月12日
  • ステパンチコヴォ村とその住人たち

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    ドストエフスキーで読んだ事のない喜劇。
    エンタメとしても面白かった。

    一座の大御所たる将軍夫人、その威光を前にして人みなが怖れ畏む将軍夫人は、ひからびた意地悪婆さんで、喪服に身を包んでいた。とはいえ、鬼婆ぶりが増したのは、寄る年波に勝てず、もともと貧弱だったおつむが余すところなく枯渇したからにほかならなかった。

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    2022年12月06日
  • 罪と罰 2

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    殺人の動機が徐々に明されていく第2巻。ラスコーリニコフが語るその主たる動機の根拠となる思想は、先般ウクライナを侵略したロシアの大統領も、同様に持っているのではなかろうか。

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    2022年12月06日
  • 罪と罰 3

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    圧巻の最終巻。真実が次第に漏れていく中、愛する者たちに困難が降りかかる。犯罪者の苦悩と決断に感動は必至!

    分厚いが一気に読める500ページ。ヒロインふたりに襲いかかる危機に白熱。ドラマチックな展開に夢中になるあまり、ラスコーリニコフの心理的な変化を見落としがちだった。なし崩し的にあの結末に向かうが、彼の信念そのものには変化がないことに不安をおぼえる。しかし、ラザロの復活を暗示するラストシーンに希望の兆しをみて感動。筋書きの面白さに駆け足で読み切ってしまったせいで、細かい考察はできていない。普遍的な内容を持つ本作は、まだまだ深掘りする価値があると思った。魅力的な登場人物たちは深く心に残る。

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    2022年10月22日
  • 罪と罰 2

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    母と妹の登場、予審判事や妹の婚約者との対決、そして明らかになっていく犯罪の理由。福音書が彼に寄り添う。

    加速感のある第3部と第4部を収録。追い詰められていくラスコーリニコフ。愛する母と妹に再会しても喜ぶ余裕もない彼の横で展開する家族ドラマ。超絶美人な妹の、傲慢な婚約者やストーカーとのすったもんだ、親友ラズミーヒンの人物像など、人間描写が魅力的で引き込まれる。

    いっぽうで事件の方も進行しており、予審判事ポルフィーリーとのやり取りでラスコーリニコフの選民思想が明かされる。『非凡人』には犯罪の権利がある――良心にしたがった殺人を許容する、という結論は極端だとしても、命の価値を判断する=軽い命があ

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    2022年10月21日
  • 罪と罰 1

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    命の価値によって殺人は許されるか?普遍のテーマに切り込む永遠の名作。あちこちで使われてしまうタイトル……元ネタはこちら。椎名林檎でもNintendo64でもないぞ!

    これは面白い。難解な内容を想像していたが、犯行前後のサスペンスと犯人が心理的に追い詰められていく過程、深みのある人間関係のドラマに夢中になってしまった。

    第1巻を読み終えた時点では、殺人の動機がまだぼんやりしているもののおそらくは、「多数の若者のために死んでくれこの老害!」ということだろうか。これは高齢化社会のなかで老人が命の価値をはかられる現状の日本にとってもリアルなテーマだし、犯罪を正当化する心理という意味では普遍的なテー

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    2022年10月20日
  • カラマーゾフの兄弟〈2〉

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    圧巻の読み応えの2巻。
    めちゃくちゃひきこまれました!

    有名な大審問官のパートはつきささったし、それ以外にも印象的なくだりが盛りだくさん。
    スネギリョフとイリューシャの、貧しさと闘うなかでの鬱屈とプライド、それから親子愛。
    若かりし日のゾシマ長老を訪ねる謎の訪問者も面白かったなあ。
    あと意外だったのが、若いアリョーシャとリーズが想いをかよわせる場面!
    うそ……これ……60近いドストエフスキーが書いているんだよね?
    読んでいるこちらがムズムズしてしまうくらい、甘酸っぱいんですよ。
    文豪の知らない顔を垣間見た気がして、なにげに好きなところでした。

    ところで、今回、読んでいる途中でちょっと失敗し

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    2022年10月17日
  • カラマーゾフの兄弟(下)

