ドストエフスキーのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
第1巻前半は登場人物の前史のような話でつまらない。
カラマーゾフ兄弟に絡む二人の女性が登場してそのあとは俄然面白くなる。これほどプロットのある長編とは思わなかった。事前の想像より面白い。
未読の方は、世界屈指の評価を受ける小説がどんなものか、読んでみることをお勧めする。
この古典新訳文庫の5巻目は訳者亀山氏の解説が長い。
小説部分(エピローグ)が60頁、訳者解説等が300頁ほど。
エピローグは4巻に含め、5巻は解説書として販売した方が読者に親切だった。
ちなみに解説中の「ドフトエフスキーの生涯」100頁程は未読。
解題(200頁程)は、批判的に読んだ。
この作品のどこが・なぜ、過去から現在まで世界中で高く評価されているのかをまず簡潔に説明してくれた方がわかりやすい。 -
Posted by ブクログ
訳者あとがきにあるように、一読してある種の熱気や漠とした不安を感じたら、二度でも三度でも読み返せばよい。それに耐えうる読み応えを持つ作品である。
難解な作品であることは間違いない。一つには、帝政末期ロシアの社会事情に我々の馴染みがないこと、もう一つは主人公ラスコーリニコフがインテリの半狂人ともいうべき心性の持ち主であること、三つ目は凝りに凝った文体が千ページ超のボリュームで展開すること。
だが凄まじい熱気と激情だけは一読しただけでも感じとることはできるだろう。なんだかよくわからないけど『罪と罰』を読破したってだけでも、ちょっと誇らしく感じることができるのではないだろうか。 -
Posted by ブクログ
先が、気になって気になって…仕事が手に付かない。とか言っている場合じゃ無いほど(私生活上も公の上でも)色々とあって、第3巻を読むのに少しばかり時間が掛かったけれど。
ドストエフスキーの『罪と罰』を1回読み終えました‼︎
今回は光文社版の亀山郁夫さんの訳したものを読みました。
最初は新潮社版の工藤精一郎さんから読み始めたものの、1巻目の数十ページを読み進めた時点でこちらに変更して読み直し。
「100分で名著」で『カラマーゾフの兄弟』の解説をなさっていたのを観てその熱意を目の当たりにしていたことや、光文社古典新訳文庫が行間を広くしたり文字を大きくしたりしていて、老眼には読み易かったし、言葉遣いも堅苦し過ぎなくて良さそうに見えたから。
大した理由では無かったのですが、この最高の長編小説を最後まで読み続けさせて貰えたのは訳者の亀山先生のお力も大きかったものと思います。
もちろん、再読の際には工藤先生の翻訳された背筋が伸びるような新潮社版や江川卓さんの岩波文庫版など、他の日本語訳も是非読みたいと思っております。
ラスコーリニコフはどうなるのか?ドゥーニャやソーニャは。周囲に現れてきた怪しい?人物達がどう関わって行くのか。第5部、第6部…そしてエピローグへ。
ストーリーを追うのだけで必死で、時々現れる何のために語られているのか?この場面はなぜ?とかは不思議に思うまま通り過ぎてしまった。
これでは『要約だけ読んで読んだつもりになった人』と大差ないのでは無いか…とも思うが、隅々までしっかりと読んだ自信は大きい。
感想とか読後感などと偉そうなことをまだまだ書ける段階には無いのですが、この本を読破したことで『まだどんな小説でも読めるのでは』という希望が湧いて来ました。どんどん読んで行きたい。
この後は"謎とき『罪と罰』"という岩波文庫版を訳している江川卓さんの有名な解説書を読みながら、続けてドストエフスキー?それとも別の名著の世界へ旅をしてみる?
