ドストエフスキーのレビュー一覧

  • カラマーゾフの兄弟〈1〉
    NHKの100分で名著を見て、再読。前回、新潮文庫で読んだときに比べて、何か、エネルギーを感じる翻訳で、ワクワクしながら読んでいる。
  • 地下室の手記
    暗く、ジメジメした穴ぐらから溢れ出る呪詛。
    ポジティブを全て向こうに回し、己の駄目さ加減を棚に上げて捏ねくり回される自己肯定。
    でもなんか途中から、なんか自分のこと言われてる‥と感じたり。
    妙にハマった。
  • カラマーゾフの兄弟〈5〉エピローグ別巻
    遂に!完読!

    こうしてみると、いかに考え抜かれた構成か、練り上げられたキャラクターか、重なる層か、に感嘆するほかない。
    そして、書かれなかったもう1つの物語の存在感。読みたかったもう1つの物語。それがあるから、これが更に際立つ。

    亀山郁夫の渾身の解題が圧巻!
  • カラマーゾフの兄弟(1)
    (今はまだ読んでいる段階ですが)

    面白すぎる


    (読み終えました)

    びっくりしました。こんなに面白い本があろうとは。
    漫画という手法の無限の可能性にも触れることができた気がします。

    RGPのようにのめり込む要素があって、すぐに読み切ることが出来ました。心の中の苦悩や葛藤が、一気に外に漏れだす...続きを読む
  • 賭博者
    長らく積んでた「賭博者」やっと読みました。ドストエフスキーにしては短い物語で登場人物達の関係もそれほど混み入ったものではなく、読みやすい部類です。でも描かれる物語はドストエフスキー特有の圧倒的な熱量を有しており、凄まじい。人々の金銭欲と愛憎の渦、賭博場の熱狂……人間の持つ欲を剥き出しに描写する。賭博...続きを読む
  • 地下室の手記
    肥大する自己意識。ちっぽけであると分かっていると同時に、どこか偉大であると信じている自己の存在意義。結局、極悪にも、善良にもなりきれずに世界を恨む。人間の普遍的な自己意識と世界との関わりの間で揺れ動く悩みは時代や場所が変わっても色褪せずに多くの人々の心に問いかけ、また、慰めてくれている。
  • 死の家の記録
    読むのは3回目。今回始めてこの作品の重要さに気づいた。ドストエフスキーは獄中体験からその後の創作のインスピレーションを得ていたのだと思う。たとえばキャラクター。彼の作品に登場するキャラの多くは、おそらく獄中にいた囚人をモデルにしている。…という発見に興奮していたものの、訳者解説に同じことが指摘してあ...続きを読む
  • 罪と罰 2
    いよいよ、本巻ではラスコーリニコフが追い詰められていきます。本巻でのメインイベントは妹アヴドーチヤの婚約者である成金弁護士のルージンとの対決、ラスコーリニコフと娼婦のソーニャの密会、そしてラスコーリニコフと予審判事ポルフィーリィーとの2度の対決と盛り沢山。

