ドストエフスキーのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ずっと読んでみたかった名作。めちゃくちゃ長くてめちゃくちゃ時間かかったけど読んで良かった!
あとがきにあった、四巻+エピローグという形式は交響曲の形式と似ているっていうのにすごく納得。
第一部がアレグロ・コンブリオ(速くいきいきと)。登場人物が多い割に、時系列や人物関係、キャラクターが分かりやすくまとめられていて、さほど苦労せずに読めた印象。カラマーゾフとは何たるかを知る場面。
第二部がアダージョ(ゆっくりと)。ここが長くて辛かった!あとがきにここで挫折する人が多いとあったけど、それも頷ける。神がかり的な力を持つゾシマ長老に傾倒する無垢な三男アリョーシャと、「神がいないことで全てが許される」と -
Posted by ブクログ
純愛小説。まだきわめて若い男女の、三角関係のような恋物語を描いた話。
彼や彼女たちと同じくらい若い方々に特にお薦めしたい。でも、この類の経験が比較的多いであろう年齢層の方々のほうが、内容は解りやすいかもしれない。
このような小説に書かれていることは、実際に似た経験をしてみなければわからないところがあるからだ。遠い昔の僕がそうだった。
『愛していれば、いつまでも侮辱されたことを覚えていられるものではありません』
僕に最も印象的だった言葉だ。こんな僕でも、ある異性に対して似た心地をいだいたことがあるから。
あの子も今もどこかで元気にしていればいいなと、柄でもないことを考えるのだった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ本書のタイトルは罪と罰だが、テーマとして「愛と許し」があげられる。
殺人を犯した主人公は、ソーニャの愛に触れることで自首へと至り、互いに愛し合っているこを自覚することで希望を見出す。愛されていると感じたからこそ、川へ身を投げることをやめることができた。
一方、スヴィドリガイロフについてだが、解説の中で、ニヒリズムの行き着く先の暗示として彼の自死が述べられている。彼もソーニャと心を通わす前の主人公と同じく、世の中を悲観的な目で見ているが、彼は主人公とは対照的な最期を迎える。彼はドゥーニャを愛していたが思い届かず、拳銃自殺を選ぶ。ニヒリズムが法的な罪ではないにせよ、悲惨な答えに行き着いてしまうこと -
Posted by ブクログ
まだ星はつけれない。だって上巻しか読んでないんだもの。
現時点での感想は、登場人物が多すぎる!ってことだね。なかなか読むの苦戦したもんです。
長男ドミートリィ、次男イワン、三男で主人公のアレクセイの中では、1番アレクセイが腹の底が見えない感じがありますね。
宗教的な物語なので、日本人としては感覚的に掴みづらい部分も多いのですが、価値観がほんとに違う感じが大変興味深いです。
大審問官はすごかった。
どうすごい、何がすごいってのはちょっと言葉にするだけの語彙力がなくて悔しいな。
とりま中、下も読みたい。読んだくる。めっちゃページ数多いけど。
はい、全部読み終えたので星つけました。下巻まで読むとこ -
Posted by ブクログ
ネタバレ酷い親を持った子の思想形成のパターン、として読んだ。
何を拠り所に生きていくか。
ドミートリーは純粋さと情熱、イワンは知性と思想、アリョーシャは敬虔さと素直さ、スメルジャコフは狡さ。
最後のアリョーシャの演説でふと涙が出てしまった。
「いいですか、これからの人生にとって何かすばらしい思い出、それも特に子供のころ、親の家にいるころに作られたすばらしい思い出以上に、尊く、力強く、健康で、ためになるものは何一つないのです。君たちは教育に関していろいろ話してもらうでしょうが、少年時代から大切に保たれた、何かそういう美しい神聖な思い出こそ、おそらく、最良の教育にほかならないのです。そういう思い出をたくさ -
Posted by ブクログ
ネタバレ書きたいことが山ほどあるので忘れないうちに箇条書きで残すことにする✒︎
・下巻の裁判のシーン、めちゃくちゃ面白かった。長々と書かれているけどスラスラと文字が入ってきて不思議に思うくらい。
・今の時代だったら杵の指紋から犯人を特定する形になるんだろうけど、まだ証拠を証拠として扱えない時代...。こういう結末を迎えた事件も多かったんだろうな。
・この長さになるとつい上巻の内容を忘れがちなんだけど、中下巻にもちゃんと全て関わってきていて感嘆した。マジでどうやって書いたんだろう。
・ミーチャの罪が確定するところや、無罪であっても有罪であっても罪を受け入れるシーン、各個人の良心の呵責を見ると、本質 -
Posted by ブクログ
都会で暮らす「私」は、育ての親である「おじ」が大変な状況に置かれていることを知り慌てて里帰りをする。
そこで出会う様々な人々に振り回される「私」と人がいい「おじ」との二日間を描くドタバタ笑劇
人を疑わず、学者を崇拝しがちなおじを好きなように操る、学者を名乗るフォマー。そのフォマーなしでは生きていけなくなっているおじの母である将軍夫人。この2人から叔父を助け出し、実家を平和にする話……かと思ってよんでいたので、まぁ、びっくり。そういう方向かぁ。これは喜劇だわ(笑)→
ドストエフスキー初期の作品らしいこちら、いい意味で勢いがあって、圧倒される。個性的なキャラクターがたくさん出てきて、なんか目が