ドストエフスキーのレビュー一覧

  • 罪と罰(下)
    人名が長くて、ミドルネームも多くあるため、なかなかスムーズに話が頭に入ってこなかった。
    それでも人物相関図を確認しながら、読み進めた。

    複雑だからこそ奥行きの深い、読み応えのあるストーリーだった。ドストエフスキーの、作家として評価された理由が分かる気がした。

    農奴解放などで、人々の思想や価値観が...続きを読む
  • カラマーゾフの兄弟〈5〉エピローグ別巻
    読書として長い旅だった。数十年前は分からなかったことが少しはうなづけるようになり、ドストエフスキーの生涯と解題を読んでさらに理解が進んだ。
    キリスト教と社会主義、農奴解放後の混乱という19世紀のロシア特有の空気と、著者が実生活で持つ背景が作品に及ぼす強い影響。ミーチャ、イワン、アリョーシャという3兄...続きを読む
  • 地下室の手記
    俺は「平穏無事」を欲していたのだ。不慣れな「生きた生活」にすっかり押し潰されて、息をすることさえ、苦しくなってしまったのである。
  • 地下室の手記
    虚栄と自己正当化を極めたことで生まれる他者への敵意(そこはかとない同族嫌悪も感じる)、なのに湧き出る人恋しさ。極端ではあるけど、たぶん多数の人が通ったり留まったりしている心理状態だと思うんだよなあ。自分を顧みるきっかけにもなったし。書き手自身が鬱屈した自分を客観視して分析している描写もあるのが面白い...続きを読む
  • 罪と罰 1
    威勢のいい会話、特に気の良い(いい人すぎてつらい) ラズミーヒンの存在が思いのほかこの作品を明るくしていて、個人的には「カラマーゾフの兄弟」よりも大分好き。犯罪前、現場、事後の嫌な感じをずっしりと追体験できる点で、無茶なことに走りかねないような状況に陥った人にぜひ読んでほしい。
  • カラマーゾフの兄弟(下)
    盛りだくさんだな。
    中盤以降になって、おや、これはミステリーでもあるな!と思い当たった。
    スメルジャコフはクリスティの「カーテン」を思い出す。

    もう少しドストエフスキーの作品を読んでみないとな。
  • 貧しき人々
    3.8
    斬新な方法で書かれてて1800年代にもうこう言う手法を思いついてたんだと思うと、本が今でも読まれてるのが不思議 その当時はこうでもしないと売れないみたいな感じではなかったんだろうけど、それでもファンタジーやフィクションってやはり有限のもので型を変えていかないと飽きられてしまうのもneedle...続きを読む
  • カラマーゾフの兄弟(中)
    ゾシマ長老の記録はまたぜひゆっくり読み返すとしても、何だって自ら破滅に向かうのだ、ドストエフスキーの登場人物は!
  • カラマーゾフの兄弟(上)
    今のところイワンいいやつというか筋が通っているというか理解できるというか愛すべき兄なんだけどもこの先どういうことになるのか。

    しかし、自分本位だったり、自ら破滅せずにはいられないっていう人を表すことをドストエフスキーは欲したのか、そういう人が実際いた、もしくは自身がそうだったのか、、、

    この時代...続きを読む
  • 罪と罰 1
    古典作品と呼ばれるものがどうして読み継がれているのか、この歳にしてようやくわかった気がした。
    ラスコーリニコフの苦悩、その時代に流行った思想を先鋭化しているという意味では、ロシアの帝政末期の人間しか持ち得ない苦悩なのかもしれない。けれど、普遍的な、簡単に言ってしまえば、自分という存在の価値を信じきれ...続きを読む
  • カラマーゾフの兄弟(下)
    カラマーゾフ家の悲劇。上・中・下巻からなる長めの小説だが、これでも本当は二部構成の内の第一部にすぎないらしい。

    この第一部では、カラマーゾフ兄弟が長男のミーチャとその父フョードルの間の、ある女性を巡る争いに焦点が当てられている。
    ミーチャは、この争いの最中に起きたフョードル殺害事件の被告人となって...続きを読む
  • カラマーゾフの兄弟〈1〉
    243ページ、第三編までは「何でこの人達は下らないことでこんなに熱くなって、こんなに醜悪なんだ?」しか頭に浮かばず、面白さを感じないまま苦行のように読んでいた。そのまま止めたって良かったけれど、その「何で」の先が知りたい気持ちになる、させる絶妙な会話運びと、冷ややかにも思えるほどの作者、ドストエフス...続きを読む
  • カラマーゾフの兄弟(上)
    分からない所をネットの解説を見たがら読んでたから、読み終わるのに15時間かかった。光文社古典新訳文庫版にしとけば良かったと後悔。
    色んな人が絶賛してる大審問官編は、自分の知識不足ではあるんだろうけど、拍子抜けだった。自由を与えられた人間が逆に困っちゃう的な話は結構ありがち。
    キリスト教を深く知ってれ...続きを読む
  • 白夜
    心やさしき孤独な夢想家青年の、恋と失恋の短編。名もなき主人公は惨めに描かれてはいるが、長い人生誰しもこのような時期はある。つらい苦しい結末にも良心を失わない主人公にほのかな安堵感を覚える愛すべき小品。
  • カラマーゾフの兄弟〈5〉エピローグ別巻
    読み終わった。この本は、何をテーマにしていたのだろう。多くのことが思い起こされるが、人生と同じく、一度は考え、悩むことがたくさん盛り込まれている。そこに、裁判という小説としてのエンターテイメントも加えられている感じがした。
    伝えたいのは、ドストエフスキーの思想。それをエンタメ作品にのせて吐き出した?...続きを読む
  • カラマーゾフの兄弟〈2〉
    ヒットワード連発の巻でした!
    「いかがなもんです、いかがなもんです!」
    “さくらんぼのジャム”
    「一粒の・・・」
    後はゾシマさんの話が染み入ります。
  • カラマーゾフの兄弟〈4〉
    ここまで読んできた内容が全て回収されて行く爽快さと、二転三転する展開のジレンマで、読む楽しさを味わえる4冊目だった。
    余りにも細かく、記憶の片隅にあった、今までの事柄も引っ張り出され、証言され、論告される。読み返したくなった。
  • 罪と罰 3
    太宰治もそうですが、世間が言うほど別にさほど暗くはない。
    大学の授業で「ドストエフスキーなんて読んでいる学生はこの中にいないと思いますが...」とか教授が言っているのを聞きながら読んでいました。
    翻訳本に不慣れなときに読んだため、当時大分骨を折って休み休み読みましたが、ラスコーリニコフの心理描写は面...続きを読む
  • 罪と罰(上)
    トロッコ問題。
    世の中の9割ぐらいは消費するのみである、言葉を選ばず言うならばバカで、1割は創造的。
    その1割が、全体にとって良い事を行う為ならば、犯罪を犯すことは許される、という論。
    愛称が日本人にとっては紛らわしいので整理が必要。翻訳なのもあってか、表現が難解というわけではない。
  • 賭博者
    デ・グリューとミスター・アストリーを同一人物だとずっと勘違いして読んでいた。最後の最下位ののシーンでなんかおかしくね?ってなって気づいたけど、ロシア文学はややこしい。

    自分はパチンコ位しか賭博をやった事がないからあまり詳しくないけど、負けた時のあのゾクゾク感は分かる。その瞬間、金を取り戻す事しか頭...続きを読む