    まずは、ルージンですね。彼の人間性自体が...続きを読む
  • カラマーゾフの兄弟〈5〉エピローグ別巻
    今までの人生で沢山の本に出会ってきたが、カラマーゾフの兄弟ほど強烈な印象を私に与えた本はない。登場人物の誰もが凄まじい個性をもっていることが、その所以だろう。そして、彼らの多くは、宗教、父殺し等の重い内容をまくし立てるかのこどく、ハイテンションで話す。時には数十ページにも彼らの会話は及ぶため、終始、...続きを読む
  • カラマーゾフの兄弟〈4〉
    ついに4巻終わった!引き続き、精神病、読んでいる方が精神を病んできそうなハイな発言、信仰やロシア的なものについての見解批判…となかなか難しい議論が続く。いやほんとうにロシア人というのは、あの固い感じのするロシア語で侃侃諤諤とこういう議論をしているのか、ロシア語を理解して聞いてみたいなあと思った。米原...続きを読む
  • カラマーゾフの兄弟〈4〉
    19世紀にこの小説が完成しているというのがすごいと思った。同じ人物が作り上げたと思えないほど多彩なキャラクターが様々な哲学を持っており、作者自身が事件の目撃者として登場しているのも面白いし、物語がリアルに感じられる。 社会制度、基本的人権、宗教、科学、司法制度、家族愛、教育、心理描写など、テーマも多...続きを読む
  • 貧しき人々
    ロシアの文豪、ドフトエフスキーの処女作。
    貧しい47歳の小役人と同じく貧しい10代後半の少女との文通形式の小説。
    この小説が書かれたのは1846年ということは日本で言えば江戸時代の後期ということになる。
    江戸時代に書かれた小説の登場人物の心情がこれほど豊かに描写されているということを今の時代に普通に...続きを読む
  • 地下室の手記
    自意識過剰と書いているけど、実際は人の悪意を正面から受け止め過ぎた悲しい主人公だと思いました。人間は脳髄で考えているのではなく手足からつま先に至るまで、それぞれ別々に考えている。頭も尻もない下等動物の連中が暑い寒いを正確に判断したり、喰い物の選り好みをするのはまだしも、人間の脳髄なんぞが寄っても附け...続きを読む
  • カラマーゾフの兄弟〈3〉
    やっと3巻まできて話の流れを掴めた。それにしても、ロシア人というのは話している途中でこんなにも激昂したり、ヒステリックになったりする人たちなのか?近年はプーチン大統領のイメージが強すぎるのと、身近にロシア人の知り合いがいないために想像がつかないが、どうにも主人公達の感情の上下についていけない場面が多...続きを読む
  • カラマーゾフの兄弟〈2〉
    イワンとアリョーシャの会話が難しくて頭に入らず、なかなか読むのが苦痛な巻だった。読み方のおススメとしては、とりあえず本編を頑張って読んだ後に亀山さんの後書きを読むこと。普段、後書きや解説は読まないクセがあり、さらにこの長編を読んだ後では早く本を閉じたいと思っていた。だが、後書きで噛み砕いて当時の貨幣...続きを読む
  • カラマーゾフの兄弟(中)
    誰が父親を殺したのか?スピードが上がってきた!個人的には、ミーチャには隠し事してほしくないけど、でもついうっかり事実に反することを口走った、みたいたのはありそう(笑)3000ルーブルのトリックには驚いた。そして、グルーシェニカを最後に振り向かせた熱意とタイミングはすごいな、と。散財っぷりも気持ちよい...続きを読む
  • カラマーゾフの兄弟〈4〉
    途中、次男の幻覚のところで、また薀蓄に走りそうな気配を感じ、止めてくれ~と思ったけど、すぐに終わってひと安心。いよいよ明かされる真相に、意外にもミステリ的ドキドキをかなり感じられたりして、概ね満足度は高かった。中でも最終章、特に弁護側の反論は個人的に出色で、細かく見ればありきたりの論証なんかもしらん...続きを読む
  • カラマーゾフの兄弟〈3〉
    4部構成の3部、転に当たる本巻。いよいよ殺人事件が起こってしまい、カラマーゾフ家に激震が走る物語展開。あえて経時的配列を取らず、多少の時間的前後をもって描かれる見せ方が絶妙で、さすがに世界観に引き込まれる。更に良いことに、これまでの1部や2部で繰り返された、宗教観などをめぐる論争みたいなのが今回は無...続きを読む
  • 罪と罰 3
    殺人を犯した罪もその罰の意味も分かっていなかったラスコーリニコフがエピローグでようやっとその意味を理解する、そこに至るまで本当に長かったですが読んで良かったと思えました。
  • 罪と罰 1
     カラマーゾフより全然読みやすいし面白く感じる。
     今のところラスコーリニコフは感情に振り回される愚かな犯罪者という印象。これから彼の罪の背景が次第にわかってくるのが楽しみ。