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    ・ここまでが第一部で未完だったとは…たしかに「これだけ期待をもたせてここで終わるの?」とは思ったけど。
    解説によると「書かれなかった第二部では、アリョーシャ・カラマーゾフが修道院を出て、リーザとの愛に傷つき、革命家になって皇帝暗殺の計画に加わり、断頭台にのぼることになっていたという説もある」とのことで、第二部、読みたかったなぁ…。
    ・私にはキリスト教的世界観は一生理解できないわけだけど、「キリスト教的世界観を外から見て感じ入る」という体験も貴重ではあるのかな、とも思う。「愛のむきだし」に感じたのと同種の静かな興奮・気持ちの昂りを覚えるし、語られる言葉の熱量に思わず涙する。この種の感情をおそらく

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    2022年10月12日
  • ステパンチコヴォ村とその住人たち

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    村の領主の屋敷に男が、巧みな弁舌とアップダウンの激しい気性で周りを翻弄し支配してゆく。
    ドストエフスキー作品お馴染みの息をもつかせぬ長広舌がこれでもかと味わえる。
    読みやすく、面白い。

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    2022年10月06日
  • 罪と罰 3

    A

    購入済み

    おもしろかった

    半分も理解できてないだろうけど
    ともかく読み終わった。おもしろかった。
    なぜそうなったのかと思うところもあるが
    世の中理屈で割り切れるものではないということからすると
    とても現実的な物語なのかもしれない。
    気力があれば読み返してみたいところだが
    今はちょっと無理。

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    2022年10月02日
  • カラマーゾフの兄弟(下)

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     読み終わってうれしいような悲しいようなところが正直なところですが、未完で終わるののがよかったようにも思えます。

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    2022年09月23日
  • カラマーゾフの兄弟〈5〉エピローグ別巻

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    最終巻はエピローグが数十ページ。残りの大部分は解説となり、ドストエフスキーの生涯、解題、訳者あとがき。

    エピローグのみ別巻とする配分は初めてらしい。気になる登場人物たちのその後は、アリョーシャと少年たちの未来を予感させて終わる。続編が予定されていた本作だが、刊行直後に作者が亡くなってしまい執筆されずに終わった。13年後のアリョーシャを見てみたかった……。

    エピローグ部分は短いのですぐ読み終わる。その後の解説などは必ずしも読む必要はないのかもしれないが、読み飛ばす人は意外に少ないのではないか。圧倒的なエネルギーを持つ本作を読み解くには、何がしかの思考補助が有用で、訳者・亀山郁夫先生の「解題」

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    2022年09月17日
  • カラマーゾフの兄弟〈3〉

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    長老の遺体による腐臭騒ぎで、迷いが生じるアレクセイ。一方、ドミートリイは愛人のため金策に走り回っていた。

    グルーシェニカの人柄と背景がよくわかる深掘りと、アリョーシャ(アレクセイ)の信仰が新生する第7編。第8編ではミーチャ(ドミートリイ)が奔走するなか、ついに事件が起こってしまう。続く第9編では、ジャンルが変わったのかと思うほどミステリー小説な展開に。疾走感のあるこの第3部で物語は一気に加速した感がある。相変わらず会話文の分量が多く、読みやすいが長い。とはいえ、思想性や哲学性の高かった第2部と比べるとよりエンタメ性が増し、それぞれの人物への感情移入も深まって、夢中で読み切ってしまった。

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    2022年09月15日
  • カラマーゾフの兄弟〈2〉

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    さらに泥沼化するかに思える複雑な人間模様のなか、兄イワンと高僧ゾシマ長老がそれぞれに神学的テーマを展開。

    キリストにケンカをふっかけるイワンの創作叙事詩『大審問官』の衝撃と、ゾシマ長老の愛に満ちた談話・説教のコントラストが印象深い。いずれも難解で普遍的なテーマを含んでいるため、ざっと一読では消化不良に終わってしまった。とりあえずネット上にある解説や考察などを調べてみているが、ここは宗教に疎い人はつらいところかも。

    とはいえ、主人公アレクセイを中心に起こるトラブルの数々は筋書きとして面白いし、各人物の魅力や思想的な深みも相まってものすごく重層的な世界が出来上がっているなぁと圧倒された。

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    2022年09月05日