ドストエフスキーのレビュー一覧

  • 地下室の手記
    ■憎悪、偏愛、嫌悪、復讐、執念、侮蔑、屈辱、恥辱、虚栄、悔恨、演技、腐敗、自虐、臆病、傲慢、苦悩、エゴイズム…病的なおもしろさ■


    「僕にとって愛するとは、暴君のように振る舞い、精神的に優位を確保することの同義語だからだ」

    手記の著者である主人公は、自身で認めるとおり、虚栄心の塊みたいな男である...続きを読む
  • カラマーゾフの兄弟〈5〉エピローグ別巻
    何度も挫折し、何年か越しに完読
    これ程までに壮大な物語だったのか…
    今までに味わったことのない充実感と処理しきれないざわざわとした気持ち
    ドストエフスキーの頭の中に描かれていたその後の物語とはどのようなものだったのだろうか

    この本を超える本には、今後出会えないかもしれない 圧巻の一冊

    最後に
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  • 貧しき人々
    初めてドストエフスキー作品を読むにあたって、とりあえずページ数も少ないデビュー作を選びました。

    正直、度肝を抜かれました。
    デビュー作にして、人生のあらゆる智慧と苦悩が散りばめられています。

    登場人物による往復書簡のやり取りは見ていて微笑ましいものから悲痛なものまで実に多彩でした。


    この15...続きを読む
  • 罪と罰 3
    初のロシア文学。やはり世界に名だたる最高文学だけあって読み応えが半端じゃなかった。困窮した生活や屈折した感情が起爆剤となり殺しに手を出してしまう主人公。時間が経てば経つほど罪の意識が重圧となり正常な状態ではいられなくなっていく。個性激しい数多くの登場人物との交際を通じて変転しゆく精神の有り様。しかし...続きを読む
  • カラマーゾフの兄弟〈4〉
    しんどすぎたけど、達成感がすごい。ちなみに5巻のエピローグも読んだ。
    再生される映像がモノクロだった。
    宗教、哲学、近代思想、サスペンス、恋愛、家族愛、兄弟愛、友情など一つのジャンルに絞れない。
    不朽の名作を読むことができて嬉しい。いい経験になった。
    暇な大学生は良い春休みの幕開けをした!
  • 罪と罰(上)
    自分が生きてきた中で、一番、人を殺した時と近い気持ちになれた。
    登場人物の会話が、少し大袈裟で好き。
    下も楽しみです。
  • 罪と罰(上)
    主人公の犯罪に対する哲学が好き。主人公が罪を犯すことによって彼の理論によって築き上げられた意志と人間性に潜む良心とがせめぎ合い、精神が崩壊していく様が徹底的に描かれている。
  • 虐げられた人びと
    軽薄純情な青年アリョーシャと清純ヒステリックなナターシャの恋物語を中心とした人間ドラマ。冒頭から出てくる老人と犬(アゾルカ)がけっこう重要な役回りだったり、ネリーの意外な素性だったりと構成が巧みなように思う。語り手がドストエフスキー的な人物(デビュー作は当たってその後はうまくいっていない状態)という...続きを読む
  • 賭博者
    ルーレット賭博の魅力に取り憑かれ、泥沼に嵌まっていく人たち。賭博そのものよりも、賭博に取り憑かれる心理を通じて「人間」を描く。本作からも、「全てを平準化する力としての金の威力」という、ドストエフスキーの一貫したテーマの一つを強く感じとることができる。またギャンブルに対する関わり方や、金銭的な感覚を通...続きを読む
  • カラマーゾフの兄弟(下)
    続編がある予定だったことを解説で知った。その後が気になるのであったら読んだだろうけど、なくても全く問題ないほど完成された作品だと思う。イワンが好きだな。アリョーシャは今後の成長が楽しみだし、ミーチャはなぜか憎めない。それにしてもカラマーゾフの兄弟というタイトル、ぴったりで良い。
  • 死の家の記録
    ドストエフスキーが実際にシベリア流刑に処されたときの体験を元に書かれたのが本書らしい。
    シベリアでの囚人たちの生活が見事に書かれていてとても興味深かった。
    やはり人間観察がうまい。
    自分がどんな立場で、誰に愛され尊敬されているのか、誰に憎まれ嫌われているのかなどもしっかりと把握していたようだ。

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  • 罪と罰 1
    □星5
    岩波文庫と比較して、まず言葉遣いが現代寄りであるため、内容に入れる点で古典新訳の優位性が個人的に凄く魅力的に映った。

    □内容・感想
    正直、岩波文庫の上までは読んで、放置して古典新訳でちゃんと読もう!と思って読んでいたので大筋は知っていた。
    ラスコーリニコフの狂気と人間味が混じる描写は、サ...続きを読む
  • 死の家の記録
    ドストエフスキーが四年に渡る獄中生活を元に書いたルポタージュ。架空の人物による手記の体裁だが恐らく作者の体験した事と思われる。あらゆる囚人との出会いが文豪の糧になったのは間違いなく登場してくる囚人達のリアリティは凄い。個人的には妻殺しのエピソードと犬や山羊の話が印象的。少佐の末路などは時代を超えた教...続きを読む
  • カラマーゾフの兄弟(中)
    物語が一気に進む。
    二つの死と三兄弟の人生の変わり目が見応えだった。
    上巻と同じで非常に読みやすかったし、分かりやすかった。
    早く下巻を読もう。
  • カラマーゾフの兄弟(上)
    自分はカラマーゾフの兄弟を読むのが2回目である。
    最初は少し話題に上がった、光文社版である。
    読みやすい新訳と評判だったのである。
    非常に楽しめたはずなのだが、よく分からない部分も多々あった。
    そこで、ネット上でこちらの新潮版の方が良いという評判が多々あったので、読む事にした。
    上巻を読んだ限り確か...続きを読む
  • カラマーゾフの兄弟〈1〉
    空想での人間愛と現実での隣人への憎み、この相反する感情に気づき自己嫌悪する貴婦人に対して、
    ゾシマ長老が「わかっていればよいのです。それは貴方がそれだけ自分と向き合った証です」
  • 地下室の手記
    大学時代、とある論文を評価してくださった教授から本書をいただいた。
    全編を通して重くて暗いが、
    1人の男の独白の中に実存の重みを確かに感じた。
  • 白夜/おかしな人間の夢
    白夜: とある内気で空想家な青年が、橋で泣いている少女に出会う。彼はすぐに彼女を愛するが、彼女には一年前に別れ、再開を誓った人がいて、その人が現れないがために泣いていたのであった。
    恋の初々しさを感じるストーリー。

    おかしな人間の夢: 自殺をしようとしていた男が、夢で別世界へ行き、互いに愛し合い真...続きを読む
  • 罪と罰 3

    最後の一文で鳥肌が立ってしまった。

    なんか、気のせいか分からないけど、3巻だけ一気にいろんな感情が押し寄せる。1巻2巻は、ラスコーリニコフの陰鬱とした心の中での戦いがメインだったのに、3巻に入ると今まで出てきた人達が伏線を回収するかのように一気に押し寄せる。

    ラスコーリニコフの弱さ、独白のシー...続きを読む
  • カラマーゾフの兄弟(上)
    [ヨハネによる福音書の引用]よくよくあなた型に言っておく。一粒の麦が地に落ちて死ななければ、それはただ一粒のままである。しかし、もし死んだなら、豊かに身を結ぶようになる。

    [始]作者の言葉
    わが主人公、アレクセイ・フョードロヴィチ・カラマーゾフの伝記を書き起こすのにあたって、わたしはいささかとまど...続きを読む