ドストエフスキーのレビュー一覧

  • 罪と罰(下)
    圧巻だった。そこらの本とは一線を画してる。

    読んでからいろいろ考えたけど、解説にほぼ書いてあったのであれ読めばここに書かなくていい。自然に考えさせられるってこと自体まで書いてあった。

    翻訳は少し古い感じがするけど、そもそも作品自体も古いのであんまり気にならない。今だったら尼さんとは言わない気がす...続きを読む
  • カラマーゾフの兄弟〈4〉
    圧巻。さすがに面白すぎる。イワンの悪夢、裁判の一連の応酬、、本当にここまで読んできてよかったとそう思わせてくれる面白さ。
    フェチュコーヴィチの父親論、大変痺れました。
  • 罪と罰(上)
    文章に力がある。続きも気になるけど、むしろ引っ張られる感じ。こういう人の内面書く本はすごい人しか生み出せないからな。
    神学とか哲学を当たり前のように押さえてるの、昔の学生って感じ。
    汚い路地とか汚い感じがかなりする。
    確かに人の名前はややこしい。
  • カラマーゾフの兄弟〈3〉
    第3巻はゾシマ長老の亡骸から腐臭がすると皆が、実は聖人じゃなかったんだ、甘いものをかまわず口にしてたもんな、そもそも苦行僧がサクランボのジャムでお茶楽しんでていいのか?(p26)ってなってて19世紀末でもこんな迷信まみれなのがおもしろい。と思ってたら解説で「腐臭」や「甘いもの」は小説上のモチーフとあ...続きを読む
  • カラマーゾフの兄弟〈1〉
    最高に面白い小説と紹介されていたので読んでみた。難解なので面白いとはちょっと違うが、世界最高レベルの小説ということはよくわかった。それをわからせてくれたのが第5巻にある訳者の亀山郁夫という人による全体解説。正直解説無しでは本書の良さはわからなかったかも。全部で5巻と長いが、各巻末にあるこれまた訳者に...続きを読む
  • カラマーゾフの兄弟〈5〉エピローグ別巻
    エピローグに何かあるかと思ったがこれもあっけなかった。 
    それより全体解説の「ドストエフスキーの生涯」約100ページと「解題」約200ページがわかりやすくてすばらしい。ロシア皇帝権力に対するテロ事件に影響を受けていた様子がよくわかった。単なる芸術家ではなく祖国を何とか良くしたかった。 
    だから第2の...続きを読む
  • カラマーゾフの兄弟〈2〉
    第2巻の有名な大審問官のくだりは一読しただけではよく解らず何度も読み返した。キリストの教えでは大多数の弱い庶民は救えないのでローマカトリックは悪魔と手を結んだと大審問官がキリストに語る。よくこんな不信心な発想できるな。でも仏教の大乗/小乗の分裂(人々の救済を目指す/自身の解脱を目指す)と似ているとも...続きを読む
  • カラマーゾフの兄弟〈4〉
    第4巻はコーリャ少年のキャラクターがよい。しかしコーリャ登場も唐突。これは確実に第2の小説につながる。鉄道や爆薬のエピソードは何気なく読んでしまったが、将来ロシア皇帝を暗殺することを暗示しているという解説はなるほど。
    裁判は最後に何かどんでん返しがあるかと思ったがあっけなかった。 
    全体を通して似た...続きを読む
  • 地下室の手記
    ネガティブな人はきっと好きだと思う
    でも、社会不適合者じゃない大多数の人にこそ読んで欲しい

    安っぽい幸福と高められた苦悩と、どっちがいいか?
    ぼくらは死産児だ
    のところ、僕もずっとそんなことを考えていたんだ!って泣きそうになった。
    ずっと考えてた人に言えないモヤモヤを言い当ててくれたみたいな清々し...続きを読む
  • 虐げられた人びと
    何が好きかって、彼の作品のキャラは作者に踊らされていない
    それぞれの人の欲望や信念が丁寧に描かれている

