ドストエフスキーのレビュー一覧

  • 罪と罰(下)

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    展開がドラマチックでハラハラ。
    昔なぜ挫折したのかと思うくらい読みやすかった。

    前半のマルメラードフ一家の悲惨なほどの貧しさと出口のない不幸さ。死を持ってしてやっと解放される苦しみが延々と続き、本当に哀れで哀れで…。
    同じ貧しさでもラスコーリニコフの貧しさとはまたレベルが違うのだが、ラスコーリニコフは一線を超えてしまう。その描写が凄まじくリアリティがあり、何でこんなに殺人者の解像度高いわけ?と本当にしんどくなってしまう。
    ラスコーリニコフの魂の救済はいつ訪れるのか、と思う一方で、彼の異様なまでの潔癖さ、信念の強さ、頑固さを見るにつけ、簡単に自白したり心を入れ替えるような奴ならこんな事件起こす

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    2025年01月25日
  • 未成年1

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    ドストエフスキーの小説に出てくる人ってコミュ障多くない?って言ったらコミュ障多すぎるしコミュ障じゃない人はモブキャラって言われて超ワロタ

    1846年『貧しき人びと』
    1848年『白夜』
    1860年『死の家の記録』
    1861年『虐げられた人びと』
    1864年『地下室の手記』
    1866年『罪と罰』
    1866年『賭博者』
    1868年『白痴』
    1870年『永遠の夫』
    1871年『悪霊』
    1875年『未成年』
    1880年『カラマーゾフの兄弟』
    1881年連載していた『作家の日記』が絶筆となる

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    2025年01月17日
  • 貧しき人々

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    ネタバレ

    面白かったし心を動かされた。これがデビュー作とのことだが、もう完全に仕上がっている!という印象だった。
    若い女性と中年男性の文通というだけなのに、飽きることなくふたりのやり取りを楽しめた。慎み深く、多くを望まず、教養を感じさせるワルワーラの文体が好みだ。
    それとは対照的に、刹那に感情的に生きている雰囲気のマカールだが、ページが進むにつれだんだん整った文章になっていく。この変化や成長を見ていると、技巧的に書かれた小説だということがわかってくる。
    長い手紙での交流は、友人の枠を超えたものに感じられた。ワルワーラの結婚が決まってからの文章は、なぜだか胸に迫るものがあり涙してしまった。こんなに別れを悲

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    2025年01月14日
  • カラマーゾフの兄弟(上)

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    アリョーシャがマジ天使。
    苦悩の秀才イワンもカッコ良き。

    イワアリョ尊い...。BL小説として読む事も出来る。流石、ドスト大先生。全てのニーズに応えた小説と言える。

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    2024年12月29日
  • 地下室の手記

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    こじらせかまってちゃんな主人公のドタバタな日常は、読んでいて苦笑いさせられてしまいます。
    周りを一切幸せにしない生き方ってあるのですね。
    自分の中にも引きこもりたい願望はありますが、引きこもったとしても、他者への優しさは失いたくないです。
    現実的に将来自分が引きこもった時に、バイブルになるかもしれません。
    主人公自身が気に入っていた、屈辱と憎悪の効用に関する名文句が好きです。でも、リーザのように傷つけられた立場からしたら、加害者の不快な屁理屈にしか聞こえません。
    ひさびさのドストエフスキーは、やはりロシア的で衝撃でした。

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    2024年11月27日
  • 白夜/おかしな人間の夢

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    角川文庫版の『白夜』を読んだが、訳が若干難しかったのでこちらも。
    『罪と罰』からは想像もつかない幻想的な短編集。ドストエフスキーファンはもちろん、初ドストエフスキーにもピッタリ。

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    2024年11月15日
  • カラマーゾフの兄弟(上)

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    最後の盛り上がりがすごい。
    キリスト教の知識があるとすごい楽しめると思う!
    私は少ししかないけど、結構楽しめました。

