ドストエフスキーのレビュー一覧

  • 罪と罰 3
    『罪と罰』に関して備忘録的に箇条書きで残すこととする。

    ・この小説にはモデルとなったゲラシム・チストフ事件というものがある。

    ・主人公ロジオーン・ロマーノヴィチ・ラスコーリニコフ(POIMOH POMaHOBHY PACKONBHMKOB)は頭文字がPに揃えられており、3つのPを反転させると66...続きを読む
  • 罪と罰 1
    ラスコーリニコフの慢性的な憂鬱感が作品を通して感じられ、現在は大学生でもなく、貧乏で何者でもないという立ち場の危うさと闘っているのが妙に生々しい。

    『カラマーゾフの兄弟』が長編であり、ドストエフスキーの作品は「難解」で「文学上級者向け」というイメージがあったため、現段階でかなり読みやすく、楽しめて...続きを読む
  • 罪と罰 2
     1を読んだときもそうだったが、物語の流れはわかっても、登場人物の心境や意図はガイドがないと自分にはまだ難易度高いなと思う。だけど色んな人が出てきてたくさん展開があっておもしろいとは感じるし、当時の農奴解放や貧困、"生きる"だけの日々はひしひしと伝わってくる。
     
     頭が冴えている朝読書におすすめの...続きを読む
  • 罪と罰 1
     旧訳版を古本屋で見つけて読んでいたのだけど、上巻の終盤になって自分が話をまったく整理できてないことに気づいてよくわからなくなってしまったので、新訳版を買い直した。

     旧訳は上下巻だけど新訳は3巻に分かれていて、最近の「100分で名著」のアンコール放送で、同じくドストエフスキー著の『カラマーゾフの...続きを読む
  • カラマーゾフの兄弟(上)
    大審問官の章を何度も読んだ。
    目からウロコ。
    なぜ神はパンを与えなかったのか。
    世の問題は本当にこれに尽きる
  • 地下室の手記
    「 たまたま何かのきっかけで勇気をふるうことがあったとしても、そんなことでいい気になったり、感激したりしないがいい。どうせほかのことで弱気を出すにきまっているのだから。」

    「 だれかに権力をふるい、暴君然と振る舞うことなしには、ぼくが生きていけない人間だということもある……」

    「 安っぽい幸福と...続きを読む
  • 罪と罰(上)
    ドストエフスキーの後期五大作品のひとつ目の作品で、四十歳台半ばで書かれたらしい。言わずと知れた名作だけどこれまで漫画でしか読んだことがなかった。漫画ではさらっと流されているシーンにも、かける熱量が違う。迫力が違う。さすがドストエフスキーだと思った。

    主人公・元大学生ラスコーリニコフは極貧にあえぎ、...続きを読む
  • カラマーゾフの兄弟(下)
    徹夜で読む気なんてなかったのに、読み終えて時計を見たら早朝だった。これが偉大な古典文学マジックか…

    この話は2〜3回は読んでるはずなのに、イリューシャのお葬式で、アリョーシャがイワンの死を予感してる台詞に今回はじめて気づいた…あの意地っ張りな天邪鬼は死んじゃうの?

    ドミートリーは流刑の判決に従う...続きを読む
  • カラマーゾフの兄弟(中)
    フョードルの好色さと似通った性質を父が持っていて辛い。
    ドミートリーがあれほど父親を嫌悪するのは、結局のところ自分が父親と似ていることを心のどこかで自覚しているからじゃないのか…この二人からは、自分を大切にしようとしない人間を見たときの不愉快な印象をいつも受ける。

    ゾシマ長老の説教は、この物語の中...続きを読む
  • カラマーゾフの兄弟(上)
    この訳で読んだから気付いたのか、3回以上読んだはずなので気付いたのかわからないけど、今回読み通して初めて、アリョーシャはそれほど気楽で浮世離れした青年ではなく、周りの人間に振り回され気味の苦労性な青年だとわかるようになった。
  • 白夜
    白夜の闇は深い。