    天才なんだなと思う。
    何故、女性の機微をここまで理解出来るのだろうか
    彼は時々、熱病そのものだったのではないかと勘繰ってしまう

    そしてドストエフスキーの作品における
    純粋無垢が故の悪漢
    中々に...続きを読む
  • 地下室の手記
    主人公に、まるで未来の自分が書いたような強い共感を感じた。肥大化したプライドで他者を見下し、同時に自己が矮小で卑劣な存在だと認識していながらも、それを変える為に前向きな、つまり現実と対峙することから逃げ続ける。高すぎる理想で、他人を嘲笑するが、それは自分自身にも適用される。

    自己嫌悪、自意識過剰、...続きを読む
  • 罪と罰 上
    初罪と罰は亀山訳だったが、こっちの江川訳の方がなんかしっくりくる感じがある。
    マルメラードフのどうしようもなさ、でも憎めなさ。
    ラズミーヒンいいやつすぎ。
  • カラマーゾフの兄弟〈3〉
    いろんな意味で衝撃でしたしミステリー小説の始まりみたいになっちゃってて、おや?私は世界的に有名な文学作品読んでるはずでは?と戸惑いました。

    始まりは不穏としか…これまで数々の奇跡が語られてきたゾシマ長老の棺から、腐臭が漏れだし、あっという間に噂になってしまう。反長老派や不信心者たちからは嘲笑われ...続きを読む
  • カラマーゾフの兄弟〈2〉
    ゾシマ長老がいよいよ最後の懺悔をし、聖体を受けたいと言う朝から始まる。

    アリョーシャはゾシマ長老から修道院を出るように言われているけれど、何故なのかというのがこの朝のパーイーシー神父からの言葉に現れていた。

    神父がアリョーシャにかけた言葉「さあ、お行きなさい、みなし児よ」って今思うと含みあるなぁ...続きを読む
  • カラマーゾフの兄弟〈4〉
    ミステリーの行方にドキドキしてるってのに、最初はコーリャとかいう自称社会主義者の14歳の少年とアリョーシャとのなんだかこれいる?っていうエピソードから始まります。が、これがとても良いのです。アリョーシャの修道院を出ても変わらぬ態度を堪能出来ましたから。

    そしてイワンとスメちゃんのやりとり。これこ...続きを読む
  • 罪と罰(上)
    人名がややこしい。
    主人公の妹アヴドーチャ・ロマーノヴナ・ラスコーリニコフは、愛称の「ドゥーニャ」以外に「ドゥーネチカ」「アヴドーチャ・ロマーノヴナ」と呼ばれる。
    登場人物全員がこんな調子なので「この名前は誰?」と混乱し、名前に気を取られている間にストーリーを忘れてしまいがち……
    おすすめは、ネット...続きを読む
  • 貧しき人々
    ロシアの文豪、ドストエフスキーの処女作。

    その日暮らしで貧乏から抜け出せない初老の小役人と、病弱で幸薄い生い立ちの少女による往復書簡…

    と、話しはこれだけなのですが、手紙という性質を意識しながら読み進めると、会話と違い、文章で語られる熱い言葉の勢いに、自然と引き込まれて行きます。典型的なのは、結...続きを読む
  • カラマーゾフの兄弟〈2〉
    難しい。「大審問官」に至るまで随分と時間がかかってしまった。
    でも、「大審問官」を読んだときには、自分の内側にあった問に対する答えのヒントがありそうで、とても惹きつけられた。
  • カラマーゾフの兄弟(下)
    ついに読み切ることができました!読みたいなと思いつつもなかなか手が出ていなかったけれども、読めて良かった。充実した読書時間を過ごせたし、ドストエフスキーの他の作品も読んでみたくなった。私の読書の世界が広がりそうな予感がして嬉しい。

    下巻では、庶民や大地を肯定するところが印象的だった。ノブレスオブリ...続きを読む
  • カラマーゾフの兄弟(上)
    やっと読み始めることができたのも束の間、なかなか読み進められない日々が続いたが、段々登場人物一人ひとりが魅力的に思え、読み進められた。

    特に印象的だったのは、誇りや卑劣かどうかを重視していること。これは中巻・下巻にも繋がる一つのポイントなのだと思う。誠実でありたいという登場人物たちの思いがこういっ...続きを読む