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    2024年11月04日
  • 悪霊 1

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    ドストエフスキーの小説を読んでいると、よく登場してくる人種がいるけど、『悪霊』では特にニヒリストにスポットが当てられ、彼らの話がメインプロットになっている。スタヴローギンの告白を始め、検閲との戦いに終始したのがよく分かる。

    だからこそ、登場人物の微妙な仕草や、何を象徴しているのかよく分からない物の描写など、その曖昧さが作品を埋めているのだとも思いつつ、それを可能にするドストエフスキーの神がかり的な直観的なセンス、変態さ。他にこんな作品を描ける人はいるのか。

    第一部の、我らが敬愛するヴェルホヴェンスキー氏の恋バナは、正直長く感じたものの、圧巻の作品。

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    2024年11月01日
  • 罪と罰 下

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    殺人を犯した青年がある女性との出会いを通して
    罪を自白するまでの物語。巨匠の作品だけあって
    心理描写が細かく惹きつけられるように一気読み
    しました。

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    2024年10月24日
  • 死の家の記録

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    ネタバレ

    シベリア流刑の具体的な記載を読んだのは初めてだった。どんな場所だったのか、どんな人々が収監されていたのか、どんな生活がそこにあったのか、リアリティをもって知ることができた。
    何年もそこから出られないことが決まっている人たちとの極限の共同生活。意外に秩序が保たれていて、仲間としての意識も私の想像以上にあったようだ。かえって囚人同士に任せておいたほうがうまくいくこともあるのだ。
    たしかに重大な犯罪を犯した者たちばかりだけれど、彼らを人間として扱うことは最低限必要なことだと思った。それを教えてくれたのはシベリアの民衆だった。
    監獄で人間をとことん観察し、自らの経験をもとに考え抜いたからこそ書ける内容

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    2024年10月08日
  • 賭博者

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    ネタバレ

    遺産相続を当てにしていたおばあさんが、実はめちゃくちゃ元気で、ルーレットでお金を溶かしそうになって(最後にはしっかり溶かす)周りがハラハラするところが最高。おばあさんがもうすぐ死にそうという最初の印象が強いので、おばあさん登場のギャップがすごい。カラマーゾフの兄弟もそうだけど、ただの古典ではなくて、今読んでもエンタメとして十分楽しめるので、色んな国でオペラや映画に変換されているのも頷ける。
    最後のアレクセイのセリフ、「明日こそ、明日こそ、すべてに決着がつく!」、絶対またルーレットするんだろうな、、、ルーレットと、それによって得られる金が全ての問題を解決してくれると思っているし、なんなら勝ち負け

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    2024年09月22日
  • カラマーゾフの兄弟〈5〉エピローグ別巻

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    文学史上の最高傑作を読みたくて購読。
    長く、難解なため読むのに非常に時間がかかった。
    本作のテーマは、神は存在するかという点である。様々な場面で神の存在を信じる者と信じない者との対比が描かれており、その様子を楽しむことができた。
    私はカラマーゾフの兄弟以外にも『罪と罰』を読んだことがあるが、当時のロシアの様子、キリスト教的価値観の揺らぎを感じることができ、非常に面白い。
    全体的に理解できたとは言い難いが、各巻の後書きの解説を読みながら進めることで、理解が深まった気がする。その解説の中でも、カラマーゾフの兄弟は四楽章仕立ての交響曲的構成になっているという指摘は、フィナーレに向けて盛り上がる様子か

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    2024年09月18日
  • 罪と罰(下)

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    ネタバレ

    貧しい学生ラスコーリニコフが、金銭目的で高利貸しを殺害する。彼は罪悪感に苛まれ、精神的に苦悩する。
    道徳、自由、救い、愛と友情の描写や、ポリフィーリーとの緊張感のある対峙は、読み応えがある。

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    2024年09月08日
  • 罪と罰 中

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    同じ本を読み返すことがあまりない私だが、初めて訳者違いで読みたいと思った本。
    スヴィドリガイロフとのよくわからないやりとりも、ポルフィーリーとの攻防もおもしろい。
    アリョーシャ、完全にバレてる!と思った次の瞬間にはまだ大丈夫と思っていたり、不安定で忙しい。