楽しく迷いながら考えています。
名著と言われるだけで、教科書的なものへの反抗心がムズムズと湧いていたけれど、世界の多くの人々が長い間「良い」と言い続けて来たものは、やはり本当に『良い』ものでした。 -
Posted by ブクログ
学生の頃に途中で諦めてしまったが、社会人になってから再度読み直した。
学生の頃は理屈家だったので、大審問官の章が説明になっていないじゃないかとイライラしてたんだけど…
社会人になった今、
・この世は愛している/愛していないの二元論では無く、不完全な愛というものが存在すること
・理性では人間の倫理に触れられない。その役割を担うのは唯一宗教であり、信仰である、ということ
がかなりジワジワと実感できるようになってきた。
明瞭な理屈無しに他者を抱擁できる宗教は偉大すぎるなと
ただ、人間の倫理は誰が作るべきか、という問いは依然として自分の中に残っている。
ドストエフスキーは人間の理性を信じず、神を信じている。ただそれはか弱い人間にとっては救いになる一方で、多くの人間の自立を妨げているように思う。
ニーチェ程では無くても、せめてカミュくらいの温度感で人間の理性で倫理を形造り突き進む風潮の方が、活気ある社会になりそう。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ総ページ1489ページ (読書ガイド含む)を超える超大作でこんなページ数初めて読んだ。長い人名、多くの登場人物に戸惑いながらも読書ガイド、付属の人名しおりのおかげでなんとか読み切ることができた。22日程度かかった…ラスコーリニコフが老女殺しに至った経緯、思想をようやく知ることができた。結局自分を何らか特別な力を持つ者と勘違いしてしまった青春小説なのかもしれない (怒られそう)。前二巻に比べ第三巻は場面展開が激しくどんどん読むことができた。中弛みしなかった。ポルフィーリーとラスコーリニコフのバトルは手に汗握るほど熱が伝わってきた。面白かった。スヴィドリガイロフの神出鬼没さが更なるスパイスとなっていた。最後の直前まで暗鬱な展開だったため、このまま物語が終わってしまうのかと思ったら、救済が訪れ最後の部分を読んだ時鳥肌がたった。素晴らしい。裏切られた。訳者あとがきにあるようにドストエフスキーは「一世紀先であろうと二世紀先であろうと、人間の生活の営みは根本において不変であり、常に同じ問題で苦しみ悩み続けることを知っていた作家」と書かれていたが、その通りだとおもう。150年近く前に書かれた作品とは思えないほど登場人物の悩みが切実だった。私の好きな作家太宰治、三島由紀夫、夏目漱石についても同様のことが言える。素晴らしい表現。
ずっと読みたかった作品であったために読み終わり達成感がすごい。そのページ数で物語の細部まで表現されており、ドストエフスキーの小説をVR体験と称したツイートを見たがやっとその意味が理解できた。面白かった。
最後に自分の貧弱な読解力では理解できなかった部分をまとめる。
・ラスコーリニコフはソーニャへの愛で再生できたが、家族(ドゥーニャ、プリヘーリヤ)への愛との差は何か。
・物語を通して伝えたいメッセージは愛がなければ罪は償えないということか?そんな単純なものではないと思っている。
・ソーニャは踏み越えた→家族のため自分の尊厳を捨てることができたという解釈で合っているのか。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ面白かったし心を動かされた。これがデビュー作とのことだが、もう完全に仕上がっている!という印象だった。
若い女性と中年男性の文通というだけなのに、飽きることなくふたりのやり取りを楽しめた。慎み深く、多くを望まず、教養を感じさせるワルワーラの文体が好みだ。
それとは対照的に、刹那に感情的に生きている雰囲気のマカールだが、ページが進むにつれだんだん整った文章になっていく。この変化や成長を見ていると、技巧的に書かれた小説だということがわかってくる。
長い手紙での交流は、友人の枠を超えたものに感じられた。ワルワーラの結婚が決まってからの文章は、なぜだか胸に迫るものがあり涙してしまった。こんなに別れを悲しんでいるふたりの感情は、手紙でしきりにふたりが言う通りに、愛なのだろう。貧乏で明日もどうなるかわからない中、尊重し合える者同士の唯一の心の支えだったのかな。