    出会いは、
    濃霧に抱かれたような夜。
    彼女とある約束を。

    饒舌な会話劇が白夜の幕開けか。

    日本の近代文学の奔流を想起する
    硬質な文体と憫然な恋慕。

    そう云えば、
    彼は友人も身寄りもない独り身だったな。

    彼の闇も深い。
  • カラマーゾフの兄弟〈5〉エピローグ別巻
    なんて膨大な知識と緻密な構想で作られた小説なのだろう

    19刷を読んだのですが、誤植の多さが気になりました。
  • カラマーゾフの兄弟(下)
    言葉は偉大だ。発する事で他者に想いを述べられる。逆に発しない事で魂の矜持を誇示できる。貴方にだけは届く。それだけを信じて苛烈な運命に立ち向かい、狂い、絶叫し、胸を張る誇り高き人生達が、私の胸を掻きむしった。強く生きようと誓った。
  • カラマーゾフの兄弟(中)
    遂に待ち望んだ《物語の加速》が!欲と高潔にまみれた三兄弟の運命の歯車が廻転し始める。これは狂気なのか、それとも狂気の衣を纏った悲劇なのか。それにしても、長男ミーチャの超合金的自意識の硬さは目を見張る。飲み込まれそう。
  • カラマーゾフの兄弟〈1〉
    学生の頃に手をつけた時は、よく分からなくて一巻も読み切らなかった。改めて読んでみたら、場面をイメージできるという意味で読みやすく、先が気になって全巻読むことになった。とくに4巻が面白かった。5巻のエピローグは、これでもう終わってしまったのかと、第二の小説が執筆されなかったことが残念に思った。イワンと...続きを読む
  • 貧しき人々
    手紙は嘘をつく。意図的じゃなくても、相手に伝えたい想いを文章にのせるとき、真実以上の何かを加えたり、逆に落としたりしてしまう。それが書かれている内容よりずっと多くの真実を、読み手の心に浮かび上がらせて、胸が詰まるほどの感情でいっぱいにしてしまう。ドストエフスキーは読者の行間を読む力と共感力を信じてい...続きを読む
  • 白夜
    『夢想家の妄想が生み出した純愛失恋物語』

    孤独な夢想家の青年。祖母の束縛から逃れられない娘。偶然の出会いから純愛へと発展し、白夜の下で交わされる二人の会話。どこまでが妄想で、どこまでが現実なのか?甘く切ない恋物語かと思いきや…!?
  • 罪と罰(上)
    めっちゃ面白かった。「老婆を殺した主人公が罪の意識に苛まれる話」だと聞いていたので、序盤に老婆が死んだ時には「あちぁ〜もう死んじゃうのか、今後一体どう展開するんだ?」と思ったが、いや面白い。人物の内面とか情景、寝ている間にみた夢などの深層心理を見せる描写に加えて、会話や個性的な登場人物の見せ場も置い...続きを読む
  • 罪と罰 1
     あの時代のロシアの社会が違うのか、ラスコーリニコフやソーニャが違うのか。ドストエフスキーが変なのか。俺の人生観が狭いのか。本を読み進めるたびに異様な世界に入らなければならなかった。
     でも、“腐っても鯛”。へんな例えで申し訳ないけど、とんでもない登場人物たちは見事にロシア社会を描いているし、想像さ...続きを読む
  • 罪と罰 1
     翻訳を変え、これにて三読目。新潮文庫、旺文社文庫はいずれも全2巻だったはず。光文社古典新訳文庫では全3巻。文字が大きいせいだろう。
     親友ラズミーヒンが出てくると物語を覆う暗雲が切れ、晴れ間が覗く。女中のナスターシャを初め、世話焼きが多い。ラスコーリニコフには放っておけない魅力があるのか。
     巻末...続きを読む