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    2024年09月03日
  • カラマーゾフの兄弟〈5〉エピローグ別巻

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    とても、面白かった。
    でも振り返ってみると「大審問官」が全然理解できていなかったことがわかった。
    もう一度、キリスト教について学びなおし、読み返してみてこういうことが書いてあったのかと、やっと少し理解。
    ドストエフスキーの厳しいカトリック批判だなんて気が付きもしなかった

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    2024年08月19日
  • 未成年(上)

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    ドストエフスキーが描くロシアの混沌は、まだまだ未熟な「未成年」アルカージイを木っ端微塵に打ち砕くほど複雑怪奇なものでした。 ドストエフスキーのかつての理想郷「ヨーロッパ」の没落と、ロシアの混沌。 そんな八方ふさがりの悲惨な状況の中で何が人々を救いうるのか。それをドストエフスキーはこの作品で読者に問いかけます。 そしてこの作品で提出された問題はその後ますます熟成し最後の大作『カラマーゾフの兄弟』へと組み込まれていきます。 『未成年』は他の作品と比べると影が薄い作品となってしまっていますが、思想的な意味では非常に重要なものを含んだ作品です。

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    2024年08月14日
  • 悪霊(上)

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    この作品の持つ魔術的な力は計り知れません。 あくが強い人物たちが一つの舞台でぶつかり合い、自らの存在を主張し合います。 まさに「悪霊」に憑りつかれたごとく、悪役たちは巧妙にそして残酷に社会を混乱に陥れていきます。その過程があまりにリアルで、読んでいてお腹の辺りがグラグラ煮え立ってくるような感情が私の中に生まれてくるほどでした。 やがてそれは生きるか死ぬかの究極の思想対決へと進んで行き、一体これからどうなるのか、彼らの心の中で何が起こっているのかと一時も目が離せぬ展開となっていきます。 これは恐るべき作品です

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    2024年08月14日
  • 虐げられた人びと

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    私個人の感想ですがこの作品は一言で言えば、「歯がゆい!」に尽きます。 典型的な「いい人」、主人公のワーニャが幼馴染で才色兼備のナターシャに恋をしています。しかしナターシャはあろうことか典型的なダメ男に恋をし、家族まで捨てて破滅にまっしぐら。 ワーニャはそんなナターシャを見捨てられず、あれやこれやと世話をしたり、恋敵との取り持ちまでさせられる始末。 「いい人」の悲哀がこれでもかと描かれています。

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    2024年08月14日
  • 死の家の記録

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    この作品は心理探究の怪物であるドストエフスキーが、シベリアの監獄という極限状況の中、常人ならざる囚人たちと共に生活し、間近で彼らを観察した手記なのですから面白くないわけがありません。あのトルストイやツルゲーネフが絶賛するように、今作の情景描写はまるで映画を見ているかのようにリアルに、そして臨場感たっぷりで描かれています。
    この小説はドストエフスキー作品の中で『罪と罰』と並んでその入り口としておすすめな作品です。

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    2024年08月13日
  • 死の家の記録

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    新潮文庫の表紙が暗ぼったくて、また不穏なタイトルと相まって敬遠していましたが、全くの誤解。ドストエフスキーの4年間の投獄経験に基づく本作は、大変面白くて興味深い内容でした。

    本作は、ロシア生まれの地主貴族である主人公が、妻殺しの第二種流刑懲役囚として10年間の獄中生活を送り、出獄するまでの囚人たちとの共同生活を通して、驚きや苦痛の断片を書き連ねたルポルタージュです。

    当時のロシアの監獄では、足枷こそはめられていますが、大っぴらではないにしろ酒が手に入ったり、タバコが吸えてたりするのが意外でした。それらは、お金がものをいうのですが、やはり手先が器用な人は、どこに身を置いても強いですね。しかし

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    2024年08月11日